SS統合スレ♯8

このエントリーをはてなブックマークに追加
207はね〜〜
銀河英雄伝説「Kanon」

※これは銀河英雄伝説の「リップシュタット戦役」のカノン版パロディです。

宇宙暦797年、銀河「カノン」帝国は相異なる二つの勢力の激突による内乱に突入していた
....。一つは主人公「相沢祐一」が率いる作中登場回数の多いヒロイン側、そして、もう一つは
いわゆる脇役軍団である。作中で唯一名前があるのに顔が出てない(笑)生徒会長久瀬と同じく
相沢元帥の女の子の独占に見るに見かねた(正確にはうらやましくていじけた)北川が、他の出
番の少ないキャラを同士として反旗を翻したのである。

「私がこの連合の盟主である久瀬である。われわれはあの顔のかかれてない小僧を打倒するため
に立ち上がっただけではない!!諸君らシナリオの用意されていない貴官らを救い、ヒロインと
して活躍の場を見せるという重大かつ究極の目的の為に立ち上がったのだ!我々に賛同してくれ
る提督たちには、Keyを襲撃してでも(こらこら)諸君らの為のシナリオを書かせる事を約束
しよう。集え!わが同志たちよ!!!!」
既にこのような内容の放送が帝国全土に流れてから3日....。
「うぐぅ、祐一君。どうするの〜」
「どうするのっていったって......」
そう、この放送が流れてから離反者が続出したのである。美汐、香里といったメンバーはむろん
といおうかやっぱりといおうかまっさきに寝返り、どういう工作をしたのか名雪の母秋子さんや果
てはメインキャラの真琴までが敵軍へ走ったのである。
「まあ、秋子さんまで向こうに行ったのは確かに意外だったな....」
「うー、祐一。そんな事いうなんてひどいよ....」
名雪が後ろでむくれている。まあ、名雪にしても一言の相談もなく秋子さんが向こうに行ったの
にはびっくりしてるようだが。
「あははーっ、祐一さん。そんなこと言ったらかわいそうですよ。」
 佐祐理さんだ。
「そういや、唯一佐祐理さんだけはサブキャラなのに残ってるなあ。」
「佐祐理は舞と祐一さんと一緒ににいられればいいんですよ〜」
「....私も佐祐理がいないと嫌だ」
208はね〜〜:02/01/17 21:45 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その2)

 まあ、唯一ちゃんとしたシナリオがあるって事実もあるしなあ。
「お姉ちゃん....私に黙って向こうに行っちゃうなんて、そんな事するお姉ちゃんきらいです」
「なあ、栞。香里を説得したら戻ってくると思うか?」
 うーんと口に手をあてた後、
「無理ですねえ....たぶん」
 そうか......
「だから、さっきも言ったけどどうするの、祐一君〜」
「うーん、そうだな。彼らと戦うのは忍びないが、ほおっておくと帝国の屋台骨にもそしてK●y
のスタッフにも迷惑がかかる事だし、戦うしかないだろうな、やっぱり」
「えー」
 名雪から非難の声が上がる
「えーじゃない!」
「うー」
「うーでもない!」
「くー」
「だから寝るなって....」
「うん。でもできるかぎり助けてあげてね、みんな」
「そりゃ、努力はするさ」
「うん、ふぁいとっ、だよ。じゃあ、作戦だけどさっき北川君がドーリア星系に攻め込んできて
るのがわかってるからまずこれを潰すね。総司令官は双璧の佐祐理さんと舞さんでおねがいしま
す相手は『理屈だおれの』北川君だからたぶん二人の攻撃に耐えられないと思うよ〜」
「了解」「あははーっ、わかりました」
「なあ、名雪。北川は『みんな』のうちに入らないのか?」
「いいよ、北川君くらい。kan○so64でもあっさり死んでるし」
不憫なやつ....
209はね〜〜:02/01/17 21:46 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その3)

