葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round114!!
『涙雨』その7
「えいえん・・・?」
やっと、そう声を絞り出す。
少女の表情が、かすかに変わった。
「そう、えいえんだよ」
「かわらないせかい」
「おわらないせかい」
「ずっと、そこにいられるよ」
少女は、どこか楽しそうに。
めまいがしそうなほど、遠くて近い声が響く。
「・・・浩平は」
私は、聞き返す。
「浩平は・・・そこにいるんですか?」
少女はまた、かすかに表情を変えて。
「あえるよ」
そう、言った。
「えいえんへおいでよ」
「こうへいにあえるよ」
「ずっと、いっしょにいられるよ」
それは、私を遠いどこかへ誘うように。
ただ、全身にまとわりつく声。
浩平が居る。
その世界には、浩平が居る。
・・・浩平。