1 :
名無しさんだよもん:
南海に浮かぶ孤島に作られた空想上のモンスターが暮らすモンスターパーク。
ここは遺伝子工学が生み出した夢の島。この島には空想上の生物が生息していた。
そこに特別先行入場を許された103人の男女がいた。
そこは夢見るスタッフの手によって作られた夢の島のはずだった。あの事件が起こるまで。
「檻に飼われたモンスターなんてリアルじゃない、真のリアリティを見せてやる。」
遺伝子情報の利益とリアルリアリティに目がくらんだ超先生によるシステムの暴走。
自動運送ジープの暴走で島でばらばらになった彼らに迫る古今東西あらゆるモンスター。
武器も食料も水さえも無い状況で彼らは生き延びる事はできるのか。
【元ネタ ジュラシックパーク】
・書き手のマナー
キャラの死を扱う際はなるべく注意をしましょう。
誰にでも納得いくものを目指して下さい。
また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
なお、同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず全面的に禁止します。
マイナーモンスターを登場させる場合は話の中か後に簡単な説明をなるべくつけて下さい
・読み手のマナー
自分の贔屓しているキャラが死んだ場合、
あまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、理性的に意見してください。
頻繁にNGを唱えてはいけません。
また苛烈な書き手叩きは控えましょう。
関連リンク
葉鍵リレー小説総合スレ
http://game.2ch.net/test/read.cgi/leaf/1007821729/ 参加キャラリストは
>>2-5にあります。
【雫】
長瀬祐介 月島瑠璃子 新城沙織
藍原瑞穂 太田香奈子 月島拓也
【痕】
柏木耕一 柏木千鶴 柏木梓
柏木楓 柏木初音 柳川祐也
【To Heart】
藤田浩之 神岸あかり 長岡志保
来栖川芹香 来栖川綾香 佐藤雅史
保科智子 宮内レミィ 姫川琴音
松原葵 マルチ セリオ
坂下好恵 雛山理緒 シンディ宮内
【WHITE ALBUM】
藤井冬弥 森川由綺 緒方理奈
緒方英二 篠塚弥生 澤倉美咲
河島はるか 観月マナ 七瀬彰
【こみっくパーティー】
千堂和樹 高瀬瑞希 大庭詠美
長谷部彩 猪名川由宇 芳賀玲子
牧村南 塚本千紗 桜井あさひ
立川郁美 御影すばる 九品仏大志
【まじかる☆アンティーク】
宮田健太郎 スフィー リアン
江藤結花 高倉みどり 牧部なつみ
【誰彼】
坂神蝉丸 三井寺月代 砧夕霧
石原麗子 桑嶋高子 岩切花枝
杜若きよみ(白) 杜若きよみ(黒) 御堂
【MOON.】
天沢郁未 巳間晴香 名倉由依
名倉友里 巳間良祐
鹿沼葉子 高槻
【ONE】
折原浩平 長森瑞佳 七瀬留美
里村茜 川名みさき 上月澪
椎名繭 柚木詩子 深山雪見
広瀬真希 住井護 氷上シュン
【Kanon】
相沢祐一 水瀬名雪 美坂栞
沢渡真琴 川澄舞 月宮あゆ
倉田佐祐理 美坂香里 水瀬秋子
北川潤 天野美汐 久瀬秀一
【AIR】
国崎往人 神尾観鈴 霧島佳乃
遠野美凪 みちる 神尾晴子
霧島聖 橘敬介 しのさいか
チーフスタッフ 超先生
いいんだけど…葉鍵クリスクロスが動いてるのでは?
7 :
悪夢の始まり:01/12/26 01:04 ID:8v/xz6lD
南海に浮かぶ孤島に作られた空想上のモンスターが暮らすモンスターパーク。
ここは遺伝子工学が生み出した夢の島。この島には空想上の生物が生息していた。
実際は生息とは名ばかり、動物園と大差ない状態だ。
その光景が映るモニターを横目にひたすらプログラムを走らせる一人の男が居た。
「檻に飼われたモンスターなんてリアルじゃない、真のリアリティを見せてやる。」
禍禍しく歪んだ彼の顔の目の前にジープに乗って見学する何組ものグループが映し出された。
彼らは運良く選ばれた103人のパークの見学者、そしてこの大変有意義な実験の証人。
『システム掌握完了。』
計画の第一段階が成功した事を知った彼は園内放送用マイクを握った。
「よく集まってくれた、103人の勇者達よ。私は周りから超先生と呼ばれている者です。
皆さんは私のモンスターパークを見てどのような感想を持ちましたか?
檻に入って何も出来ないオーク、お化け屋敷の出来損ないでしかないミミック。
この島にある物はまったくリアルじゃない。私の目指す真のリアリティの欠片も無い。
だから私は決意した、この島でリアルリアリティを表現する事を。
さあモンスターの制御装置は解除されました。全防犯システムも既にカット済みです。
君達とモンスターを分け隔てる物は何も存在しません。存分に楽しんでください。
コレより真のモンスターパークの開園を宣言します。」
そう宣言すると彼はマイクの電源も切らず笑いだし、笑い声に誘われるように
生贄を乗せたジープはレールの上をばらばらの方向に猛スピードで走り出した。
常人には理解できぬ理想と利益を求め暴走した男が引き起こした悪夢の物語が今始まる。
【各ジープは4人乗りですが3人乗りが1つあります。メンバーは書き手の自由です。】
その前に、この企画…
ファンタジーとクリスクロスのいいところパクって殺し合いするだけの企画か?
超先生以下だな…
うあ、面白そう。
…だけどかおりん&由美子&響子さんはまたも選外か…
「ああすまんが、何で俺達ここにいるんだ?」
「夢、だろ。夢だったら、何でもありさ」
「そうだよな。隆山で起きた事自体、夢みたいなものだったしな」
「夢なら、早く覚めたほうがいいよっ」
「了承(1秒)」
そして彼等は、現実に帰っていくのでした………。
エンドNo.1〜やりたいなら、ちゃんとプロローグから考えて下さい〜完
まーとりあえずイキナリ否定するのもナンだろ。
トーナメントは日に2キャラづつしか直接は関わらないし
そろそろ冬季休暇に入るからいいんでない?
1がもう少し練りこむべきだというのは三世。
モンスターって何すか?
1、どうしてもやりたいなら中途半端はやめろ。
ロワなんだからマターリ無し、NG無し、殺し合いのみにしてくれよな。
殺しマンセー、ロワマンセーの隔離企画としての役割を真っ当に果たしてくれ。
それ以前になぁ、ハカロワの時と違い、最萌で知名度上がったっていうのに、
雀鬼とフィルスとナイトライターのキャラを、端っから無視してるのが駄目だね(笑)
根本的にダメダメなのはこれだけクレームが来てるのに、
>>1が一向に説明しない、顔出さないっていう態度が問題アリだ。
>>1は本当にこの企画がやりたいのか小1時間問い詰めたい。
ID変えて
>>1擁護でもいいから出て来い
>>1。
最低限決めるべきことは
「キャラクターがなぜココにいるのか?(招待された だけでは少し弱い気がするがどうか)」
「モンスターの定義(どのへんまで許されますか 島ごと消し飛ばすような物もアリなのですか 極論ですが)」
ジュラシ知らないのでなんともいえんがジープとやらから降りることは可能なのかとか
そもそも人数縛りがキツすぎやせんかとか、とりあえずそんなかんじか?
もっと煮詰めれば化ける可能性はあると思うぞ実際。一応書き手希望者。
>>15より
>バイオハザードのモンスターのこと。
痕とMOON勢で楽勝っぽいなぁ(笑)。
>>16に同意。はよ出て来いな。
>>17 前者・ハカロワを思い出してみれ。「連れて来られた」としか書かれていないぞ。
後者・生物学的に物理的に説明がつくものならいいんじゃねーの?
ジープってのは原作ではレールの上を走るコンピュータ管理された車です。
それによって決められた道筋を観光できるようになってました。>原作
>>19 あれはバトルロワイヤルだから、どうやって連れて来られたか想像ついたし(俺は)
後で皆様「そうか……あの時睡眠ガスを嗅がされて………」とフォローしてたけど、
今回は「皆、いるんだったらいるんです」じゃあ荒っぽ過ぎると思いますよ。
何せ、警察官はともかく(バイオ繋がり)一般学生が何故? というのぐらい決めんと。
22 :
名無しさんだよもん:01/12/26 01:39 ID:rtOMYaWN
>>19 前者:今のクリスクロススレとか見てるとそのへんにやけに固執してる(してた)みたいだから乗ってみた。
俺自身は「連れて来られた」でもいいんよ。
後者:いちおテーマパークだったんだからやっぱりそんなもんかな。レスサンクス。
おっとすまん遅くなった>>1です。
痕やMOONが有利っていっても島には一応出そうと思えば鬼だっていますし
不可視の力仕えるやつは原作に従えば郁未と葉子だけ
決して楽勝にはならないと思います。
すまん上げちまった。
しかしどうも葉鍵バイオハザードか葉鍵ディノクライシスレになりそうな気がする。気のせいであってほしいが。
>>20 レールじゃねーよ。オートで運転される車だよ。
コンピューター制御以外でも手動で運転できることも付け加えとけよ。
「は?」
「浩平、どういう…こと…?」
唐突に響いた超先生とやらの声。
その後走りだしたジープは、大木にぶつかり停止した。
ジープに乗っていたのは、浩平・長森・スフィー・リアンの…はず。
「スフィーさん、リアンちゃん、今のなんだと…」
そこで言葉を失った。
振りかえった先に見えたのは、緑色の液体に包まれた何かと、声を発することすらできずにそれを見つめている少女。
パァン!パァン!!パァン!
衝撃波でもぶつかったかのように、緑色の塊のあちこちが爆ぜる。
だが悶え苦しむかのようにのたうつ塊に、たいした変化は訪れない。
「ね……ね…ぇ…さ…ねえ…さ…」
凝視する少女が発した言葉。
浩平と長森にもわかった。
その塊こそ何か…いや、おそらくゲームによく登場するスライムに取りこまれたスフィーなのだと。
リアンは知っていた。
衝撃波を起こしているのはスフィーの魔法なのだと。
だが、呪文すら唱えられない状況で使える魔法は限られている。あれでは助からない。
リアンの口は恐怖で動かなかった。
塊が…。
のたうつのをやめるその瞬間まで。
【スフィー 死亡】
>>23 MOONは原作に従うの?
なら良祐や高槻が生きているのおかしくない?
良く見れば、長瀬一族(顔長の面子)もいない………特にセバス(笑)。
「大体、何でしのさいかがいて、長瀬○○郎シリーズがいないんだ」
↑………いや、最萌でしのさいかに投票してた人間が言う資格は無い台詞だけど(笑)
>>23 晴香も使えるよ。というか、久瀬って秀一って名前だったの?(笑)
それ、オフィシャル設定ちゃうんちゃう?
>>24 スライムだろうがミノタウロスだろうがフローリングイミテーターだろうが
何を出しても一応OKだからもちろん恐竜もゾンビもOKだけど
書き手の人が好んで出すか別なんで気のせいと思ってます。
4人乗り人数制限はきついようなら削除の方向で
最初から縛る設定加えても仕方が無いので
痕三人娘が居ないことについて問い詰めたい…
あと、柳川は生きてる扱いなのね?(=初音エンド?)
とりあえず、誰彼勢の穴がひどいぞ。
犬飼、ジィ蝉丸、光岡…抜けすぎ。
>>29 何でも書けてしまうな(w
しかしそれでご都合に逃げ込んでしまう事態は避けたいものだ。
4人乗り制限なあ。よくよく考えたらやっぱりパーティー組むのは4人前後が妥当なのかな。
一応4人前後ということで4人または三人「固定」を削除してみるのがいいかもしれない。
何だかんだで始まっちまったようだし書くかな。俺も。
痕三人娘また落選ですか・・・
しのさいかやシンディ宮内入れるぐらいならこっち入れてほしかった。
無理やり始めて、適当な設定をうやむやにする。
素人にも玄人にもお薦め出来ない(笑)。諸刃の剣どころか逆刃刀。
自分しか傷つかない。
>>1も先走りなら
>>26の書き手もフライングか?
頭痛い…
いいんじゃねーの?こいつらだけ楽しんでればさ。
これだけ徹底して殺しマンセー体制ならNGなんか要らないだろ。
さあ、好きなだけ殺せ。誰を殺してもNGにならないそうだぞ。
殺しロワマンセーランド……開園(藁
ハカロワにいて消えたキャラって少年だけ?
郁未母も消えたよ ふえたのは坂下 シンディ さいか 久瀬 高槻
せめてレス番100くらいまでは設定を突き詰めようや。
なんとか
>>26も無駄にならないように。
と、ささやかながら誘導の真似事をしてみる。
練り直しが必要なのは……むしろエントリーキャラのほうですか?(w
なんで雄蔵いないんだ…あいつがいないとイクミンの生存確率が
ぐぐ〜〜っと下がるよ
さいか入れるなら神岸ひかりやら3コス娘に編集長、オタク縦横も入っちまうだろ…
このエントリーは
>>1のシュミなのか?(藁
41 :
訂正:01/12/26 02:13 ID:8v/xz6lD
>>7 生贄を乗せたジープはレールの上をばらばらの方向に猛スピードで走り出した。
↓
生贄を乗せたジープはばらばらの方向に猛スピードで走り出した。
【各ジープは4人乗りですが3人乗りが1つあります。メンバーは書き手の自由です。】
↓
【各ジープには4人前後が乗っています。メンバーは書き手の自由です。】
「くくく………リアルリアリティの恐ろしさ、とくと味わうがいい」
モニターの前で笑う超先生。
「やはり、一番気をつけねばならんのは、我が愛娘琴音だろうな」
その言葉に反応し、琴音の映っている画像がアップされる。
そこには、暴走したジープを何とか制御している水瀬秋子、
後座席にしがみついてる来栖川芹香、それを庇う様に立つ綾香。そして、姫川琴音がいた。
その画像に、違和感を覚える超先生。
「……………『神の拳』セバスチャンが、何故いない?」
「呼びましたかな?」背後から、声。
「なっっ………!?」「滅殺!!!」ドンッッッ!!!!!
「ひでぶっ!!!」
「ふん………この程度のセキュリティ、ものの数では無いことを知るのですな」
そうしてセバスは、文字通り首になった超先生を椅子の上に置き、マニュアルを探し始めるのであった。
【超先生、死亡 セバス、コンピューターのマニュアルを探す】
43 :
名無しさんだよもん:01/12/26 02:14 ID:0e5utqR2
いーんじゃねーの?
>>1は殺し合いマンセーでやりたくて無理矢理立てたんだし
殺し合いマンセー書き手がそろえば面白くなるんじゃねーの?
一番の問題はAIRはしのさいかまで入ってるのに
痕や雫はメインキャラしか居ないことだろう。
何でだ?
44 :
10=42:01/12/26 02:16 ID:gE9bf0l7
何やっても良いってことは、こんなのを初っ端から持ってきてもいいんですかね?
つうことで、設定をしっかり考えましょう(笑)。
オレモナー。
「どうすんだよ」
「さぁ…?」
俺の名前は北川潤。
「なんかやばい事に巻きこまれたよな?」
「どうやらそうらしいな」
気はやさしくて力持ち。
「だいたいなんで俺と相沢2人きりなんだろうな?」
「俺達のクジ運が悪いだけだろ?」
相沢と二人きりでモンスターパーク巡り! 最高!
「いや、現実逃避してどうする…。落ちつけ潤…。さっき見たドラゴンは滅茶苦茶格好良かったぞ」
「……」
そう。ドラゴンを見てすぐにあのアナウンスだ。
「モンスターが檻から出されて大根卵」
「大混乱」
……。
「棍棒と竜の鱗が基本?」
「現実逃避するな」
………。
「壊れたジープで走り出す〜♪ ……走れるかボケェ!!」
「盗んだバイクだろ」
…………。
「なんで相沢はそんな落ちついてるんだよ! ここドラゴン生息地域の真っ只中じゃねーか!!」
「目の前でそこまで慌てられると、逆に落ちつく」
だが、相沢をけっぱったところで状況は同じ。
『竜の巣出口まであと10Km』
目の前にある看板が妙に憎らしい。
俺はそこら辺にあった石を拾い上げると、看板を擦り始めた。
ガリガリガリガリ
『竜の巣出口まであと 0Km』
「ほら! ここが竜の巣の出口だ!」
「馬鹿?」
【祐一 北川 竜の巣出口まであと10Km地点】
某所を晒したい。とても晒したい。でも楽しみが減るからよす。
>>44 それ実は俺も気にかかってた。実現ありがとう(w
しかしこの辺は暗黙のなんとやらで…いやあの えーと。
例えば職員は超先生についてるとかさ。やろうと思えば防犯システム誤爆でどうにでもできるとか(参加者を)
50 :
10=42:01/12/26 02:26 ID:gE9bf0l7
エントリーキャラを考え直しましょう。
意見として多い? のは
「しのさいかがいるのに○○○がいないのは何故?」ですね。
名前が実際出ているのは
「雄蔵」「長瀬源一郎、三郎、四郎(セバス)、五郎(主任)、フランク」
「かおりん」「由美子さん」「響子さん」「犬飼」「ジィ蝉丸」「光岡」「少年(MOON)」
「神岸ひかり」「3コス娘」「編集長」「おたく縦」「おたく横」
後、名前忘れたけど「まじアンに出てくる長瀬」。
それに「ナイトライターの面子」「フィルスノーンの面子」「雀鬼の面子」と。
まず
>>1にエントリーキャラの選考理由を説明してもらいたいねぇ
なんでしのさいかが(以下略)
>>48 ″アソコ″だろ?(w
つーかまだあんなところで悪だくみやってたのか奴ら。
まったく…リレー小説の癌だな(藁
53 :
10=42:01/12/26 02:33 ID:gE9bf0l7
>>49 無駄な努力マンセー。という奴です(笑)
後、武器はどうすんのかしら? バトルロワイヤルと違って、
これじゃ一般人即死ものではないですか? 武器支給されないんだから。
というか、好き勝手やっていいなら、「国崎最強ーっっ!!」 にするぞ(笑)。
俺的には、ハカロワで折角の各ゲームの特徴の一つ、特殊能力が制限されてたから、
今回は制限無しで行きたいね。後、同人設定ありですか?
(まぁ、ハカロワの秋子さんだって、同人ネタ混じっていたけど念の為)
眠い…起きたら事態は少し好転しているだろうか……
エントリーキャラについては、「しのさいかを入れる代わりにマイナー(?)キャラ総登場」
「しのさいかを抜いて現状維持あるいはフィルス等のメインメンバーのみ追加」
「むしろ一切合財考えられる限りをエントリーする」になってしまうのだろうか。別に
しのさいかがキーになってしまう必要はないが、まあなんとなく。
立ち絵も無いキャラをエントリーさせようなんて具の骨頂。
立ち絵とセリフがあるキャラ数えたらキリが無いぞ。
そこんとこじっくり考えてみなよ。
あ、あと武器はいかがなものか。
なんだかんだで現状では一般人が圧倒的に多いだけにこのままだと
ピクミンの如き虐殺でも起こりそうですが。
MOON.チーム(つっても使役者は3人か)はモンスターを電子レンジのごとく破裂させつづけるのだろうかとか
フィルス、雀鬼は無敵くさ(略)
先は長いな……
>>53 同人設定はナシ。1にも一応書いてあるが、変更するんだろうか>1よ。
57 :
10=42:01/12/26 02:39 ID:gE9bf0l7
>>54 どうせ設定が『ざる』なんだから、何でもアリで良いのでわ?
と、言ってみるテスト。
まぁ、面白くなったら参加しますわ。書き手として。
秋子と国崎とあさひのアクションパロディ物なんぞを目指して(笑)。
(ジャッキー・チェンじゃ無いんだから)
>>55 そこは極論ですから。
常識的な範囲にエントリーが収まることを期待。
ああ寝なきゃ。追試が。
59 :
10=42:01/12/26 02:45 ID:gE9bf0l7
『超個人的に』一番痛いのは、マイナーモンスター。
俺、すでに12年選手のTRPG&西洋ファンタジー好きだからなぁ(苦笑)。
同人無しでも、秋子さんをどうとでも設定出来る罠(笑)。
嫌だなぁ、クトゥルフ神を見ただけで言い当てる主婦なんて(ジョーク)。
60 :
10=42:01/12/26 02:49 ID:gE9bf0l7
さて、俺も寝る……。コミケ前で忙しいから、今度来た時にはすでに始まってたりしてな(苦笑)
まぁ
>>1は、一晩寝て頭を冷やして来いって奴だ。では
>>58さん、追試頑張って下さい。
61 :
RTO:01/12/26 02:49 ID:rtOMYaWN
>>59 ジョークで済めば良いが(苦笑)。
秋子さんをどうとでもというのには激しく同意。
万能過ぎるのはつまらないけど、平凡な秋子さんなど暴動モノですね。
(もうみんな寝たか……スレに飽きたか……
仕切ってるのは誰だ……1か……ちゃんとせえよ……乗っ取っちゃうぞ(ジョーク)
名前はなんとなく。IDの前から3文字で。
俺も寝るかね。っつーか1出てこねーと立て逃げ厨認定しちまうぞw
(´-`).。oO(マジな話なんだが
>>1よ…『奴ら』を何とかしないと後々面倒なことになるぞ…)
(´-`).。oO(ま、
>>1も『奴ら』の一味だったら言っても無駄だと思うけどさ…)
>>61 そうかね、おれなどは平凡な主婦秋子さんを切望しているのだが…
65 :
10=42:01/12/26 03:01 ID:gE9bf0l7
ちなみに当方、ハカロワに執筆したことはございませんので。
後、42はあくまでジョークです。誤解しないで下さいまし。
あんな、推敲もアップする前のチェックも、してないような文なんて………。
66 :
読み手A:01/12/26 03:17 ID:XTPk2ckI
エントリーキャラって、最萌と最燃に出ているキャラからシナリオの書きようのないキャラ
(倉等やわれものみたいな発売前のキャラとか、浩平のおばさんみたいな端役)を抜いていく感じでいいのでは。
あ、清水なつきは絶対に加える方向でw
テーマパークだったなら、一般公開前の特別公開として応募者の中から当選した人のみ来れるとかで。
ヘリコプターかなんかで、武器と食料を主催者である超先生が島中にばらまいてみるっていうのは。
もちろんばらまかれている量は限られていますし、どこに何が落ちているのか全然わからないので
それらを奪うための対立が生まれてって展開も可能なような。
能力はある程度制限したほうがいいのかも。
体力の消耗がかなり激しいので連続使用はできず、下手に使うとモンスター相手に何もできない可能性があるとか。
強いモンスター相手なら、使いどころ次第間違えると鬼の力や不可視の力あっても負けてしまうとか。
陸地から遠く離れた孤島。
そこへ近づく一人の男の影があった。
荒れ狂う波も、激しい潮の流れもものともせず。
その男は泳ぎ続けていた。
がっ
男がついに島の岸壁に取り付いた。
そしてそのまま、垂直に近い絶壁をもくもくと登り始める。
さほど時をおかず上まで辿り着いた男はゆっくりと立ちあがった。
「郁美……」
ただ一言呟くと、男は異形の咆哮が響く密林へと踏み入っていった。
【救世主 立川雄蔵 上陸】
と、まぁ何でもありならと非エントリーを無理やり持ってきるテスト
>69
氏ね。
スレ乱立を推奨させるなよ、厨房が
>70
そのスレは12月8日にたちましたが?
