最萌トーナメント支援用SSスレッド

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240<綾香inこみパ その1>
「これが、あの『こみパ』ってヤツか・・・噂に聞く以上にスゲー所だな」
何故か開場前の春こみ会場内を見渡す浩之達。

実は、最萌トーナメントであかりが詠美ちゃん様と対戦して勝った時、残念会に
呼ばれた(半ば強制的に連行されたとも言う^^;)際に、春こみで売り子として
手伝うよう頼まれて、あかりが押し切られて承諾してしまったのである。
和樹や由宇は、そんなの真に受けなくても良い、とフォローしてくれたのだが・・・(^^;

「それにしても、浩之も人が良いわね〜・・・まぁ、おかげで姉さんに頼まれた探し物が出来てありがたいけどね」
「芹香せんぱいの探し物って同人誌?・・・まさか、や○い本とか・・・?」
ドスッ!バキッ!
・・・鳩尾への肱撃ちから掌底アッパー、綾香の2HITコンボが炸裂。
彼女のレベルからすると、軽いジャブ程度と言った所か。浩之は涙目で蹲って悶絶しているが・・・(^^;
「ぐぉぉ・・・俺が・・悪かっ・・・た・・・スマン」
「分かればよろしい♪・・ともかく、錬金術とか黒魔術関係の同人誌って事だけどね
・・・って、いつまで悶えてるのよ。葵とスパーやってるんでしょ、最近?」
「いや本気出されるとまだ全然・・・とりあえず大丈夫、手加減でコレは情けないけどな(^^;」

ようやく立ち上がった浩之に、今度はあかりが情けない声で泣き付いてくる。
「浩之ちゃぁ〜ん、なんか周り中から視線が突き刺さるみたいで怖いよぅ・・・」
「そりゃぁ・・・その格好はヤバイとは思ったけどな・・・」
そう、あかりは詠美ちゃん様のリクエスト(ほとんど命令)で、カードマスターピーチの
コスプレをさせられているのである!(爆
丁度そこに、詠美ちゃん様が・・・というか、彼女のスペース前なのだから当然ではあるが。
<続く>
241<綾香inこみパ その2>:02/02/04 21:33 ID:gpl2KQVA
「ちょっとぉ〜っ、アブラうってないで早く手伝いに来なさいよぉ〜っ!ちょおムカツキーっ!」
ピッ♪という効果音付きで、■の中に「怒」文字の入った怒りマークを頭に貼り付けながら
やって来た詠美ちゃん様であったが、あかりのコスプレ姿を見るなり、
「超ちょぉ似合うじゃない〜!この超天才・詠美ちゃん様の見込んだとおりカンペキねっ!
その衣装、高かったけどゴホービにあげるわ♪」とのお言葉。
本当は某ファミレス店員のコスプレ娘(笑)に実費で作らせたらしいのだが・・・(^^;
(それでも一応、気前は良い・・・というか謎の人脈おそるべし!^^;)

「ぁぅぅ・・・恥ずかしくて他所では着れないよぅ・・・」
真っ赤になって半泣きで硬直するあかり。
その背後から、
「ぉお〜っ、イイ!・・グッドだ!まいしすたぁ〜!これでオタク達のはぁとを釘付け!我等と共に世界に君臨しようではないか!」
「えっ?えぇ〜〜っ?!」
パコーン!・・ズルズルズル・・・
「はいはい!アンタが出てくると話がややこしくなるんだから退場!」
「カタギの他人を無理矢理巻き込むなよ・・それに自分のサークルの準備サボるなよな・・・」
唐突に出てきて唐突に連行されて逝く九品仏大志であった・・・(笑

「ふぅ・・・何だったんだ、一体?」
「これは姉さん来れなくて良かったかも・・・」
唖然として引き摺られて逝く大志を見送る浩之達と呆れ顔の綾香・・・すると今度は反対側から、
「にゃぁぁ〜〜っ、止まらないですぅ〜!ごめんなさいですぅ〜〜っ!」
という悲鳴と共にダンボール箱満載の台車が爆走してくる。
その進路上には自分達がいて、あかりと詠美は硬直している。さらにその先には詠美のスペースが!
避ける訳には行かない事を見て取った綾香が走り出す。
「止めるわよ、浩之!」
「お、おぅ・・・しゃぁねぇな、まったく」
台車に向かって駆け寄る2人。
しかし一足早く、もう一組の二人連れが台車の前に割り込んで来ていた。
<続く>
242<綾香inこみパ その3>:02/02/04 21:34 ID:gpl2KQVA
「まかせとき!ウチが・・・」
「すばるが止めますの〜!」
猪名川由宇、御影すばるの師弟コンビである。

「ぱぎゅぅ〜っ!大影流合気術奥義、流牙旋風投げっ!『飛び出すな!車は急には
停まれないバージョン』ですの〜〜っ!!」
「あかん!スの字、その技は〜〜〜っ!」
由宇が必死で制止しようとしたが間に合わず、すばるの必殺技が炸裂する!
「チッ、しゃぁない・・人だけでも!」
少しアレンジしたのか、真っ直ぐ逆方向に放り投げられようとする台車。
それにしがみ付いていた塚本千紗の首根っこを、間一髪、由宇が掴んで引き離す。
さらに台車に猛ダッシュで追い付いて並走しながら、こぼれ落ちる箱を垂直落下させて行く。
そして通路扉前、十分に速度と高さが落ちてきた所で台車を掴んで引き落とす!

