「服びしょびしょだから、脱がせちゃうね」
「こらっ。や、やめんかい…」
「メッ。お母さん、じっとしてて」
必死の抵抗を試みるが、フラフラの体ではそれもままならない。
結局は素肌を晒してしまうことになった。
ふに。
「んん……」
「わ、やっぱり大きい…」
両胸を下から持ち上げるように掴んで、たぷたぷしてみる。
「すっごいやわらかくて、すべすべ……」
むにむにしながら頬ですりすりしてみる。
「あんた……性格反転っちゅーより、ただのエロオヤジ化しとるやないか…」
「わ、わたし…変態おじさん」
「そ、おっさんや」
「が、がお…。そんなひどいこと言う口はこうしちゃう」
「むーーーーっ!」
ぶちゅーっと、濃厚なキスが繰り広げられる。
どたばたともがいてみたが、結局は観鈴に押し倒されてしまった。
もうこうなってはされるがままである。
ぷにぷにぷに。
「あんたなぁ……いくらうちらがラブラブ親子やからってなぁ……これはちょっとやりすぎやで」
「どうして? いっつもお母さんといっぱいちゅーしてる」
「あれは家族のちゅーや。こんなん、セフレの領域やで」
「セフレ…ってなに?」
「……冗談や…意味わからんでええ」
ふにふに…。
「ね、お母さん。お母さんはおっぱい出ないの?」
「…んなもん出るわけあらへんやろ」
「うーん、残念。お母さんのおっぱいなら、お酒が混じってカクテルみたいになってそう」
「あんた、出たら飲む気なんか…」
「そうだ、いいものあるよ。はい、これ」
どろり濃厚牛乳。
「またこのシリーズかいっ。しかも今どっから出したんや…」
「これをこうして…こうしたら……」
「うわっ、冷たっ」
「にはは。おいしそう」
「あんた、なんちゅーマニアックなプレイを……」
酒の次は牛乳まみれの晴子であった。
「ん……おいしい………」
ぺろぺろ…。
ちゅっちゅっ。
れろれろ…。
「は…ん………あぁ……」
一通り舐め終わると、今度は執拗に乳首を吸われる。
それは、赤ん坊がおっぱいを飲む行為となんら変わりはない。
微かに動く腕で観鈴を抱きしめると、本当に授乳しているような錯覚を覚えた。
「………なんか…ほんまの親子みたいやな……」
頭を撫でながらつぶやくが、それにしては快感の要素が強すぎた。
ちゅーっ。
「あああぁぁんっ。そ、そんなに強(つよ)吸うたらあかん……」
やっぱり感じてしまう。
世の中の母親たちはどうしているのだろう。
自分が産んだ子供なら、気持ちよくなったりしないのだろうか。
場にそぐわない疑問を抱いて、ふとそんなことを考える自分が可笑しくなった。
「………え?」
股間にもぞもぞとした感触を覚えて我に返る。
「お母さん、濡れてる」
いつのまにかジーパンが脱がされていた。
「女の子の大事なところ。どうしてお母さんは濡れてるの?」
観鈴の言う通り、ショーツのその部分が隠しようもないくらい湿っていた。
目薬の効果もあるのかもしれない。
「おもらししちゃう悪い子には、やっぱりお仕置きが必要だね」
そう言って、素早くとショーツをずりさげる。
くい。
「ああぁぁんっ」
直に刺激されると否が応にも反応してしまう。
くちゅくちゅ。
くにくに……。
声を荒げる晴子をおかまいなしに蹂躙する観鈴の指。
「にはは。お母さん、ここ、つんつんされるのすごく弱いみたい」
「んんんっ、はぁぁぁぁ……」
いわゆる、女の中の男の部分である。
くにくに。
くりくり。
「にはは。すごく気持ちよさそう。なんかうれしいな」
気をよくした観鈴はさらに動きを早める。
「はぅぅっ、み、観鈴っ、そ、そっちは、そっちは違うっ」
明らかに今までと違う過剰な反応を見せる。
勢い余った指が後ろの穴まで到達していたのだ。
「そういえば、お母さん言ってたね。はじめてのときはお尻だったって」
「あ、あれは冗談やって言うたやろっ」
「よし、じゃあ次はこっちを攻めてみよう。うん、それいい考え」
「そ、そんなん嫌やぁ…」
指を少し入れてる。が、予想以上に抵抗が強い。
「うーん…意外と入りにくい。本当に冗談だったみたい」
「み、観鈴。お願いやからそっちは堪忍してぇ…」
「うーん……」
いつものように、邪気のないしぐさで観鈴は考え込んだ。
「じゃあね、がおって言ってみて」
「………へ?」
「がおって鳴くの。がおって。これから気持ちよかったときは全部がおって言ってね」
「…なんの意味があんねん」
「お仕置きだから。お母さんががおって言ったら観鈴ちんがお仕置き。にはは」
「それ、ごっつい矛盾してんで…」
構わず指の動きを再開させる。
つぷ……ぬぷ……。
「ああぁぁんっ」
「ほら、お母さん。がおーって」
くちゅ……ずちゅ……。
「がおーっって」
ぬちゅ……ぐちゅ……。
「が、がおぉ……」
観念したように晴子は呟いた。
こだまするセミの声。目に差し込んでくるまぶしい朝日。
「なんや、もう朝か…」
寝ぼけまなこで天井を見つめるが、なにかいつもと違う。
「居間で寝てもうたんか、うち…」
原因がわかったところでもう一度目を瞑ったが、
異常がそれだけには無いことに気付き慌てて跳ね起きる。
「なんでうちが朝に目ぇ覚めるねんっ」
それだけではない。
やけに肌寒いと思ったら、なにも身につけていないのだ。
そして、傍らには同じく素っ裸の観鈴が寝息を立てている。
……とたんに昨夜の出来事が思い出された。
「こら、観鈴、起きんかあーーーーーーーーーぃっっ!!」
一瞬、家全体が揺れたようだった。
「あんた昨夜はよくもやってくれたなぁ…。しかもあんやイヤらしいお仕置き……。
絶対、絶ぇぇ対っ許さへんからな! 三倍にして返したる。もう足腰立たんようになる
くらいのごっつエッチなお仕置きしたるからな!!」
一向に起きない観鈴に向かって誓いを立てる晴子だったが、なにやら庭の方が騒がしい
のに気付く。
「……居候、なにやってんのや…?」
「あ、おはようございます、晴子さんっ。
納屋の修復やりました。庭の雑草抜き終わりました。
次はなにをやればいいですか!!」
すっかり良識人となった往人が、ボランティアに瞳を輝かせていた…。