243 :
戦闘開始:
「さてと、柳川さん。頼みましたよ」
「ああ、任せとけ」
柳川と貴之が囮作戦の最終打ち合わせを終えた。
少し早めに最初の検挙をすることにしたのだ
「詩子と祐介君が戻ってきたら作戦開始だな」
「全く奴らは何をしてるんだか」
「そう言ってやらないでくださいよ。詩子は奔放に動くことが多いですけど案外それが役に立つんですよ。なんていうか勘がいいっていうか」
「そうか、貴之がそういうならそうなんだろ…」
ドーンと爆発音が響く
「…!?」
「爆弾か?」
二人は音のした方をみやった
「まさか…奴らなのか?」
「テロリストがいるというなら話は別だろうが」
「陽動のつもりなのか?」
「ふ、こうも自警団がうろうろしてる中で陽動とはよっぽど頭が悪いか。よっぽど腕に自信があるんだろう」
柳川の目が妖しく輝く
「とにかく、奴等を抑えてしまわないと」
「貴之、作戦変更だ。お前は自警団の精鋭を率いて船を沈めにいけ。暴れてる奴らは傭兵で始末する」
「柳川さん」
「それと倉庫の方にも人数を割くのを忘れるなよ」
貴之が呆然とする。相沢一家は慎重派の海賊で名が通ってたからだ。
今回のやり方は強引すぎる
「貴之、俺の傭兵としての経験を信じてくれ」
「わかりました。集合!!」
貴之が叫ぶと自警団と傭兵が集まってくる
「じゃあ、俺は行くぞ」
柳川は言い残し走り出した。
244 :
戦闘開始:02/01/16 20:15 ID:R87FYNQZ
「へへ、どっかーんってか」
祐一が言う
「犬飼さんが共和国の学者だったとか言う話は本当だったみたいだね。こんなもの作れるなんて」
「まさか、これほどつかえるものだったとは」
古代の遺跡から発掘される爆弾、銃弾と同じく製造技術は一応確立されているが高価なもので裕福な冒険者、もしくは戦争ぐらいでしか出番のないものだ
そして、今回作戦を実行するに当たって犬飼が祐一達の渡したものは簡易型の爆弾で轟音を巻き起こすものと砂煙を起こすものの二つだった。無論、陽動用と逃走用だ。
「うわはははは、相沢一家、ここに見参。どっからでもかかってきやがれ」
「祐一君、あくまで陽動だからね。退路の確保だけは怠るなよ」
「わかってるさ」
「さて、自警団の奴らはどれくらいでくるかな?」
「まあ、いくら来ようとこの俺がぎちょんぎちょんに」
「…む」
「うわ」
坂下が祐一を突き飛ばす。
びゅっと音がすると祐一の首があったところを黒い刃が通り過ぎていく
「ほう、今の攻撃をかわすとは…」
煙が立ち込める中、男の姿がうっすらと見える
「お前は…自警団じゃなさそうだな」
祐一はシミターを構え言った
「その通りだ。いわゆる傭兵って奴だ」
柳川は嬉しそうに言う
「傭兵…祐一君、やばい!!」
冬弥が叫ぶ
「やばいって?」
「俺たちが来るのがばれてたんだ。このままじゃ真琴ちゃんたちが…」
「大丈夫だ。安心しろ。殺しては貴之に迷惑がかかる。お前らは全員、牢屋で再会できるさ」
柳川の右手の黒い剣が踊る。キィンと音が響く
245 :
戦闘開始:02/01/16 20:15 ID:R87FYNQZ
冬弥が一撃をシミターで受けたのだ
「く、祐一君。真琴ちゃん達のほうにいくんだ」
「と、冬弥さん」
「祐一、この男は強い…恐らく3人がかりでも勝てないだろう。お前はみんなを連れて逃げろ」
「坂下…」
「無駄だな。どうあがこうとお前らの運命は変わらんさ」
「はやく行くんだ」
「はやく、いけっ」
「二人ともすまない」
祐一は言い残すと走り出した
「さて、とっととお前らを狩って奴を追いかけないとな」
柳川は言うと黒い剣を構える
「とりあえず、祐一君さえ逃がせば先代への面目は立つ」
「そういうことだ」
「くくく、奴が逃げ切れるとでも思ってるのか?」
「思ってるさ」
「とっととかかってきな」
【祐一、倉庫に向かう】
【柳川、冬弥・坂下と交戦】
【自警団、ミラクルカノン号を探しにいく】