 そのころドーリア星系....北川率いる20000の艦隊は前進を続けていた。
「ふっふっふ、相沢。おまえばっかり本編ではいい思いしてたけどこんどは俺が幸せになるんだ。
お前の天下もこれで終わりだ!!これからはこの北川が!北川潤が!主人公として君臨してくれ
るわ〜」
「提督!正面に敵影発見!その数およそ15000。敵旗艦の形状より倉田佐祐理と川澄舞とお
もわれます」
「ほう、この前の舞踏会をパーにしてくれた二人か。いいだろう、相手にとって不足はない!」
....その頃
「あははーっ、舞。見つかったみたいだね。どうしようかな?」
「佐祐理、少しだけ4時間だけ前線を維持して。私に考えがある....」
そして戦端は開かれた。最初数で勝る北川の艦隊は優勢だった。
「どうだ、この厚み。この陣容。そして戦術書における無駄のない動き、相手は押されているで
はないか!!」
 しかし戦いが始まって2時間後....
「あははーっ、やっぱり北川さんはやられ役ですねー、『マジカルサンダー』!!」
突如巨大な雷撃が北川の艦隊を襲った。
「な、なんだ。この非常識な攻撃は!!全然艦隊戦と関係ないじゃないか〜」
とその時相手から音声が入る
「あははーっ、それだから「理屈倒れ」なんて言われるんですよー。佐祐理が魔法を使えるのな
んて、特別版のビジュアルファンブックに書いてるじゃないですかー」
「うるさい!俺は人が極端に並んでて買えなかったんだよ!!」
かくして劣勢にたちながらも奮戦する北川艦隊、しかしそれからさらに2時間後....
「提督っ!!上方より超高速で落下する物体多数接近中です。このままいくと1分後には衝突し
ます!!」
「至急回避運動に入るんだ。まだ間に合う」
「いえっ、その数およそ....2000以上!?戦艦です!戦艦が追尾ミサイルと化してわが艦隊
に突っ込んで来てますっ!!」
210はね〜〜:02/01/17 21:49 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その4)

「落ち着け、短距離ワープで逃げればすむことではないか。ミサイル状態の艦ならついてこれな
いだろう」
「無理ですっ!!前方の倉田艦隊の魔法でワープができません!!」
「何だとーーーーーーーーっ!!!!何とか回避しろ!!!!方法を考えるんだ!!」
「無理です、直撃来ます!!」
「なぜだ、なぜこの俺は、なぜこの北川潤は負けたのだーっ。香里ーーーっ」
 ちゅどどどーん。かくしてこの攻撃により残存艦隊の8割が消滅。提督北川は壮烈な死を遂げ
たのであった。
「ほえー、舞。すごいねえ」
「まともに戦っても勝てたけど....きれいな花火が見たかったから」
「あははーっ」
そしてそれからまもなくオーディンに勝利の方が舞い込んだ
「祐一君っ、舞さんと佐祐理さんたちが勝ったって連絡がきたよっ」
「そっか、やっぱりな。それであゆ、北川はどうした」
「うぐぅ、名雪さんの予想通り....」
はああ、悲惨なやつ。
その頃....

「なんと、北川提督が討ち死にされたというしらせが入った。なぜか!!彼は我々の崇高な目的
の為に戦ってそして死んだのだ。我々は彼の死を無駄にしてはいけない、我々の目的を達するこ
とでかれの死を慰めるのだ!!!!」
「ジーク久瀬!」
「ジーク久瀬!」
「ジーク久瀬!」
211はね〜〜:02/01/17 21:50 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その5)

「はあ、こんなんで大丈夫なのかしら。なんだか、早まったかもね」
「何を言う、同士美坂主席よ。彼の死を無駄にしてはいかん!第一、君は彼のことが....」
「久瀬君、世の中には言わないほうが幸せってことがたくさんあるのよ....」
そう言ってメリケンを取り出す
「わ、わかった。すまなかった。本題に入ろう、副盟主たる君にレンテンベルク要塞方面の守り
について欲しいのだ」
「まったく、余計なこといわないで、さっさと本題を言いなさいよ。わかったわ、それじゃ艦艇の
三分の一は連れてくわよ」
「あ、ああ、わかった。われらが崇高な目的の為に尽力してくれたまへ」
それから2時間後....
「あれ、何か数が減ってるよ。お船の」
「そうね真琴。それに美坂さんの姿も....あ、久瀬さん」
そういって久瀬に声をかける。
「ああ、これは天野提督。真琴殿も。どうしました?」
「美坂さんがいらっしゃらないようですが....」
「うんうん、香里どこ〜」
「彼女は今、レンテンベルク要塞の防備についてますよ、あそこは重要な拠点ですからね」
「でも、そんな重要な事を私達や秋子さんに話さないで....」
「いや、彼女もここにいると何かとあるからな、彼女が同意した以上行かせたほうがいいのだよ」
「あう〜っ、なんだか嫌な感じ....」

