葉鍵板最萌トーナメント2回戦Round91!!

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361名無しさんだよもん
冬弥は時計に目をやり、そろそろ帰ってくるであろう美咲を部屋を暖めて迎える。
ガチャ
「ただいま〜」
「おかえり〜 美咲さん、負けましたか?」
聞くと、いつものはにかんだ笑顔で
「うん、負けちゃった」
「そっか、残念だったね。 紅茶淹れるけどレモン、ミルクどっちにする?」
「あっ、ありがとう、ミルクで。 駅前でケーキ買ってきちゃった、食べよ」
いそいそとケーキの箱を開ける。
「ははっ、2人だけの慰労会だね」

ガラスの座テーブルに2人分の紅茶とケーキが揃う。

「おつかれさまでした。 美咲さん」
「どういたしまして。 冬弥くん」

「ふふっ」「あはは」
白々しい手続きのようなやり取りにお互い笑いが漏れ、つい1,2時間前までの激闘がウソのような静けさが辺りをつつむ。
「…でも、美咲さんが負けちゃってホントはホッとしてる」
カップの水面に映る自分を眺めながら一人続ける。
「由綺が自分の届かないところへ羽ばたいていって、また美咲さんまで届かない存在になっちゃったら…」
「そんなことないよ。 私、1回戦だって勝てたのがウソみたいなのに。 みんな私のこと過大評価しすぎるから」
冬弥を遮るように言う。
「ふふっ、なんかやっとお正月が来たみたい。 トーナメント残したまま年明けだったから落ち着かなかったみたい」
「そうだ! これから神社にお参りに行こう。 僕達の新年は今からだよ」