「さあ、Eブロック2回戦もいよいよ大詰めっ!」
「真打はいつも最後か!? 当ブロック唯一の鍵陣営は勝利を収めることが出来るのか!」
「しかし勝負は下駄を履くまで分からないっ!」
「朱雀の門から影を見せるのは今大会最強のダークホース!」
「名作『ONE』はこの人なくしては語れまい! 小坂由起子選手です!」
「……では、実況は前回に引き続き不遇な娘で悪かったなコンチクショウ!≠フ清水なつきと」
「北川って下の名前なんだっけ?≠ニか言われて即座に自分でも言えずに忘れてしまった北川准です」
「わ、潤くん自分で名前間違ってるよ!」
「ぐわー! しまった! 麻枝准と一緒だと思い込んでたぞ!」
「まあ、久瀬≠ニか一弥≠ニか見てると二人のクリエイターさんは、ほとんど遊び感覚で付けたんだろうしね」
「所詮はオレも脇役ってことか! くやしくなんてないぞー! うわーん!」
「ちょっとちょっとマイク吹いてるよ、潤くん!」
「つーわけで、同じ脇役として是非とも応援したい小坂選手に皆一票入れてくれ!!」
「はいはい……上手くまとまったところで、ミュージックスタート!」
「なに! ミュージック? こ、これは……」
「そう……萌えと言えば、今も根強いあの歌劇(オペラ)からです!」
「おいおい、嘘だろう……? 『激!帝国華劇団!』を背に小坂選手入場だーっ!!」
斬り裂いた 厨が吠え 震えるトーナメントに
葉鍵の歌 高らかに 踊り出る選手たち
画像まで 描き出し 仕事する職人
多重を蹴散らして 萌えを示すのだ
*ageろ 光速の 最萌トーナメント
萌えろ 衝撃の 最萌トーナメント
*(2回繰り返し)
「わたしたち、萌えのために戦います。
たとえ、それが命を懸ける戦いであっても
わたしたちは、一歩も引きません。
それが、最萌トーナメントなのです!」
AAで アナウンスして 盛り上がるスレに
日付が ひとつ進んだら 踊り出る選手たち
SSに 激情を 映し出す職人
多重を蹴散らして 萌えを示すのだ
*ageろ 光速の 最萌トーナメント
萌えろ 衝撃の 最萌トーナメント
*(2回繰り返し)
「会場内からは割れんばかりの拍手が沸き起こっています……が、
いつものことながら小坂選手は視認できません。これでいいのか樋上いたる!?
まだ遅くはない、小坂さんを描いてほしい!」
「いえ、待って。わたしたちの小坂選手はもうすでに歩き出しているわ!」
「そうか。そうだよな。キャリアウーマンでいいじゃないか。ぴりっとしたスーツで仕事をこなす由紀子さん!
くぅー、これに萌えずして何に萌えようというのかっ!」
「では、暴走している潤くんは放置して、由起子陣営からのコメントです」
「ぐわー、ひでーぞ! お前も脇役同盟の仲間じゃないか!」
「……コロスぞ!」
「お久し振りです皆さん。前回、勝てたのは皆さんの応援の賜物です(にっこり)。
いいのかしら、私なんかで……とも思いましたが、勝ち上がった以上は全力で萌え≠追求したいと思います。
少し皆さんよりお姉さんかも知れないけど、珠には年上の女性の人に甘えるものも悪くは無いですよ?」
「まさしく包容力のある大人の女性の言葉ですね?」
「はい、そうですね……ここでウインクのひとつも出来たら良いんでしょうけど、
ごめんなさい……やっぱり、恥ずかしいわ」
「おおう、秋子さんに勝るとも劣らない大人の魅力がここに誕生するのか?」
「……ジャム食べさせられても知らないわよ?」
「今はジャムなんて怖くない! 由紀子さんに萌えたい! むしろ萌えろ!」
「あーあ、わたし知ーらないっと……」
「それでは、由紀子さん最後に一言お願いします」
「今回もマターリと行けたらいいですね」
「はい、時間も迫って来ました。Eブロック最終試合……もう消化試合なんて呼ばせないぞ!」
「最萌トーナメント! READY GO!」
「あらあら……甘くないのもありますよ?」
「……え?」