648 :
名無しさんだよもん:
葵ちゃん支援。
〜はじめてのおべんとう〜 1
とくん、とくん。
眠れない。しんぞうがどきどきしてる。
どうしてだろう。
日頃クラブでお世話になっている先輩のために、
ちょっと早起きしてお弁当を作る。
それだけのことなのに。
「お母さん」
夕食の後片付けをしている母に話しかけた。
父はお風呂に入っている。
「ん、なに? 葵」
「明日の朝、お弁当作るの手伝いたいんだけど」
「あらあら、どういう風の吹き回し?」
母は微笑った。その笑顔は“大歓迎よ”といっている。
「そ、それでね、あの・・・、
ひとりぶん余計に作りたいんだけど、材料、足りるかな?」
母はまた顔に笑みを浮かべて、頷いた。
「大丈夫よ。“先輩”用?」
「え、あ、う、うん」
考えてみれば、最近母に話すのは先輩のことばかりだ。
ついこの前も先輩がお昼はパンとジュースですませている、
って話したばかりだった。
「じゃあ、たくさん食べるよね。ご飯、多めにセットしとくから」
「う、うん。ありがとう」