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INU☆:
初音ちゃん支援SS 「ずっと一緒に」
恋人になったお兄ちゃんと、お散歩に出かけた。
空は晴れ。風はとっても冷たいけれど、お兄ちゃんが隣にいるから寒くなんかない。
「お正月休み、あっという間だったね」
「うん、でも楽しかった。こんな賑やかなお正月、久しぶりだったからね」
「あ――」
私は言葉に詰まった。
お兄ちゃんから長いあいだ「賑やかなお正月」を奪っていたのは、他でもない私たちなのだから。
私たちの幸せは大きな犠牲の上にあるのだということ、忘れちゃいけないといつも思っているのに。
――私はまた幸せを振り回して、無邪気に人を傷つけてしまう。
「…ごめんね、耕一お兄ちゃん」
うつむいて、そうつぶやいた。
すると――突然、わたしの体が宙に浮いた。 きゃっ!?と悲鳴を上げる間もなく
すくい上げられ、気が付いたときには耕一お兄ちゃんの顔が目の前にあった。