最萌トーナメント支援用SSスレッド

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660SSらいたぁLv.1
千鶴SS「バレンタイン大作戦(1/8)」

 「・・・これでよし、っと。」

きれいな紙でラッピングして、リボンをかけて出来上がりです。
何がって?もちろんバレンタインチョコに決まってます。
そう、明日はバレンタインデーなのです。チョコの出来はなかなかのもの、味見も済ませて、包装も完璧。
後は本番を待つばかりです。

 「でも、悩みがないわけじゃないのよね・・・」

そう、悩みというのはあの子達のことです。
最近ちょっと色気づいてきて、三人とも耕一さんにチョコをあげる気みたいなんです。
・・・もちろんあの子達のことは大切です。
でも、耕一さんのことなら話は別。

 「早めに芽を摘んでおくことが必要ね。」

とはいえ、真正面からぶつかったのでは勝ち目はありません。
チョコの出来は悪くないんですけど、いかんせん相手が悪すぎる。
性格も態度も悪いけど、料理とお菓子作りはプロ級の梓。
料理の腕は未知数だけど、時々見せるはにかんだ笑顔が破壊的な楓。
全てにおいてバランスが取れている初音。
どの子をとっても私の上をいっているでしょう。
ここはじっくりと策を練る必要がありますね。

 「まずは偵察して様子を見てみるか・・・」
661SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:02 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(2/8)」

まずは梓のチョコレートです。
あの子はその腕を利用してちょっと凝ったチョコで攻めて来るはずです。
どこにおいてあるのかなっと・・・・・

 「あ、あった」

今日の夜作るつもりなのでしょう、材料が無造作にキッチンにおいてあります。
レシピを見てみると・・・・洋酒風味のトリュフのようです。
なるほど、うまく作れれば梓の点がアップすること間違いなしですね。
これはなんとしても阻止しなくてはいけません。

 「とはいえ、どうしようかな・・・」

まだ作り始めてないので、チョコは固まったまま。これでは細工はできません。
・・・そうだ。
風味付けに使うブランデーなら細工をする余地があります。
どこからか取り出した唐辛子エキスをどばーっと入れて。
ふふふ、これで正体不明の物体ができるはずです。
まず一人目。
662SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:04 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(3/8)」

次は楓のチョコです。
あの子はお菓子は作ったことはないし、自作するとは・・・
(ごそごそ)・・・・・・・・・
・・・・・(ごそごそ)・・・・
・・・・・・・・・(ごそごそ)

 「あ、これこれ」

案の定、戸棚の中にきれいにラッピングされたチョコが入っていました。
これは簡単。すりかえるだけです。
まずきれいにシールをはがします。少し破れたけど、あとで適当なシールを貼っておけば大丈夫。
そして中身を入れ替えます。

 「某ゲームで大人気のリアルう○こチョコを入れて、と。」

後は元に戻すだけです。
ごめんね、楓。でもこれも耕一さんのためです。
これで二人目。
663SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:04 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(4/8)」

最後は初音のチョコ。
あの子は自作してくるはずです。
しかも時間に余裕を見て、もう完成しているはず。

「ここじゃないし、あそこでもない・・・・ここかしら」

あ、ありました。中身は・・・・シンプルなハート型のチョコ。
あの子らしいですね。でも、上にはホワイトチョコで、「お兄ちゃん大スキ」の文字が。
これは放っておくわけにはいきません。
とはいえ、これも難問です。もう完成しているので、何かを混ぜるわけにはいかない。
しかもシンプルなので、逆に細工がしにくいんです。
一番の難敵かも。
・・・・そうだわ。
「ス」の文字を削って、濁点と「リ」をプラス。とどめに裏に切れ込みを入れておきます。
ああ、良心が痛むわ・・・・。
でもバレンタインデーが待ち遠しい(ニヤソ)
664SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:05 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(5/8)」

さて、時間はいきなり飛んで、次の日の夕食後です。
いわゆる、バレンタインチョコ贈呈に絶好のチャンス。
おや、梓がトップを取るつもりのようね。

梓「あのさ、耕一・・・・こ、これ作ったんだ。その・・・あ、あんたにやるよ」
耕一「これって、もしかしてバレンタインチョコか?」
梓「あ、言っとくけど義理だからな、義理。勘違いするなよ!」
耕一「ははは、分かってるって。お、中はトリュフか。さすが梓、やるなあ。味のほうは・・・」
梓「(ゴクリ)」
耕一「・・・・・・!!!!!!ぎゃーーーーー!!!」

耕一さんは何か奇妙な声を上げて飛び出していきました。水を飲みにいったのでしょうか。

梓「え、嘘だろ・・・ちゃんとレシピどおりに・・・・!!☆○□×&!」

味見した梓ものびてしまいました。そういえばあの子、あんまり辛いの得意じゃなかったっけ。
ご愁傷様。
い、いえ、日ごろの恨みを晴らしたなんてそんなことじゃないですよ。
665SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:06 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(6/8)」

