葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round119!!
「…葵、あの子、あなたの知り合い?」
「…はい、一応、先輩つながりの知り合いです。あと、姫川さんは超能力者なんですよ」
ふーん、超能力者ねぇ…。
まあ、姉さんの魔術を嫌というほど味わってる身としては、どうってこと無いけど。
「あなたが来栖川綾香さんですね?」
はにかみながら右手を胸に当てて、姫川さんが訊いてくる。
「ええ、そうよ。私に何か御用かしら?」
「そうですか。では……あなたを滅殺です」
「……何ですって?」
メッサツ? メッコールのサツマイモ味とか言うオチじゃないでしょうね。
「姫川さん。あなた、私にケンカを売ってるのかしら?」
「くすくす…、そう取ってもらっても構いませんよ」
不敵に笑いながら、姫川さんは持っていたカバンの中から、一冊の本を取り出した。
あの本を武器にでも使う気かしら。
「葵、少し後ろに下がってなさい」
「は、はい。……気を付けて下さい、綾香さん」
葵を私から遠ざけると、全身の力を抜いて、不意の攻撃にも対処できるように体勢を整えた。
でも、姫川さんはただ、その本の表紙を私に見せて言った。
「この本が何かお分かりでしょうか?」
ピンク色が基調の表紙には、姫川さんらしき人物の絵が描かれている。
そして中央には横書きで、『ことねストリート』と書かれていた。
──続く──