南「さて、試合です」
鈴香「頑張ってくださいね! 南さん」
南「それじゃあ、まず最初は……」
鈴香「おっ、何か秘策でも?」
南「お茶でも持っていきましょう」
鈴香「ちょと待てアンタ」
南「え? なんでしょう」
鈴香「どこの世界に、対戦相手に試合開始早々お茶の差し入れをする選手がいるんですか」
南「でも……あまり形に囚われるのも、いけないと思うんです」
鈴香「うーん……そりゃそうだけど……」
南「というわけで、お茶をお持ちいたしました」
理奈「あ……ありがとうございます……」
南「お茶菓子も持ってきたので、みなさんで食べていただけたらと」
理奈「……そうですね。じゃあ、そちらもご一緒にどうぞ」
南「あらあら、いいんですか? すみません、それじゃいただきます」
理奈「ええ。お茶はみんなで飲んだほうが楽しいですし」
鈴香(あのー……私たち、試合中ですよね)
由綺(はい)
鈴香(どこの試合で両陣営が、試合中のステージの真っ只中でお茶飲んでるんでしょうか?)
由綺(理奈ちゃん……やっぱり大物だなぁ……)