最萌トーナメント支援用SSスレッド

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583青色名無しさんだよもん
こんちきしょう! あのアマどこに行きやがった!
さっきから走りまくっていたが見つからねぇ。

さっきたいやきを買おうとしたら、突然羽根リュックを背負った女に
それを取られちまった・・・この澪、一生の不覚っ。
何がうぐぅだ。人をなめてんのか。
取られた物は取り返す。それが世の常だ。
そして、あたいの物を分取りやがったアマを、このスケブでぼこぼこにして詫び入れさせる!
これも世の常だ! じゃねぇとあたいの気がすまねぇ!
せめて「どろぼーだ、捕まえてくれ!」って叫ぶことができればなぁ・・・。
スケブにちんたら書いても間にあわねぇし・・・。

・・・くそ、公園前まで来たが完全に見失っちまった。覚えてやがれ!
ろくな事がねぇなぁ。家でどこかから送られてきたよく判らないキノコのリゾット
食わせられるし。
お陰で今日は何かテンション変だ。
たいやき・・・あー、お腹へっちまったなぁ・・・。
584青色名無しさんだよもん:02/02/17 15:02 ID:G8kzGRX3
おっと。あれは確か里村じゃねぇか。
声掛けてみるか。
「おう、その先輩どこいくの〜、もしかしてオヤジ狩りー? ケケケ」
とかいう文面ならびびるかな?
まぁ、ここは猫かぶっとこう。
『あのね』
『こんにちわなの』
「あ、澪さん。散歩ですか?」
一瞬、泥棒を追いかけてますとか書こうと思ったが・・・やめておくか。
一応妥当な回答しておいてやろう。
『そうなの』
「そうですか。今暇をしているのですが・・・良かったら私と付き合いませんか?」
どうするかな・・・、と思案している時、
里村の手に、駅前の洋菓子屋の袋が。あの中にはきっとお菓子が・・・って事は!
『あのね』
『喜んでなの』
585青色名無しさんだよもん:02/02/17 15:03 ID:G8kzGRX3
「暇ですね・・・」
『暇なの』
マジで暇だ。
こんな事してて何になる。腹が余計減るだけじゃねぇか。
じれてそろそろこの場を離れようかと思ったが、
その時里村がようやくお菓子が入っているとみた例の袋をごそごそとしだした。
「澪さん、ワッフル食べますか?」
おっ、ようやくかい。待ちくたびれたぜ。中身はワッフルだったか、上等上等。
『喜んでいただきますなの』
貰ったワッフルを食べる。うん、こりゃ美味い。
流石は甘党通で知られる里村、どこの店が美味いかとかは熟知してるって訳か。
横を見ると・・・里村、あたいの顔をじろじろと見てやがる。
なんでぇ、あたいの顔に何か付いてるって言いたいのかい?
・・・もしかして、腹のうちを探られてる!?
何かボロが出るとまずいんで、ちょっと子供っぽい行動でもしてみるか・・・。
お。あそこで親子が鳩に餌をやってんじゃん。よし、あれを真似てやろう。
ワッフルを千切って、鳩の方に投げる。よしよしちゃんと寄ってきたな。
あたいが食いたいのを断腸の思いでやってるんだ、ありがたく思え!

一通りお菓子をあげてしまって里村の所に戻る。
どうですかね? あたいの子供っぽい演技もなかなかのもので・・・いでででで!
なにすんだこの女、いきなり顔を引っ張りやがって!
スケブのダイレクトアタックを寸前の所で堪えたが・・・とりあえずは抗議だ!
『えぐえぐ』
『痛いの』
これで、そうですねとか言ったら迷わず血の海に沈めてやるからな?
「ごめんなさい・・・貴方の笑顔が可愛くて、つい・・・」
な、何だよいきなり誉めやがって・・・照れるじゃねぇか。
「ワッフルまだありますから、欲しかったら言って下さい」
笑顔でワッフルの袋を差し出す里村。まぁ、これで勘弁しておいてやるか。
586青色名無しさんだよもん:02/02/17 15:03 ID:G8kzGRX3
「暇ですね・・・」
『暇なの』
マジで暇だ・・・この暖かいのにこんな所で・・・のんびりしてたら・・・眠く・・・。
・・・・・。
おっと、一瞬意識が飛んじまった・・・。
さっき走りまくったし、あれからまたいくつかワッフル食べてお腹も満足しちまった
からみてぇだな・・・。
「・・・良かったら、私の膝を貸しましょうか?」
・・・ちょっと待ってくれよ、そんな恥ずかしいことできるかよ!
とあがらいたかったのだが、眠気の方がそれを許してくれなさそうだ・・・。
どうするか、貰うものも貰っちまったし・・・
でも、膝枕もちょっと気持ちよさそうだし・・・

しばらく睡眠欲+膝枕欲と羞恥心とでせめぎ合っていた心は、本能の方に軍配が上がった。
おずおずとスケブにペンを走らせる。
『お願いするの』
・・・今回だけ、今回だけだからな!

頭を撫でつけられる感触が心地良い。
まるで母親にでも撫でられているような、そんな錯覚を覚える。
深いところに沈んでいく意識の中、膝枕してもらった事を今更ながら感謝する澪であった。


ちょっとした非日常が生んだ、そんな暖かな昼下がりの一幕。