>71
論点が150度ほどずれてる
出直してこい
>72
それぐらいズレてますねw
すみませんでした
74 :
読み手A:01/12/26 03:42 ID:XTPk2ckI
>>69 あれ?
もしかしてこの企画もう始まってるんですか?
最初から読んでいったんですが、まだ話し合いの途中だったと勘違いしていたようです。
>>66で変な提案してしまって申し訳ないです(^^;
この企画は乗り重視でやりたい用にある程度好き勝手やっていくことを
コンセプトに置いている企画です。
先発の企画は念入りに前準備したうえでやっていく企画なのでその辺の
違いを書き忘れたのは1の落ち度でした。
企画の自由度が大きすぎて何をしていいか分からないことに関しては
原作準拠なら救援がくるまで生き残る
救援を呼ぶためにモンスターがいるなかを施設まで移動しないといけないけど
原作準拠ならこの後電気が完璧に落とされるだろうし これは流れ次第です
キャラの決め方は独断と趣味です。
また1の独断ですがキャラの追加には基本的に文句ありません。
別に登場させるのはいいんだが無理やり出すなって感じなんですよね
一部グループが救援呼ぶのに成功 助け来てもまだ島でバラバラになってるグループもある
それで脱出するキャラと新たに捜索隊になるキャラとに分かれたりと
何かしらやりようはあると思うのだが
>>75 それならば、
>>42の採用を提案してみるテスト。
超先生死んだから、これからシステム暴走。と、言ってみる。
>>76 別に
>>42が正式採用されても続ける案は俺も持ってますし
他の人でも充分考え付くと思います。
ですが一応このスレのコンセプトを分かってもらった上で
ID:gE9bf0l7さんにこれを採用するのか取りやめるのか
判断してもらうのが一番だと思います。
これははじめることができそうだね。楽しみ。
……幾つか上がってる短編の、どこまでテストでどこまで本編なのか解らないのが、
最大のネックのような気もしないでもなく。
そしてアンドロメダ病原体だかなんだかは読んだのに、ジュラ読んでない変人はウチ
だけでしょうかw
何はともあれ、楽しくやれるといいですね。
さっきから出ている『某所』とか『奴ら』とか、いったい何なんです?
81 :
読み手A:01/12/26 11:09 ID:Edzkc2jj
「往人さん! これっ! これっ!」
霧島医院前での仕事から帰ると、観鈴が紙切れを降りまわしながらこちらにやってきた。
「にはは、恐竜さんだよ! がお〜っ!」
「……恐竜?」
観鈴から紙を受け取ると、とりあえず彼女の頭を一発殴る。
「うぅっ……なんで殴るかなぁ」
「お前があの口癖を言うからだ」
「言ってないよ。あれは恐竜さんの鳴き声。 がお〜って」
もう一度拳を落とす。
隣で頭を抱えている少女の恨めしそうな視線を無視しながら、渡された紙に目を落としてみる。
……どうやら近々島1つをまるまる改造した一大テーマパークが開園するらしい。
科学の力で恐竜や空想上のモンスターを遺伝子操作で創り出し、それを見物するという企画のようだ。
「言っておくが俺は金など持ってないぞ。頼むのなら別の奴にしろ」
「にはは」
観鈴が今度は薄い青紫色のインクで文字の印刷された、お札ほどの小さな紙切れを差し出してきた。
よく見ると『特別先行ご招待券』と書かれている。
「な、なんだこれは……」
「厳選なる抽選で選ばれたからだって。チラシと一緒に送られてきた。三人分あるからみんなで行けるね」
「俺は行かないぞ」
きっぱりと断る。
厳選な抽選だとか先行入場だとか、まるで怪しい勧誘みたいではないか。
それに、こんな物を見ている暇があったら少しでも旅の資金を稼ぎたい。
「島に新設された超豪華ホテルに三泊四日、ご飯は世界の超一流シェフによる超バイキング。それから……」
「行かせて下さい。観鈴さん」
「にはは、素直でよろしい」
【観鈴・往人 参加決定】
82 :
読み手A:01/12/26 11:16 ID:Edzkc2jj
文章力と構成力だめだめですね(^^;
死ぬ前に一度でいいから国崎を弄くってみたいと思ってつい書いてしまいました。
とりあえず他の上手な書き手さんの邪魔にならないように、あたりさわりのない場所を選んでみたつもりです。
もしもやばいときはダメ出ししてくれてかまわないんで、今回だけは許してやって下さい。
リレー小説はおろか、小説すらあまり書いたことのない読み手のちょっとした暴走でした。
>>80 _. -ッ'"  ̄ ̄`' ー-、
/、.....!......._,,::;;:'::::::::::::::ヽ
i´厂`''''"´ `ー、‐::-::;;l
}ノ-、 ,. -‐-、 ヽ;::::::::l
l ̄二'ー 'フ,ニニ.ーrー}-レ ''7
l : i.__゚〉r、::..ヽ.__゚ノ レ''}ノf´/
`''r-- ノ:::`ー---‐'′:l-イ ククッ…教えてあげません
l `_ ____,、 :l|::::|
. ヽ. ― /:::|:リ
ヽ. ,. -'-‐''"´| ,.へ,
r} ̄ _,,.. -‐ ''"フ‐''"_∠,`ー- ...,,_
-‐ノハ ̄ _.=''´/ --`i '''' ー-′
/ l / / '′ -ー{
,.ヘ. '´_,.‐'′
・ジープは4人前後乗り。非知合い同士でも乗っているもよう
・参加しているキャラは、先行招待されたもよう(
>>81 過去回想)
【死亡者】
超先生
スフィー
【グループ】
>>26 浩平・長森・リアン (スフィー死亡)
>>42 セバスチャン (超先生を滅殺。コンピューターのマニュアルを探している)
>>42 芹香・綾香・琴音 (ジープ暴走中)
>>45 祐一・北川 (竜の巣出口まであと10Km地点で現実逃避中)
超先生、かませいぬだったな(藁
「ふぅ、みんな大丈夫かい?」
「ハァ、ハァ。なんとか」
男の子の方―確か住井君だったかな――はともかく
他の女の子二人は息も絶え絶えで喋ることも出来ないようだ。
「取りあえずここは安全みたいだし少し休憩しよう」
「………す、すみません。柏木さん」
美坂さんはそう言うとその場にへたりこんだ。
「えっと、立川さんだっけ?大丈夫?随分顔色悪そうだけど」
「だ、大丈夫です」
10分以上も走り通しだったからな、無理もないか。
「さてと、これからどうするかな」
俺は考え始めた。
千鶴さん達も無事だと良いけどな。
「耕一さん、ちょっといいですか?」
「ん?何だい?」
「これからのことですけど、建物を捜しませんか?」
「どういうことだい?」
「多分施設内に案内用端末があると思うんですよ。上手く行けば情報が得られると思います」
「なるほど」
「それにひょっとしたら外部に助けを呼べるかもしれませんし」
「じゃあ、一休みしたら建物を捜そう。いいかな?二人とも」
住井君と俺の話を聞いていた二人は息が切れて声を出せないので
クビを縦に振って賛成の医師を示した。
【耕一 住井 香里 郁美 休憩中】
理不尽だ。
丁度、学校で起こった電波にまつわるひとつの事件のように。
モンスターの存在も、この放送ですら。
「ゆ……祐クン、あたしたち、どうなっちゃうのかなぁ……」
手動操縦にして何とか止めたジープの中で、隣に座る女の子-------新城佐織ちゃん-------が僕に問い掛ける。
こんなとき、小説にでも出てくる歯の浮くような台詞を言えることが世渡りの秘訣だろうか。何故か、不意にそんなことを考えた。
「まだ、状況がよくわからないからなんともいえないよ。偵察に行ってくれたあの人たちも戻ってきてないし……それに」
あの人たち。
たしか神岸あかりさん、それから藤田浩之くん。僕たちと同年代の二人で、幼馴染らしい。
ジープを止めた直後、「ちょっと、外見てくるわ。タチの悪い冗談だとも限らないからな」といって藤田さんが飛び出してしまい、それを神岸さんが追いかけたのだ。
「それに?」
続けて沙織ちゃんが訊いてくる。後に続く言葉のどんな期待があるのか、こちらの顔を見上げるようにして訊いてくる。ついでに目が輝き始めた。
僕が二の句を告げなくなっているうちに藤田くんたちが帰ってきたのは、正直ラッキーだった。
モンスターがどんなものかは知らない。何かのゲームでもあるようなボククラスの怪物でも出てくるのか。
せいぜいがスライム止まりなのか。
パンフレットを見る限り、その可能性は薄そうだったがしかし、僕には自身があった。
……モンスターにだって電波は効くだろう……
「……服以外では見分けがつかないほど、そっくりだとは思いませんでしたよ………」
「何も言わないでくれ、柳川君………。で、セリオは運転出来そうか?」
「サテライトサービスは利用出来るようですよ。セリオ、代わってくれ」
「………ドライビングプログラム、ダウンロード終了………実行します」
双子の冴えないおじさんと女子高校生とジゴロ。傍から見れば、そんな感じだろうか。
ともすれば、援助交際でもしている様に見えるかもしれない。
………足元に、有象無象の銃器が転がってなければの話だが。
「長瀬主任。自分は何をすれば良いのでしょうか?」
「1人でも多くの人に、1秒でも早く武器を供給する。それでは不満か?」
白衣を着たほうが、銃器を手にとりながら彼に答える。
「………何故、『保護する』ではないのでしょうか?」
「103人」
「………は?」
「『彼』に、公式に『招待』された人の数だよ。……君を含めてね」
「まぁ最も、アンドロイドを人として数えていいかどうかは別としてね」
そう言って、笑みを浮かべる長瀬主任。
「皮肉を聞いてる暇はないんです」柳川は真剣な目をして怒っている。
「しかし柳川君。現実として、100人以上の人をどうやって保護するんだい?」
2人のやりとりを横目で眺めていた長瀬刑事が、けだるそうに口を開いた。
「長瀬さん………」
「なるほど、『さん』と『主任』で使い分けるわけか」
そう言い、ニヤリと笑う長瀬刑事。「まぁ、少し落ち着くんだね」
………やはり、似ている。柳川はそう感じた。
(人をくったような態度まで、似ているとはね……。後3人も、同じような人がいるとは)
柳川は、セリオと呼ばれたロポットを見る。
こいつはロボット。だから人ではない。……ならば俺は?
そう、俺が長瀬主任に対して怒った理由はそれだ。決して警察官としての正義感ではない。
おそらく主任は、よく出来た部下を持ってるじゃないかと考えているのだろうが、
………そうではない。
(いわゆる、モンスターと呼ばれる生き物がいる………)
(アンドロイドを、人として数えていいかどうかは別として………)
俺は一体、何者なんだろうな。柳川はそう思った。
【ジープ、快調に走行中。助手席に柳川。後部座席に、長瀬主任と長瀬係長】
【後部座席足元に、様々な銃器。それとは別に、柳川&係長はニューナンブ所持】
柳川が、一番複雑だと思うんですわ。こういう設定なら。
へたれですが、とりあえず書いてみました。おす。
「でさ、エリア」
「はい、なんでしょうか、ティリアさん」
「ここは、どこ?」
その一言を聞いて、エリアは首をかしげた。
「さぁ…」
「さぁ、ってねぇ」
言いながら辺りを見回す、分かることと言えば、亜熱帯の密林らしい、という事くらいか。
そんな二人を見てサラが口を挟む。
「まぁ、何処でもいいじゃね―か、アイツらがこの辺にいる事は確かなんだろ?」
「ええ、それは勿論です、彼等の生命反応があった座標軸は確かにこの辺りでしたから」
「まぁ、エリアの魔法をうたがうわけじゃないけど、ねぇ」
それにしても、この前きたところとは大違いだわ、ティリアは心の中で呟いた。
「なんか、嫌な予感がするのよね」
この島に潜む、悪意、そして獰猛な生命力を感じ取ったのか軽く身震いする。
「まぁ、とにかく、アイツらに会えばどうにかなるだろ、何つったっけあいつら」
「確かヒロユキさん、とかマサシさんとか言う名前でしたよね」
「そうそう、その・・・なんとか、そいつらを探そうぜ、この辺にいる事は確かなんだからさ」
「全く・・・サラったら、でも、その通りね、早く彼等を探しましょう」
そして、三人は森の中を歩き始める、かつて共に戦った仲間達と再会する為に。
【サラ・ティリア・エリア、浩之たちと再会する為に魔法(シュイン?)で無人島へ】
所持品
【ティリア:フィルスソード、エチュードストーン、他】
【サラ:オーラウィップ、他】
【エリア:ウイングスタッフ、魔法のサークレット、ネイクリアスローブ、他】
ま、始まっちゃった以上はしょうがないのでとりあえずフィルスキャラを放り込んでみる。
ゴリッ……!ゴリッ……!
骨をかみ砕く耳障りな音が辺りに響きわたる。
とにかくあの巨大ワニに見つからずにやりすごすしかない。
私は物陰に隠れていた。
しばらくして何かを引きずるような音が少しずつ遠くなっていく。
安心した私は眼鏡をかけ直そうとした。
だが恐怖で震える指が眼鏡を落としてしまった。
静けさの中でその音は妙に響きわたった。
そして何かを引きずるような音が段々と私の居る方に近づいてくるのが分かった。
【しのさいか 砧夕霧 死亡】
>>95 ワラタ。………不覚。でも、凸に関する表記は無いのね(笑)。
つうか、さいかはすでに食われてるし(笑)
「ふぅ……」
抜けるような青空を眺めつつ、わたしは眼鏡をかけ直す。
吹く風が、わたしのピンクの髪を撫でる。
今日も平和な1日が始まる。
【清水(以下略) 不参加決定】
>>95 うわ、しのさいかと凸が死んでる(汗)
ネタキャラとして大活躍できそうな凸の早過ぎる退場。
リレー小説ってわかりませんね(^^;
99 :
シスコンズ:01/12/26 23:43 ID:vODHEDpm
「ワォ、ファンタスティックね!正にハンティングね!これぞ獅子奮迅ね!」
「そ、そんな事言ってる場合じゃないと思うよ宮内さん…後その用法は間違ってると思うよ…」
はしゃぐレミィをたしなめる理緒。
そんな女子高生2人を見つつ、月島拓也と緒方英二は座りこんで話をしていた。
「『あれ』はなんなんでしょうね」
「さぁ?判らないな。とはいえ、何とかしなくちゃいけないのは確かだね」
「何とか、とは?」
「それを考えるのはぼくの仕事じゃないさ、青年。
ぼくの仕事はぼくと理奈が生き残る方法を見つけることだ」
そう言うと、英二は立ち上がりレミィと理緒に話しかける。
その背中を見ながら、拓也は英二の妹に対する感情について考えていた。
口調こそのんびりしていたものの、英二は真剣に妹の事を心配しているのだろう。
ちょうど、今の自分と同じように。
「さ、とりあえず行こうじゃないか」
「どこへですか?」
聞き返してきた理緒に対して、英二が口を開いた時、
「何かいるっ!」
「何かいるネっ!」
拓也とレミィの声が重なった。
100 :
名無しさんだよもん:01/12/26 23:51 ID:8v/xz6lD
下がりすぎてるから一回age
便所から戻ってみたら、幼女と少女は喰われてました。
とりあえず、便所いって良かった。
それが第一印象でした。
そしてその後。あの二人の分まで強く生きよう。生徒会をもっと良くしよう。
倉田さんにもっと好かれるような人になろう。
と思いました。
だから自分のまずすべきことはここから逃げることです。
というわけで逃げます。
さようなら、さいかちゃん、砧ちゃん。
その時、気づいてみると女便所の入り口に、同じようを足しにいった残りの一人の少女が倒れているのを発見しました。あの光景をみて気を失ってしまったのでしょう。無理もありません。
確か上月澪さんという人のはずです。口が不自由な人ですがそのかわりにスケッチブックに文字を書いています。かわいらしい笑顔と大きなリボンが特徴です。
ここでほうっておいてワニの餌にして時間稼ぎをすることも考慮しましたが、結局助けて連れて行くことにしました。
だってここで助ければ恩ができます。
もしかしたら彼女になれるかもしれないのです。
それは男子高校生、並びに久瀬秀一にとって命よりでかいことなのです。
102 :
RTO:01/12/27 02:17 ID:uW5y7jLQ
1でもない者がこう言う事書くのはあれですが。
そろそろ目的を決めてみませんか、と。
冒頭のセバスの動向次第でいろんな方向に転びますし、しばらくは無目的にサバイバルするのもいいかもしれませんが、
ひとつの指針が欲しいな、と。
あと新規キャラ参戦も過剰にすると……
設定をいくつか思いついたのであとで張る話の中に織り込んでみます。
(無論、以上の提案は1氏に否定された時点で雲散霧消するであろう)
(昨日とまったく語調が違うが昨日は無理をしていたということでひとつ)
(見ろ人がごみのようだな展開にはしたくないといってみる)
「いつ奴「いつ奴らが来るかわからないが、とりあえず現状確認だけしとこうや。」
偵察から帰ってすぐ、切り出したのは浩之だった。奴ら、とはもちろんモンスターのことだろう。
「丁度ココにこのテーマパークのパンフがあるからな。それでなにかしら情報がわかると思う。」
ちなみにここまでの提案は偵察中にあかりが思いついたものだ。
「パンフ?」沙織が首をかしげた。
「これだろう?受付窓口のところにあったから持って来たんだ。」
言って、祐介は控えめなサイズの小冊子を取り出した。
「そうそう、それ。」
浩之とあかりもまた、懐から同じ物を取り出した。
ちなみにこのパンフレットの存在もまた、あかりが受付で気付いたからこそなのだが。
数分後。ジープの外で円陣をくみ、パンフと、挟み込んであったマップをにらみつける4人の姿があった。
「結構、広いねえ……」
「そうだね。古今東西あらゆるモンスターを……なんて触れ込みも伊達じゃないのかもね。」
「それで、だな。お二人さん。とと、祐介そっち押さえててくれ」
このマップは意外と大きい。一人で広げるには無理があるから隅を押さえろ。浩之はそれを言ったのである。
祐介もそれを承知した。ほとんど初対面のうちに呼び捨てられているわけだが、悪い気はしなかった。
「おし。で、俺達に不足しているものはいくつかあるが、まずは武器だよな。
ジープで特攻というのもおもしろいが俺はやりたくない。だから」
そこでいったん言葉を切って、浩之は地図の一点をとんとんと叩いた。
「……対モンスター用……武器博物館……当館は古今、モンスターに対する攻撃に使われた武器の類を実物を交えて
展示しております……武器レンタル(種類限定)サービスあり……なお…」
「それでモンスター撃滅作戦をカンコーするのね?浩之君すごい!」
施設に対する説明文を読み上げないうちから、沙織は目を輝かせて叫んだ。
「む、無茶だよ沙織ちゃん……えーと、祐介くん、続けて」
それをあかりがたしなめる。このとき浩之はふと既視感を感じたのだが、それがなぜなのかはもう少し後になってからわかることだった。
「……え、えーと。なお当館は一部作成中部分もございますのでご了承ください。だって。」
「肝心の武器がないかもしれないが行く価値はあるだろ?あとは、食い物だな。」
「あっ、あたしお弁当もってきたよ」あっ、でも量が多めだから良く食べる女の子だって思われるカモ……それに、具の配置が…
「わたしのは……少しすくないけど」浩之ちゃんと食べるくらいのつもりだったから。それと、トッピングが少し……
「どうする浩之?そこらへんのレストランや売店で盗……失敬してくるのか?」
「だろうな。どのみちあたりや沙織ちゃんの弁当でもあまり持たないだろうから、持てるだけ持っておこう。
さっきもちらっと売店が見えたぞ。」
「それじゃ売店に寄りつつ、この武器博物館へ移動、ということだね。あ、でも。」
「なんだ?」
「いや……まず、ここはドコなのかな、って……」
「……。」
106 :
RTO:01/12/27 02:25 ID:uW5y7jLQ
こげな感じ。
僕としちゃ仮にもテーマパークで「あった」ことを念頭において居ります。
私は空に舞った。何故だかは覚えていない。
なんだっけ、確か車の上から空に放り出されたんだっけ?
目に入るのは青色の空と浮ぶ雲。いつも見ている空。
どんな場所でも空は同じ色をしている。
身体に感じる衝撃。どん、と音をたてて私は地面に落ちた。
そして、私の意識は闇に溶けこんでいった。
「いてててて…」
目覚めは痛みと共に訪れた。小さい体を起こし、私は身体についた砂埃を払い落とす。
一体何が起きたんだろう。判らない。
そうだ、美凪は?
美凪はどこにいったんだろう?
辺りを見まわしてもただあるものは永遠とも思われる砂浜と海。
見渡す限り変わらぬ風景。
ここは――、島なのかな? どうなんだろう。
私は砂浜に座り、海を眺めていた。
太陽の光が水面に反射してきらきらと輝いていた。
「ねぇ、美凪? 綺麗な風景だよねー」
答えはない。
ずっと一緒だった友達、美凪。その美凪が傍に居ない。
――寂しい。
んにゅ、と小さく声に出して気合いを入れる。
とりあえず美凪を探すんだ。そして美凪と一緒にどうするか考えよう。
そう考えながら少女はギュっと砂浜を踏みしめながら一歩また一歩と前に進み始める。震える心を抑えながら。大好きな友達を求めて。少女はまた足を踏み出すのだった。
【みちる とりあえず美凪探し】
放送直後。
矢島少年は、なにごともなく、ただ、ぼーっとしていたのみである。
学校の長期休暇のあいだの暇つぶしにと、バイトをはじめてみたらこの始末か。
おおなんかズシンズシン言ってるなあ。おめでてーな、クソ。
どっかのパズルゲームで見た足のやたら大きいモンスターが売店の前を通っていった。
知るか。俺の持ち場は、ここだ。
凄まじい顔をした猿(らしき生物)がショーケースのメントスを丸ごと奪っていきやがった。
ばかやろう。金払え、金。
ああ、暇だな。管理センターとの非常電話も通じねーし。
何の為の非常電話だよ。ただの飾りですかそうですか。
「おう兄ちゃん。この売店やっとるんかー」
髪の長いおばさん(というには少し若い)に、うたたねは中断された。
「これが喉乾いてしんどそうやからな。何か適当に飲み物売ってくれへんか?500のペットでええねん。」
「お母さん、これ呼ばわりはないよ……」
「これ」らしい女の子がおばさんの傍らに立っていた。よほどその呼ばれ方に傷ついたのか、泣き出しそうな顔をしている。
「そうそう、まちがっても「げるるん」とか「どろり濃厚なんちゃら」なんてのは出すんやないでー。
出したら恐い目にあってもらうでー。」
……どうやら、俺の暇は少しは潰れそうだった。
109 :
RTO:01/12/27 03:03 ID:uW5y7jLQ
さっき新規キャラの乱発は控えようとか言ってた矢先ですけどね。
スタッフという地位など、まだまだ椅子取りゲームの椅子は空いていますよ、ということで。
しかし「実は島にいた」とかのいきあたり設定は止めていただきたい。
といってみるテスト、などと逃げてたまるものか。
110 :
傍観者:01/12/27 03:12 ID:mktL6TWN
……セバスは困っていた。
セバスは過去NYに渡り地下プロレスを総なめにした男。
そして現在は、執事として来栖川家のお嬢様2人を預かる身分である。
英語など、ものの数ではない。
彼をよく知る者が、彼を「武装された脳味噌」と称するのも無理のない話である。
……しかし。
「使い方が解らぬ………」
英語が読めれば、コンピューターを扱えるわけでは無いのである。
「最終手段としての自爆ボタンがあるのは、幸いと言うべきですかな………」
ガラスのようなケースに包まれた、赤いボタンを眺めてそう呟く。
結局、マニュアルは無かった。
だからといって、セバスはもう、ここを動きお嬢様の元へ戻ることも出来ない。
幼い子供の死を、見てしまったから。
「辛い……ものですな………」
超先生を殺したことを後悔する。しかし、(命に別状は無いとはいえ)
セキュリティから受けた足の怪我を考慮すれば、不意をうつしかなかったのも事実。
セバスの瞳に映る、ただ「セキュリティ」とだけ書かれたボタン。
超先生の首が、椅子の上であざ笑っているような気がした……………。
【セバス、皆の死を『看取る』ことを決意する。怪我は、機動力と足技(笑)に影響する程度】
【超先生の間(笑)へのセキュリティは、未だ運転中(ごく一部潰されてるが)】
【園内放送用マイクのある部屋、「セキュリティ」と書かれたボタンの効果、共に不明】
【食い物と治療品には困らないようだ。後、原稿用紙とペンにも(笑)】
………どうでございましょう?
