葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round114!!
観鈴ちゃんのねたとちょっと重なったかも…
『飛行機に乗ろう!』
「結構大きいんですね」
茜はその機体をみて大きく溜息をつく。
今日はふたりで卒業旅行へ。
行き先は北海道、定番といえば定番だけど、
あたしも茜もはじめての北海道、とても楽しみだった。
荷物を棚に入れてあたしたちは席に座る。
出発までの時間、茜とガイドブックを見ながらこれから訪れる街を心に描いていた。
やがて、出発のアナウンスと共にゆっくり機体は動き出す。
あたしはぼぉっと本を眺めていると、急に右手が握られる感覚。
その方向を見ると、茜が震えてあたしの手を握り締めていた。
「あ、茜!? 大丈夫?」
茜はただ横に首を振るだけ。
そういえば茜は飛行機が初めて。
さらに、ジェットコースターの類が苦手と聞いていた。
茜の震えはだんだんと大きくなる。
でも、いまさら引き返すわけには行かない。
滑走路に入り、急に加速しだす飛行機。
そして、茜の手の力もどんどん加わってゆく。
あたしもその手をしっかりと握ってあげる。
やがて、あの、妙な感覚で空へと舞い上がる飛行機。
茜はもう顔まで真っ青なままだ。
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