既にオーディンでは副盟主香里が動いたことを敏感に察知していた。
「あゆ、報告してくれ」
「うんっ、えっと栞ちゃんのお姉さんの香里さん率いる50000の艦艇がレンテンベルク要塞
に移動したっていう情報が入ってきたよ」
「お姉ちゃん....」
 栞....と、 そこまで聞いて名雪が言った。
212はね〜〜:02/01/17 21:51 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その6)

「うん、ありがとうあゆちゃん。わたしも、香里の事は気になるけど、ここを落とさないとどう
しようもないからね。北川君はどうでもいいけど今回はそういうわけには絶対にいかないから、
香里を降伏させることを考えて行動に移るよ。」
「ああ、わかった。名雪。ぜひそうしてくれ」
「おねがいします、名雪さん」
「うん、香里は私にとっても親友だから....じゃ総司令官だけど今回はあゆちゃんがそして副司
令官として栞ちゃんにお願いするよ」
「えっ、ボク?」
「私もですか....?」
「うん、期待してるよっ二人とも。そして、栞ちゃんは....香里の説得もお願いします...」
「はい、わかりました」
「栞....辛くはないか?」
「大丈夫ですっ!必ずお姉ちゃんを連れて帰ってきますから!!」
「ねえ、祐一君ボクには何か言うことは?」
「ああ、途中の補給所で積載しきれないほどたいやき積むなよ」
「うぐぅ〜、祐一君いじわる〜」

その頃、レンテンベルク要塞では....
「報告致しますっ!こちらに敵の本隊が近づいてきております。その数およそ38000。敵の
司令官は月宮提督とおもわれます。それと....」
「それと、なに?」
「それと、閣下の妹君であらせられます、美坂栞提督が副司令として共に出撃したと....」
「栞が....わかったわ、報告ありがとう」
「はっ、失礼致します」
「栞....負けないわよ。元からあまり乗り気じゃなかったけれど、北川君の為にもここでやめる
わけには行かないからね....」

 どうやら、大方の予想通り香里は北川が好きだったようである。
213はね〜〜:02/01/17 21:53 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その7)

 さてその頃、二人は
「うぐ、うぐ、おいしいねえ、栞ちゃん」
「はい、おいしいです。」
 予想通り輸送船二隻を丸々たいやきとアイスクリームで埋め尽くした二人は到着までの間、食
べながら悦に浸っていた。
「あの……司令官閣下、目的地付近に到着致しましたが……」
「うん、じゃあこれからは警戒体制で進んで行くよっ」
そして、それから少しして、両軍が激突した。
「栞ちゃん、今回は相手を倒すことが目的じゃないから、相手を混乱させて要塞へ引っ込めた後、
降伏勧告を出すよっ」
「はいっ、わかりました。じゃあ、二人であれを....」
「うんっ。」
「閣下、敵軍は何やら部隊を4つにわけてなにやら始めようとしていますが....」
「そうね、気になるから少し後退するわよ」
「はっ!ん?あ、あれは、司令官閣下!」
「え、きゃっ!」
その時、香里の目に移ったものはとんでもないものだった。
「うぐぅ〜、どいて〜」
「えう〜、どいてください〜」
なんと数にして二万以上の艦艇がてんでんばらばらに突っ込んで来ているのだ。当然まわりは大
混乱で陥った。そして、その隙に、のこりの艦が一斉に敵の艦に照準を合わせたミサイルを撃ち
まくったのである。
「大変です、今の第一波攻撃で8000隻以上の損害がでました!!第二波攻撃きます!!」
「もおっ、要塞の砲門を開いて迎撃に当たらせなさいっ!」
「駄目です、味方に当たります!!現時点での敵の損害6000に対し我が方26000!!」
「み、味方にも当たる可能性あるってのに……なんて作戦なの……仕方がないわ、一旦要塞に戻
って態勢立て直すわよ」
 かくして香里艦隊は要塞に撤退した。
214はね〜〜:02/01/17 21:54 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その8)

