祐一よ――
祐一よ。
君は今遠く病院の一室で、
永きにわたり離ればなれになっていたいとこの少女と
一緒に秋子さんの目覚めを待っているだろう。
ボクは今遠く森の学校にいる。
そう、もう7年も前に君が訪れた場所だ。
ボクの長い長い夢が始まったこの場所。
7年前、夕焼けに包まれた街を見ようとこの木に登ったとき…
ボクは落ちてしまった。
一般の人間には耐えられない超衝撃!!!
夢を見た!!
この少年と遊ぶ!
超ご都合的展開をしてこの少年と再び出会う!!
夥しい捜索と夥しい失望の果てしない繰り返し――――
累々たる日々の過ぎゆく果て――
ついには祐一――――
君という最高の人と再び巡り会う。
そして君はよく楽しませてくれた――――
傲然と繰り返される――――
うぐぅにつぐ
うぐぅ。
日々発生しまくる非合法の食い逃げ事件!
ボクの胸は躍り上がった!
しかしボクの捜し物はたいやきなどという生あたたかいものではない。
蜜月の時とは短いものである。
いつの日か君は約束を忘れ、ボクの夢を超越て独走し始めた。
独走は別離(わかれ)に姿を変え、
別離は夢を終わらせ――――
時を経ずボクは忘れていた記憶を微かに思い出し――
予想外の――否、
予想通りの悲劇が襲いかかる。
そう、謎ジャムのように――!
君はこの街で夢のごとく幸せな日々を過ごすだろう――
ボクのことを徐々に忘れながら日々を過ごすだろう。
そして秋子さんは遠からぬうちに完全回復するハズだ!
君が一月以前この地で初めて再会した時のように!
ボクは今、君と最後に遊んだ場所で最後の奇跡を願う。
これ以上、夢を見続ける事は出来ない。
祐一よ。
君の人生に幸あれ。