最萌トーナメント支援用SSスレッド

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577詩子さん ◆SHIIko2U
>573 は下記に変更…
ごめんなさい。

「ざぁっ…」
 強めの風が通り抜ける。
 私はひとり、緑の草を風が薙ぐ土手に立っている。
 いつのまに私はこんなところに立っていたのだろう。
 右手には一本の麦の穂が握られている。

 さっきまでは灯りが煌く街にいた。
 お店がたくさん並ぶ、とても明るい街。
 たくさんの人と一緒に、私はお店をのぞいていた。
 でも、あまりにも虚構っぽいつくり。
 言うなれば、演劇で使われる大道具と変わらない。
 裏は木材がそのまま出ている、そんな街だった。
 私はその、あまりの白々しさに走って逃げ出した。
 後ろから人々の声が聞こえてくる。
 怖い、怖い、白々しい街に染まっている白々しい人々、
 私はただ、走って逃げた。