やがて、耕一さんが復活してきました。ちなみに梓はまだのびたままです。
楓がなにやらごそごそやってます。次は楓ですか。

楓「あの・・・・耕一さん・・・・これ・・・・」
耕一「え、ああ、楓ちゃんもくれるの?さんきゅー。すごく嬉しいよ。」
楓「(ポ)」
耕一「お、この包装紙は何か高そうだね。なかは・・・」
楓「(!!)」
耕一「リ、リアルう○こチョコ・・・え、えーと、これは・・・」
楓「あ、あの・・・・その・・・・・これは・・・・」
耕一「い、いや、これ楓流のジョークなんだよね、うん。リアルう○こチョコおいしいなー、ははは」
楓(がーん・・・・・)

あ、楓が落ち込んでいます。これはしばらくの間再起不能のようですね。
ごめんね楓。バレンタイン道は厳しいのよ・・・。
666SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:07 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(7/8)」

さて、ついに最後の初音の番です。

初音「な、なんか大変だったねお兄ちゃん。えーと、私も作ったんだけどもらってくれる?」
耕一「え、ホント?うん、もらうもらう。どんなのかなー。」
初音「(ドキドキ)」
耕一「へえ、シンプルなハートチョコか。って、大ギリ?」
初音「え、う、ウソ?私はちゃんと・・・」
耕一「ちゃんと、なんて書いたの?」
初音「いや、えーと、あの・・・・」
耕一「??って、わーーっ!ひとりでにハートがまっぷたつにっ!!」
初音(がーん・・・・・)

初音も落ち込んでしまいました。ようやくこれで私の番が回ってきましたね。
梓、楓、初音、あなたたちの犠牲は無駄にしないわよ・・・

千鶴「あの、耕一さん、私のチョコももらってもらえます?」
耕一「え、ち、千鶴さんもチョコ作れた・・・・いや作ったの?」
千鶴「む、耕一さんひどいです。まるで私のチョコが毒みたいな言い方ですね?」
耕一「いえ、決してそんなことでは・・・」
千鶴「じゃあ食べてくださいな。大丈夫、毒見はちゃんと済ませてあります。」
耕一「は、はあ。じゃあ頂いて・・・・」

「ちょーーーーっと待ったーーー!!」
667SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:08 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(8/8)」

「ちょーーーーっと待ったーーー!!」
おや、梓が復活したようです。
梓「千鶴姉、なんかおかしいんじゃない?三人が三人ともチョコをめちゃめちゃにされてるしさ。」
梓「何か千鶴姉仕組んだんじゃないの?」
千鶴「ば、馬鹿ねえ。そんなはずないじゃないの。あなたたちの邪魔をするなんて。」
梓・楓・初音「(じとーーーっ)」

いけません。楓に初音まで私のことを白い目で見ています。どうしましょう。大ピンチです。
耕一「まあまあ。せっかく千鶴さんも作ってくれたことだし、食べてみるよ。んー、ぱくっ」
ほっ。いいところで耕一さんが助け舟を出してくれました。さて、後は味のほうですが。

耕一「・・・・・・・・・・・・・・・・・(ドサッ)」
梓「わーーーーっ!!耕一が倒れたっ!」
千鶴「大丈夫ですか耕一さん!!しっかりしてください!」
梓「千鶴姉!!毒見したんじゃなかったのか!!」
千鶴「失礼ねっ!ちゃんとしたわよ。あんまりおいしかったから全部食べちゃって、作り直したけど。」
梓「・・・・・・・・・・・・」
千鶴「お、同じレシピで作ったんだから、当然同じように・・・」
梓「・・・・・・・・・・・・」
千鶴「・・・・・・・・・・てへっ」
梓「千鶴姉っ!」
楓「姉さんっ!」
初音「お姉ちゃん!」

ううう、せっかくの細工もチョコも台無しです。でも、三人を阻止できたので今日はよしとしましょう。
なんか疑われていたのもうやむやになったし。来年こそ耕一さんのハートを掴めるチョコを作ってみせます。
待っててくださいね、耕一さん。
(Fin.)
668SSらいたぁLv.1:02/02/22 22:09 ID:vdLBPDX7
千鶴SS「バレンタイン大作戦(9/8)」

後日談。

千鶴「ふう。あれだけいろいろ準備したのにあの結末なんて、やっぱり納得いかないわよねえ。
   えーいきませんとも。呑まずにやってられるかってもんです。(グイ)」

・・・・・・・・・。

千鶴「ぶ、ぶはぁーーーーっ!!かかか辛いぃーーーーーーっ!!」

そう、ここで千鶴がヤケ酒に煽ったのは、梓を妨害する時に自分で細工をした酒であることはいうまでもない。

合掌。

(Fin.)