「うまくいったね、栞ちゃん。って栞ちゃん?」
「大丈夫です〜、ちょっと目が回っただけですから〜」
そりゃあれだけ無茶な軌道を動いたら目も回るだろう。
「えっと、じゃ降伏勧告をだそうっ」
「はいっ、で、どうやるんですか?」
「......」
「......」
「うぐぅ....やり方がわからない」
「ま、まあ。とりあえず呼びかけるだけはやってみましょう」
「うぐぅ、うん。えっと『えー、きみたちは、完全に包囲されてるから武器を捨てて降伏して〜、
君達の親兄弟は泣いてるよ〜』って、うぐぅ、こんなんでいいのかな?」
「なんか違いません?」
「うぐぅ....でも言いたい事は伝わってると思うんだけど」
「ええ、そうですね。お姉ちゃんには、あゆさんの思ってることがそして私の考えも伝わってる
と思います。」
 もしこの場に祐一がいたら絶対に違うと言うような気がするがそれは言わぬが花である。
 さて、この降伏勧告(?)をうけ要塞側では当然のように主戦論を唱えるものが圧倒的多数を
占めたのは言うまでもない。
 要塞という拠点がある以上まだ彼らのほうが有利なのだからそれはあたりまえである。しかし、
香里は悩んでいた。むろん、あゆの降伏勧告に心動かされたわけではない。さっき栞から個人的
な電文が届いたのである。
『ね、お姉ちゃんもうやめようよ。お姉ちゃんが北川さんを思う気持ちはわかるけど、祐一さんも、
名雪さんも、あゆさんも、みんなが....そして誰より私がお姉ちゃんに帰ってきてもらいたいんで
す。それに....せっかくお姉ちゃんに編んでるストールが無駄になるじゃないですか....』
「栞....」
 かくして、香里は降伏勧告を受け入れレンテンベルク要塞は陥落したのであった。
215はね〜〜:02/01/17 21:55 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その9)

 こうして、香里をつれて一行は帰還した。
「ただいま、祐一君。おわったよー」
「おっ、おかえり。あゆ」
「祐一さん....良かったです」
「栞、頑張ったな。そしてお帰り香里」
「うん、お帰りなさい、だよ。」
「あははーっ、よかったですねえ」
「はちみつくまさん」
 そして....
「みんな....ただいま」
 そう言って香里が笑っていた。

 さて、その頃....
「なんだと!!レンテンベルク要塞が陥落、香里が降伏しただと!くそ、妹に説得されたかあい
つめ。あとはこのガイエスブルグのみか....しかし我々には最終兵器がある、秋子さん!」
「はい、久瀬さん。準備はできてますよ。いつでも発射できます」
「頼みますよ....」

そしてオーディンではガイエスブルグ要塞攻略についての軍議が行われていた。
「香里から大体の戦力を聞いた限り数はそれほど脅威ではないよ、でもお母さんがなにやってる
のかが香里でも全然わからなかったから....」
「確かにあの人には底知れないものがあるよな....」
「それに、ガイエスブルグ要塞には主砲ガイエスハーケンがあるからうかつに手は出せないしね」
「そうだな。なあ、佐祐理さん。久瀬ってこういう時どうすると思う?」
「あははーっ、あの人は我慢できなくなって出撃してくると思いますよ。多分もう少しでしょう」
216はね〜〜:02/01/17 21:58 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その10)

 さて、その頃要塞ではうって出るかそれとも篭城するかで揺れていた。
「あう〜、こんな時に出て行くなんて真琴以上に無謀だよ〜。動物だって寒いときは穴の中に入っ
てじっとしてるのに〜」
「久瀬さん、真琴の言う通りです。ここは、篭城に持ち込んで敵方の疲弊を誘うのが一番です」
「うーむ、美汐提督は別として真琴殿までまともな事をいうとは思わなかったな」
「までってどういう意味よっ」
「しかし、数において勝り、この当たりの地形の知識において勝り、強さにおいて勝っている以上
 我々には負けはない!長期戦に持ち込めば持ち込むほどこちらもきつくなってくる以上ここで決
着をつけるのだ!!」
 どう考えても、強さ的には大きく水を開けられてる気がしたものの、さすがに真琴も美汐も声を
大にしてそれを言うわけにはいかないらしく、結局開戦が決まった。まあ、真琴は認めたくないだ
けだろうが。

