最萌トーナメント支援用SSスレッド

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130近畿人
『締め切りまであと7日』
そう書かれた紙を机の前に貼って、和樹はもう一度ペンを握った。
「今ペン入ってんのが5枚だから……うん、今回は楽勝だな」
「楽勝とか言うたんはこの口か――――!!」
がらららッ!!
「うわぁ、由宇っ!? どこから入ってきてんだよ!?」
「窓からやん。見れば分かるやろ」
開け放った窓から、靴と旅行鞄を持った由宇が入ってくる。
それ自体はこみパ前の普通の光景なのだが、いつもと違うのは今日がまだこみパ一週間前だということだ。
「どうしたんだ? 今回はえらく早いじゃないか。入稿はもう済んだのか?」
「………」
「はっ、まさか……」
「ふふふ、そのまさかや………」
由宇の眼鏡が妖しく光るのを見て、和樹の背に冷や汗が流れる。
「うわ〜〜〜んっ、手伝ってぇな和樹〜〜〜〜〜!!」
「ああ、やっぱり……」
えぐえぐ泣きながら抱き付いてきた由宇の背中をぽんぽんと叩いてやって、和樹はこっそり溜め息をついた。
「ええやん、今回楽勝なんやろ?」
「まぁ俺の方はいいけど、まだ一週間あるのにそんなに追い詰められてるってことは、相当ヤバイんだな?」
「………」
「……そこで目を逸らすなよ」
 ふっと薄く笑った由宇は、静かに和樹から離れた。
そして、明後日の方向を遠く見遣りながら口を開く。
「一応ネームは半分くらい出来てるんやけどな……それもまだ不完全っちゅうか……」
「いや、それ全然『一応』じゃねぇだろ」
「うぐぅ」
「ええい、うぐぅ言うな!」
131近畿人:02/01/26 19:06 ID:re6cJ155
ったく、そうとなればちゃっちゃとネーム切れよ、手伝ってやるから」
「……手伝ってくれるん?」
「ああ、そんなに切羽詰ってんじゃ一人じゃ無理だろ」
「……ほんまに手伝ってくれるん?」
「手伝うって。だから早く……」
「なら早よやってしまお!!」
どんっ!
「……あ?」
 満面の笑みで、由宇が何かを机の上に勢い良く置いた。
 見れば、けばけばしいピンク色のボトルである。化粧水の瓶に似ているかもしれない。
「あのな、うちが今回ネームで詰まっとんのはな、未体験のことを描こうとしてるからやねん」
「はぁ」
「そこをカバーするのが同人作家の妄想力やいうのは分かってるんやけど、いまいち感じが掴めんでな、ここは実際に体験するのが一番いいと思ったんやけど」
「けど?」
「一人じゃできひんことやねん」
「……それを俺に手伝えってことか? なんなんだ? というかこの瓶は?」
「えっとな」
由宇は和樹に体を寄せて、その耳に口を寄せた。
ひしょひしょひしょ。
「はぁ!? お尻でエッチがしたい!!?」
「あほぉっ! 大声で言うたら恥ずかしいやんかッ!!」
スパ―――ン!
132近畿人:02/01/26 19:07 ID:re6cJ155
『今回うちの新刊、18禁本なんやけど、そういうシーンを入れようと思ってん。
でもちゃんと描写しよ思うたら、なんや考えれば考えるほど分からんようになってしもうて……
やっぱ実践が一番かなぁって……』
どこから出したのか分からないハリセンで叩かれた後、結局和樹と由宇はベッドに移動していた。
『こんなこと頼めるん、和樹しかおらへんもん……』
(うーん、やはりああいうこと言われると男は弱いよなぁ……)
「和樹、えと、全部脱いだんやけど……」
下着も含めて、全てを脱いだ由宇は、恥ずかしそうに頬を染めてシーツを胸に当てていた。「隠すような胸なんて……ゴフッ!?」
「なんか言うたか……?」
「……いえ、何も……。とりあえず、手と膝ついて、こっちにお尻向けてくれるか?」
「う、うん……」
 和樹の言うままに、由宇はオズオズとベッドの上で四つん這いになった。
 白く、ふっくらとした尻が和樹の方に向けられる。
いくら由宇が貧弱な体型とは言え、十分に柔らかそうな後ろ姿だ。
「もうちょっと上げられるか?」
「……上げんとあかん?」
「うん、これじゃ何もできない」
