葉鍵板最萌トーナメント2回戦Round105!!

このエントリーをはてなブックマークに追加
62禁忌(タブー)4/5
「こ、耕一!!あ、あのさ……何しに来たのさ……だ、大事な話って……」
「ああ、実はこれを千鶴さんに、と思ってな。最近連絡が出来なかったのもこれを買うためにバイトしてたからなんだ」
 そういって、何かを見せる耕一。って、エンゲージリング!!こ、これは何とかしないと……
「ね、ねえ……耕一。やっぱりそういうものって、剥き出しのままじゃいけないからさ、やっぱり包装か何かした方がいいと思うんだよ」
「あ、そうか。いかんいかん、気がつかなかったよ、流石は梓だな」
「耕一さ〜ん」
 あっ……もう来た……
「じゃあ、これ渡しとくから、ちょっと30分くらいで包装頼む。やあ、千鶴さん、ごめん、最近来れなくて」
「いいえ、いいんですよ。耕一さんの顔を見ればそれだけで私は幸せですから」
 べ、べたべた……話をしながら廊下を行く2人を横目に、あたしは呆然とした。


「さて……どうしたもんだろう……」
 あたしの前には耕一から渡された指輪がある……包装なんて、やろうと思えば5分で終わる……でもこのまま渡していいもんだろうか?やっぱりここは、千鶴姉の本性を耕一に見せて……そのかわり、ばれるとあたしが死ぬかもしれないけれど……
「うん、やっぱりやろう!!」
 そして、あたしは箱の中にリングとメッセージカードを入れて包装する。楓、初音。あたしがいなくなっても……元気でね。

「うん、むこうでも色々とあってね……おっ、梓」
「はい、耕一これ」
 そう言って箱を渡す。あとは、ばれる前にどこか遠くへ……
「あっ、梓お姉ちゃん。ご飯出来たから、みんなで食べよう」
「は、初音……あたしはこれから逃げ……」
「ほらほら、おつゆさめちゃうよ〜」
 は……初音〜し、仕方が無い……こうなったら食事が終わったらすぐに逃げ……
63禁忌(タブー)5/5:02/01/23 06:33 ID:YPHfl9Ed
「おほん。やっぱりこういうことはみんながそろってる所で言った方がいいな。えっと、みんな。俺は、今日はちょっとこれを千鶴さんに渡そうと思って……」
 え、ちょ、耕一!!何?今、ここで渡すつもり!?
「あっ……耕一さん、これ……エンゲージリングですか……あと、何か手紙が入って……」
「え?手紙?」
 パキィィィンッ!!空気が……凍った……
「耕一さん……あなたにはお仕置きが必要ですね……」
 千鶴姉の手から、紙がこぼれ落ちる。
「えっ、ちょ、ちょっと……ん?『年増!寸胴!!偽善者!!!貧乳!!!!』って、
ま、待ってくれ……千鶴さん……」
「この場に及んで、命乞いですか……」
「いや、俺はこれをそのまま渡そうと思ったんだけど、包装してくれるって言うんで……
さっき梓に……」
 こ、耕一!!駄目だ、もう逃げるしかない!!全速力で走って逃げようとするあたし。
「いい度胸ね……梓……逃げようったって、そうはいかないわ……」
 ち、千鶴姉、いつのまに後ろに!?
「大丈夫よ〜、ちょっと痛い目にあわせるだけだから……」
「ひ、ひぃぃーーっ!!」

 そして、それから1時間後……そこにはぼろぼろになった梓と、プロポーズを本気でどうしようか悩む耕一の姿があった。

禁句(タブー)              完!