……おい、超先生『の首』があざ笑ってどうするよ………。
正に余計な形容、感じている感情レベル。回線切って寝る………。
113 :
RTO:01/12/27 03:48 ID:uW5y7jLQ
>>112 ふむ。僕的には首が笑ったことでむしろ不気味さが増しウマーでしたが。
セバスの無念と首で。ああ。
手を差し伸べようとすることを放棄しすべてを傍観するその姿 ある意味「神」ではなかろうか。
全能はないが、ここで起きたことはすべて知る全知がありますからなあ。
以上感想です。後半中身がないような気もします。気のせいではありませんね。
(さすがにもう寝よう…)
>>109 っちゅーかちっと落ち着け。
ちーとばかし一人で先走りすぎてるぞ。
115 :
RTO:01/12/27 03:52 ID:uW5y7jLQ
>>114 申し訳ない。見返したらやはり突っ走りすぎていました。
自重するとともに肝に銘じます。
(やっぱり頭を冷やしてこよう…今度こそ寝よう)
>>115 まぁ、かなーりこのスレに情熱を持ってることはよく分かりました(w
新キャラ追加等の是非は少し話し合った方がいいかもしれませんね。
まぁ、ノリでガンガン出しても面白いかなぁ、とは思いますけどね(w
ピンポーンピンポーン
どうやら今日、ここに訪れる客は自分ひとりではないらしい。
鹿沼葉子は先ほど腰を落ち着けたばかりのダイニングルームでインターフォンの呼び出し音を聞きながら、そんなことを思っていた。
テーブルに置かれたコーヒーから立ち上る湯気をしばし眺めた後、葉子はもう一度首を巡らせてこの家の住人の姿を求めてみた。玄関から見てダイニングよりも奥に設計されているバスルームから彼女が出て来る様子はない。
ピンポンピンポンピンポーン
どうしたものだろうか。勝手に自分が出てしまって面倒なことになるのも彼女に悪い気がする。
以前ここを訪れたときにも同じようなことがあり、いかにも胡散臭げな笑顔を浮かべた男性から洗剤やらなにやら受け取ってしまった葉子を、後から彼女がさんざん注意したのは記憶に古くない出来事だ。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン
「だーっ、しつっこい。ごめん葉子さん、悪いけど出てもらっていい?」
バスルームから艶やかな長い髪に水を含ませたままの頭だけを出して彼女…天沢郁未がそう言った。
「はい、わかりました…ですが」
「あ、セールスっぽかったら追い返してくれていいから」
最後まで言い切る前に郁未のほうから返ってきた答えにもう一度頷いて、葉子は玄関のほうに身を翻した。
ソファから立ち上がる際に起こった風でテーブルに置いたままの封筒がカサリと音を立てる。
『厳選な抽選で選出されたお客様への豪華ホテルへのご招待』
先ほど葉子が目を通した限りではたしか、そんな煽り文句だった。
「…チケットが3枚ですか。私なんかを誘わずに他の方を誘えば、もっと有意義でしょうに」
物好きですね、と口の中だけでそう呟く。その葉子の表情は言葉とは裏腹にとても暖かく、その言葉が拒絶の意思から出たものではないことは明白だった。
ピー―――ン―――ポー―――ン
間延びしたインターフォンが、葉子の苦笑を誘う。どうやら来訪者は連打に飽きてテクニカルな技を使い始めたらしい。
こんな子供じみた真似をするのは、おそらくセールスマンなどではないだろう。魚眼レンズ越しに外を確認すると
やはり見知った女の子が諦め悪くボタンに手を伸ばそうとしているのが見えた。
「こんにちは、由依さん。お久しぶりです」
ドアを開けてそう挨拶した葉子に、ドアの前の少女…名倉由依は一瞬驚いたように大きく口を開けた後
「うわぁっ、葉子さんもいらしてたんですねぇっ。おひさしぶりですっ」
と、屈託のない笑顔を見せた。その笑顔に自然と笑顔を返す葉子の目に、ふと止まる物体がある。
「由依さん…今日はそちらの件で?」
そういって葉子が指し示したのは由依が持っている物――そう、見間違いや偶然の一致でなければ先ほど自分が目にした物と同じ種類の封筒――だった。
「あ、はいっ。実はですねぇっ。晴香さんが懸賞に当たったとかで私にくださったんですけど、ひどいんですよぉっ!
『あ、私は良祐といくから。一枚あまってる分をあげるわ。ほしけりゃくれてあげるけど、3000円くらいで』ってどう思いますかぁっ!?」
そう言ってプリプリと怒ってみせる。どうやら、一人で行ってもつまらなそうなので、とりあえず欲しがりそうな郁未の元へ持ってきたらしい。失礼さ加減では、由依も晴香もいい勝負ではないかと言うところだろう。
「とりあえず、中へどうぞ。私が言うのもおかしいですけれど」
そういって葉子は由依を招きいれた。チケットが三枚なので、どうしようか…というのが葉子が今日郁未に招かれた理由だったが、どうやらその話し合いは必要なくなりそうだ。
友人との旅行…。その自分には馴染みの薄い響きに少しだけ葉子の胸が躍った。
「楽しいものになるといいですね」
葉子は軽やかに前を歩く由依の背中にふんわりとした微笑を浮かべながら、奥で待つ郁未の元に逸る足をほんの少しだけ緩めた。
【郁未・由依・葉子】参加決定(後発)
ヘボでスミマセン。こんな感じでよろしいのでしょうか…
リレーSS参加経験がないくせに最近ハカロワを読んで楽しそうだったのでもので思わず参加してみたくなり
書き込んでしまいました。MOON.はこだわりのあるファンが多そうなのでイメージとか
おおハズレだったら申し訳ありません。
120 :
読み手A:01/12/27 04:28 ID:r8q2xEqK
崖に沿って走るジープの脇を、大きな看板が横切った。
「お、竜の巣まであと15kmだってよ」
祐一の言葉を聞いて、ジープの中でしゃぼん玉を膨らましていた少女がその手を休める。
「竜だって。楽しみだね、美凪」
「……うん」
ドラゴンを自分の目で見ることができる。
少年の頃抱いていた夢が、今まさに叶おうとしている!
祐一と北川の二人は顔を向かい合わせては笑いあっていた。
ポケットから溢れ出て、すでに足元を埋め尽くすまでに至っている白い封筒の存在を存在すらも忘れて。
と、そこで突然響く不可解な放送。
『よく集まってくれた、103人の勇者達よ。私は周りから超先生と呼ばれている者です』
「な、なんなんだこの放送は?」
「どうやら、何かやばい事が起ころうとしているという事はなんとなくわかるな……」
後部座席には不安そうに体をよせあう美凪とみちる。
男である自分達が、しっかりと彼女達を守らねば。
祐一と北川の二人に決意が芽生えるのとほぼ同時に超先生の放送が終了した。
そして、ジープが急加速を始める。
「ぐっ! どうなってんだよ、相沢ぁっ!」
「知るかよって、うわ!」
ハンドルがグニグニと左右に揺れる。
自動運転のランプは、いつの間にか手動運転に切り替わっていた。
121 :
読み手A:01/12/27 04:28 ID:r8q2xEqK
「ぐ、このぉっ!」
祐一は足元を埋め尽くす白い封筒をどかし、思いきりブレーキを踏み込む。
しかし車は減速するどころかいまだに加速を続けていた。
「まじかよ! まだ加速してるじゃないか!」
「北川、とりあえずハンドル抑えるのを手伝え! このままじゃ崖から転落するぞ!」
「ああ! で、美凪さんとみちるちゃんは大丈夫か!?」
北川がハンドルを抑えながら、ちらりと後部座席を確認する。
「うわ、いきなりやっちまった!」
「どうした、北川!」
「美凪さんとみちるちゃんがいないぞ!」
「何ぃ!? さっきの蛇行運転で吹っ飛ばされたのかっ!」
とりあえず、このジープをなんとかして止めなくては。
二人を探すにしても、自分達が生きていなくてはしょうがないのだから。
【祐一・北川は竜の巣へ
>>45】
【美凪・みちるはジープから吹っ飛ぶ
>>107】
122 :
読み手A:01/12/27 04:34 ID:r8q2xEqK
>>120-121 ははは、またやっちまいました。
今回は前回よりも本編に踏みこむ形で。
リレー小説なんて始めてなので、矛盾点とか作ってなければいいんですけどね(^^;
状況
浩平・長森・リアン・スフィー:スフィー襲われて氏亡
セバス:超先生の間
祐一・北川:竜の巣出口まであと10Km地点
雄蔵(メシア):泳いで上陸。郁美探しCHU
観鈴・往人:参加決定
耕一・住井・香里・郁美:休憩中
祐介・沙織・浩之・あかり:武器博物館へ向かう
柳川・セリオ・長瀬刑事・長瀬主任:武器配布
サラ・ティリア・エリア:島にワープ
しのさいか・凸:氏亡
清水なつき:不参加
レミィ・理緒・英二・月島兄:何かをハケーン
久瀬・澪:さいかと凸の氏骸を目撃
みちる:美凪探しCHU
矢島・晴子・女の子?:飲み物の売買
郁未・由依・葉子:後発参加決定
美凪:吹っ飛ばされる
>>123 雄蔵に関しては採用?さすがに矛盾しすぎだと思うのだけど。
野生の感で事件発覚前に気がついて本土から泳いできたって言われたら
もう反論してもしゃ〜ないけどw
あと郁未・由依・葉子の後発に関しては何か条件つくのかな?
もとから参加者リストにあるけど
矢島・晴子・女の子? 女の子って観鈴じゃ?
『ここは島のはずれの高原に建つ屋敷。周りを広大な花畑に囲まれ妖精が飛び交うお勧めのスポット。
屋敷ではパペットのおじさんが応接間で美味しい紅茶をご馳走してくれます。
島にお越しの際はぜひお立ちより下さい。』
ジープで観光中に見つけた看板に貼ってあった記事に従い見学に来たらいきなりあの放送だ。
今まで優しかったパペットのおじさんに襲われ瑞希は気絶、その横で詠美はパニック。
とりあえず唯一まともな反応を返してくれる由宇とパンフ片手に作戦会議……。
「取りあえずこのパペットを袈裟切りにして分かったことだけどこの屋敷に飾ってあったサーベル、
本当に刃がついてたから身を守るには充分だろう、さっきレイピアなんかも見かけたから
なるべく確保しておきたいな。」
「でもな和樹、屋敷探索するにしても一階はリビングメイルがよ〜さんおったで?
あいつらの持ってた剣とかも刃がついとんのとちゃうか?」
そう1階には動く鎧が展示してあったのだ。
その中には紅く塗って角がついてる同人魂を刺激する名作もあったが。
「鎧は動きそこまで速くなかったが紅いのが厄介やな。」
由宇もやっぱり同意見らしい、やはり3倍とは正面からぶつかりたくない。
「ちょ、ちょっと…!?あんたら二人なんでそんなに落ち着いてられるのよ!!
外に止めてあったじ〜ぷはどっか行っちゃうし帰れなくなったじゃない。
したぼくとパンダの誘いなんか乗るんじゃなかったわ。
私は同人界のクイーンなのよ、その私が……。」
「とりあえずこの屋敷を脱出できたらそのまま山越えて島の反対側の港を見に行くとするか。
その辺りに出れば他の入場者とも合流できるだろうし。」
「でも山の中腹でミスリルゴーレムみたやんか、アイツにはさすがに勝てる気し〜へんで?」
「迂回するとなると結構時間食うしな、そうなると別のモンスターに……。」
こういう時の詠美を相手にするのは無駄に時間食うだけ、無視して話しつづけるに限る。
「ふみゅ〜、したぼくもパンダも無視するよ〜。
あんまり無視してるとみっきーろーく並みのねこなでぱんちでいっぱつけいお〜なのよ。」
「あんた、ミッキー・ロークがどんな奴か知ってていってんのか?」
「ふみゅ?」
でも……
「しゃ〜ない、ウチが特別に教えてやるわ。
ミッキー・ロークってのは、かの有名なミッキーマウスのいとこで……。」
新しい玩具を貰った眼をした由宇を止めるだけの気力はなかった。
どうせ瑞希が目を覚ますまで動けないわけだし。
【和樹・瑞希・由宇・詠美 屋敷で待機中】
【ミッキー・ローク 1990年代に活躍できなかった猫パンチの達人、微妙に有名。】
127 :
訂正:01/12/27 06:10 ID:SpK1vNn1
どうせ瑞希が目を覚ますまで動けないわけだし。
↓
どうせ瑞希が目を覚ますまで動けないわけだし。 あぁ〜紅茶が美味しい。
まあ、正直どうでもいいことだけど一応修正w
128 :
117:01/12/27 06:14 ID:Ufz4ef6Y
>>124 自分的には往人・観鈴組みたく、他のメンバーが参加してるときにまだ参加してないから…
みたいな感じのつもりでした。晴香よりは遅くなるかもですが、普通に参加しても良いと思います。
まあ、超能力組なので、バイオハザードみたく、死体が転がる中を踏み進むのも
一興かもしれませんが…。まあ解釈次第ですので押す機にといった感じで
(自分が書いたからって、俺が口出すことでもないんだと思いますが)
わざわざレスどうも。
普通の出発前の出来事の話しかと思ったら後発って表現が
妙に気になったもんで。
130 :
読み手A:01/12/27 06:18 ID:r8q2xEqK
寝る前に状況をまとめてみたんですが、すでに
>>123さんがまとめてくれてますね(^^;
折角なので自分の作ったのも投稿してみます。
見やすい方使ってください。
以下は各キャラの最近と思われる行動とそこにいたるまでのログです。
首謀者 超先生(開始直後死亡)
>>42 現在確認されているパーティー
浩平・長森・リアン(スフィーは開始直後に死亡)
>>26 芹香・綾香・琴音・(セバスチャンは超先生を殺害し全てを見届ける決心を)
>>42>>110 祐介・沙織・浩之・あかり(武器博物館へ移動?)
>>88>>103-105 祐一・北川(ジープ破壊)
>>102-121>>45 みちる(ジープから飛ばされる)
>>107 美凪(行方不明)
>>107 耕一・住井・香里・郁美(建物探し開始)
>>87 柳川・長瀬主任・長瀬係長・セリオ(大量の武器を所持・参加者に武器を配布)
>>90-93 久瀬・澪(さいかと凸はワニに食われ死亡・澪は気絶)
>>95>>101 レミィ・理緒・月島兄・英二(何かと遭遇)
>>99 観鈴・晴子(売店にて漫才)
>>108 郁未・由依・葉子(後発で参加決定)
>>117-118 晴香・良祐(後発で参加決定)
>>118 招かれざる救世主(?)
サラ・ティリア・エリア(浩之・雅史を探す)>93-94
立川雄蔵(郁美を探す)
>>67 現在存在が確認されている施設
ホテル(出発点)
竜の巣(ドラゴン生息)
便所(巨大ワニの生息地付近)
武器博物館(武器多数あり?)
売店
131 :
読み手A:01/12/27 06:19 ID:r8q2xEqK
プロローグ
>>81観鈴・最高 参加
>>97清水なつk(以下略) 不参加
サバイバル開始
>>7 超先生、放送で開園宣言
サバイバル開始直後
>>42超先生をセバスチャンが殺し、コンピューターのマニュアル探索
>>42芹香・綾香・琴音・(セバスチャンは超先生の元へ) (ジープ暴走中)
>>26浩平・長森・リアン(スフィー死亡)
>>120-121祐一・北川・美凪・みちる(ジープ暴走・美凪&みちる吹っ飛ぶ)
→
>>45祐一・北川(竜の巣出口まであと10km地点で現実逃避中・ジープは破壊)
→
>>107美凪・みちる(ジープから吹っ飛び行方不明)
やや時間が開いて
>>88祐介・沙織がジープに待機。浩之とあかり達が探索から帰還。
→
>>103-105四人で武器博物館へ移動?
