葉鍵板最萌トーナメント2回戦Round94!!

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918緒方兄妹SS(5/6)
事態は、面白いように英二の思った通りに進んだ。
離れている事で、ぎくしゃくしだした由綺と冬弥の様子は、由綺の相談とい
う形で、手に取るようにわかる。
反対に、急速に接近していく、理奈と冬弥。
テレビ局内で、秘密が保たれていると考えているならば、それは甘すぎると
いうものだ。
ましてや、それを予想の上で調べようとしている人間がいる場合、ガラス張
りも同然と言えよう。

  * * *

(何もかも、思い通りに進んでいるじゃないか)
(こうなる事が望みじゃなかったのか?)
英二は、机に置いてあったマグカップをつかみ、半分程残っていたブラック
コーヒーを飲み干した。
朝、起き抜けに理奈が入れてくれていたそのコーヒーは、既に冷め切ってい
て、風味も何も残っておらず、限りなく泥水に近い代物と成り果てていた。
その最低の味は、不思議と現在の心境に相応しい気がして、英二は苦笑いす
るしかなかった。
(『兄離れ』どころか、俺の方が『妹離れ』出来てないじゃないか)
(あの男なら大丈夫だと、そう思ったんだろ…)
(…)
(…大丈夫、…何が『大丈夫』なんだ?)