かのらじ風SS
「もしもし、秋子さん?いま、商店街にいるんですけど、
何か必要なものがあったらついでに買って帰りますよ」
「そうねえ、それじゃ悪いけど、例のもの買ってきてもらえるかしら」
「はい、わかりました。お米ですね」
「お願いします」
「さて、一人だと持って帰るのは大変だな。名雪の奴は部活がまだ
終わってないし、かといってあゆは見つけるのが一苦労だな。いや、
たい焼きを釣り竿の先につけて待ってればすぐ食いつくかな・・・」
「うぐぅ、ボクは魚じゃないよ〜」
「うわ、あゆ!一体いつの間に?」
「さっきから呼んでるのに、祐一君ちっとも気付かないだもん」
「ちょうど良かった。お前の腕を見込んで頼みがあるんだ」
「ふえ?それってまさか・・・」
「そう。お米の袋一つ、家まで持っていって欲しいんだ」
「この前みたいにひどい目に会うのはやだよ〜。もう、たい焼きくれても
祐一君の家には行かないよ」
「絶対に?」
「ぜーったい!」
「そうか、残念だな。せっかく今日は秋子さんが腕によりをかけた
特製スペシャル手料理を作ってるのにな」
「特製スペシャル手料理?うわあ、食べたい!」
「おや、俺の家には行かないんじゃなかったっけ?」
「う、うぐぅ、祐一君の家じゃなくて、秋子さんの家に行くんだもん!」
「そうかそうか。それじゃ秋子さんの家までお米を持って行ってくれ」
「わかったよ、持っていくよ〜」
「・・・はあ。なんか結局祐一君に乗せられた気がするよ〜」