葉鍵ファンタジーU

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240海賊の作戦
港に泊まっている船の一つ、ミラクルカノン号の甲板
そこで海賊たちが会議をしていた
「真琴、よくやった」
「へへーん、真琴にかかればちょろいものよ」
祐一にほめられた真琴は自慢げに言う
「で、どうするんだい?」
冬弥が祐一に聞く
「もちろん派手にやるぜ!!」
「そうか、腕が鳴るな」
好恵がこぶしを打ち鳴らす
「倉庫の警備が甘いことがわかったんだから、こっそりやればいいと思うんだけどなあ」
観鈴がぼそりと呟く
「甘い、甘すぎるぞ。観鈴」
祐一が大げさなジェスチャーをとっていう
「宝は他にもあるだろう。そんなこそ泥みたいな真似しただけでお宝をおいてくなんて海賊の風上にも置けない。それに真琴が調べた情報がまちがってるかもしれないぞ」
「なんですってえ」
「まあまあ、真琴ちゃん。ほんとなんだから仕方ないって」
「冬弥までそんなことをいうなんて」
「冬弥さん、それに真琴、あんまり騒ぐな」
「すまない。好恵ちゃん」
「う〜でも〜」
真琴も冬弥もおとなしくなる。むろん、好恵を怒らせるのが怖いからだ
241海賊の作戦:02/01/16 17:11 ID:R87FYNQZ
「でも、やっぱり危ないよお」
「観鈴、危なければ危ないほど燃える。それが男ってもんだろ」
「よういった、祐一。それでこそうちらの船長や」
「なんつっても俺は海賊王になる男だからな。はははは」
祐一が高笑いをあげる。
「で、作戦はどうするんだい?」
「倉庫まで行って強奪、そのあと邪魔する奴らをぶっとばなしながらここまで戻ってくる。それだけだ」
「うわ、単純」
「祐一君、それはさすがに…」
「いや、これで大丈夫だ。絶対成功する。俺が保証する」
「んなわけないやろ」
「祐一君、陽動作戦にしよう。祐一君や俺や好恵さん達で騒ぎを起こしてその隙に真琴ちゃん、観鈴ちゃん、晴子さん達で宝を船に運び込む」
「陽動か…」
好恵は一人目を瞑る。敵を想像しているのだ
「宝を運び終わったら敵を適当に撒いてすぐに出航。撒くのには町に火をかけるなり、なんなりすれば大丈夫だろう」
「まあ、俺が敵なんかみんなはったおすから大丈夫だけどな」
「真琴ちゃんの話に寄れば警備は手薄だからたぶんこんなザルな作戦でもうまくいくだろう」
「宮内も御上にいえないもん、仰山持ってるからなあ。普段は自警団も近づけられへんからなあ」
「じゃあ、作戦決行は昼だ。奴らが油断しきってる隙を突く」
「オー!!」
一同の声が重なる
この時、ミラクルカノン号の乗組員は誰一人として自分たちに待つ散々な運命に気づいていなかった
そう誰も自分たちのことが密告されてるとは考えていなかったのだ
【相沢一家、昼に作戦決行】