Girl Meets Girl…女の子カップルスレ2
【あたしだけのみゅー】(2)
「うごーっ…うごーっ…!」
弁慶の泣き所を押さえてのたうちまわる浩平は、涙に霞んだ目で犯人を探した。ひきつった笑顔を浮かべて硬直している瑞佳の視線の先に立っているのは…繭。
七瀬を独り占めするかのようにそっと後ろから抱きしめて、にこにこと無邪気な笑顔を浮かべている。どうやら、一切容赦のない一撃を浩平に食らわせたのは彼女らしい。しっかり七瀬の死角から。
「お…お…おい、繭…?」
怒りと戸惑いに顔を引きつらせ、震える指で繭を示そうとすると、彼女は突然、脅えた表情を浮かべて後ずさった。
「? よくわからないけど怖がってるじゃないの! なんでこの子を睨み付けるのよ!」
繭を庇うようにして浩平を睨み付ける七瀬。ぎゅっと抱きしめられた腕の中で、ほとんど昇天寸前の至福の微笑みを浮かべる繭。むろん、七瀬の死角に入ったことはまたもや計算済みである。
「いや…だって…」
唖然として弱々しい声で抗議をしようとした浩平は、こちらを振り返った繭の凄絶な笑顔に、「ひっ!」と掠れた声を上げて硬直した。