本すれで誘導されたので、
何かを書いてみるテスト。
『茜の櫛』
「茜、いつもそれ持ち歩いているよね」
茜がかばんの中から櫛を取り出すのを見て、
あたしは感心したように呟いた。
「…とても大切な櫛なんです」
それだけ言うと、茜はゆっくりと髪を梳きだした。
綺麗に流れる淡い栗色の髪、
丁寧に梳いてゆくつげの櫛。
あたしはただその様子を眺めながら、
「どうしてそんなに大切なの?」
そう、茜にたずねた。
すると、茜は、
「おばあさんからもらった大切な櫛だからですよ」
そう、笑顔をあたしに向けながら髪を梳いていった。