その後(時間的にどのあたりか不明)
>>117-118郁未・由依・葉子&晴香・良祐(後発で参加決定)
>>67立川雄蔵(郁美を救うため、島に上陸)
>>87耕一・住井・香里・郁美 休憩の後建物を探す
>>90-91柳川・長瀬主任・長瀬係長・セリオ大量の武器全員に供給するためジープで移動
>>93サラ・ティリア・エリア、浩之&雅氏を助けるため参戦
>>95しのさいか・凸、ワニの餌となる
→
>>101久瀬と澪は便所に入っていたお陰で逃亡成功
>>99レミィ・理緒・月島兄・英二(モンスターを狩っている最中に何かと遭遇)
>>108観鈴・晴子(売店にて漫才)
エンディング1
>>10
「……なんだ、こりゃ」
英二が発した言葉は、恐らく4人の共通意見だったろう。
全身にカビが生えた人間、とでも形容するのか。
そんな、人外のものが、ずるずると近づいてくる。
歩く度に胞子のようなものがふわっ、と宙に舞う。
「来るなっ!」
生理的な嫌悪感からか、拓也はほぼ無意識に電波をそいつに向かって飛ばしていた。
精神を持つものであれば例外なく抹殺する事のできる電波。
その電波はそれを壊すのには充分な量…だった筈だが。
「……効かない?効いてないのか!?」
「あれは、もう人じゃないんだろう。どちらかというと植物なんじゃないか、な」
焦る拓也と対照的に、至ってのんびりと英二は言った。
「ちぃぃっ」
大きく右手にハンドルを切る。取ったばかり…しかも普通AT車の免許しかもたない自分の腕で、マニュアルのジープの手動運転―――しかもこの荒れ放題のジャングルの路上で―――などしていること自体、自殺行為に等しいとわかっている。
生い茂った木々を不器用にかわす自分の運転は心許ない事この上ないが、そんなことを言っていられる状況ではなかった。
「良祐っ! 良祐はどうなのっ!?」
「あっ…あのっ…だ、だいじょうぶだと思いますっ」
必死にハンドル操作をしながら私は後部座席に向けて思い切り怒鳴った。こうしないとエンジン音にかき消されてろくに声すら届かない。
それは私にどなられた相手もわかっているはずだが、後ろの子…名前はなんと言ったか… からは随分と萎縮した、要領を得ない答えが返ってきた。
自分に余裕がないのを自覚しつつも、思わず頭に血が上る。いま、この車に乗っているメンバーは後部座席にメガネをかけた女の子と、私の兄である巳間良祐の二人。そして、助手席にメガネの女の子の連れらしい女の子がもう一人。
女の子の二人も、この島には招待されてきたということは聞いたが、それ以上は良く覚えていない。
ただ、思い返すに確か二人とも高校生だと言っていたはずで、私より年下だったはずだ。ならば、この状況でこの車をヘタクソながらも転がせる人間は私しかいないということになる。
そして、さっきの意味不明な放送が終わると同時に、飛び掛ってきたトカゲの化け物みたいなのに肩を食い破られた良祐を治療できるのは、この二人しかいないって言うのに…っ。
「あのねぇっ、そんなんじゃ全然わかんないわよっ! 子供じゃあるまいし、もっと詳しく…」
苛立つ声をそのまま後部座席の少女にぶつけようとした私に、凛とした声が歯止めをかける。
「傷はそれほど深くは無かったみたいです。瑞穂が手際よく止血をしたおかげで命に別状は無いんじゃないでしょうか。顔色も良いとは言えませんが少なくとも生死に関わるということはないと思います」
素人意見でしかありませんけど、とそこまでを一息で言い切って、その声の持ち主は言葉を止めた。
「……」
もちろん、私に隣を見ている余裕があるはずなんてない。ガタガタの道に車輪を取られながらハンドルを操るのが精一杯だ。
だけど、隣から強い視線がぶつけられているのは気配だけでもわかった。
その視線が、これ以上後ろの子に理不尽な憤りをぶつけるなら許さないと私を牽制しているのだ、ということも。
「か、香奈子ちゃん…」
隣の子はよほど容赦のない目をしているのだろう。後ろの子が取り成そうとして気後れしている気配がする。
私はちらりと助手席に視線を流した。そしてそこに予想通りの視線があることを確認する。何かのために戦える人間の目……自分以上に大切なものを守ろうと決意している人間の目だ。
私は目を見れば大体、相手がどういう人間だかわかる――少なくともそう自負している。
そして、こういう目の人間が私は嫌いではなかった。
「……悪かったわ。良祐のケガは貴方達のせいじゃない。なのに、貴方達は良祐のケガを治療してくれた…。ありがとう助かったわ」
前を向いたままで私がそういうと、助手席の女の子は、一瞬を突かれたような表情をした後に
「わかってもらえればいいんです」
と、つっけんどんに返事を返してきた。ここら辺は郁未なんかと違って素直だ。何しろあの子ときたら初対面のときは散々シカトしてくれて随分と手を焼いたものだったから…。
「あっ」
後ろの子…そうだ思い出した。たしか藍原瑞穂と言ったはずだ…の声に助手席の子が振り返る。さっきまで気丈だった彼女の身体が一瞬竦んだのが視界の端にも確認できた。
「さあて、逃げ切れるといいけど…」
振り返るまでもない。背後から迫ってくる多数の、人ではない何かの足音が聞こえないはずがなかった。せめて郁未か葉子さんが一緒なら……という甘い考えを頭の片隅に追いやって思い切りアクセルを踏み込む。
ガソリンの残量はまだフルに近い。ガス欠でゲームオーバーの心配はとりあえず除外しておいていいはずだ。
「良祐をお願い瑞穂っ、それとしっかり捕まってなさいよ…えっと…」
「香奈子ですっ、太田香奈子…きゃっ!」
運良く目の前が開けて思い切り加速した勢いに香奈子が悲鳴をあげる。とりあえず、安全な場所を探そう。
良祐のケガをちゃんと治療して、離れてしまった他の人たちとの合流を最優先にする。
後の事は後で考えるしかない。私はそう思い切ることにして舌を噛まないためにも無言で運転に集中し始めた。
【巳間晴香・藍原瑞穂・太田香奈子・巳間良祐ジープで逃走中】
【巳間良祐―右肩に裂傷。応急処置に包帯で固定。昏睡中】
スマソ、ちっと設定かえてしまった。
晴香は先に出発しててもおかしくないかと思って。
出来が悪いの謝るしかないが、後はヨロシク
>>42のパーティ
その3人+水瀬秋子が、運転しているのですが………。
つまり、セバスは元々一緒のジープにゃ乗ってません。
ほんとだ…定員オーバーですな…
まあ、超先生だし琴音に夢中で、セバスチャンの所在を勘違いしていたで
いいんじゃないでしょうか
書き手の皆さんにおねがい。
【 】
などで話の最後に現状整理をしてくれると読んでる人にも分かりやすく
また他の人がリレーを続けるにもやりやすいのでなるべく頼みます。
ひとすじの煙が、天へと昇ってゆく。
鳥ではない何かが、ぎゃあぎゃあと不愉快な声を立て、嘲笑いつつはばたく空を、煙は貫いていった。
その根元に視界を転じると、全体からみれば小さな-----しかし当人たちにとっては最悪の悲劇が、
展開されていた。
「くわーーーーーっ(`□´)!! 何やってんのよっ!これ、どうすんのよっ!」
眉の太い少女が、ありったけの怒りを込めて叫んでいる。
「知らん。運転しろといったのは、お前だろうが」
憮然とした表情で、いかにも無関係であるかのように、青年は答えた。
「お前よばわりするんじゃないわよ! あたしには詠美って名前があるの!!」
「それはどうでもいいから、静かにしろ詠美」
「いきなり呼び捨てなんて、したぼくのくせになまいきよっ!!」
「あのなあ……どうしろってんだ……」
果てしなく、不毛な会話を繰り広げる2人。
その傍らには、ものの見事に謎の四つ足爬虫類と正面衝突したジープが、恨めしげにめらめらと炎を
上げて、完璧に転倒していた。
それら全てを呆れて見ていた赤毛の少女が、この馬鹿馬鹿しくも困った事態を打開するべく、割って入る。
「……あのさ、往人さんだっけ?」
「なんだ梓」
完全に名前呼び捨てモードに入った往人が、それに応える。
「ちょ、ちょおむかつくっ! なんで梓の名前は覚えてるのに、このくいーんの……」
「詠美、ちょっと黙ってなよ………。
でさ、往人さん。-----実は運転、できなかったんだ?」
「ああ。できないな」
怒りを募らせ続ける詠美を抑え、核心を突いた梓に対して、往人は何のためらいもなく返答した。
「だったらなんで、運転してんのよーーーーーっ!」
詠美が、再び叫ぶ。
怒りのアフターバーナーが、ジープの炎を上回る効率の再燃焼を披露する。
「だから、お前が運転しろと言ったんだろうが。
俺は連れ二人が売店に行く間、トイレにでも行こうと思っていたんだ。
呼ばれて面白そうだから、乗ってみただけだ」
しれっとして、往人は言い切った。
「……詠美……どういうことなんだよ……?」
梓の苦々しげな表情に、詠美は半泣きでこたえる。
「ふ、ふみゅーん……梓たちが運転手探しに行ってる間に、ちょうどコイツが通ったのよう」
『ねえ、そこのしたぼく。
あたしたち、運転手が居なくて困ってるから、運転しなさいよ』
『了解だ』
梓は情けなさそうな顔で、二人を交互に見つめると、ためいきをついた。
「……あんたら……バカすぎ」
【行動:観鈴・晴子と別れた往人が、詠美にスカウトされジープを運転するも、即座に事故る】
【同行者:国崎往人、柏木梓、大庭詠美。残り一名は不明(会話には全く参加していません)】
毎度、挽歌でございます。
「貧乏くじは、誰の手に?」です。
なんだか設定が理解出来たような出来ないような、半端な状態なので、支障があれば
削除してくださいまし。
どうやら観鈴ちんたちと別れているらしい国崎最高を、詠美ちゃんさまの喧嘩相手に
参加させてみました。
展開早すぎ。
記憶に残ってるキャラが2、3人しかいないよw
おお、挽歌氏が来たのか。
話の方も、同作品外の組み合わせで面白くなりそう……。
だが、詠美は
>>125-126で登場済みなので
残念ながらサバイバル初のNG申請をしてみる。
あらら、ほんとですね。
纏めレスしか読んでませんでした。
スンマソン。
ちうわけで、
>>140-141は無しで。
いちおー異邦人書いた者として補足しておくと
ティリアたちが探してるのはLF97での知り合い。
特にリーダー格の長瀬祐介、柏木耕一、藤田浩之。
この辺りですね、LF97の後と言う事で、アレに出てきた
(シンディ宮内を除く、雫、痕、島鳩辺りの)キャラとは面識あるはず。
まぁ、キャラによって親密度は違うでしょうから、気づくかどうかは不明。
特に印象の薄そうなキャラとか。
「ところで居候は何処まで行きよったんかいのお。全然帰ってけーへんで」
矢島との会話を堪能していた晴子は、不意にそんな言葉を吐いた。
「居候?」
「国崎往人さんって言って、とってもいい人なんです。ちょっと、無愛想ですけど……」
矢島の疑問の言葉を受け、女の子……神尾観鈴が答えた。
「トイレなんてそこらの茂みに隠れてせやえーのになあ。ほれちょうどそのへんの……」
相違って近くの茂みのひとつを指差した晴子の表情はそこで凍りついた。
同様に、矢島も、観鈴もまた、晴子の人差し指の指す方向を、じっと見ていた。
人型であることには違いない、だがしかし発達といって良いのかやたらとごつい骨格と、
理科室の人体標本筋肉構造編といった感じの外見が、それが人ではないことをはっきりと示していた。
「あ……ああ……お母さん……」
恐怖におびえきった声色で、観鈴が何とか言葉を搾り出した。
「……く……」晴子の表情も苦しそうにゆがむ。外見からして、それこそでこピンでもされようものなら
額を削り取られてしまいそうなやつを相手どって、何の武器も持たない人間3人では勝ち目がなかった。
「矢島いうたか、兄ちゃん。」
「時間稼げ、と。」
「わかっとるやないか。うちがジープ取ってくるから、あんたはなんとか観鈴を守ってくれへんか?」
「ここで断ったりできると思います?男冥利に尽きるシチュエーションですよこれは。」
「言うなあ。嫌いやないでそういうの。ほな……」
頼んだで!そう叫んで、晴子は駆け出した。
「……さあて……」
この、「ご自由にお取りください案内図」と大量の食料、それから小さなテレビとまあいろいろ。
これだけの武器で、あの化け物を食い止められるのだろうか。
矢島の頭を、一瞬だけ後悔が掠めた。
【晴子一行、上記の怪物と遭遇 晴子ジープを取りに行く 矢島と観鈴その場に残る】
148 :
両手に花:01/12/28 00:42 ID:Ooaq8A+D
「由綺ぃぃぃ! 理奈ちゃーん!」
――なんてこったい、と俺、藤井冬弥は舌打ちする。今日何度目の舌打ちかしら、そんなもの数える余裕はない。
何だよ何だよまったくぅ! 折角余暇を見つけて三人で遊びに来てたというのに。今日は両手に花だったのだ、俺。
一応断っておくが、別に俺は別に理奈ちゃんと関係を持った訳ではなく、ただ友達として遊びに来ていただけだから雰囲気も良好だった。
アイドル二人を連れてデート! なんてこった俺! いやあ最高だったね、彰に自慢してやりたい、って、そんな事を云ってる場合ではない。
正直錯乱している。普段の俺はもっとまともな人間なのに、今、自分が何処かおかしな雰囲気だと判る。
当たり前だ――なんでこんな目に遭わなくちゃいかんのだ、冬弥は本日五十二回目の溜息を吐くと、ジープのハンドルに顔面を突っ伏した。
生き残れじゃねえよ、くそっ。一般人だぞ俺ら! しかもだらだらで有名な大学生だ。
しかも今回は武器がない。せめてマグナム拳銃でもあれば話は別なのだが……あるのは今俺が乗っているジープだけなのだ。
「くそっ……しかも、まずったな」
アイスを買いに行く、と、彼女らから離れたのが間違いだった。あの時、あと二分程待っていれば、少なくとも三人で行動する事は出来たのに。
ジープに戻った時、既に彼女らの姿はなかった。車のエンジンをかける時間すらなかったのだろう。
「畜生、畜生……」
何やってんだよ、俺は! 再びハンドルに顔面を押しつけて、心臓が透くようなぞくぞくした気分に浸る。たぶん、これは恐怖。
失くしたくない。大切な人も、友達も。
「馬鹿野郎、冬弥!」
――あれ? 何処かで聞いたような声だ。
「そんな風に落ち込んでる暇があったら車出せ、この野郎!」
「彰ッ」
――その通りだ。今すぐ動き出せば助けられるかも知れない訳だ、死んでさえいなければ、必ず護ってやる――
彰を車に乗せると、俺はエンジンを始動する。待ってろ、由綺、理奈ちゃん!
149 :
両手に花:01/12/28 00:44 ID:Ooaq8A+D
しかし、なんで彰はここにいるのだろう。まさか、一人で遊びに来てるのか? わはははは、って笑ってる場合ではない。
というか、なんか今日の彰は様子が変だ。
「なんか、今日のお前、偉そう……」
間髪入れずに彰は反応する。
「こっちも切羽詰まってるんだよ馬鹿!」
血走った瞳で、乱暴に彰が口走った言葉は、冬弥を驚嘆させるには充分であった。
「僕もはるかと美咲さんとはぐれちゃったんだよッ!」
何、お前も両手に花か!
【七瀬彰 藤井冬弥 女の子達を助ける為にジープで爆走開始】
「凄いっ、こいつは凄いっ!」
見渡す限りの大自然の中に豪華なホテル。
この光景を実際に目にすれば、高槻でなくとも思わず声をあげてしまうだろう。
その証拠に、「温泉パンダー!」だとか「死ぬわっ!」といった歓声がそこかしこから聞こえてくる。
「よし、まずはバックの中からおニューのデジカメを……」
そう呟くと旅行用の大き目のバックのファスナーを勢い良く開ける。
しかし、最後の方で何かに突っかかってファスナーの動きが止まってしまった。
「ん、服でも突っかかったのか?」
高槻はバックの中を覗きこむ。
「あいたたたっ」
バックから声がする。
「そ、その声はっ!」
バックの中身が何なのか、すぐに判断することができた。
高槻の顔色はみるみる変わり、乱暴にバックのファスナーをこじ開ける。
「痛い、痛いって!」
バックの悲鳴を無視し、ファスナーを完全に開いた。
「ぐ、お前はぁっ……」
忘れるわけがなかった。
「はぁ、バックの中に隠れてたのは悪かったけど、今のはひどいよ」
こいつの顔を。
「と…とんでもないことをしているぞ、おまえっ! わかっているのかっ! 止まれ、そこでッ!!」
「止まればいいのか、ここで」
「そうっ、そうだ……いや、違うっ! 力を使うなァッッッツ!!」
ズビュシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!!
「遅いよ、言うのが」
地下牢で俺を死の直前まで追いやったこいつの顔を。
「なぜだっ! なぜお前が俺の荷物になっているっ!」
「だって面白そうだったんだもの。だけど、残念ながら僕は招待されなかった。だから密航したってわけ」
さも当然かのように少年は言う。
明るい笑顔が非常に腹立たしい。
「密航っ!? お前は俺の荷物として密航したのか! なら、本物の俺の荷物はどこに行ったぁっ!!」
「ははは、それなら全部君の家に置いてきちゃったよ」
苦笑いを浮かべながら少年は答える。
「なんということだぁっ! 俺はお前をここまで運んでくるために無様に汗を垂れ流していたというわけかぁっ!!」
「そういう事になるね」
「ぐああっ! なんという事だっ! 俺は三泊もの間同じ服を来て過ごし、写真の一枚も撮る事ができないのかぁっ!!」
「使い捨てカメラで良ければあそこで売ってると思うけど」
「やかましいっ!!」
売店を指差す少年の頭に、高槻の拳が何度も落ちた。
「あぁっ! 痛いって! 謝ってるのに殴るなんてひどいよ!」
「いつ謝ったあああああァァァァァァァァッ!!」
怒りに満ちた高槻の雄叫びは、ホテル中に響いたのだった。
【少年 高槻の荷物として島に上陸】
154 :
良識:01/12/28 04:24 ID:R0SuKw1o
川名みさきが声をあげた瞬間、車内にいた僕を始め、水瀬名雪、全員は彼女に注目する。
そこで川名みさきが言った一言は僕を震撼させた。「実は私、目が見えないんですよ」
じゃぁ何故彼女がハンドルを握っているのだ?
というか、これまで数十分、どうして事故が起こらずに運転することができたのだろうか。
ここはテーマパークだ。ただ広い草原とか森だけという訳でもない。
いろいろな物がある。決して楽な道でもない。
彼女のカミングアウトに対する反応は様々だった。
「わ、びっくりだよー」とは水瀬名雪の談だ。
そう一瞬驚いたそぶりを見せた彼女だったがすぐにそんなことどうでもいいと言ったように、「ねこーねこーはどこー。ねこいるかなーたのしみだなーねこーてーまぱーくーねこー」などと声をあげていた。
それは今でも変わる事は無い。「ねこーねこー」五月蝿い。猫というか、ここは恐竜とかのテーマパークなのに。
まぁそれはいい。続いてブロンドの髪の少女、宮内レミィの反応は至って無い。
「撃つネ! とにかく撃つネ! でてきた敵、すべて的! 私のライフル火を吹くヨ! 恐竜でも野鴨でもなんでもクルヨー!」
無いというより何も聞いてないようだ。モデルガンが本物かわからない銃を持って彼女は喚き散らしている。
なにはともあれ、この中で唯一の良識を持っているのは僕だと思う。誰が見てもそう思ってくれる筈だ。
あー、頭の中がこんがらがってきた。
とりあえず今運転してる川名みさきは目が見えない。だけど車のハンドルを握っている。
なんで。興味本位? 自分への挑戦? こんなとこで挑戦すんな。アトラクションのひとつだし勝手に動くと思った? 僕もそう思ってた。
訳がわからんよ。
155 :
良識2:01/12/28 04:26 ID:R0SuKw1o
「みさきさん!」
「はい?」
「とりあえず車停めませんか?」
「えーと、とめちゃっていいのかな?」
「いいんですよ!」
「後ろからなんか泣き声が聞こえるのですけど」
「はい?」
「いや、泣き声」
後ろを振り返ると、恐竜が僕の頭など一気に飲みこんでしまいそうなほどの大きく口開けてこの車に迫ってきていた。
「え?」
どうする。どうしろってんだ。くそう。橘敬介大ピンチだ。
一緒に乗ったメンツはどうも駄目っぽい。
訳のわからない放送があってからどうも僕はよくない方向に巻き込まれて言ってるような気がする。
あの恐竜、本物なんだよなぁ?
「とにかく、逃げて! できるだけ事故らないように!」
「あ、はい! できるだけがんばります! できるだけ」
できるだけを2回繰り返すとこがもの凄く不安だ。しかし、不安とは裏腹に彼女は上手く障害を越えて行く。
運転も上手いと言えば上手い。ニュータイプってやつか、彼女は。
恐竜は思ったより足が遅いヤツだった。少し走るともう見えなくなった。
「とりあえずここは安全のようだ、ここで一度考えなおそう」
そう言って僕は車を降りた。続いて3人も車を降りる。
宮内レミィは車に酔っていたようで、叢に行って吐いた。
水瀬名雪はその時猫を探していた。「ねこーねこー」
川名みさきは自分を誉めてた。「がんばったよ、わたし」
本当に一体全体僕はどうすりゃいいのだろうか。
【水瀬名雪 川名みさき 宮内レミィ 橘敬介 これから会議】
……面白いよ、俺は面白いと思うよ!
だから、せめて、過去ログ(
>>99)はちゃんと読もうよ…。
NG申請2回目です。
こんな俺はピラニアですか? 逝ってヨシですか?(泣
>>150-151 ついうっかり書き捨ててました(汗)
えっと、MOON.のメインキャラで唯一参加できていなかった少年を途中参加させてしまいました。
高槻が登場しているのはキャラが濃くて使いやすそうだったから(笑)
人気キャラ使用+追加キャラということで、送信するときは非常に勇気が(^^;
読み手のちょっとした暴走でした。
>>152さん
>>153さん
楽しんでいただけましたか〜
毎回叩かれるの覚悟でSSを投稿させてもらっていますが
こういった感想を頂けて本当に嬉しいです。
>>156 いやいや、俺も「レミィはすでにいるよ!!」と思ったので同じです。
折角、纏めて下さる方がいるのに………。
うむむ…序盤だけあって高いうミスが多発しそうなので
よければ未登場キャラリストを
>>130みたく時々出した方がいいのではないでせうか。
無論全部ちゃんと読むのが筋なのはもっともなことなのだが、それでも見落とすこともあるし
”良識”みたく出来がいいのにNGなのは勿体ないモナ
なんかタイトルつけといた方が良いみたいなんで
自分の書いた奴にも一応つけときます。
>>133-135「疾走」 ひねりもなんもねえ…
>>143の言う通り、展開が早い気がするね。
もう少し序盤のキャラの心理描写なんかあるといいかもと思う。
まあ、ハカロワと違って出発時が一人じゃないからなあ。
何はともあれ先を楽しみにしていますので、
職人さま方、頑張ってください
このスレ・・・。
葉鍵サバイバルってゆ〜より、
葉鍵ックパーク?葉鍵クライシス?(w
個人的主観などが入ってますがご了承を。書き手の皆さんは話の最後に【 】で状況整理をなるべく。
新規キャラ参入は控えめに、自分の持ち味を出すような無理の無い登場方法を希望。
放送前の話
>>81観鈴・往人
>>97清水
>>118郁未・由依・葉子
>>150-151高槻・少年(荷物に紛れ込んできた)
超先生 セバス
>>7で放送後
>>42でセバスに殺される。
>>110の後セバスは超先生の間で待機。
(注 下のほう参照)
水瀬秋子 来栖川芹香 来栖川綾香 姫川琴音
>>42でジープの暴走を制御中。(注 下のほう参照)
折原浩平 長森瑞佳 スフィー リアン
>>26にてスライムの奇襲にあいスフィー死亡、ジープに被害がでてるかも。
相沢祐一・北川潤 遠野美凪 みちる
>>120-121でジープの暴走で分断される
>>45-46でジープ故障 相沢祐一・北川潤 竜の巣出口まで10Km地点
>>107でみちる海岸で目を覚ましとりあえず美凪探しへ。
立川雄蔵
>>67で泳いで島に渡って来た。時間軸的にはかなり後半なのだろうか?
柏木耕一 住井護 美坂香里 立川郁美
>>87で休憩中 とりあえず建物を捜す事に、ジープは消失してる。
長瀬祐介 新城沙織 藤田浩之 神岸あかり
>>88で偵察へ
>>103-105で武器博物館を目指す事に
長瀬係長 長瀬主任 柳川祐也
>>91-92で参加者へ武器配り開始、武器の入手先(博物館?)や長瀬二人が来た理由は不明。
主任は超先生と何らかのつながりがあったように読み取れる。
サラ ティリア エリア
>>93で魔法で転移してきた、現状はまだ把握していない。ジープは当然なし。
長瀬祐介、柏木耕一、藤田浩之等との再会を目的にしている。
しのさいか 砧夕霧 上月澪 久瀬秀一
>>95で前者二人はワニに食われる。
>>101で久瀬が澪を保護する。
ジープは暴走により消失の可能性あり。ワニがまだ付近にいる可能性あり。
久瀬の名前が秀一なのはオフィシャルじゃないかも、情報もとむ。
雛山理緒 宮内レミィ 月島拓也 緒方英二
>>99で何かに遭遇、
>>132で胞子の化物と判明、能力等は不明。
矢島 神尾観鈴 神尾晴子 国崎往人
>>108にて合流、矢島はバイトで島へ来た。
>>147でモンスターと遭遇。国崎のみ分断されてる。
管理センターへの非常電話が通じない事から超先生が
他のスタッフに対しても何らかの行動をした可能性がある。
千堂和樹 高瀬瑞希 大庭詠美 猪名川由宇
>>125-126で2階で作戦会議中、瑞希は気絶。1階は動く鎧が多数居る。
放送当時ジープに乗っていなかったためジープは暴走して消失した可能性あり。
巳間晴香・藍原瑞穂・太田香奈子・巳間良祐
>>133-135でジープで逃走中、良祐は怪我を負って重症。
163 :
名無しさんだよもん:01/12/28 14:29 ID:yXvkLpVC
藤井冬弥 森川由綺 緒方理奈
澤倉美咲 七瀬彰 河島はるか
>>148-149で合流 女子4名はトラブルに巻き込まれ行方不明。
アナザー
>>140-141 >>154-155 施設情報
ホテル・竜の巣・便所・武器博物館・売店・高台の屋敷・港
注
>>65で超先生死亡話はあくまでジョークと書き手が宣言してるのに採用していい物か?
書き手の判断をしばし待つべきな気がします。もしアナザーなら秋子組は取り消し。
現状で勝手に出した情報
>>1 各キャラは基本的に特別先行入場で見学に来てる。
超先生の暴走理由は遺伝子情報の利益とリアルリアリティ
>>75 1の個人的企画に対する見解
ある程度定期的に上げていった方がいいと思います。
つーか誰か編集サイト作らないかと言ってみるテストw
164 :
RTO:01/12/28 17:33 ID:iD6uy196
>>161-164 まとめご苦労様です。
ふむ。超先生死亡話でアナザーになる話はセバスの話もなくなるわけで。
もし超先生生きてたら生きてたで話が面白くなりそうな、予感。
彼はいじりがいがありそうであるが、作者殿が帰って(コミケとか言ってたような)こないとことには…
あ、すみません。42=65=110=全部自分です。
>>42是非とも採用させて下さい。こうなった(
>>110)セバス、我ながら気に入ってるのです。
あのう、137も私なんですが(笑)。
だから、セバスは最初からジープにゃ乗ってないんですってば(泣)。
つうか、俺の文章力の無さが原因ですね。さっき首吊ったばっかりなのに(苦笑)。
森の中の畦道を土煙をあげて疾走するジープ、そこには4人の男女が乗車していた。
「た、大志君!、どうしましょう?、ブ、ブレーキが利かないみたいです!」
「ぬう、まずいな・・・、さっきの放送といい、どうやら冗談ではないようだな・・・」
「あははーっ、大変そうですねぇ、ねっ舞?」
「・・・はちみつくまさん」
「え〜と・・・、あなたたちは、随分余裕ですね・・・」
「とにかく南女史、湖か沼を探そう、そこにジープを突っ込ませて止めるのだ!」
「わかりました!」
とはいえ、回りを見回すが周囲の木々が邪魔をしてそれらしき景色は見えない、南は畦道に沿ってなんとかジープをコントロールする。
と、後方から突如、奇怪な鳴き声が響いてきた。
皆一斉に、後ろを振り返る。
上空に巨大な影、あきらかに敵意を剥き出しでこちらを狙っている。
「ほう、あれがワイバーンというやつか・・・、と、関心してる場合ではないな」
「ど、どうしましょう大志君」
「いい、南女史は運転に専念してくれ、吾輩がなんとか・・・って!?おい!なにをするつもりだ!?」
後ろを振り返った大志が声を上げる、そこには仁王立ちした舞。
見れば西洋剣らしきものを右手に携えている、畦道の起伏で相当揺れているにも関わらず、姿勢を崩す素振りは微塵もない、後ろで束ねられた長い髪が風になびく!