ガンッ!・・・トス、トス、トス・・・

当然、着地で跳ねた箱のフォローも忘れない。
「ふぅ〜〜っ、さすがにコレはキツかったでぇ〜・・・」
肩で息を付きながら独りごちた由宇の元へ、すばるが駆け付けてくる。
反対側の詠美ちゃん様スペースの方では、我に返ったあかりが千紗を介抱している。
綾香と浩之は落ちた箱を整理しているようだ。

「由宇さ〜ん、大丈夫ですの〜?!」

パコーン!

「アホかぁ〜〜っ!見境無く大技つかうんやないわぁ〜〜〜っ!」
真っ先に傍まで来たすばるの頭を由宇が思い切りはたいた。
「ぱぎゅぅ〜〜っ!!ごめんなさいですの・・・」
<続く>
243<綾香inこみパ その4>:02/02/04 21:37 ID:NjG8H5G1
「千紗ちぃが台車にしがみ付いとったん忘れとったやろ?
・・・それに、この台車に乗っとったモンは何や?」
「ぱぎゅぅっ!?・・・同人誌・・・・!」
「そうや、同人誌はウチら同人作家の命や!・・・今度それ忘れたら許さへんで?」
「ぱぎゅぅ〜〜・・・」
己の犯した重大な過ちに気付いたすばるは、しぉしぉと項垂れる。
「まぁ今回は許したるさかい、そんな落ち込まんとき・・・次は無いけどな」
「ぱぎゅぅ〜・・・本当にごめんなさいですの。肝に銘じますの!」
諭すように、(しかし少しキツイ落ちを付けながら)撫でるように頭にポンと
手を置いた由宇に、すばるは健気に頷く。
そんな2人をいつの間にか暖かく見守る綾香と浩之、あかり達も加わっている。
さらに、少し離れて彼等を取り巻く形のギャラリーもマターリと見守っている。

「取り込み中のようで悪いんだけど・・・」
「何や?今エエとこやのに、無粋なん分かっとるんやったら・・・」
背中越しに掛けられた声に振り向いた由宇が顔を引き攣らせて凍り付く。
「げ・・・牧やん!?・・・ち、違う・・暴れとるんやないねん、堪忍やぁ〜・・・」
そう、由宇の後ろから声を掛けたのは南さんだった。
ひょっとして南さん、いつも通りにこやかな顔だけど目が笑って無い・・・?

「由宇ちゃん、詠美ちゃん・・・すばるちゃんも、ちょっといいかしら?」
「ま、待ってぇな・・落ち着いて・・・誤解や、誤解やねん!」
「詠美ちゃん様、今回は何もしてないもん・・・ふみゅぅ〜〜ん!?」
「ぱぎゅぅ〜〜〜っ、もうしませんの、ごめんなさいですの、許して下さいの〜〜〜っ!」
「にゃぁああ〜〜っ、千紗が、千紗が悪いんですぅ・・・うぅぅ、ごめんなさいですぅ〜っ!」
<続く>
244<綾香inこみパ その5>:02/02/04 21:41 ID:gpl2KQVA
「あの・・・私達、一部始終を見てたので第三者として言いたいんだけど・・・」
それぞれパニックに陥った4人を見かねた綾香が割って入る。
あかり、浩之に便乗してサークル入場証を貰っているのは、この際無視である。

「分かってますよ♪・・・私も最初の方から見てましたから」
クスクスと笑いながら南さんは答えた。
どうやら怒っていた訳ではないようだが、それなら一体、何を言おうとしていたのか・・・?

「でも、もう開場5分前だから、そろそろスペースに戻った方が良いんじゃないかしら♪?」
「そ、そう言うたら・・・」
「すっかり忘れてましたの〜っ!」
「ふみゅみゅ〜〜んっ!?」
<続く>
245<綾香inこみパ その6>:02/02/04 21:41 ID:gpl2KQVA
慌てて各自のスペースに戻って行く3人を尻目に千紗が途方に暮れていた。
「千紗、お届けがまだ・・・」

そこで綾香は浩之にウインクして、
「あら、それなら皆で手分けして配っておいたわよ♪」
「自分で取りに来た人もいたしな」
俯いた千紗の頭を優しく撫でながら言った。

「え?・・・あ、ありがとうございますぅ・・綾香おねぇさん達は千紗の大恩人ですぅ!」
「当然じゃない、こんな可愛い娘が困ってるのを見過ごしには出来ないもの♪」
「元はと言えば千紗が悪かったのに・・・うぅ、おねぇさん、綾香おねぇさぁ〜ん!」
綾香に抱きつき、胸に顔を埋めて(<うらやましい^^;)泣きじゃくる千紗・・・
それをマターリと微笑んで眺める浩之・・・

・・・そんな中、無情にも場内アナウンスが時を告げる。
(そう、実はマターリしてられる状況では無かったのである^^;)

ぴんぽんぱんぽ〜ん♪
「只今より、こみっくパーティを開催いたします」
<終劇>