葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round114!!
『涙雨』その6
「・・・えいえんは、あるよ」
背筋にまとわりつくような、声。
どこから聞こえているのだろう。
私は、どこにいるのだろう?
それはまるで、異世界に迷い込んでしまったような。
そんな、感覚。
「えいえんは・・・あるよ」
ころころ、と。
どこからか音がする。
気がつけば、そこには長森さんの姿はなく。
代わりに・・・小さな女の子が居た。
「えいえんがほしいの?」
少女が言った。
私は何も返せない。
「えいえんは、ここにあるよ」
少女は、私を見つめながら言う。
「のぞめば、すぐにてにはいるよ」
「だいすきなひとがいるよ」
「ずっと、ふたりだけのせかいでいられるよ」
「えいえんがほしい?」
抑揚のない声で、少女は言う。