「舞、あぶないよ!?」
「・・・平気、佐祐理は伏せてて・・・」
焦る少女の声に平然として答える。
精神が研ぎ澄まされるのがわかる、張り詰める空気・・。
その空気を引き裂くように、南がさらなる緊急を訴える。
「大志君!、も、森が・・・」
「ちぃ、出口か!、まずいな、これでは狙い打ちではないか」
みる間に開ける視界、後方のワイバーンが攻撃を示す合図のように、一度甲高く鳴く。
そして急降下!、悲鳴を上げる佐祐理と南。
キン!
澄んだ音が響く。
攻撃は・・・こない。
ズァシャアァァァァ!
地面を激しく擦る音。
見れば、後方に首をはね飛ばされたワイバーンが土煙を上げて地面に横たわっていた、みる間に離れていく、血を飛ばすように剣を一振りする舞。
「はぇ〜」
「その技・・・只者ではないな・・・、どうだ、吾輩と共に世界制服の道を歩む気はないか?」
「もう、大志君・・・そんなこと言ってる場合じゃないでしょう」
「うむ、そうだった、では後日改めて・・・」
「あははーっ、その前に・・・」
「・・・脱出」
ジープは走り続ける・・・。
【大志、南、佐祐理、舞、ジープで移動中】
・・・実は、SS初挑戦です、おもしろそうだったので参加してみた次第。
読みにくい箇所、表現のおかしな箇所があれば、ご指摘いただければ幸い・・・。
>>167 そうだったんですか(笑)
言われてみればって感じで、自分の読解力にも問題ありますね。
すみませんでした。
自分も
>>110のセバスチャンはかっこいいと思ってますが、RTOさんの意見もいいかなと。
こうなったら、竹林先生に登場してもらうしかないのでしょうか……
話が滅茶苦茶になりそうですけど(ぉぃ
>>160 の葉鍵ックパークってのがなんとなくドタバタな感じがしてお気に入り。
ゴゥゥゥン
低い重低音が真っ暗な地下室に響き渡った。
ある引き金をきっかけに今まで眠りの中にあったコンピューター達が次々と起動してゆく。
静寂は破られ、起動するモニターの光が闇を押しのけて室内を照らし出した。
安全第一という名目でテーマパークの中には隅々にまで監視用のカメラが設置されている。そのカメラからの映像が、壁いっぱいに設置されているモニターの数々に映し出され始めた。
コントロールタワー…もしくは総括管理室の名で呼ばれるこの場所を知るものは少ない。
そこは超先生の名で呼ばれた彼を筆頭に、数えるほどのスタッフにしか存在すら明らかにされていない場所だった。そう、この場所を作り上げた彼らにしか…。
この島は元々テーマパークとして作り出され、超先生は本社から出向してきた一職員に過ぎなかった。
「伝説上の生きたモンスターをこの目で見れる!」期待を希望に胸を膨らませた彼が初めてこの島へ来、数々の化け物たちを見たときに感じた感情は「この島にある物は張子の虎でしかない」というものだった。
作り出されるモンスターの数々も遺伝子組み替えで、あくまでも外面だけを似せた実のないもの達ばかり。ドラゴンは火も吐かず、グリフォンは狩りも行えず、水龍(サーペント)は水から出れば動くことすら出来ない有様だった。
「こんなのは違う! こんなものをモンスターと呼ぶのは僕の矜持とリアルリアリティーが許さない」
そう言って彼は、強い熱意と情熱、そして何よりも彼自身のリアルリアリティーのために熱心にスタッフと本社を説得にかかった。
こんな意見が普通は通るわけはない。莫大な金や思惑が動く世界に個人の甘い夢が入り込める隙間などあるはずがない。……ないはずだった。
しかし、彼はバカだが意外にも無能ではなかったのである。彼の語る理想に一部のスタッフが共鳴し、リアルリアリティ最優先を掲げたシンパが出来上がると、彼らは彼らの理想を形にして見せた。
巨大な体躯を揺らし、炎を吐き、圧倒的な力を振るうドラゴン。その姿はシンパ以外の人間をも確実に魅了しはじめた。
セキュリティを飛躍的に向上させ、むしろ総合的には以前よりも安全なレベルに安定させる。
カメラを多数設置し、各所に管理ルームを備え、化け物たちを捕獲・無力化させる武器の設置。
枚挙する暇がないほどの仕事を超先生主導のリアルリアリティ派は信じられない短期間でやってのけ、そしてついに上層部からの承認をも取り付ける事にも成功したのである。
超先生は心から歓喜した。身を粉にして自分の理想を通すことが出来た。その喜びでいっぱいだった。
だが、一度過剰に回転させてしまった歯車はイビツに…そして確実に何かを歪めていたらしい。
モンスターというものは檻に飼われているものだろうか?
ファンタジー世界では無類の力を振るうドラゴン。その全てのモンスターの頂上たるドラゴンが人間ごときの見世物になるために閉じこめられている。それは恐ろしいほどに間違っていないだろうか?
「たとえ伝説上の動物に限りなく近い姿をしているとは言っても、コレはただの見世物でしかない。それは僕の矜持とリアルリアリティーに反しないのか?」
彼は思い悩むことになった。
数ヵ月後、彼はこの島に数人いる彼の協力なシンパ(もはや信者)とともに全ての管理室の機能を一手に握ることが出来る総括管理室を地下に設置することを本社に提案した。
無論そのまま提案したわけではなく、メンテナンスを円滑に行い、さらに万が一の客が対化け物用に設置された火気を目的に管理室に立てこもった場合などの処理にも有効な施設の建設を提案という形で申請した。
ここを占拠されないために場所はほぼ全てのスタッフにも知らせないという条件とともに。
…そして結果は、是。
超先生の一生に一度とも言える実績は本社の信頼を得るには充分なものだったのだ。
そうして、この統括管理室は設置され秘密裏にテストされた。そして、それ以後は一度も使われていない。本社の許可を得ずして立ち入ることは超先生にすら許されていなかったのだから当然といえば当然といえた。
それからさらに数ヵ月後。イビツな歯車は回りつづけリアルリアリティーに狂った超先生によりシステムは暴走。
特別先行入場を許された103人の男女達が悪夢に飲み込まれつつあるのは耳に新しい話だ。
ヴィ―――ン
総括管理室の一角、巨大コンピューターの一部に偽装されたコンテナが低い駆動音を上げた。
そして、シャッター式にそのコンテナの一部が開いたかと思うと一人の女性のシルエットが明らかになる。
来栖川財閥が作り出したHMXシリーズ。そのシリーズは改良を重ねられ、現在では日本以外の諸外国でも開発が盛んに行われている。
その中でも最近注目を集めだした機体TSS−10という機体があった。ナンバー10とはいえ商品化したものとしてはTSSシリーズ初。この機体は一般に開発国の名前で呼ばれることが多く、現在ではCMでも「朝鮮製ロボ」と呼ばれている。
コンテナから出てきたのは正に、その機体だった。
超先生の脳波停止とともに起動した数々のコンピューターとともに、「朝鮮製」にも電源が入る。
機体に充電が行われ、DVDロムが読み込まれる。各部チェックが行われオールグリーンの確認とともに
総括管理室に隠し置かれていた「朝鮮製」の瞳がうっすらと開いた。
コンテナから朝鮮製が一歩足を踏み出す。バランサ―は正常に作動している。間接部位の軋みもない。
「人格」のDVD−ROMを読み終わった朝鮮製は次に「記憶」を得るために莫大なメモリが搭載されているコンピューターにアクセスを開始し始めた。
「リアルリアリティー…私がここにいるときは、私が死んでいるとき…103人の被験者…」
記憶が読み込まれるごとに朝鮮製の瞳に知性の光が宿って行く。
「はは…そうか…やはりこうなったのか。万が一のときのことを考えていて良かったみたいだ…」
口調に似合わないソプラノが閉鎖された空間に響き、その独語はやがて高い哄笑となった。
「はははははは、やった。完璧だよ! HMX12ほど人間に近いものが出来るなら不可能じゃないと思ってたんだ。やっぱり僕のリアルリアリティーな理論に間違いは無かった!!」
声はどんどん勢いを増して行く。
いつだったろう。自分が道を外れていることに気づいたのは。自分の行こうとしている道が正義でないと自覚したのは。
「はははははははははっ」
自分の身に万一があったときのためにバックアップとして…自分の道を追い求めるための道具として
出来る限り『自分』というものをデータ化してメイドロボに移植しようなんて事を思いついたのは。
「はははははははははははははははははははははっ」
笑いはやまない。そして、やがてその目は眼前いっぱいに広がったモニターのほうに向けられた。
「103名か…さあ僕に見せてくれ。ホンモノのリアルを。化け物たちが見せる本物の殺戮と君たちの抵抗を。本物のリアルリアリティーを!」
”彼女”は高らかにそう謳いあげ、さらに1オクターブ高い笑い声を上げた。
【超先生の遺志を継ぐもの朝鮮製TSS−10。総括管理室に存在】
超先生死亡は勿体無いけど、セバスも良いし…
みたいな意見が多かったみたいなので、こんな風にしてみました。
興ざめだったらスマソ。一応朝鮮製の目的は”殺戮”ではなく”リアルリアリティーの追求”ってことで
つまんねーよゴルァ!と思っても許容してもらえると嬉しいです…
書き込むときってコテハンつかったほうがいいのかなあ?人それぞれ?
「うぐぅ」
震えていた、どうしようもなく闇の中で。
泣きそうになりながら、それでも必死に涙を堪えるあゆ。
暗い洞窟の中には、他にも道連れがいた。
その中の1人、美しく黒い長髪の少女が先ほどからぬいぐるみの置かれたなにやら怪しげな魔法陣を描いて
さらになんとも怪しげな呪文を唱えている。
そのお陰で、只でさえ怖い洞窟の中が、余計に怖かった。
何となく、そのまま見続けていると何か呪われそうだったので、もう一方の少女に目をやる。
その何処と無く、気品のある顔立ちをしたうすい水色の髪の少女は、焦点の合わない目であらぬ方を見やり。
「電波、届かない・・・、圏外?」
携帯電話? 携帯電話だよね? それにしては手に何にも持ってないけど・・・。
こっちはこっちで無性に怖い、もう既に鮎の表情は崩壊寸前であった。
そして、今まさに涙がほほを伝い洪水を起こすかに見えたその時、黒髪少女が呪文を唱え終わり、魔法陣が光を放つ。
「ふぇ、な、何」
次の瞬間、あゆは声にならない悲鳴を上げた。
光が治まった途端、それまでぴくりとも動かなかったぬいぐるみが目を赫く輝かせて立ち上がったのだ。
「誰、誰よ、私を呼び出したのは・・・」
ルミラは不機嫌だった、と言っても没落貴族で赤貧にあえぐ彼女の機嫌が良い時というのは、そうそうあるものでもなかったが。
「一体何処の誰だか知らないけれど、この私を召喚するなんていい度胸じゃ無い」
そう言って不敵な笑みを浮かべ、相手を見つめようとして気づく。
「あら、貴方は確かこの前の…また私に何か用なの? って、なんだか視界が変ねぇ」
なぜ、こんなに見上げなければ彼女の顔が見えないのだろうか?
くい、と首を回して自分の身体を確認しようとして・・・回らなかった。
なんだか妙に頭が重くて首が下を向かないのだ、無言のまま軽く手を上げる。
そこに見えたのは、まるで人形のような自分の腕だった、コレはいったい?
「・・・・・・・・・・・・」
訝しがる彼女に、芹香が声をかけた。
「え、なになに、30cmの私の人形を寄代に私を召喚した?
ああ、なるほどだから妙に縮んだ様な感じが・・・って、えええええ!!??」
あ、ごめん、今見直したら、芹香はもうパーティー組んでましたね、何で書き込む前に気づかなかったんだか。
というわけで、178、179は墓地行きって事で申し訳ない。
ここにも一台、森林の中を爆走するジープがあった。
乗っているのは、一人の男と三人の女。
ハンドルを握る坂神蝉丸は、ブレーキの利かぬ車体を必死に制御していた。
「おい坂神っ! 先刻の放送はどういうことだ!? 超先生とは何者だっ!?」
後部座席で喚き散らすのは、岩切花枝である。
その質問をしたいのは蝉丸も同じだし、今は考える間もないので、乱暴に「知らん」とだけ言い返
した。
助手席とその後ろに座る少女は、ただおろおろとしながら蝉丸と岩切を交互に見ている。
直後。 前方の木々の間から、大きな岩が現れた。
「きゃああああああっ!」
二人の少女が甲高い悲鳴をあげる。
岩切は咄嗟に、隣りに座る少女の身体を押さえた。
「くっ!」
蝉丸は唸ってハンドルを大きく右に回した。
急激なカーブでタイヤが土を抉り、宙に舞い上げる。 シートベルトを付けている四人の身体が大
きく揺さぶられた。
ジープは間一髪で岩との衝突を避けると、さらに爆走を続けた。 その速度は緩まるどころか、さ
らに早くなっている様に感じる。
「祐一さん、祐一さん…」
助手席の少女はがたがた震えながら、誰かの名前を呼び続けている。
「怖いよぉ… 耕一お兄ちゃあん…」
岩切の隣りに座る、一本だけピンと立った髪が特徴的な少女も、頭を抱えながら人の名を呼んでい
る。
「坂神、なんとかして止めろ!」
岩切が少女の身体を抱いて叫ぶ。
「ブレーキが利かない以上は、何かにぶつかるかして止まるしかないな」
「それだ、湖なり沼なりに車体を突っ込ませろ!」
出た答えは、別の場所を疾走する九品仏大志と同じものだった。
こういう状況にありながら、蝉丸の頭のどこか、奇妙に落ち着いた部分は、過去の出来事に思いを
馳せていた。
少年時代、蝉丸がまだ普通の人間だった頃。
今と同じ様に、爆走する車に乗っていたことがあった。
一緒に乗車していたのは、無二の親友と、愛した少女。
頬に一緒消えぬ勲章傷を残した後、蝉丸と親友は、少女を必ず守りぬくと誓いを立てた。
今、守るべきは二人の少女。
ジープに乗るときに、助手席の少女は病弱だと聞いた。
後部座席の少女は、どう見ても小学生程度。
なんとしても彼女達を無傷のまま、このジープを停止させねばならない。
「坂神、前だっ!」
岩切が叫び、再び前方に岩が出現した。 やはりジープの速度が上がっているのか、岩は先刻以上
の早さで迫ってきた。
「うおおおおっ!!」
ハンドルを思いきり左に切る。 ジープは進行方向を九十度近く曲げ、岩を避けた。
ほぼ同時に、
すぽっ
という妙な音が聞こえた。
途端に蝉丸の握るハンドルは軽くなって、くるくると自在に回るようになった。
それも当然である。
ハンドルは車体からはずれ、蝉丸が持ち上げているだけなのだから。
「「「「…………」」」」
一瞬、車上は沈黙に包まれた。
八つの瞳は、蝉丸の手中にあるハンドルに向けられている。
ややあって蝉丸が、
「む」
と声を出した。
「坂神ィーーーーーーーッ!!??」
岩切が絶叫し、少女達が悲鳴をあげる。
「貴様ぁっ! こんな時にふざけている場合かぁ!!」
「俺は知らん。 勝手に外れた」
「それですむか! この馬鹿、大馬鹿め!!」
「やめろ、髪を引っ張るな」
騒然となる乗員達の気など知らず、唯一の制御を失ったジープは、ただ一直線に進み続けた。
舗装もされていない地面が車体を激しく揺らす。 少女達の悲鳴がますます大きくなった。
「止むを得ない、シートベルトを外せ!」
車上の悲鳴に負けぬ大声で、蝉丸が指示を下した。
その声に圧倒されたか、少女達は我に返った様に悲鳴を止めた。
蝉丸の意図を直ちに理解した岩切は、隣りの少女のシートベルトに手を伸ばした。
「お、お姉ちゃん?」
瞳を涙で濡らした少女は不安げにその手を見たが、岩切は「心配するな」とだけ言って、作業を続
けた。
蝉丸も同じように、助手席の少女のシートベルトを外している。
そこで、また悲鳴があがった。
「前、前、まえまえまえ!!」
助手席の少女がヒステリックに叫びながら、前方を指差す。
三度、障害物が現れた。 今度は岩ではなく、白い壁である。
もはや僅かな後には激突する距離だったが、蝉丸も岩切もそちらを見ず、さっさと自分のベルト
外した。
そして二人の強化兵は、それぞれ少女達の身体を抱えながら、車上から飛び降りた。
それから一秒もたたず、無人のジープは壁に激突する。
さらに少しの間を置いて、爆発、炎上。
【蝉丸は栞を、岩切は初音を抱いてジープから飛び降りる。 それによる負傷等は次の人にお任せ】
【四人の乗っていたジープは爆発炎上】
えと、葉鍵SSなんて書くの初めてです…
ふつつか者ですがよろしくお願いします。
ちと長すぎたかなあ?
と、忘れ物です…
【"白い壁"が何なのかも次の人にお任せ】
「美凪ー―っ、みーなーぎーっ。うにゅ…お――い、国崎往人―ー―っ」
あの後…砂浜で目覚めて遠野美凪とはぐれてしまった事に気づいたみちるは、しばらくその場所をうろうろと探し回った後、移動を開始していた。
目的は無論自分の半身とも言える少女を探し出すこと。美凪が怪我でもしていたら助けなければならないし、みちるにしても、こんな場所で一人ぼっちなのは心細いことこの上なかった。
「んにゅ…美凪…どこ行っちゃったんだろ…」
砂浜を出発し、自分がジープから放り出されたと思われる場所に向かって足を進めながら、ふと気づくと不安が口を突いて出てきてしまう。
「美凪…もしかして何処か打ち所が悪かったりして怪我で動けなかったり…それとか、変な落ちかたしたせいで……」
みちるは自分がらしくもなく、ネガティブに落ち込みかけていることに気づいて、目尻に浮かびかけた涙を乱暴に拭った。
「しっかりしろっ。みちるがこんなんでどうすんだー!!」
ぶんぶんっ、と大きく頭を振って自分に気合を入れる。そうだ。勝手に悪い想像をして落ち込むなんて自分らしくない。こんな自分を美凪に見せたらきっと悲しい顔をさせてしまう。美凪はそう自分を奮い立たせると、再び大声で美凪の名前を呼び始めた。
「それにしても腹が立つのはあいつらだーっ。あいつらがメチャクチャな運転なんかしたせいで、美凪とみちるが、どうしてこんな目にあわなきゃいけないのさーっ」
この島で起こっている事情を知らないみちるは、名前こそ覚えていないものの顔は確実にインプットした祐一と北川に向かって怨嗟の声をあげることも忘れない。
とくに危機感を抱くことも無く、孤独感と美凪の身を案じる不安感を身にまといながら
みちるは大声で美凪の名前を叫びつつ移動を続けていた。
すぐ背後の茂みに忍び寄る異形の気配に気づけるだけの警戒心を持たないままに。
「一体なんだったのかしらね、さっきの放送。ジープは勝手に手動運転に切り替わって、メチャクチャに走り出すし、たまったもんじゃないってのよ。管理がキチンとなってないんじゃないの、まったく」
左手で軽やかにギアをシフトチェンジさせながら不機嫌そうに広瀬真希はそう呟いた。
「みゅー、みゅーっ」
周りに広がる自然が珍しいのか、それとも同乗者の髪を引っ張るのが楽しいのか。後部座席では先ほどから椎名繭のはしゃぐ声が止まずに続いている。かなり上機嫌のようだ。
「繭、いいわねー。あんたは楽しそうでさ。私なんかもう家に帰りたくなってきたくらいだわよ」
広瀬のほうでも、周りに広がる景色に新鮮さを覚えないわけではないが、さすがに目的地も定かにならないままに30分近くもさまよっていればいい加減不安のほうが大きくなってくる。
普通なら自動運転に切り替えればわざわざ搭乗者が悩まなくとも目的地に案内してくれるはずのナビゲーターは先ほどから使用が不可能になっており、せめて普通のカーナビくらいの機能は…と言う期待もあっさり裏切られていた。
広瀬としては繭相手に愚痴りたくもなろうというものである。
「みゅ?」
…無論、繭相手に愚痴ったところで話が弾むわけでもないのだが。
「はぁ…。ねえ、さっきから気になってたんだけど…あんた随分静かね。何やってんの留美?」
ジープに乗り込む時、折角だからと言うことで広瀬は親友の七瀬と、その連れ子の繭の三人で乗り込んだはずだったのだが、先ほどの自動車暴走以来、七瀬の口数がやけに少なくなっている。
さっきから気にしてはいたのだが、どうせ『ジーブの車窓から流れ行く景色を見やる。乙女にしかなせない技よ』などとバカなことをしているのだろうと放っておいたのだ。
しかし、それにしては随分とトリップ時間が長いような気がする。別段危険があるとは思えないとはいえ何しろ見事に他の面子とはぐれて迷走中なことには違いないのだから、広瀬としてはいい加減七瀬にも不安を一緒に背負って欲しいところだった。
「……あのさ真希…」
「ようやく喋ったわね。何よ、人に散々運転させといて、その辛気臭い声は」
七瀬の呼びかけに対して、広瀬は軽く挑発するようにそう返した。相手を疎んでと言うわけではなく、その七瀬の暗い声から出る不安そうな響きを嫌ってのことだろう。
だが、七瀬はその挑発には乗らず、淡々と先ほどから気になっていた疑問を広瀬にぶつけた。
「さっきから聞こう聞こうと思っては怖くて聞けなかったんだけど…真希…あんた免許持ってたっけ?」
額から汗を一筋流しながら、おそるおそるそう尋ねる七瀬に向かって、広瀬はただ一言。
「持ってるわけないでしょ」
と平然と答えを返した。
ガサリ
「誰っ!?」
後ろの茂みが鳴った。これで、もう三回目だ。
後ろから誰かがついてきているー―そう気づいたのは、ほんの5分程前のことだった。
あれからも、みちるは相変わらず大声で美凪の名前を呼びながら歩いていた。歩いては呼びかけ、呼びかけては歩く。それをずっと繰り返しつづけている。
だが何度呼んでもみちるが望む少女の声は返ってこず、それどころか叫びつづけたせいで逆に喉が乾いてきた。
考えてみれば、みちるは身一つで水筒も弁当も持っていない。美凪を見つけることももちろん大切だが、もし万が一、このまま夜になったら
…明日になっても、皆と合流できなかったら…自分はどうなるのだろう?
そう考えて全身の汗が凍りつきそうな感覚を覚えた。この島は聞いた話だと動物園のようなものらしいから、野生の動物が出る心配はないはずだ。
だが、そうは言っても夜にこんな所で一人夜を明かすなんて怖くないはずがない。
「あれ…?」
そこでふと思い当たった。さっきの放送…あれはなんと言っていたっけ?
