葉鍵板最萌トーナメント エキシビション Round84.01!!

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949琉一
『夕焼けの攻防戦  〜0083からF91に変わるシリーズ〜』

 今日も今日とてエディ車はひた走る。バズーカも撃つ。
 ドドーン!
「エディ車マンセー!」
 諸手をあげて吹っ飛ぶ観客達に、エディ車は手を振って応える。一際大きくなる歓声。
 エディ車は相変わらずの無表情だったが。
「待つんだよっ!」
 ザシャアッ!
 聞き覚えのある声にエディ車が振り向く。そこには……。
「このまま逃がすわけにはいかないんだよっ!」
 新たな車に乗り換え、復活した名雪車が立っていた。
 ただ車が新しくなっただけではない。
 旧・名雪車はあくまで人力。走るためには必死でキコキコこがなくてはならない。
 だが、新・名雪車はその前方に動力を4つ!
 繋がれた4つの車には……4匹の猫が!
「ねこー、ねこー……くしゅん」
 たちまちくしゃみ連発の名雪車。
「うー。でもかわいいー……はっ!」
 呆れたエディ車の視線に、ようやく正気に戻った名雪車。
「とっ……とにかく、車とバズーカは私のアイデンティティだよ! まねっこさんは、ずるいんだよ!」
「……黙っていれば、見逃してあげたものを……
 ですが、私の勝ち戦に花を添えるだけです。その車も、私が頂きます」
 エディ車のバズーカが火を噴いた!
 負けじと名雪車もバズーカを撃ち返す!
 二人は互いに回避行動を取りながら、バズーカを連射する!
 たちまち辺りは砲撃音と白煙、ネコのにゃーにゃー鳴く声で、一杯になった。
950琉一:02/01/01 22:09 ID:P9MTxZsy
「なんでっ! なんで私の車を奪うのっ!」
「あなたには分からない。
 前世の記憶で出てきただけで、結局結ばれることのなかった私の気持ちなど……」
「それでも私は鍵のヒロインの一人だよ!」
「それは自分の足で、立って戦える人のセリフです」
 人の車を奪っておいて、それはないと思うんだが。
 激しい撃ち合いは十分以上続き、ついに二人のバズーカの弾丸が切れた。
「実体弾兵装が尽きた!?」
「ああっ、こっちもだよっ!」
 ならばあとは残されるのは、自分の肉体と車のみ!
「……いきます」
 エディ車のかぎ爪が宙を裂く。
 切り裂かれた風が刃となって、名雪車に襲いかかった!
 四方から迫る空気の刃。これを躱すには……あれしかないっ!
 ネコエンジン・リミッター解除! 名雪車、出力全開!
「必殺! 超分身殺法だよっ!」
 既出の技だが、たちまち幾体もの残像を生み出す名雪車。
 風の刃はその幻影の中に、空しく吸い込まれてゆく。
「当たりはしないんだよっ!!」
 誇らしげに叫ぶ名雪車。
951◇告知◇:02/01/01 22:10 ID:VUe14g38
    _______________
   | おねがい!
   |     ・まだ新スレが立っていません
   |     ・埋め立ては、新スレが用意されるまでお待ち下さい
.  ΛΛ .  /・それまでの間、しばらくそのままでお待ち下さい
  (,,゚Д゚)⊃.  ・何かありましたら、感想スレまで
〜/U /
. U U  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄       for ALL
952琉一:02/01/01 22:11 ID:P9MTxZsy
 しかし、不意に冷たい殺意が背筋を走る。
「……それは今朝見せていただきました」
「ええっ!」
 名雪車(本体)の背後にぴたりとエディ車が追随している。
 必殺の一撃が、名雪車に向けて振り下ろされる――だが!
 ブン!
 爪は空しく名雪をすり抜けるだけ。
 他の残像と違い、確かに名雪の気配を感じたというのに。
「そんな……気配を持った残像だとでもいうのっ!?」
「そのとおりだおっ!」
「くっ!」

 戦いが始まってから、一時間が過ぎた。
 だが、気配を持った残像にエディ車の攻撃はほとんど当たらず、
名雪車もエディ車を倒せる決め手の一撃を持っていない。
「はぁっ……はぁっ……」
「……ふぅっ…………」
 二人の顔にも疲労の色が濃い。
 だが……長く続いた激戦に耐えられなくなったのは、名雪車を引く猫たちだった。
「……にゃぁ………」
「ああっ、ネコさんっ!」
 倒れたネコに、思わず駆け寄る名雪車。
「ネコさん! ネコさん! しっかりしてっ!」
 ルールでいえば、車から降りた時点で名雪車の負けだ。
 だが、今の名雪車には、そんなことはどうでもよかった。
「ごめんね。ごめんね。私が無理させたばっかりに……」
 ネコをぎゅっと抱きしめながら、涙を流す名雪車。
 エディ車は、動きを止めた名雪車に近づく。
953琉一:02/01/01 22:11 ID:P9MTxZsy
「あ……」
 ぐっと拳が突き出される。思わず身をすくめる名雪車。
 だが……開いた手のひらの上に乗っていたのは、不思議な香りを放つ薬草だった。
「これを煎じて飲ませれば、疲労回復に効きます」
「え……? あ? あ……ありがとうっ!」
 まるで花咲いたような、輝く笑顔を見せる名雪車。
 つられてエディ車も、にこり、と微笑んだ。

「ありがとう、エディ車さん。おかげでこの子も元気になったよ……くしゅん」
 名雪車の周りで楽しげに走り回る猫たち。
 先ほど倒れていたネコは、恩義を感じているのか、エディ車の膝の上で甘えている。
 その平和な姿を見ていると、戦いで高ぶっていた心が、驚くほど安らいでゆく。
「いえ……私こそ、ごめんなさい。
 車、返します……。やっぱり私より、あなたの方が車は似合います」
 だがその申し出を、名雪車はぶんぶんと首を振って拒絶する。
「ううんっ、いいよ。あれはエディフェルちゃんにあげるよっ!」
「ですが……」
 あれは名雪車にとって、共に連れ添った戦友とも呼べる車のはず。
「私には新しい車ができたし! 友情の証だよっ!」
 それでも名雪車は、笑顔でそんなことをいってくれた。
「……いいんですか?」
「うん! もちろん!」
「……ありがとうございます」
 沈んでゆく夕陽と共に、二人の戦いも終わる。
 暖かい日差しの中で、猫たちが平和にあくびをして、膝の上で丸くなった。
954琉一:02/01/01 22:12 ID:P9MTxZsy
 さて、勝手な設定付加しまくりで、怒られそうな琉一です。
 名雪車さんが新車投入したのをいいことに、さっそくネタに……。
 というか、あれを「分身」と言いだしたのも、
 名雪車から車を奪い、「エディ車」を勝手に作ったのも、俺だったり……。
 おかげで新名雪車が完成し、ファンのみんなは喜んだかもしれませんが、
 名雪車さんとチェき氏の両者には、余分な労力をかけさせてしまい、誠に申し訳ありません。
 でもお二人とも、>>919,920,922 の3つのAA、素敵すぎです。
 これ見れたなら、怒られてもいいかな……と思ったり。あぁ、ごめんなさい。反省してます。
 今回もネコが引いてると勝手に解釈してます……が、公式設定ではないので、他の方は信じないでください。

 かくして、またも終了直前、なおかつ終わりそうなスレにSS投下です。
 なんだか新スレが立たないそうなので……仕方ないか?
 あとでリンク張るとして、とりあえず投下します。
 って、なにかメッセージが中央にっ!?