葉鍵板最萌トーナメント2回戦Round99!!

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540あゆ萌え ◆ji55qubQ
あゆまこの史上最大の作戦(1)

キーンコーンカーンコーン・・・。
四時間目終了を伝えるチャイムが鳴り、教室は喧騒につつまれた。
「あうーっ、お腹すいた・・・」
「うぐぅ、お腹ぺこぺこだよう・・・」
机の上に突っ伏しているのは、制服姿のあゆと真琴。
「2人ともどうしたんですか?」
怪訝そうにクラスメートの栞がたずねた。いつもなら退屈な授業から
解放されてはしゃぐ二人なのに、今日は元気が無い。
「ボクたち、お小遣いは昼食代も一緒に貰ってるんだけど・・・」
「調子に乗ってつい、少女漫画と肉まん買い過ぎて・・・」
「ボクはたい焼きで・・・」
「「全部使っちゃったんだよー」」
「まあ・・・」
「祐一ったら人が困ってるのに、『無駄遣いしないようにって、あれほど言っただろ、
今月はひもじい思いをして、教訓を体に叩き込んだ方がお前たちのためだ』なんて
いうのよーっ!」
真琴が祐一の口調を真似て口を尖らせた。
「お弁当作ろうにも、ボクたち料理できないし・・・」
「そもそも朝早く起きられないし・・・」
「「はあー・・・」」
顔を見合わせても、出るのはため息ばかりだ。
541あゆ萌え ◆ji55qubQ :02/01/18 14:19 ID:AykJ6xUd
あゆまこの史上最大の作戦(2)
「あのう、よかったら私のお弁当食べますか?」
「えっ!いいの?」
「うん、今日はあまり食欲がないから・・・」
「うぐぅ、駄目だよ真琴・・・いくら何でもそこまで栞ちゃんに迷惑かけられないよ」
「あう・・・」
どのみちボリュームの乏しい栞の弁当を山分けしても満腹からはほど遠い。
「あたしに考えがあるわ」
真琴が瞳を輝かせた。狐がブドウの沢山なっている
農園を見つけた時、こんな顔をするかもしれない。

あゆと真琴は学生食堂の前に居た。どこから持ってきたのか、真琴は両手で
ピコピコハンマーを握り締めていた。
「いい?作戦を確認するわよ。今日は祐一は学食で男友達と昼食を取っているわ。
私がこの真琴ハンマーで祐一に不意打ちするから、ひるんだ隙に昼食の載ったトレイを
あゆが奪うのよ」
「うぐぅ、ホントにやるの・・・?」
「当たり前じゃないの。このままじゃ我が軍は戦わずして、むじょうけんこうふく
することになっちゃうわよ。我々のけいざいえんじょの要請を断った祐一が悪いのよ!」
あゆはなおも躊躇したが、結局真琴に押しきられる形になった。
542あゆ萌え ◆ji55qubQ :02/01/18 14:19 ID:AykJ6xUd
あゆまこの史上最大の作戦(3)

「名雪さんはお昼休みはクラブの部長会議に出るっていってたよ」
「好都合だわ」
陸上部の名雪が居なければ追いつかれる心配もあるまい。
2人は食堂の柱の影に隠れて様子をうかがった。
「いくわよ!」
「祐一、かくごぉ!」
ピコーーーーン!
甲高い音が食堂中に響いた。
「おわっ!な、なんだ!?」
突然の出来事に椅子から滑り落ちる祐一。
「うぐぅ、祐一君、ごめん!」
あゆが祐一のAランチのトレイを掴んで駆け出した。
あゆの逃げ足は商店街仕込みだ。2人は人の波を器用にすり抜けて、
食堂から裏庭へ続く廊下を疾走する。出口から漏れる裏庭の明かりが大きく
なったその時―――
「こらーーっ!!!」
出口で腕を組んで、仁王立ちしていたのは香里だった。あゆは慌てて立ち止まろうと
したが、足がもつれて、派手に転倒した。あゆにつまづき、真琴も転ぶ。
かつてAランチであったものはそこら中に散らばっていた。
543あゆ萌え ◆ji55qubQ :02/01/18 14:20 ID:AykJ6xUd
あゆまこの史上最大の作戦(4)

「うぐぅ・・・重いよ〜」
あゆは真琴の下敷きになって息も絶え絶えだ。
「あゆさん、真琴さん、ごめんなさい・・・」
香里の傍らには栞がすまなそうな顔をして立っていた。
「あうーっ、栞ぃ、裏切ったわねーっ」
「何言ってるのよ、貴方たちがやってることは犯罪よ。
栞がどれだけあんたたちの事を心配してるかわかってるの!?」
「あう・・・」
あゆと真琴は、香里と祐一からこっぴどく怒られ、もちろん廊下の
掃除もさせられる羽目になった。

「うぐぅ、真琴にのせられてひどい目にあったよ・・・」
あゆがモップをかけながらため息をついた。
「なによう、あんただって反対しなかったじゃない」
「2人とも喧嘩しないでください。明日からは私が3人分のお弁当を
作ってきますから・・・」
「本当に!?」
「やったー!」
ぱっと目を輝かせるあゆと真琴。
「だからもう他の人の食事を奪ったりしないでくださいね」
「うん、しないしない!」
「した事も無いよぉ!」
「うふふ、調子良いんだから・・・」