『モンスターの制御装置は解除されました』
『全防犯システムも既にカット済みです』
「……」
みちるが不安げに周りを見回す。そんなの冗談に決まっている。
自分が知らされていないだけで、きっとこのテーマパークの出し物の一つに違いないのだ。
そんなバカなことが現実にあるはずがない。
そう無理やり納得して、移動を再開しようとした時に…みちるは初めて、自分のに近い位置に自分以外の息遣いがあることに気づいたのだった。
「……」
気のせいだ。いや、そうでないなら、きっと他の参加者がくっついてきているだけだ。
そう思い込むことにして少し歩調を速める。声をかけてこない相手だ。誘拐魔かもしれない。
「はっ…はっ…はっ…はっ…」
気配は離れない。はっきりとわかるわけではないが、何かがついてきているのは、もう間違いなさそうだった。
「嫌だ…美凪…みなぎぃ…」
しっかりしなくちゃと心ではわかっていながらも、歩調はどんどん早くなっていき、口から漏れる言葉は鼻声になってしまう。
そして、とうとうみちるは耐え切れずに思い切り足を踏み出し、全力で走り出した。
「はぁっ…や、やだっ。みなぎっ! みなぎーー―っ。国崎往人―ー―っ!!」
直後、後ろの茂みが大きく鳴って何かが飛び出してきたのがわかった。ものすごいスピードで足音が近づいてくる。
ダメっ! そう思いながらも恐怖感に勝てるはずもない。肩越しに振り返ったみちるの目に飛び込んできたのは猿の顔に豹の身体をくっつけたような見た目にもおぞましい”何か”だった。
「―ー―っ!?」
もはや声も出せず必死で足を動かす。捕まったらどうなるか、考えるまでもない。あんな悪意の塊みたいな生き物なんか見たことがない。
交互に足を踏み出して走る。後ろからついてくる悪夢を振り切るために。目がさめたら美凪に『面白い夢を見たよ』って笑えるように。
あんなものに捕まったらきっと自分はもう二度と目がさめることなんかない。
怖い。怖い。誰か。お願い。助けて。みちるは。死ねない。だって美凪が…っ
ドスン―ー―と衝撃があった。
背中が痛む。みちるは一瞬息を詰まらせて前のめりに転がされた。
目の前にいやらしい笑いを貼り付けた猿の顔が近づいてくる。
牙を向き出しにしたそいつが、みちるに飛び掛ってこようとした瞬間…ドンッという大きな音を聞いた気がして
―――みちるはそのまま気を失った。
「うぎゃぁぁぁっ、轢いたっ! 撥ねたっ! 今なんか変なの撥ねたぁっ!!」
「み゛ゅーっ、み゛ゅ―ー―っ」
「だ、だから言ったじゃないのよっ! 免許がないなら歩いて行こうってっ」
「な、何行ってるのよっ! 大体ねぇっ、私が平気だって言ってるのに留美が後ろからギャーギャーわめくから…」
「みゅーっ、み゛ゅーー―ー―ー―っ」
「繭、うるさいわよっ! 真希っ、責任のなすりあいしてる場合じゃないわ。何を撥ねたか知らないけど怪我してたら放っとけないし」
「わ、わーってるわよぉっ。あぁー、違うと思うけど、人だったらどうしよぉ…」
大騒ぎである。ジープを運転しあちらこちらをさまよっていた広瀬一行は、迷い迷ううちに、砂浜に近いところにやってきていた。
小高い道から見下ろして砂浜を見つけた三人は気分転換を兼ねて、逸る心で海を目指していたのだが、そのために注意力が散漫になっていたらしい。まさかの交通事故を起こしてしまった。
「ど、どう…? 留美? ま、まさか人だったり…して…ないよねえ?」
さすがに心なし顔を青ざめさせて広瀬は先に辺りを確認しに出ていた七瀬にそう尋ねた。
自信があるわけではないが、自分で見た限りでは、何か4つ足の動物を撥ねた記憶があった。それはそれで問題ではあるが、人でなければ充分御の字だ。…そう思っていたのだが…。
「……」
七瀬の肩越しに小さな女の子が倒れていた。髪を七瀬と同じようにツインテールに結び、健康的なノースリーブとキュロットを身につけている。
「う、嘘…っ」
広瀬の息が止まり、顔が蒼白になる。広瀬は元々決して「良い子」なわけではないが、決して悪人ではない。
自分のしでかしてしまった事実に…前途のある小さな女の子を撥ねてしまった事実に言葉が出なかった。
あのスピードで撥ねてしまったのなら…おそらくもう……
「みゅー…死んじゃったの?」
繭の直接的な表現が広瀬の胸に刺さる。
「わた…私…ど、どうしよう…なんてことを…」
フラフラと倒れこみそうになりながらも、広瀬は何とか踏みとどまる。辛いのは私じゃなくて…無理やりに命を散らされたあの子なのだ、そう自分に言い聞かせながら。
「留美……その子…」
埋めてあげたほうが良いのかな…? そんなどこか間違ったことを良いそうになった広瀬向かい、七瀬は振り様に一言
「うん、気絶してるだけみたい。怪我一つないわ。あー、ビックリした」
とあっさり答えを返した。
「……」
「でも、おかしいわね。撥ねられた動物みたいなの見当たらないみたいみたい。もしかしたら、無傷で逃げたのかも」
「みゅー」
七瀬の発言に適当な相槌を入れる繭。倒れていた女の子を覗き込みながらも、人見知りが激しい繭らしく触れようとはしていないようだ。
「……」
「んー、まあ何事もなかったみたいで良かったけど…ねえ真希。やっぱりさあ。無免許運転はまずいんじゃ…あれ?どうしたのよ? そんな震えて?」
「言うのが…っ、おそー―ー―ー―ーいっ!」
半泣きになりながら七瀬に食って掛かる広瀬。よほど安心したのか普段なら絶対見せないであろう涙が頬を伝っていた。
「え? ま、真希? な、なんで泣いてるのアンタ」
「うるさいうるさいうるさいっ、いいからその子後ろに乗せなさいっ。ほら、いくわよっ! 乗らないなら放っていくからねっ!!」
広瀬は怒り半分、照れ隠し半分に安堵の気持ちをスパイスにしたような微妙な表情で三人を車に詰め込むと、再び運転席に乗り込んだ。
「ちょっ…何を怒ってんのよっ、それにアンタまた事故でも起こしたら…」
「いいから、黙って乗ってなさい。安全運転して欲しかったら運転の邪魔をしないでよっ!?」
広瀬はそう叫ぶとアクセルを踏み込んだ。有耶無耶のままに乗組員を一人追加して、車は再び砂浜のほうへと動き出したのだった。
【みちる、七瀬・広瀬・繭組と合流】
ものすご―――く長くなってしまいました。すみません。
とりあえずリレーされてるキャラがいないっぽかったので
みちるを使わせていただきつつ未登場キャラを出そうとしたら、こうなってしまいました。
七瀬と広瀬は大概仲が悪い感じなので、たまには七瀬EDっぽく親友設定にしてみたり。
別に七瀬エンド後というわけではありませんので、そこらへんは気にしないでください。
駄文失礼いたしました
>>185 蝉丸のボケ具合が、とても良いです。
1人だけ、妙に落ち着いてて。
これからも頑張って。
最近みんな長すぎるぞー
2〜3レスくらいを目指しましょう
1レスが1番いいと思われ。初心者入りやすくて
空を見上げていた。
そこには、抜けるような青い空が、あの時と同じように、広がっていた。
神岸あかり。
俺の今までの生涯で唯一恋というものをした女の子だ。
しかし、彼女には既に想い人がいた。
藤田浩之。それが、名前。
俺は、あえて藤田に計略を仕掛けた。
藤田に、神岸さんとの仲を取り持つようにいってみたのだ。
藤田は神岸さんの近くまで俺を連れておいて置きながら、最後には「すまん」と断った。
ああ、俺は負けたんだ。素直に、そう思った。
あのときも、同じようにこうして空を見上げていた気がする。そこには、わずかな雲と、抜けるような青空が……
ああ、遠くで誰かの声が聞こえる。眠いんだ。眠らせてくれ。
ああ、でも俺には頼まれたことがあったな。観鈴ちゃんを……守らなきゃ。
いや、確かあの化け物は……そうだ、俺がいいようにやられているところに晴子さんがジープで……
そう言えば地面がゆれている。ここはジープの中かもしれない。だが、それで空が見えるだろうか?
以上は、矢島少年が意識を失う前に見た幻想に過ぎない。
彼が再び目を覚ますことはあるのか、それともまた永遠の眠りが待っているのか、今走る由も無い……
【矢島パーティー、モンスターとの戦闘終了】
【矢島重症 生死不明 怪我の度合い、生死は次の書き手様次第】
【矢島はここが野外だと思っているがそれすら矢島の幻想で実はジープの中という可能性あり】
「まいったっ! 俺はまいったあああぁぁぁぁぁっ!!」
ホテルから出発してすぐ、一台のジープから非常に大きな叫び声が上がった。
「うるさいよ」
高槻の足元に置かれたバックの中からもぞもぞと這い出し、少年が抗議をする。
「なぜだっ!? このジープは4人乗りだぞっ! なんで5人も乗っているっ!!」
「僕は招待されてないんだから、こっそりジープに乗らなくちゃならないんだ。だから僕は1人としてカウントできないんだよ」
「ふざけるなっ! なぜお前がジープに乗らなければならないっ!」
「まぁまぁ、現実とはいつもこんな風に過酷なものなんだよ。僕だって狭いの我慢してるんだから」
「過酷な現実っ!? これは過酷な現実のか!? お前が馬鹿なだけでは無いのかぁっ!!」
「ひどいなぁ。ナイスアイディアだと思ったのに」
高槻の靴の踵がバックにめり込む。
「んぐふぁ…いくならんでもこれはひどいよ……」
これだけ騒いでいるというのに後部座席の二人は少年の存在に気付かない。
というよりも、周りの風景のあまりの凄さに高槻に負けないほどはしゃいでしまっている。
助手席の女性だけが異変に気付いて足元を見ていた。
自分の足元にある白髪の少年の顔に、どうしていいのか全くわからないといった様子であった。
「あ、やあ」
女性の視線に気付いた少年が、痛さを堪え辛そうな笑顔を作って挨拶する。
「こ、こんにちは……」
つられて女性も挨拶。
「こんな奴に挨拶する必要などないっ!」
高槻は女性を怒鳴りつけ、再びバックに蹴りをくわえる。
「あうっ!」
「あ、革靴なんかで蹴ったら危ないですよ」
高槻の方へ体を向け、女性があわてて注意をする。
「そうだよ。危ないよ。ねぇ、えっと……」
「あ、私は桑嶋高子といいます…って……」
「ん? あ……」
高槻に体を向けるため、自然と股が開く格好になっている高子。
そして、ついつい高子の視線を目で追ってしまった少年。
少年の視線の先にはミニスカートをはいた生足がご開帳。
「きゃぁっ!」
「うわ、ごめ……」
言い切るより早く、高子のサンダルの踵が少年の顔に食い込んだ。
そしてそのまま、少年の意識は急速に閉じて行く。
少年の命の灯火は、早くも消え去ろうとしていた……
【高槻・少年・高子他2名 出発】
>>198-199 追加キャラ出しておいて後は人任せというのもなんなので、もう一度少年書いてみました。
前回とあまり展開が変わらないかも(^^;
というかお約束の展開になっちゃってますね。
もっと独創的な文章書けるように精進します(汗)
201 :
まとめ:01/12/30 05:35 ID:YiD+B82m
202 :
まとめ:01/12/30 05:36 ID:YiD+B82m
蝉丸・岩切・栞・初音(ジープ爆発直前に脱出)
>>181-184 七瀬・広瀬・繭(みちると合流)
>>107>>187-193 美凪(行方不明)
>>107 高槻・少年・高子・他二名(サバイバル開始前・ジープで観光中)
>>150-151>>198-
>>199 招かれざる救世主(?)
サラ・ティリア・エリア(浩之・雅史を探す)>93-94
立川雄蔵(郁美を探す)
>>67 部外者
清水なつk(以下略)
>>97 エンディング エンディング1
>>10 アナザー
>>140-141 >>154-155 >>178-179 未登場キャラ
【雫】 月島瑠璃子
【痕】 柏木千鶴・柏木梓・柏木楓
【To Heart】 長岡志保・佐藤雅史・保科智子・松原葵・マルチ・坂下好恵・雛山理緒・シンディ宮内
【WHITE ALBUM】 森川由綺・緒方理奈・篠塚弥生・澤倉美咲・河島はるか・観月マナ
【こみっくパーティー】 長谷部彩・芳賀玲子・塚本千紗・桜井あさひ・御影すばる
【まじかる☆アンティーク】 宮田健太郎・江藤結花・高倉みどり・牧部なつみ
【誰彼】 三井寺月代・石原麗子・杜若きよみ(白)・杜若きよみ(黒)・御堂
【MOON.】 名倉友里
【ONE】 里村茜・川名みさき・柚木詩子・深山雪見・住井護・氷上シュン
【Kanon】 水瀬名雪・沢渡真琴・月宮あゆ・天野美汐
【AIR】 霧島佳乃・霧島聖・橘敬介
203 :
まとめ:01/12/30 05:37 ID:YiD+B82m
現在確認されている施設・土地
ホテル(出発点)・竜の巣(ドラゴン生息)・崖(竜の巣周辺)・便所(ワニの生息地付近)・武器博物館(武器多数あり?)
売店・島のはずれの高原に建つお屋敷・山(屋敷の反対側)・港(山を越えたあたり)
現在確認されているモンスター
スライム・ドラゴン(竜の巣)・巨大人型モンスター(売店付近)・妖精(屋敷付近)・パペット(屋敷付近)
リビングメイル(屋敷)・シャア専用リビングメイル(屋敷)・ミスリルゴーレム(山の中腹)・ワイバーン(森)
現在確認されているアイテムとその所在(舞の剣等、デフォルト装備ははずしました)
地図等の書かれたパンフレット(受付にて無料配布)
ジープ(全グループに支給・開始直後暴走・ほとんどが破壊?)
大量の食料(売店)
小型テレビ(売店)
包帯(香奈子)(もしかしてデフォですか?(^^;)
銃器(武器博物館・柳川達が大量に所持)
サーベル(屋敷・和樹)
レイピア(屋敷)
バック(高槻)
あ、しまった。
冬弥(由綺・理奈とはぐれる)・彰(はるか・美咲とはぐれる)(両者合流)
>>148-149 を追加して、結果ホワルバ未登場キャラが
【WHITE ALBUM】 篠塚弥生・観月マナ
となります(^^;
205 :
一番星:01/12/30 11:04 ID:oNNx9Rp8
気がつけば、そこは、草原だった。
どうやら今まで気絶していたらしい、全身にかけて鋭い痛みが走る。
スカートが雑草塗れになっている。
・・・ここは・・・どこだろう? いや、なぜ、自分はこんなところにいるのだろう・・・? ゆっくりと記憶をたどる。
・・・お米券・・・ちがう、ぱーく無料招待券・・・じーぷ・・・漫才師・・?・・・放送・・・みちる・・・!?みちる!
そうだ! ジープに放り出されたんだった。みちるはどこだろう? まだあのジープに乗っているのだろうか? それとも・・・。
こんなことならばシートベルトをしておくんだった、そういえば、みちるもシートベルトはしていなかった筈だ、大丈夫だろうか?
・・・とにかく、みちるとあのジープを探そう、ここに居ても事態は改善しない。
立ち上がる、全身の痛みが増す、が、気にしない。
周りを見回す、右手遠方に海岸線、左手は山の起伏が見える。
あのジープはどちらにいったのだろう・・・? 推理する。
・・・たしか、竜を見に行くとか言っていた・・・竜・・・巣穴・・・山の方だろうか・・・?
山手に向かって歩き出す、と、後ろの方で、がさり・・と小さな音。
振り返る。
・・・イノシシさん?
イノシシ頭の男(?)が、こ汚い服を着てこちらの様子を伺っていた、その手にはこん棒らしき鈍器、「にやり」と笑ったように見えた。
「ぶひっ、ぶひひひひっ! ぶひっ、ぶひっ」
「・・・えーと・・・」
「ぶひっ・・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・あ」
「ぶひ?」
「おはこんばんちは」
「ぶぎぎぃぃぃぃぃいいいいぃっ!!」
イノシシ男は怒ったようだ、なぜだろう? 考える・・が答は出ない。じりっじりっと、差を詰めてくる。
そして、襲いかからんばかりにこん棒を降り上げ体制を沈める。
「ぶぎぃぃぃぃぃぃっ(いただきま〜す)♪」跳躍。
ぶろろろろろろろろろろ(どかっ)ろろろろろろろろろろろろろ・・・
横から突如現れたジープが、オークを吹き飛ばした。
「ぶぎひぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・」キラン。
イノシシ男は一番星になった。
「おや?、今何か轢いたかな?」
「交通事故だよぉ、大事件発生だよぉ、お姉ちゃん現行犯逮捕だよぉ」
「はっはっはっ、それは大変だなぁ」
「・・・いや、はっはっはって、笑ってる場合じゃないでしょ!! もうやだ・・・雅史、あんたもなんとかいいなさいよ!」
「いいんだ・・・僕はいっつも貧乏クジなんだ、浩之や志保と居ると、いっつも僕はまきこまれるんだ・・・うふふ」
「ちょっと、トリップしてる場合じゃないでしょ!!」
「って、お姉ちゃん!! 前っ、前ーーーー!!」
「うん?、ってぬおっ!?」
前方に大木が迫る、避けれない。
イノシシを弾いたジープは、そのまま蛇行して、前方の大木に激突していた。
・・・そして爆発。
「・・・あ」
そのジープから這い出る人影、こちらに歩いてくる。
「やぁ、遠野さんじゃないか、奇遇だなぁ」
髪はちぢれ、全身煤だらけになった、霧島聖がしゅたっと右手をあげた。
「こんにちは、霧島先生」
さらにうしろから、よろよろとよろめきながら歩いてくる人影。
「けほっけほっ・・・もう、お姉ちゃんはデンジャラスドライバーさんだよぉ・・・」
「もうやだ・・・まざじ・・・あだしおうぢにがえる・・・」
「うふふ、灰だ・・・みんな灰になるんだ・・・」バタッ!
【美凪、聖達と合流】
【聖・佳乃・志保・雅史、全身煤だらけ、髪ちぢれ、ジープ破損】
ってなわけで、2度目の挑戦です。
今回はお笑い路線を狙ってみました。
(そういえば、前回書いた大志編は、タイトル書き忘れてたな・・・)
>>187-193さん、展開パクってごめんなさいw。
空想上のモンスターってどれくらいまで出して良いんだ?
ゴジラとかアリなのか?
>>210 詳しい設定をしないで始めた企画だからそういうところははっきり決まっていない。
ま、少なくとも生物学的・物理的に説明がつくモンスターにすべきだね。
ここの書き手さんは設定だとかそういうのが大嫌いらしいからこれくらいで退散(w
でもやっぱ先に設定しとかないと、後々に面倒になると思う
そこら辺のことは純粋に書く人のバランス感覚に
委ねられているみたいですね。
暗黙のバランスが崩れさえしなければかなりいいスレに
なると思いますがどうなることやら。
「あーーー嫌、もう嫌、あたし帰る!! 家に帰るんだから!!」
志保が絶叫した。
雅史は慣れたもので、平然としていたが、日頃から鍛えられている声は、
普通の人なら目を丸くするほどの声量である。
「す……すごい肺活量だな、長岡くん」
「あたし、実家に帰らせていただきます」
ギャグが飛び出す辺りはアレだが、志保は本気で炎上するジープに背を向ける。
「あの、いいのですか?」
美凪が、縮れ頭の雅史に問い掛けるが、彼は平然とした口調で言い放った。
「まぁ、志保はどうせ居たって居なくたって、たいして変わりないしね。
むしろトラブルほいほいだけあって、居なくなった方が生存率は上がるかもね」
「君は………何と言うか…」
すがすがしい顔で毒舌を吐く雅史に、さすがの聖も絶句する。
「君を、ど悪人一号さんに任命するよぅ」
「ありがとう」
やはりすがすがしい表情で笑うと、雅史は空を見上げて、遠くに思いをはせる。
(浩之……君は今、どこで何をしているんだい?)
せっかく人と合流したというのに、美凪は一抹の不安を隠せなかった。
「……あの、おこめ券」
不安を振り払うように、進呈しようとして、誰も自分を見ていないことに気付く。
「……誰も見てくれないで賞。自分に、おこめ券進呈……」
美凪はそっと、自分の懐におこめ券を差し込んだ。
「ったく、雅史なんかと同じグループだってのにも腹が立つってのに……」
志保は、太ももまである草を払いながら、ずかずかと草原を歩いて行く。
4人で来たのだから、せめて4人でグループを組みたかった。
あるいは、あかりとだけでも同じグループに居たかった。
それで、ひょっとしたら、ひょっとしたら、浩之と二人だけで………
志保は慌てて首を振って、その想像を打ち消した。
「しっかし、何だってこんなに歩きにくいのかしらねぇ」
草原を抜け、うろうろしている内に、森の中に入ってしまっていた。
「…………おーい……」
がさがさ、と聞こえてくるのは、自分が踏み分ける草の音だけ。
急に不安になった志保は、小声で呼びかけてみるが、返って来るのは、鳥の鳴き声ばかりだ。
「ま……まずかったかな」
志保は、自分が生理中だった事を悔やんだ。
ついカッとなって行動してしまったが、このモンスターのうろつく島での単独行動は、非常に危険だ。
「ちょっと、誰かいないの!? ねぇ!」
自然と早くなる足。だが、その時、志保は耳にしてしまった。
獣独特の、神経を逆撫でされるような、荒い息づかいを。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………
歩きが早足になり、ついに志保は駆け出した。
だが、背後から追いかけてくる獣の息は、少しも遠ざかることなく、迫ってくる。
「やだ……やだ…こんなとこで死にたくない、死にたくないっ!!」
志保が絶叫するのと同時に、背後で何かが飛び跳ねる音がした。
振り向いた志保が目にしたもの。
それは、目の前いっぱいに広がる、人間の頭をした、狼だった。
鮮血と脳漿が、森の草を紅く染め上げた。
「危機一髪、でしたね」
へたり込んだ志保の前で、優雅に微笑んでいたのは、美しい鴉の濡れ羽色の髪をした、女性だった。
「あ、あた、あたま……」
はしたなく大股開きして座り込んでいる志保の両足の間に、切断された狼の頭半分が転がっていた。
漏らす、と志保が覚悟した瞬間。
「あぁ、やっぱり長岡さんやったな」
いきなりの関西弁に、志保はおもらしするのを何とか耐える事が出来た。
「あ、あんた……保科さん」
「特徴ある丸頭が見えたもんやから、千鶴さんを連れてきて、正解やったわ」
そう言って、保科智子は肩をすくめ、笑みを浮かべて見せた。
「おいおい、和んでる場合かよ」
もう一人、これは男…というよりおっさんだが、かなりの猫背だ。
その上、どこで見つけたのか、長いライフルなど抱えている。
「こっちの女の人が、柏木千鶴さん。こっちの男の人が、御堂さん。
二人とも、この丸い頭の子が、私の学校の同級生で、長岡志保さんっていうんや」
「丸いは余計よ……」
ぼそっと言う志保だが、千鶴は聞こえているのかいないのか、にこやかに手を差し出す。
「はじめまして、志保ちゃん」
「は、はじめまして」
柔らかな手を握り返しながら、志保はその手が狼の頭を引き裂いたなんて、到底信じられなかった。
志保はすかさず、智子に耳打ちする。
「ちょっと、凄い美人じゃないの!! ひょっとして柏木って、あの柏木グループの!?」
「…ああ、私も信じられへんけどな、間違いなくあの会長や。もの凄く若いやろ」
二人の内緒話を聞きながら、同じく聞こえている千鶴の口元が、緩みきっているのを見て、
御堂は苦笑した。美人、とか若い、とか聞いて、舞い上がっているらしい。
「……どうでもいいけどよ、狼が単独で行動する事は無いって、知ってたか、お嬢ちゃん達よぉ」
御堂の声を聞いていたのか、全く同時に、幾つもの人間の顔が森の中に浮かぶ。
だが、それが人間なわけは無い。
「人面犬ならぬ人面狼ってとこやな」
「ちょ、ちょっとどうするのよ!?」
慌てる志保を無視し、御堂が、戦力となると認めている千鶴に声をかける。
「どうする、柏木さんよ。俺達だけならともかく、お嬢ちゃん達がいるとなると…」
「はい、逃げた方がいいですね。突破しますので、援護をよろしくお願いいたします」
短い付き合いでしかないが、千鶴も御堂も、互いの力量を完璧に把握していた。
その素性に興味はあったが、今は頼もしい戦力に間違いない。
志保と智子に目配せして、千鶴が一気に走り出した。
即座に襲い掛かる狼たち。だが、その全てが、舞を舞うような千鶴の手の動きに、
軽々と両断され、血飛沫を上げて地面に転がる。
「す、凄い……彼女、何者なの?」
絶句する志保の手を引き、智子が千鶴の後を追う。
その二人に襲い掛かろうとする狼は、御堂の正確な射撃で、次々と撃ち落されていく。
「ひゅっ、こいつら、百匹以上いやがるぜ! どうする?」
「どこか、避難できるところがあれば……」
さすがにこれだけの数ともなると、千鶴と御堂の二人だけでは、志保と智子を守りきれない。
「……あそこ、通路がある!!」
智子に手を引かれていた志保が、森の木々の奥を指差した。
「恐らく、ここの管理室の一つだな。よし、行くぜ!!」
腕に喰らいついてくる狼を、銃身で叩き落し、御堂が叫ぶ。
リノリウムの床に、蛍光灯の光。運悪くドアは壊されていたが、隠れられそうな
部屋のドアが、幾つも並んでいた。
「援護します。早く三人とも、中に入って」
襲い掛かってくる狼を薙ぎ払い、千鶴は鋭く3人に言い放った。
えっと、書かれて早々、志保を離脱させてしまいました。すいません。
【志保、聖メンバーから離脱】
【智子、千鶴、御堂メンバーと志保が合流。四人目の所在は不明(ジープで待ってる可能性も有り)】
なかなか死なないな。
ロワイアルみたいに、ごっそり死んでなんぼの話じゃないのか?
