葉鍵板最萌トーナメント2回戦Round103!!

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906玲子支援SS
「ふみゅーんみゅんみゅん」
 女の子が泣いていました。
「ふみゅーんみゅんみゅんみゅん」
 とても大きな声で泣いていました。
 眼鏡をかけた女の子が通りかかって声をかけました、女の子の知り合いのようです。
「あんた、なにしとんねん。お?」
「テスト……テストがダメで、単位がダメで、そつぎょおさせてもらえないの」
「……それ、ウチにはどーしょーもできん。ほしたら」
 眼鏡の女の子はまるで大馬鹿な生き物でも見るような目をしながら去っていってしまい
ました。
「ふみゅーんみゅんみゅんみゅん」
「にゃーはは、にゃはにゃは、にゃはにゃはにゃーは♪」
 すると泣いている子とはまるで正反対の、悩みなど何も無いといったような明るい笑顔
と声を振りまきながら一人の女の子がスキップしながらやってきました。
「あれ、どしたのー? 転んだのー?」
 女の子は優しく声をかけてきました。泣いていた女の子は顔を上げました。そっ、と何
かが目尻に触れます。ふわりと柔らかい――女の子がハンカチで涙を拭ってくれているの
でした。
「そつぎょお……そつぎょおさせてもらえないの」
「えー、そなんだー、大変だねえー」
 女の子は親身になって話を聞いてくれました。