「しょうが湯よ。あったまるから。」
「あ、ありがとうございます。」
甘くて辛い、不思議な味。しかしとてもなつかしい味がして、体の芯からあったまる感じがした。
秋子さんは、あゆの忘れ物のほうに、ちらっと視線を送り、そして俺のぼろぼろになった手を暖かい両手でつつんでくれる。
「祐一さん、あんまり自分を責めないでくださいね。」
「・・・?」
「いえ、いいんです。
コートは、きれいに洗濯しておきますね」
秋子さんは意味深な言葉をかえす。
「すいません。」
「いいのよ。それより、お風呂、もう入れるわよ。」
十分暖まったところで、沸かしなおしてくれた風呂にはいる。