>573 は下記に変更…
ごめんなさい。
「ざぁっ…」
強めの風が通り抜ける。
私はひとり、緑の草を風が薙ぐ土手に立っている。
いつのまに私はこんなところに立っていたのだろう。
右手には一本の麦の穂が握られている。
さっきまでは灯りが煌く街にいた。
お店がたくさん並ぶ、とても明るい街。
たくさんの人と一緒に、私はお店をのぞいていた。
でも、あまりにも虚構っぽいつくり。
言うなれば、演劇で使われる大道具と変わらない。
裏は木材がそのまま出ている、そんな街だった。
私はその、あまりの白々しさに走って逃げ出した。
後ろから人々の声が聞こえてくる。
怖い、怖い、白々しい街に染まっている白々しい人々、
私はただ、走って逃げた。