「………」
 由宇は無言で上半身をベッドに押し付け、下半身を高く掲げた。
 まだピッタリと閉じた割れ目が、ちょうど和樹の目の前にくる体勢である。
 我知らず、和樹はごくんと喉を鳴らした。が、今回のターゲットは其処ではない。
 それよりも少しだけ上の、糸でくくったように縮こまっている小さな窄みだ。
「じゃ、触るぞ……」
「う、うん……」
133近畿人:02/01/26 19:08 ID:re6cJ155
 由宇のその窄まりが小さく震える。和樹はそこにそっと指を這わせた。
「っ!」
 途端、ビクンと由宇の体が震えた。
そっと背後から由宇を盗み見ると、その顔は真っ赤に染まっている。
(な、なんか、新鮮だよな……。最近じゃやってる最中に照れることってあんまり無いし……)
 自分が段々と興奮してくるのを感じながら、和樹はローションを手に取った。
 そう、由宇が持ってきたショッキングピンクのボトルは、ローションの瓶だったのである。
 とろりとした液体を指に絡めて、再び由宇の後ろに触れた。
「ん……っ」
 ローションを捏ねるように、入り口を指で何度も撫で上げる。
由宇はその度に小さく声をあげながら体を震わせたが、それが気持ちいいからなのか、くすぐったいからなのかは分からない。
しかし、ローションを垂らしながら刺激していると、徐々に由宇の窄まりは緩くなっていった。
(そろそろ指を入れてもいい頃かな……)
 ぬるぬるとローションで濡れた手のひらで太股を撫でながら、和樹はそっと開きかけた穴に人差し指を潜り込ませた。
「んんっ!」
「痛いか?」
 第一間接を埋めたところで指を止め、由宇の顔を覗き込む。
「い、痛くはないんやけど……」
「んじゃぁ」
 ぬぐっ。
「んんぅっ!」
 一気に根元まで埋めてまた由宇の反応を伺う。
134近畿人:02/01/26 19:09 ID:re6cJ155
「やっぱ痛いか……?」
「ん、ううん……。ええから、続けて……」
とは言うものの、由宇の其処は指一本で既に一杯で、動かすのも躊躇われるほど痛々しく見えた。
「う〜ん、そうだなぁ……」
 ひとしきり考えた後、和樹は空いた方の指をその下の割れ目に滑り込ませた。
「ひゃっ!」
 くちゅ……。
 その指先に、濡れた感触があった。
「なんだ、感じてたのか」
「なっ、あ、あほ……やぁんっ!」
 指を滑らせるように由宇の秘所を刺激する。
「あっ、そこはええって、あん、はぅぅ……っ」
にちゃにちゃとわざと音をさせながら、クリトリスを指先でくすぐり、膣口を抉る。
暖かさが熱さに変わり、溢れた愛液が手のひらまでも濡らし始めたのを見計らって、和樹は尻に入れた方の指も少しずつ動かす。
「ん、んくぅっ、な、なんかおかし……っ」
 さきほどギチギチだったその穴も、今ではスムーズに出し入れが出来るほどに緩んでいた。
 ゆっくりと前後に抜き差ししたり、時には中に埋めたままぐりぐりと回したりと、更に責め立てる。
「はぁ、あ、ああっ!」
 前の方の穴にも指を突き入れると、由宇の背中が大きくしなった。
白い肌には玉のような汗が浮かんでいる。
「由宇……、2本に増やすからな」
「あ、え、え?」
 ローションに濡れて真っ赤に充血した後ろの窄まりに、更にもう一本指を増やす。
「……あっ、く、ぅ……っ」
 さすがにキツいが、前の指を動かしながらゆっくりとなじませると、少しずつ締め付けが柔らかくなってきた。
135近畿人:02/01/26 19:09 ID:re6cJ155
「ふぅ、んんっ、あ、あ……っ」
 ゆっくり、ゆっくりと動かしながら、時折中で指を曲げる。
「ぅん……んっ、んんんっ!」
(もういいかな……後ろは指が2本入ったら入るペニスも入るって聞いたことあるし……)
 なにより、ずっと由宇の痴態を見せ付けられている己が限界である。
「由宇、そろそろ入れたいんだけど……本当にいいんだな?」
「う、うん……ええよ、来て……」
 ちゅぷんと音を立てて両の指を引き抜く。
長い間弄ったおかげか、指を抜いた後も由宇の其処は小さく口を開いていた。
 忙しなくジーンズから自身を取り出し、そっと窄まりに当てる。