セバスチャンは、実際迷っている。
ここでここにいるべきなのか、それとも一人でも彼らを救いに行くべきなのか。
「ふむ。」
ふいに、セバスチャンの耳にそんな言葉が入る。そんなばかな、ここには誰も入ってこられないはずでは……!?
「君が、私を殺した人物か」
声は、モニタースピーカーからだった。
「……メイドロボ?」
「外見はね。しかし中身は今もそこで横たわり首だけが椅子の上においてある人物さ。」
セバスチャンの目が、かっと見開かれた。
「な……馬鹿な!人格のバックアップをとっておいたと!?信じられん……何のデータの劣化も無く……」
「いや、そう言うわけではないよ。私の人格にも少し修復できなかったところがあるようだ。しかしそれは何の問題でもない。」
朝鮮製は続けた。
「まあ私のことは朝鮮製とでも呼んでくれたまえ。しかし君もなかなかの人物だね。」
「……どういうことだ?」
「だってそうじゃないか。彼ら103人の命を救うためにその部屋に君はいるんだろ?しかし実際には
「たかだかコンピュータの操作方法がわからない」程度の理由で君はそこに居座ることを決めている。
普通の人間なら、システムを多少暴走させてでも何とかセキュリティプログラムを修復しようと考えるのではないかね?
私の言葉に嘘は無い。防犯プログラムはすべて解除してあるわけだからこれ以上事態が悪化することなど考えられないだろう?
もし君が多少なりともシステムを復旧させることができたのなら、そこにいる私のオリジナルは存在していることになり
私が目覚めることは無かったし、その間に君達はここの脱出策を練る事だってできたはずなのだからね。」
………」
「いまさら後悔してどうするんだい。
その部屋の居心地も悪くは無いよ。そことここは神の視点で島の物事を観察できる。
そう、この島で起こり得るあらゆる事象をコントロールできる全知全能の神の視点、神の玉座だ。」
「……貴様の目的は何だ」
「それはあとで話すよ。君はそこにあるセキュリティボタンの効果を確かめようとすることすらしなかった。
それは防犯プログラムに以上が生じた場合、いったんすべてのシステムを尾としてイチから起動しなおすためのボタンだったのだよ。
私の目覚めまでにそのボタンを押しておけば良かったものを。
でも、もうだめだ。私のいるこの総括管理室でそのボタンの効果を無効化した。」
「………く」
「私の目的ははじめから言っているだろう。リアルリアリティーの追求だよ。
リアルな怪物に襲われ、人は掛け値の無いリアルな抵抗を繰り返す。リアルな恐怖、リアルな痛み、そして死。
抗いようの無い現実がここにある。彼らはこの島で一生が凝縮された時間を生きる!」
「……狂って……おるな。」
「自覚はしているよ。だが私の目的は殺戮ではない。このことだけはいっておくよ。
この島からの脱出防止策には一切手を触れていないから極端な話、筏を作って脱出しても良いわけだ。
ここで大事なのは結果ではなく、過程だ。彼らがそれまでにどんな苦労をし、死と向き合い、傷を負ったか。
少し陳腐な話になってしまうけどね。第一ここはただの人工島だ。まあ通信だけには少し手を加えておいたが。」
「………なるほど、つまり……」
「そう。私の居場所を突き止め、ここを制圧することができればセキュリティを復活できるかもしれない。
もっとも、君達にはここが何処なのかもわからないだろうが。」
「……見つけるんじゃよ。」
「できないね。」
「モグラは地下に潜りたがるのじゃよ」
言って、セバスチャンは部屋を出ていった。
「さて……島の諸君はどのような状況かな?」
【セバスチャン、行動開始 いまのところ朝鮮製の存在を知るただ一人の存在】
222 :
RTO:01/12/31 00:07 ID:8IvHAEGu
セバス動く。
朝鮮製の狂気性を出したかったのだが見事 破綻。鬱。
出現モンスターについては暗黙のルールで……今のところきております。
それでも今のところ割といい流れで来ていると思うのですがどうか。
*実は今一番灰色なのは「出自ありモンスター」だったりして……と ふと思った。
>219
ハカロとちがって最初から合流合流の嵐だからな。
果たしてどうなるやら。
まぁ、1がヘタレ過ぎたのでしょうがない。
魔法的な特殊能力>ドラゴンが炎を吐くとかコカトリスやなんかの石化にらみとかはNGだよな?
モンスター自体は、科学の産物なんだし、まぁ、火炎放射器内蔵とか言われるとなんともいえないが。
と言う事を言うと、ドラゴンも実際はあの体型じゃ空飛べないって言うし。
出自ありのファンタジー系モンスターは結構議論の対象にはなりそうだな。
あと、化学兵器は使用しないで欲しいなぁ。
酸をはくとかならともかく、毒ガスとか細菌とかね。
ところで、誰彼では御堂の携帯武器ってナンブやなんかのハンドガンが得意じゃなかったか?
なんで連射の効かないライフル使ってんだろうか。
まぁ、こういう突っ込みしてくとキリがなくなるので何処まで突っ込んでいいやらだが。
まぁ、その分初心者でも気軽に参加できそうなのでいいけどな。
「お互い、とんでもない事になっちゃったね。」
少女、観月マナが、一緒に歩三人に話し掛ける。
「「……」」
気まずい沈黙、マナはため息をついて改めて同行者たちを見直す。
一人目、水色の髪の少女、マナが聞き出したところによると名前は月島瑠璃子。
二人目はおかっぱ頭の少女、同じく聞き出した名前は柏木楓。
以上、二人とも気落ちしているのだろう、さっきから一言も喋らない。
マナは、それを何とか元気付けようと話し掛けるのだが、帰ってくるのは沈黙ばかり。
それでもマナは話し掛け続ける、彼女たちを思いやって、ではない。
自分自身を支える為に、だ。
何か話していないと、考えてしまうから、これからのことを。
逃げ場の無い絶望的なこの状況から逃れたい、只、それだけのために、彼女は口を開くのだ。
そんな彼女の気持ちに気づいたのか、楓が口を開いた。
「マナさん」
「え、え、なになに?」
「大丈夫ですよ、ちゃんと助けは来ます。」
「え・・・・・・でも。」
意外な言葉、そしてその何故か確信に満ちた表情に驚くマナ。
「ねぇ、いったいそれってどういうことなの」
「なんとなく、分かるんです。」
「なんとなくって・・・・・・」
だが、それっきり楓は言葉を発さなかった。
エルクゥ、異星人の末裔である彼女は、精神交感能力、いわゆるテレパシーが使える。
残念ながら、その能力は同族間にのみ通じる微弱な物であったが、それを使って先ほどから彼女は呼びかけていた。
(耕一さん、千鶴ねぇさん、私はここに居るよ)
そして、特殊な能力をもつのは傍らの月島瑠璃子も同様であることを彼女は知っていた。
電波、その能力を使い、彼女も呼びかけているに違いない、彼女の兄に、そして長瀬祐介に。
だが、そのことを話して信じてもらえるとは思えなかった、まして自分は口下手なのだ。
いきおい、黙りがちになる彼女を、マナは不安そうに見つめていた。
【観月マナ、月島瑠璃子、柏木楓、ホテルがあった辺りへ当ても無く歩き続けている(様に見える)】
超先生転じた朝鮮製による死亡者発表はアリですか?
例によってリレー小説の基本ルール「やったもん勝ち」でいいのでは?(w
ただ、朝鮮製の基本行動理念「RR」に背かない限り、ですがね。
理由付けが出来るならやってみればよいかと。
>>225 御堂はライフルも大得意だぞ
黒きよみと蝉丸が浜辺で会話するシーンで、先読みライフルで狙撃してた
モンスターって、好きかってやっていいんじゃないの?
すでに竜の巣ってのも出てるし
科学的にとか言い始めたらスライムだって無理
LEAFの世界には魔法だってあるし、電波も鬼もあるんだから、モンスターだって可能じゃなかろか
つーか設定縛りはいらん。モンスターを楽しもうや
まだほとんど出てきてないし
何事も初動が肝心だとすれば、彼の行動はまずは合格といったところだっただろうか。
超先生の暴走の直後から慌てる事なく、所属する管理室から可能な限りの情報を集めた。
(しかし、管理室からのセキュリティ制御は完全に不可能だった。少なくとも一保安員でしかない彼には。)
招待客の救助を呼びかける彼に、短い期間ではあったが同僚だった二人がリアルリアリティー等と意味のわからない事を喚きながら襲いかかって来た時にも、彼は冷静に対処した。
片方をしかたなく斬り捨て、取り押さえたもう片方が自害して果てた時も、途方にくれることなく招待客を助けるための行動を始めた。
管理室内にある武器をかき集めて、モニターに映る最も近いジープを目指して尋常ではない速さで走り始めた。
だが、その表情は決して晴れる事はない。
それは単純に今起きている事件に対する憂いではなく、他の何かに耐えているようなとても辛そうな表情だった。
……そして、一方。
長森瑞佳は呆然としていた。
自分では非常識な事態に対してそれなりに耐性があるほうだとは思っていたのだが。
――だ、だって、ひ、人が、スフィーさんが、動かなくなって、死……
そこから先に進む事が出来ない。
進んだら、自分がどうしようもないパニックに陥るのが分かっているからかもしれない。
折原浩平は愕然としていた。
自分こそが大抵の非常識な事態の根源だと自認すらしていたのだが。
――いや、だってよ、アレってスライム……だろ? スライムって言ったら、大体一番ザコなんだよな…?
――だとしたら、少しおかしいんじゃん。信じられないけど、さっきスフィーって人は魔法を見せてくれた。
――もちろん頭から信じてるわけじゃないけど、それでも彼女は……魔法使いで、スライムに殺された。
どうしてもそこで思考がストップしてしまう。
――……クソッ、少しはゲームバランス考えろよ!
苛立ち紛れに、ふざけた事を心中で毒づいた。
一見すると的外れな事を考えている様だが、しかし彼の思考は3人の中では最も冷静だった。
長森瑞佳と違い、彼の場合はスフィーの死をとりあえず受け入れられている。
そして、彼女が魔法を使ったのも実に冷静に観察していて、事件発生前に見せられた物と結びつけてほぼ信じている。
……その上で魔法使いの彼女が死んだなら自分達のような一般人に何が出来る、という事まで深い所では気付いている。
もっとも、その先にある絶望を恐れて頭の中で形にしないように必死ではあったが。
そして、この状況下で最初に動いたのは、リアン=エル=アトワリア=クリエールだった。
しかし、それは冷静さとは程遠く、激情に駆られての暴走と呼んで差し支えのないものだ。
「ね、姉さんから離れてーー!!」
彼女には姉が自分を置いて死んでしまうなどあってはならない事だったし、考えもしない事だった。
故に、姉を害する可能性の高い魔法を使うこともせず、隣の座席に鎮座するスライムにただ突っ込んでいく。
「バ、バカ! それに近づくんじゃ……」
浩平の叫びが終わる前にリアンはスライムと接触した。
予想に反してなんの衝撃もなく、包み込まれる様にリアンもスライムの内部に取り込まれていく。
しかし、リアンの勢いそのものは殺される事なく、縺れ合うようにして彼らはジープから転落した。
「クソッ!」
その落下の衝撃音に弾かれたかのように、浩平はジープから飛び降りてリアンのところに向かった。
「こ、浩平!?」
「長森は来るな!!」
慌てて身を乗り出す瑞佳に、浩平は静止の声を上げる。
だが近寄ったは良いものの、踏んだり蹴ったりするのは中のリアンに良くないかもしれないと思いとどまる。
迷いながら観察するとスフィーの時とは違い、今回はスライムが動いてすらいない。
――ひょっとするともう死んで……
浩平に焦りが生じた。
しかたなく浩平は緑色の不定物を引き剥がす事にした。
ヌメリとした感触に顔をしかめながらも浩平はスライムを手に握り引っ張り始める。
だが、ある程度までは伸びるそれは、ゴムで出来ているかのように奇妙な弾力を持って千切れようとしない。
いや、むしろ浩平の方が引きずり込まれ始めていた。
「……なっ! 畜生!?」
手を離そうとするが、それもかなわない。掴んでいるつもりが掴まれていた。
「浩平逃げてッ!」
鎌首をもたげるようにしてせり上がってきたスライムを見て、瑞佳が悲鳴を上げた。
だが幾ら力を込めても逆に少しづつ引きこまれてしまう。
ガリガリと靴と大地が擦れる音を聞きながら、
――もう駄目なのか。だけど、スライムにやられて終わりなんて恥ずかしくて言えたもんじゃないな。うん。
浩平は妙に冷静に自分の運命を受け入れようとした。
しかし――
一陣の風に前髪が乱れるのを感じた瞬間、引きずられる力がふと緩み、浩平はバランスを崩し尻餅をついた。
見ればスライムは浩平に迫っていた分とリアンを包んでいた分に、スッパリと分割されてしまっている。
切断面からは体表と同じ緑色の液体がドロドロと流れていた。
ザッ、と加速のついた何かが急に止まった音につられて横を見れば、長髪の男が刀を振りきった体勢で立っていた。
手に絡みついていたスライムは苦悶に身をよじるようにした後、融けるように崩れていってしまった。
「……っ、後ろっ!」
浩平とは別に、全体を俯瞰できる位置にいる瑞佳が長髪の男に叫んだ。
残ったスライムが怒ったかのように震えながら男に飛びかかったのだ。
減った容積のためか、急激な移動のためか、スフィーとリアンははじき出される様に外に投げ出された。
対して、長髪の男――光岡悟は慌てた様子もなく、振り向きざまにスライムの下を掻い潜る。
一瞬の交差の後、空中に跳んだスライムがバラバラになって落ちるのを浩平は見た。
「……すげえ…」
ただ呆然と浩平は呟いた。
光岡に斬られたスライムも、スフィーとリアンに付着していた残りも、同じように融けて崩れていった。
ある程度以上の量が集まらないと生存できないのだろう。
「無事か?」
ゆっくりと近づいてきて、見下ろすような形で光岡は短く聞いた。
「あ……」
浩平は、ああ、と返そうとして……リアンの方を見る。
その視線を追うようにして光岡も二人を確認し、近づいていった。
ピクリとも動かない姉妹を心配そうに見ながら、彼は始めにリアンの側に屈み込んだ。
そしておもむろに彼女の口の中に指を突っ込んだ。飲みこんでしまったスライムを吐き出せているのだ。
少しして正常に呼吸を始めたリアンをそっと横たえると、光岡はスフィーの方へ行った。
しかし僅かな診断の後、酷く辛そうな顔で首を振った。
今更のようだが非日常が始まっているのを実感して、浩平は胸の奥に嫌な物が溜まっていくような感じがした。
「……グスッ……グスッ……」
声につられてぼんやりと上を見ると、緊張の糸が切れたのか瑞佳が静かに涙を流していた。
どうしようもなく落ち着かない気分になって、浩平はようやく立ち上がり瑞佳の隣まで上っていった。
「その……泣くなよ、長森……」
異常な状況のせいか、何時もの軽口の出てこない自分に腹が立った。
「浩…平、無事で、良かっ……た…」
瑞佳が浩平に跳びついた。傍目にもわかるほどガタガタと震えていた。
そこでやっと、先程から茫洋としていた頭が覚醒した。
――なにあっさり諦めてんだよ、俺はともかく、長森は守ってやらくちゃ……
浩平はさっき諦めようとした自分を叱咤するとともに、深く胸にそう刻んだ。
そして、何も言わずにただぎゅっと抱きしめ返した。
そうこうしている内に光岡がリアンを抱えてジープの側まで歩いてきた。
「ス……」
スフィーさんは、浩平はそう聞こうとしたが、やめた。
リアンが目を覚ましたときに姉の遺体を見ることになるのが、はたして良いことなのかわからなかったからだ。
それよりも改めてこの突然現れた長髪の男を観察した。
多少迷ったが、今までの行動を見る限り敵であるとは考えにくいと判断して声をかける。
「その、ありがとう。助かった」
「いや……。礼を言う必要などない」
言葉としては突き放した感じだったが、それは拒絶というより慙愧の念を含んだ物だったので浩平は会話を続けるのをためらった。
「……話は後だ。今はここから離れよう」
光岡は沈黙を打ち切って運転席に移動した。
浩平もそれに異存はなかったので黙って従う。その際、場所が手狭になったので浩平は瑞佳を伴って後部座席に移動した。
前面は相当へこんでいるしライトは片方潰れているけれど、それでもジープはなんとか動くらしい。
リアンは気絶していて、瑞佳は浩平により添い、浩平はその瑞佳を落ちつかせるのに必死で、それから暫らく会話も始まらなかった。
再び始まった沈黙の中、静かにジープは移動を再開した。
……気まずい沈黙の中、光岡は自分に殺意さえ感じていた。
同乗者達が何も聞いてこないのを良い事に、未だ何一つ自身の罪を話し始めることもせず押し黙ってジープを走らせている。
特にあの姉を失った少女には自分を殺す権利すらあると言えるのに。
事の発端は犬飼からの誘いだった。
「もっと長く生きる事が出来るかもしれない」
彼の前に姿を見せた犬飼は、この島に関わるプロジェクトの説明と共にそう語った。
曰く、この島の生物の更なる進化のために仙命樹と、それを使った被検体である強化兵の再研究が必要であること。
その遺伝子研究の過程次第では光岡のテロメアを治療することも可能であると言うこと。
……光岡は、強化兵の本来持つ永遠に近い寿命などに興味はなかった。
しかし、彼が守ると誓った人のためには、結局それが必要なのも事実だった。
――そして、光岡は悪魔に魂を売った。
研究の結果、彼の延命はなされ、島の生物達は見世物とは違う本来の性質を取り戻していった。
その後、光岡は機密保持者と言うことで、島の公開までの間は拘留されるような形でセキュリティ関係の職に就くことになった。
やがて自分の決断が無辜の人間を災厄に巻き込む事とも知らずに。
それが結果論にしかすぎないのは光岡にもわかっていた。
彼の協力など無かったとしても、犬飼が参加した以上、あるいはそれすらなくても、この島の生物は狂気に侵されたスタッフ達によって何時か完成していただろう。
そして、誰にも超先生の暴走は予期できなかったであろうことも理解している。
しかし、それでも自分の行動が103人の招待客を窮地に追いやっている一端だという罪の意識は、決して彼から離れようとしなかった。
【光岡(装備・跋扈の剣)、浩平・長森・リアン組と合流。わずかな武器を持ち、ジープで移動開始】
【なお、リアンは気絶中】
【犬飼は研究スタッフとして島に存在。目的や超先生との関係等は不明】
という訳で、何だか非常に面白そうなので参加してみました。
やたら長い、新キャラ、一人で書きすぎ、と救いようがないですが、どうかご勘弁を(汗
光岡の剣って、四聖獣のうちのどれの名を冠したものだったっけ?
それはともかくとして、光岡の活躍に期待だ。
「でもこの子、見かけによらずたくさん、というより、異常に食べるんですよ。」
「雪ちゃん、異常ってひどいよ〜。私は食べるのが好きなだけだよ〜」
「でも、普通の女の子はカレー6皿も食べないでしょう」
「6皿ぁ?」「っ!?」
ううっ、梓さんも弥生さんも驚いてるよ〜。
「まったまたぁ」
「面白い冗談ですね」
ううっ、本当だなんて言えないよ〜。
来て良かった。まだまだ外を歩くのは怖いけれど、こうやって少しずつ慣れていかないと。
初めはちょっぴり恨んでいたけれど、無理矢理連れ出してくれた雪ちゃんには感謝しなきゃね。
とてもリアルらしいモンスター達を見れないのは残念。
でも、雰囲気だけでも、人と話してるだけでも、十分楽しい。
それに、浩平君も来ているらしいから、会えたらいいな。
「そういえば篠塚さんは、森川由綺さんのマネージャーをされているのですよね?」
「はい、そうですが。」
「じゃあ、もしかすると、由綺さんも今日、ここに来ているんですか?」
雪ちゃん、意外とみーはー?
「それは・・・」
―その時、園内に放送が響き渡った―
「えっ!」
どういうことだろう?リアルリアリティ?防犯システム?
考えてる暇も無く、突然、私達の乗っているジープが猛スピードで走り出す。
「ブレーキっっ!!」
「駄目!間に合わない!」
ぼふっ、と軽い音をたてて、ジープが柔らかい何かにぶつかる。
「あぅっっ。 ・・・・ううー、痛いよー」
どうやら私は外に放り出されたようだ。おでこが少し痛いけど、怪我は他にないみたい。
そうだ、他の皆は大丈夫だろうか。
私が立ち上がって皆を呼ぼうとした時、
ポカッ。
誰かが私のおでこを軽く叩く。
「痛いよー。雪ちゃん? いぢわるしないでよ〜」
「みさきー? 大丈夫ー?」
雪ちゃんの声が向こうの方から聞こえる。
じ、じゃあ、この人は誰? 弥生さん? 梓さん?