「うぐぅ〜、祐一君。ガイエスブルクから10万以上の艦隊が出撃したよー」
「く〜」
「祐一、私のまねしないでっ!」
「冗談だ。さて予想通り出てきたわけだが、さてどうする名雪?」
「うん、向こうは数も多いし、なにより美汐さんや真琴も出てきてるからね。全員出撃だよ。みん
な、ふぁいとっ、だよ」
「秋子さん、美汐、そして真琴はできる限り無事に取り戻したい。みんなその事を念頭において戦
ってくれ」
 かくして戦端は開かれた。両陣営の艦隊数は以下の通りである
久瀬側                  祐一側
久瀬  50000            祐一 40000 栞 10000
美汐  22000            あゆ 15000 名雪 11000  
真琴  20000             舞 12000 香里 8000
雑魚(笑)                佐祐理 12000 
    40000             
217はね〜〜:02/01/17 21:59 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その11)

 かくして、戦いは始まった。
「あう〜っ、祐一達強いよ〜。でも、まけないよっ」
 数で勝っているはず(笑)の久瀬側であったが、予想通り双璧、舞と佐祐理の攻撃で雑魚400
00はあっさりと壊滅したため、久瀬側は苦境に立たされることになった。しかし、祐一側にとっ
て予想外だったのは....

「北川君....」
 いまだにショックから立ち直れないア●ロ状態となっていた香里である。それでもなんとか戦線
を維持していたのだが後退していく段階で敵要塞主砲の射程圏内に入っているのに気がつかなかっ
たのである。
 まさにその一瞬の隙を秋子さんは見逃さなかった。
「あれは、香里ちゃんの艦隊ね。主砲発射!!」
「提督、後方より敵の要塞主砲が来ます!」
かくしてガイエスブルク要塞の改造された主砲「謎ぢゃむハーケン」が栞の艦隊に炸裂したのであ
る。一方では乗組員が全員気絶し艦同士がぶつかり合って爆発したり、また一方ではあまりの味に
「えいえんのせかい」へ転送される艦がでたりで結局8割の艦が消滅、香里の旗艦を始めとする一
部の艦だけが帰還できたのだった。
「あ、あのじゃむって要塞の弾になるくらいあったの....」
 かくして、一進一退の攻防が続いたものの、その均衡はあっけないほど簡単に崩壊した。攻撃的
な戦術で(というか、守る事を知らない)戦線を支えていた真琴の艦隊が降伏したからである。
 その理由は....祐一からの通信だった。
「真琴、お前の為に肉まん100個買ってあるんだが食わんか?」
「うん♪」
 かくして、肉まんでこの戦いの趨勢は決する事となった。もし、久瀬が要塞の食料に肉まんを用
意してれば結果は違ってただろうに。
「......」
 それを黙って眺めていた美汐は戦いの決着がついた事を知り自決しようとしたが、部下に説得さ
れ、だよもん同盟共和国へ亡命していったのだった。 
218はね〜〜:02/01/17 22:00 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その12)

 かくして、ほうほうの体で要塞へと逃げ延びた久瀬であったが....
「秋子さん、至急講和の準備だ」
「講和....ですか?」
「ああ、相沢のやってる事を黙認し奴を皇帝にすえてやるんだ。条件的に問題はあるまい」
「久瀬さん、100%負けが決まっている相手からそんなこと言われても無理ですよ。ましてや、
舞さんの件であんな事をやっているあなたを祐一さんが許すわけないじゃないですか」
「い、いやだ、地位や財産を投げ出しても良いから命だけは....」
かくして、久瀬は自裁(中身は謎ぢゃむスペシャル)を強要され、永遠の世界へと旅立っていった
のだった。
 この瞬間帝国全土を2分した「リップシュタット戦役」はここに終結したのである。