「ん……っ」
 その上から更にローションをかけ、和樹はゆっくりと由宇の中に肉棒を進めていった。
「んっ、んんぅ……んぅうっ」
 柔らかくしたとは言っても、未通のそこはやなりかなりキツい。
 背中や太股を撫でて由宇の体の力を抜いてやりながら、少しずつ切り開いていく。
「あ、ああぁ、は、入ってくるぅ……っ!」
 長い時間をかけて、肉棒を全て由宇の中に埋めた。
 と、途端に根元が締め付けられる。
「あ、あ、お腹ん中、すご、キツイ……っ」
 膣の熱く蕩けるような感触とは違うが、このキツい締め付けもなかなか悪くない。
 背中から由宇の体を抱き締めて、和樹は恐る恐る腰を動かし始めた。
「んくぅ! んぁっ、ああっ」
 ささやかな胸をそっと揉み、固く張り詰めた小さな乳首を親指と人差し指と擦る。
「はぅぅっ、そ、あ、あかん、ちょ、ちょぉ待って……っ」
 和樹の下で由宇が掠れた声をあげた。
一旦腰を止めて由宇の顔を覗き込む。
136近畿人:02/01/26 19:10 ID:re6cJ155
「やっぱり痛いか? やめた方が……」
「そ、そやのうて……あの、その……」
 もともと赤く上気していた由宇の顔が、耳まで真っ赤に染まっていく。
「……気持ちいいねん……」
「じゃぁいいじゃないか」
「でも! お、お尻の穴でこんなことしとんのに、感じて……」
 言い淀んだ由宇は、そっと目を伏せて枕に顔を埋めた。
「嫌いにならへん……?」
 小さな呟きが、和樹の耳に届く。
「……嫌いになるわけないだろ?」
「ほんまに?」
「ああ。……やらしいヤツとは思うけど」
「な……んあぁ!」
 由宇の小さな体を腕の中に抱きこんで、和樹は再び腰を動かし始めた。
 固く締め付けられる中を肉棒で抉るように腰を打ち付ける。
「あぁっ、あ、やぁっ、あかんって、感じてまう……っ」
「感じていいんだって」
「でも、でも、あっ、はぁんっ、んっ、んんぁっ」
 由宇の声が切羽詰ったものに変わるのにそう時間はかからなかった。
 和樹を締め付ける内壁も、びくびくと痙攣している。
「ああ、か、和樹っ、いきそぉ……っ」
「いいぞ、お、俺ももう……っ」
「あ、あああっ、んぁあ……!!」
 びくっ、びくんっ!
 2、3度大きく体を震わせて、由宇はシーツの中に沈み込んだ。
 どく、どく……。
「あん、熱……」
 一瞬後、和樹も由宇の中にその猛りを全て注ぎ込んだ。
137近畿人:02/01/26 19:10 ID:re6cJ155
「ごめん、外で出そうと思ったんだけど、間に合わなくて……」
ベッドに座った由宇の髪を拭いてやりながら、和樹は力なく謝った。
「別にええって。まぁ、その……気持ち良かったし」
バスタオル一枚を体に巻いた由宇は、風呂上がりのせいだけでなく頬を赤くした。
それを誤魔化すように勢いよく立ち上がる。
「ま、これで原稿も描けるってなもんや!」
「……やっぱそれなのか」
「あったりまえや! なんのためにうちがあんな恥ずかしいことしたと思ってるん!?」
 服を身につけるために由宇は身を離したが、何かを思い直したようにもう一度和樹に体を寄せた。
「でも……」
 そっと屈みこんで、耳元で囁く。
「和樹がしたい言うんなら、またしてもええけど……?」


――――後日。
「あの〜、由宇?」
「なんや?」
 こみパ会場で、和樹は由宇の新刊を手に立ち尽くしていた。
 その漫画は、切ないストーリーを展開させつつも18禁の名に恥じない濃い描写も有り、売れ行きも好調である。
 ……が、そのスペースに群がっているのは、何故か女の子ばかりなわけで。
「……これ、入れられてる方が男に見えるんだけど……」
「やおい本なんやから当たり前やろ」
「や………」
 思わず絶句する和樹。
「いやー、和樹のおかげでいい漫画が描けたでぇ。
最初は大志はんと絡んでくれって頼もうかと思ってたんやけど、やっぱ自分で体験すんのが一番やな!」
「……はは、そうか……良かったな……ははは………」
 心にぽっかりと穴が空いたような虚しさを感じつつ、和樹はそっとやおい本(18禁)を置いた……。