葉鍵板最萌トーナメントブロック準決勝Round114!!
割り込みだったらごめん!
茜の入場だよ。
入場二次小説
『やさしい雫』
「あ、雨…」
「本当です」
茜の控室、
窓ガラスを優しく叩く雫たち。
窓に近寄り空を見上げるあたしたち。
雨は嫌い、茜が消えそうになった日が雨だったから。
雨は好き、茜と結ばれた日が雨だったから。
雨は悲しい、司が消えた日が雨だったから。
雨は嬉しい、司と再び逢えた日が雨だったから。
あたしは視線を茜へと移す。
茜はこの雨になにを想っているのだろう。
あたしと同じか、それとも…
雨の降る日は何かが起きる日。
今日、茜とあたしに何が起きるのか。
あたしたちは知らないまま空を眺める。
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「そろそろ入場お願いします!」
静寂は破られ、再び時は動き出す。
右手に司の想い出の楽譜、
左手はあたしの手を握り、
茜はそのくちびるをあたしのくちびるに軽く重ねる。
「さ、行きましょう」
「うん」
あたしたちふたり…いや、3人は控室を出て会場へと向かう。
人で埋め尽くされた会場。
それを包み込む熱気。
あたしは茜から楽譜を受け取り、
リング中央へと送り出す。
それとともに告げられる茜の入場。
茜の、
そして、
あたしと司、
3人の戦いが再び始まった。
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