葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round119!!
穏やかな春の日差しが心地良い放課後。
授業から解放された私は、浩之と葵が同好会の練習をしている神社へと向かっている。
寺女を出るときは、セバスはもちろん、知り合いの女生徒達にも見つからないように注意を払ってきた。
うっかり捕まった時、『好きな男に会いに行く』なんて言える訳も無いし、嘘を付くのも面倒だしね。
ま、神社はもう目の前だし、ここまで来れば大丈夫でしょう。
…あれ? いつもなら、この辺で聞こえてくるサンドバッグを叩く音や掛け声がしないわね。
練習場所が見える位置まで行ってみると、葵が一人でコアラのようにサンドバッグに抱きついていた。
「……葵、何してるの?」
「あっ…綾香さん。いえ…今日は先輩が来ないので、ちょっとだらけ気味で……」(ブラーン)
ちょっとどころか激しくだらけた様子で、葵が答える。
「えっ? 浩之、今日は来ないの? 何で?」
「なんか急に芹香先輩に呼ばれて、オカルト研に行くって言ってましたよ」
オカルト研…。姉さん、何かやる気ね。魔術関連か、はたまた浩之と…。
こうしちゃ、いられないわ。
「あー、そう言えば姉さんに用があるのを思い出したわ。じゃ、私もオカルト研に行ってみるね」
「え〜、綾香さんもですか? じゃあ、私も行きます。一人だと練習に身が入らないし…」
そういう訳で、私と葵はオカルト研の部室を目指し、神社を後にした。
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学校に辿り着き、部室棟へ向かう道中の人気の無いところで、一人の少女が現れた。
「私の名は姫川琴音。大人しい性格を与えられた、超先生の分身です」
「…………」
「…………」
あまりに予測不可能な超展開に、私と葵は絶句した。
──続く──