「これより、捕虜の引見を始める」
 かくして、真琴が引き出されてきた
「あう〜っ、祐一。ごめんなさい」
「真琴。お前なんで、あんな奴の所についたんだ?」
「だって、だってえ、祐一をぎゃふんと言わせたかったんだもん」
「....お前、久瀬の目的知ってたのか?」
「ううん、知らないよ。ただ、美汐もむこうに行ってたし....」
 はああ....艦内全員の声からため息が出る。かくして反省の為、3日間肉まん断ちという条件で
許されたのだった。(←「あう〜っ、肉まん」)
 その後も、引見は続き、それほど厳しい処断をされる事もなく最後の秋子さんの番になった。
「お母さん....」(名雪)
「秋子さん....」(あゆ)
 秋子さんは黙って歩いてくる。と、その時秋子さんの足が止まった。
「祐一さん、我が主君と同じ味、味わっていただきます!!」
 そういうと、ものすごい速さで謎ぢゃむが祐一めがけて飛んできたのである。名雪が体を張って
祐一の前に出たが、ぢゃむは名雪にも祐一の口にも入らなかった。祐一の前に飛び出したあゆの口
に一ビン全部入ったのである。
219はね〜〜:02/01/17 22:02 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その13)

「.......................................................................................」
 あゆの体がまるで糸の切れた人形のように地面にたおれこむ....
 どさっ....
 その時、祐一の周りから全ての音が消えた。視界にはあゆの横になっている姿しか移らない。そ
の時、
「ゆういちくん....」
 か細い声で、今にも消え入りそうな声であゆが祐一を呼んでいた。
「あゆっ!!」
「ゆういちくぅん....」
「馬鹿だな、あゆ。なんでこんな事....」
 声が出ない、まわりにはぢゃむの赤色がひろがっていく。
「ゆういちくん、まずいよ....すっごくまずいよ....」
「あゆっ!!いいからもうしゃべるな!!」
「でもね、今は全然まずくないよ....」
 そりゃ、全部一気に飲み込んだんだからそうだろう。
「ぼく、どうなるのかな....」
「まずくないんだったら、絶対に大丈夫だ!!」
「あはは、体動かないよ....」
「おれが、病院までつれてってやるから!!だから動かなくたっていいから!!」
「でも、体動かないと遊べないね....」
「ゆういちくんまたぼくと一緒に遊んでくれる?」
「ああ、約束だ」
 そういって指切りをする
「うんっ、約束、だよ」
「あゆ?」
「あゆーーっ!!」
 そして、名雪に肩をたたかれて祐一はきがついた。
220はね〜〜:02/01/17 22:03 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説(その14)

「祐一....あゆちゃんと二人だけの世界に浸ってるところ悪いけど、あゆちゃん死んでないよ」
「へ?」
「うぐぅ....名雪さん、どうしてわかったの〜」
「あゆ、お前まさか....」
「え、ええっ。べべべ、別にどさくさにまぎれて祐一君の本音が聞きたくて死んだ振りしようと
なんてしてないよっ」
「あゆーっ(怒)」
「うぐぅ〜、ごめんなさい〜」
「だって、お母さんが祐一を殺そうとなんかするわけないじゃない」
 名雪である。
「冗談のつもりだったんですけどねえ....この機会に、もう1度食べていただきたかったんです
けど」
秋子さんが頬に手を当ててのほほんと言う。まったく平和な話である。
「祐一さん、私ちょっとだけ妬けちゃいました」(栞)
「あう〜っ、なんでだかしらないけど、すごくいらいらする〜っ」(真琴)
「祐一....馬鹿」(舞)
「あははーっ、これは祐一さんあとが大変ですよ〜」(佐祐理)

 かくして、祐一、あゆ、名雪のたっての願いにより秋子さんへの処罰は謎じゃむの封印と言う
事で落ち着いたのであったのだが。
 それとは別にあゆを除く4人の怒り(やきもちとも言う)を祐一が収めるまでにそれから1ヶ月
もかかったそうである。



                 完
221はね〜〜:02/01/17 22:04 ID:J2AvkfBU
銀河kanon伝説・配役(その15)

配役   相沢祐一  ラインハルト=フォン=ローエングラム
     月宮あゆ  ジークフリード=キルヒアイス
     水瀬名雪  オーベルシュタイン(笑)
    倉田佐祐理  ウォルフガング=ミッターマイヤー
     川澄 舞  オスカー=フォン=ロイエンタール
     美坂 栞  (とりあえず)ワーレン
    ジーク久瀬  ブラウンシュバイク公
     北川 潤  シュターデン
     美坂香里  リッテンハイム候
     佐渡真琴  ファーレンハイト
     天野美汐  メルカッツ
     水瀬秋子  アンスバッハ

でした〜。