葉鍵板最萌トーナメント!!2回戦 Round83!!

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766琉一
「おおっ、うまいっ!」
「……ホント」
「喜んでいただけて、幸いです……」
「あ……これあげる」
 はるかが再び缶紅茶を取り出した。
「ありがとうございます……」
 エビフライを肴に、缶紅茶での酒宴が静かに続いた。
 一人、コリンだけが酔ったように騒いでいる。
 時折、葉子に「エビフライは尻尾まで食べてください」と、怒られながら。
「ごちそうさま」
「お粗末様です」
 あれほどあったエビフライは、全て食べ尽くされた。
 今はデザート代わりにはるか提供のハーシーズを食べている。
「なんだか……こんなことしていると、戦う気なくなっちゃうわね」
「私もそうでした」
 1回戦と2回戦ではるかを相手にした二人が、共感したように頷きあう。
「天気、いいからね」
「いや、それは違うっすよ、旦那」
「そうなの?」
 静かな笑いが、穏やかな午後の空気に溶けてゆく。
 高い冬の空の下で、鳥が円を描いて飛んでいる。
 四人はただ、変わってゆく雲の形を見つめ、時間が過ぎるに任せる。
 はるかが小さなあくびをした。
「ん……眠い」
「そうね……お腹一杯だし」
「こちらの方は、もう寝ていらっしゃいますが」
 すでにコリンは、だらしなく口を開けて、ベンチの上で寝ころんでいた。
「お休み」
「……そうね。別に眠ったって、罰は当たらないわよね」
「おつきあいします……」