ポカッ。ポカッ。
「誰だか知らないけど、やめてよ〜」
「みさきっ? 大丈夫なのっ? ・・・えーと、みさき、その子は何なのかしら?」
「私が分かる訳ないよっ。」
「みんなっ、大丈夫? って」
「皆さん、無事で・・・」
梓さんも、弥生さんも、一体どうしたの。
「雪ちゃん!説明してよー」
「えーとね、おかっぱで、着物を着た、日本人形みたいな小さい女の子がね、みさきのおでこをポカポカしているのよ」
「ええっ?」
「座敷童」
「「「えっ」」」
弥生さんの言葉に、三人の声がハモる。
「このパンフレットによると、その女の子は座敷童のようです。川名さんが自分の家を壊したと思って怒っているようですね」
「「「えーと・・・」」」
【みさき・雪見・弥生・梓、座敷童と遭遇。この座敷童は人間とは話せないようだ】
【座敷童】・・・東北地方に多く伝承の残っている子供の妖怪。といっても悪さはせず、居着いた家に富と幸運をもたらすと言われている。
跋扈の剣は光岡のが麒麟。
んで蝉丸のが鳳。
他に亀と竜があるけど所在不明。
ちなみに白虎が無いんで四聖獣じゃないっぽい。
古今東西のモンスターということで、東の妖怪を出しちゃいました・・・。
駄目だったらゴメンナサイ。SS書くの初めてで。(泣)
神とか、それを模したものとかもやはり駄目かなあ。ボスキャラって感じで。
ニャルラトホテプとか好きなんですが。(メガテン好き)
サバイバルはハカロワと違って、仲間同士の殺し合いがほぼなさそうなので、
人が死ぬのは少なくてすみそうですね。失礼しました。
人死なないとめりはりつかないって(汗
>>245 おもしろければ(・∀・)イインチョ
東洋の怪物も(・∀・)イインチョ
別に自殺願望があるわけではなかった。ただ死ぬのが怖くないだけだった。
たとえこのまま生き続けても全てが終った世界に旅立つ事が決められていた。
たとえ旅立たなくてもここはほとんど変化の無い終わりかけた世界だった。
生きていても死のうとも世界が終わる事に変わりは無い、僕は冷めた感情で現状を受け入れていた。
あの人に出会うまでは……。
あの人は変化の乏しい現実に満足できなかった。新たな刺激的な世界を貪欲に求めつづけていた。
あの人は僕のように道が無い事を受け入れるのではなく自分で新たな道を切り開いた。
たとえ……それが他の人には悪夢のような道であろうとも彼は躊躇しなかった。
そんなあの人に惹かれていたのは事実だ、知り合いを巻き込む気は無かったが。
「……えっと……あなた……誰?それに……ここは?何でこんな所に私居るんですか?」
「ああ、気がついたんだ。」
僕は彼女のタオルを換えながら笑って答えた。
「僕の名前は氷上シュン、ここはチョットはずれた休憩所、君は道路の真ん中で気絶していたから僕が運んできたんだ。」
「気絶……そういえばジープから振り落とされて……あぅ!!」
身を起こそうとした彼女は顔を歪めすぐにうずくまった。
「足に怪我してるみたいだから動かない方がいい、……今飲み物持ってくるから少し待っててね。」
足早に台所の冷蔵庫のところまで向った。
「みしおちゃん、お茶とコーラどっち飲む?」
「あ、お茶をお願いします。……あの、なんで私の名前を?」
「悪いとは思ったけど生徒手帳を見させてもらったんだ、はい、電気が止まってるせいで冷えてないけどどうぞ。」
「ありがとうございます。……あの他の人は?」
「残念ながらジープから離れているうちに事件が起こってね、僕も独りなんだ。」
本当は最初から独りだったんだけどね。そう心の中で呟いた。
「何か用があったら呼んでね、僕は隣りの部屋にいるから。」
「あの……ありがと。」
僕はただ笑って部屋をでた。
僕は純粋にこの島を楽しんでいる。この島は自分が生きている事を実感させてくれるから。
だからって知り合いを巻き込むつもりはなかった、だからこそ独りになる事を選んだ。
『私の自慢の島を存分に楽しんできてくれ。』
旅の相棒は別れの言葉と共に先生がくれたサバイバルナイフだけで充分だった。
でもやっぱり予期しない事は起こるものだ。
怪我してる女の子を見捨てて独り旅を続けれるほど僕は薄情じゃない。
「最初から予期しない事が起きてますが……存分に楽しませてもらいます、先生……。」
独り旅はもう少しオアズケみたいだけど。
僕にとって生と死は等価値だった。でもひさしぶりにもう少し生きてみたいと思った。
だってこの世界はまだ始まったばかりだから。
【氷上シュン・天野美汐 休憩所に待機 美汐のジープに乗っていた人は書き手に任せます。】
【シュン・サバイバルナイフ装備 美汐・足の怪我は重い打撲、最悪骨折です】
【氷上は超先生シンパの穏健派 知人ですがスタッフではありません。】
エイエソに旅立つ事を決められた彼にとってこの島と先生の理想はどう映ったのでしょうか?
251 :
お化けのお仕事:01/12/31 21:53 ID:FcHeYrfi
ルミラ様、私がいなくなった後も今までと変わりなく
元気に暮しておられるでしょうか?アレイです。
さて、2ヶ月もの間私がどうしていたかと言うと、
いつかの悪い天使の人にさらわれて、
今ではテーマパークの見世物にされています。
酷いと思いませんか?甲冑お化けですよ、甲冑お化け。
代々デュラル家に伝える由緒正しき騎士を捕まえておいて
見世物館の甲冑お化け扱い・・・考えるだけで泣いてしまいそうです。
ついさっきまではおかしな結界で動きを拘束されていたのですが、
先程「制御措置を解除した」と言う放送があって突然自由になりました。
なので、今は久しぶりに鎧を脱いで
パペット人形のマイケルさんに入れてもらった紅茶を飲んでいるところです。
はぁ・・・こうしているとフランソワーズさんのお茶の味を思い出します・・・。
・・・もしかして、フランソワーズさんも捕まってこの館に・・・
・・・・・・そ、そんなわけないですよね。
きっと私だけドジだから捕まっちゃって、今頃みんなで私の事・・・
――スパーーーン!
「何デカイ声出してんねん!
そんな大声出したら甲冑お化けどもに見つかるやろが
この大馬鹿詠美っ!!」
・・・・・・お客様でしょうか?
ここで「甲冑お化け」って言ったら私の事ですよね?
ハァ・・・呼ばれたみたいなので、お仕事に行ってきます・・・
・・・ホントは嫌ですけど・・・。
【アレイ 和樹達をおどかしに行く(鎧忘れ)】
252 :
名無しさんだよもん:01/12/31 21:54 ID:FcHeYrfi
新規モンスター投入(ぉ
最初は真琴を「妖孤」として檻に入れようかと思ったけど
参加者登録されていたので断念しましたw
ビミョ〜に問題チックですがご勘弁を・・・。
あげてた・・・
彼等に新年を祝う暇など無い…
255 :
NBC:02/01/01 00:15 ID:CRYAJwwl
256 :
NBC:02/01/01 00:15 ID:CRYAJwwl
七瀬留美 広瀬真希 椎名繭 みちる
>>187-193で合流 ジープは無事
佐藤雅史 霧島佳乃 霧島聖 遠野美凪
長岡志保 柏木千鶴 保科智子 御堂(ライフル装備)
>>214-218 で志保が聖組みから千鶴組みへ移動
千鶴組みのジープの所在不明、誰かがジープで留守番している可能性も在る。
現在狼人間に襲撃を受けている。御堂の武器の出所不明。
観月マナ、月島瑠璃子、柏木楓
>>226-227 月島と楓はお互いに異能者であることを知っているようです。
折原浩平 長森瑞佳 リアン 【スフィー】 光岡(跋扈の剣)
>>232-238 光岡はスタッフ リアンは気絶中
川名みさき 深山雪見 篠塚弥生 柏木梓
>>241-243 座敷童の家にジープで突っ込む、ジープの状況は不明。
氷上シュン(サバイバルナイフ装備)・天野美汐
>>247-250 美汐のジープに乗っていたメンバーは不明。
シュンは趙先生関係者
アレイ
>>251 和樹等の居る屋敷に展示されてる。
「……はぁっ!」
白くほっそりとした手が、宙を薙ぎ払う。
次の瞬間、奇怪な人の顔をした狼が、鮮血を撒き散らしながら、両断された。
リノリウムの廊下の中に、10頭近い狼の姿が、遠巻きにしている。
すでに、その倍の数の切り裂かれた死体が、千鶴の足元に転がっていた。
だが、彼女の息は上がり、すでにいくつかの手傷も負っている。
「千鶴さん、こっち!」
志保が叫び、通路を守っていた千鶴は、素早く後退して、志保が呼ぶドアまで後退する。
千鶴が背を向けた瞬間、ひときわ大きな狼が、その背中に向けて跳びかかって来た。
「けぇっ!」
鈍い衝撃御と共に、その頭が粉みじんに吹き飛んだ。
すかさず、志保がドアを閉める。
手に付いた血糊を振り払い、千鶴は大きく溜息をついた。
「……ありがとうございます、御堂さん。ですが、今度からはもう少し、気を付けて撃って下さいね」
「そいつぁ悪かったな、けけっ」
御堂は手の中のライフルを振って、狼の血を頭から浴びた千鶴に、にやりと笑って見せた。
髪の端からぽたぽたと落ちる血と脳漿に、千鶴は憂鬱そうな顔になる。
「はい、千鶴さんタオル」
「ありがとう、志保ちゃん」
「どういたしまして。智子、そっちは終わった?」
「ちょっと待ちぃ。なんや知らない規格みたいで、ようわからんのや」
さして大きくも無い管理室は、幾つも積み重ねられたダンボールと、資料の山で大半が占められていた。
狼達が、背後のドアを破って入ってこようとしないことに安堵しながら、千鶴は物珍しそうに覗き込む。
「智子さん、動かせるのですか?」
「少しなら……せめて、現在位置と、他のみんなの場所だけでも知りたい所やけどな」
「どうですか……何かわかりましたか?」
臭いは取れないものの、なんとか髪を拭き終わり、千鶴が声をかける。
御堂は、備え付けの備品や棚を漁っているし、志保はいくつかの資料を引っくり返していた。
薄暗い室内で、ディスプレイの光に照らされながら、智子は方をすくめる。
「……せいぜいパンフに乗ってる事ぐらいしかわからないわ。
セキュリティ部分の大半は、すでに破壊された後みたいやし」
キーボードの上を忙しなく動いていた智子の指が、苛立たしそうに一点で止まった。
「ほら、ここ見てみ。ここが私達のいる所。で、この光ってる点が、みんなのジープの場所や」
智子が示したディスプレイには、このパーク全体の地図と、それぞれに光っている点が映っていた。
「困ったわね……みんな、どうしてるかしら。梓はいいとして、楓と初音は大丈夫かしら…」
「ヒロとあかりの場所だけでもわかんない?」
志保の問いに、智子は肩をすくめる。
「これは、ジープに備え付けの発信機が反応してだけなんや。だから、ジープから離れた人はわからんし、
場所はわかっても個人を特定するまでにはいかへん」
落胆の色を隠せない千鶴と志保に、奥でなにやらごそごそしていた御堂が、明るい声をかける。
「おめぇら見ろよ、非常食見つけたぜ。後、武器もな」
「ホント? ついてるじゃない」
とたんに嬉しそうに志保が駆け寄る。
「乾パンに干し肉に、カップ面にコンビーフ……やった、サンマの缶詰! あたしこれ好きなのよね〜」
非常用と書かれたリュックサックを漁り、無邪気にはしゃぐ志保に、千鶴と智子は顔を見合わせ、苦笑した。
「おいおい、今食うなよ。これはあくまで非常食なんだからな」
「わかってるわよ。あたしだってそのぐらい……?」
いきなり志保が、振り返った。彼女に遅れて、御堂と千鶴もその気配に気付く。
「……また、もんすたーか?」
「わかりません……敵意は感じますが、非常に小さいものです」
狭い室内で、隠れられる所は限られてくる。棚か、ダンボールの影か、積み重ねられた資料の中か。
警戒する千鶴と御堂だったが、いきなり志保が気配の方に走り出すのを見て、ぎょっと動きが止まった。
「うひゃ〜可愛い〜!」
ダンボールの奥から志保が抱き上げたもの……それは、凶悪な面構えをした、ドラゴンの子供だった。
その正体がわかって、思わず拍子抜けする御堂だったが、すぐさま厳しい顔になる。
「おい、気を付けろよ志保。そいつは一応、もんすたーなんだぜ」
御堂が言い終わる前に、志保は指を噛まれて悲鳴を上げた。
子ドラゴンは身軽に資料の山に降り立つと、ぐるぐる、と唸り声を上げる。
「ほら見ろ、言わんこっちゃねぇ」
「でも可愛いですね、本当に」
のほほん、と言う千鶴に、御堂は思わずがっくりと肩を落とした。
「……なんや、一気に緊張感が無くなってしまったわ」
呆れたように愚痴る智子。御堂も同感だった。
そもそも、いかにも爬虫類然とした面、鋭い牙、無骨なうろこと、
体は小さいがドラゴンそのものの姿を、可愛いと言ってしまう神経が理解できない。
だが、千鶴は威嚇するドラゴンに、ちっちっち、と猫でも呼ぶかのように、手を差し伸べている。
「……噛まれるぞ」
だがさすがは千鶴、口が閉じられる寸前、素早く手を引っ込める。それを何度か繰り返して、遊んでいた。
「女って奴はこれだから……」
「千鶴さん千鶴さん、お腹空いてるみたいだから、これあげてみようよ」
志保が差し出した干し肉を、子ドラゴンはふんふんと匂いをかいで、ぱくっ、と食いついた。
『可愛い〜』
志保と千鶴の黄色い声に、思わず頭を抱えてしまう御堂と智子だった。
「よ〜し、志保ちゃんがこいつに名前をつけちゃうわよ。T−REXからとって、ティーレなんてどうよ」
「あら、可愛くて男の子っぽい名前ね」
御堂はもはや何も言わず、天井を仰いで、彼女らとメンバーを組んでしまった不運を嘆いていた。
「……なんや、おかしいと思わへんか」
ふと、智子が御堂に囁く。
「あの狼ども、私達が地下に入っても、まだ追っかけてきたほどしつこい奴らや。
それが、ただこの部屋に入っただけで静かになるなんて………」
「……この部屋には、なんかあるって言うのか?」
慎重に、御堂が呟く。
「あるいは、奴らが逃げ出すような理由が……」
その時急に、子ドラゴンがきびすを返し、ダンボールの奥に逃げ出した。
「あっ! ……うー、ティーレが…」
「……千鶴!」
「はい、何か……来ます」
瞬時に顔を引き締め、千鶴と御堂は、ドアの方を睨みつける。
次の瞬間、耳障りな音と共に、ジェラルミン製のドアが、紙くずのように引き裂かれた。
千鶴の胴体ほどもありそうな爪が覗き、すぐさま異様な咆哮が部屋中に響く。
「うひゃあああっ!?」
「これは……キマイラ!?」
獅子、山羊、鰐の頭を持ち、胴体は虎。尾は蛇。
その上、猿や猪など、あらゆる頭が、合成されていた。だが、何よりも……
「こいつっ……! 腐ってやがる!?」
御堂の叫びが、キマイラの引き金になった。
度重なる無理な合成の為に、結合部分から壊死し、すでに半分骨さえ見えた姿で、
キマイラは狭いドアを潜ろうと、恐ろしい叫びを上げていた。
「酷い……何でこんなことできるの……?」
志保が唇を噛む。智子と志保をかばいながら、千鶴と御堂は後ろにさがった。
腐りかけた身体を引き摺りながら、なおもその生命力で生き続ける事を強制された獣は、
何かに取り憑かれたかのように、腐った汁と肉を撒きながら、ドアに身体を捻じ込んでいく。
「これは……逃げた方がいいようですね」
「だが、どこから逃げる!?」
御堂が素早く弾薬と武器、それに食料の入ったリュックを、全員に投げ渡す。
だがその間にも、キマイラはドアの中に身体を捻じ込もうと、腐肉を撒き散らしながら迫ってくる。
ぐぅるぅぅぅぅぉおおおおおおおおおおお・お・お………………
濁った叫びに耳を塞ぎながら、志保がはっと顔を上げた。
さっき子ドラゴンがいなくなった辺りに跳びつき、箱と紙束を掻き分ける。
「長岡さん、どうしたんや!?」
「あるはずよ……ほら、あった!! ティーレが出入りしている穴が!!」
「そうか、でかした!!」
即座に駆け寄る御堂だが、その穴の小ささに、失望のうめきを上げる。
「くそ……だめか」
「いえ、コンクリートなら」
すっ、と立ちはだかった千鶴が、コンクリートの壁に拳を叩き付けた。
鬼の力によって、壁が崩れるが、同時に手の皮が裂け、血が滲む。
「お、おいっ!?」
「くっ……! いえ、大丈夫。なんとしても、ここから脱出しましょう」
2度、3度、拳から血が吹き出し、砕け飛ぶ破片をものともせず、千鶴は穴を広げ続けた。
「ちぃ……このど畜生がぁぁああっ!!」
御堂がライフルをぶっ放し、山羊の頭を吹き飛ばす。
「……梓ならっ、この位一度で開けられるものを……このっ!!」
もはや血まみれの手が、使い物にならないと判断した千鶴は、即座に足蹴りに変える。
「あと少し……あと少し……やった!!」
ひときわ大きな塊が砕け、ようやく人一人通れそうな穴が開いた。
「御堂さん!!」
「おうっ!!」
智子、志保、そして、次に千鶴が二人に支えられながら、穴を潜る。
だがその瞬間、とうとうキマイラが、枠を打ち砕き、部屋の中に入ってきた。
「御堂さん、早く!」
「おうよ……へっ、お前もクズどもに改造され、苦しめられてたんだな。だが、それもこれっきりだ」
ぐるるるる、と凶暴な唸り声を発するキマイラを見つめ、御堂はぽつり、と呟く。
骨と腐肉にまみれた爪が、御堂を切り裂く寸前、彼は素早く穴を潜っていた。
からん、と転がるのは、黒い手榴弾。
「あばよ……兄弟」
爆発と閃光が、原始の森を揺るがした。
何とかジープに帰った四人は、ジープで待っていた坂下好恵と合流し、すぐさまその場を出発していた。
「もう許せないわ……あたし、なんとしてもここから脱出して、世間にこの非道を報道してやる!」
「ええ……私も、皆を助けなければ……耕一さん」
志保に手に包帯を巻いてもらいながら、千鶴は独白する。
「安心しぃ。食料も武器も、だいぶ揃ったし……このレーダーがあれば、みんなの居場所もわかるわ」
助手席から、智子が安心させるように頷く。
車を運転しながら、御堂は一人、この狂気に満ちたパークを眺めていた。
「……改造され…苦しめられ…人生をめちゃくちゃにされるのは、俺達だけで充分だよなぁ…蝉丸よ」
「蝉丸って誰よ? ねぇ?」
「うるせぇな、志保、お前には関係無いだろ、ゲェーック!」
「なによーいいじゃないの、ケチねぇ」
【志保、智子、千鶴、御堂、坂下、ジープに乗って、場所を移動】
【武器、食料、レーダー入手。ただし、ジープの場所がわかるだけ。千鶴は手を負傷】
263 :
NBC:02/01/01 00:47 ID:CRYAJwwl
>>255-256に追加
長瀬係長 長瀬主任 柳川祐也 セリオ
>>90-92で参加者へ武器配り開始、武器の入手先(博物館?)や長瀬二人が来た理由は不明。
主任は超先生と何らかのつながりがあったように読み取れる。
【To Heart】 松原葵 マルチ シンディ宮内
【こみっくパーティー】 長谷部彩 芳賀玲子 塚本千紗 桜井あさひ 御影すばる
【まじかる☆アンティーク】 宮田健太郎 江藤結花 高倉みどり 牧部なつみ
【誰彼】 三井寺月代 砧夕霧 石原麗子 杜若きよみ(白) 杜若きよみ(黒)
【MOON.】 天沢郁未 名倉由依 名倉友里 鹿沼葉子
【ONE】 里村茜 柚木詩子
【Kanon】 水瀬名雪 沢渡真琴 月宮あゆ
【AIR】 橘敬介
まだパーティーを組んだことが確認されてないキャラ。
美汐等メンバーからすでに脱退してるキャラも居るので
書き手は一応全部の状況整理に目を通してください。
誰か編集サイト作ってくれないかとまたまた言ってみるテスト
取り合えず、ジープに乗っていたのは坂下さんにしました。
セリフ一言も無かったですが(苦笑
武器については、詳しくは考えてません。一応、御堂が使った手榴弾は、この備品の一つです。
こういった施設は、この島にもいくつかあると思います。
ただ、朝鮮製が目を覚ました時、システムの大半を破壊したので、まともには動かないと思います。
>263
ダウト。
砧夕霧はワニに食われて死にました。
「…ふむ」
女性は通信機のスイッチをオフにした指で、肩にかかった長い髪をかきあげた。
これは彼女が考え事をする際の昔からの癖で、昨日今日身についた仕草ではなかったのだが、普段とは違った違和感にふと思考を中断させられる。
「不思議なものだな。癖というのは文字通り身につくものだと思ってたんだが、どうしてどうして。イレモノが替わっても僕は僕だということか…」
彼女はそう言って唇の端に笑いを滲ませた。
違和感の正体……それは突然長く伸びてしまった髪と、変ってしまった自分の身体。
朝鮮製は顔にかかる髪に思考が中断されるのを嫌い、その長くデザインされた髪をポニーテールの位置に結い上げた。そして起動時に着用していた白いレオタードの上に、ロッカーから引っ張り出してきた白衣を身にまとう。
基本的に寒暖は彼女の行動を制限しない。
だが、もしセバスチャンなり他の人間なりがここにたどり着くことがあった場合――万に一つもその可能性はないのだが――こちらの姿がレオタード一枚ではいくらなんでも興が無さ過ぎる。
子供っぽいこだわりだと自分を笑いつつ、彼女はその目を表示されたモニターに向けた。
刻一刻と移り変わる島内の様子を巧妙に隠されたカメラが捉えつづけている。壁や地面のみならず、化け物に偽装した獣型のアンドロイドにまで埋め込まれたカメラは事の伸展を何一つ見逃さず、すべての情報を朝鮮製に伝えている。
人間の頃には不可能であったろう、その莫大な量の情報処理量は、しかしアンドロイドになった朝鮮製の情報処理能力を上回るものではない。
「…意外に面白味に欠ける展開が続いているな」
その口調にはいらだちも怒りも含まれていない。それは、この島を支配していると言う精神的優位による物のみならず、彼女の向上した自分自信への能力への自信と、彼女が人間だった頃の記憶を無機物のイレモノに移植する際に移植し忘れてしまった何かが原因かと思われた。
「…私はこの現実を作った。いわば、この島…この世界の親のようなものだ」
声質だけなら人間を落ち着かせる効果をもっていたのかもしれない、柔らかいソプラノで彼女は呟く。
「いや世界の親というのはおかしいな。いわば神だ。神の望みはかなえられてしかるべきだろう。私が望んでいたものはサバイバルだ。そこから生まれるリアルリアリティだ」
しかしどうやらゲームバランスが甘すぎたらしい。いや、予想外の因子が多すぎたというべきか。彼女の目が一つのモニターに止まる。
そのモニターには鬼の力を解放する柏木千鶴が映し出されていた。
どういうモノかは知らない。だが、ヒトでないものが混じっているのなら、それにあわせて対処するのが神というものだ。
見たところ戦闘能力はずば抜けて高い種族のようだが、理論的にどう計算してみても人間と形状が変わらない以上、力に限界があるのが明白だ。力を振るうには、それにあわせた身体は不可欠で、この島の化け物たちは、その点で彼女など比較にならない好条件をそろえている。
「数を当てればすむことだな…」
即座にそう判断して朝鮮製はコンソールのボタンに指を走らせる。目的をもたずうろついていた化け物の群体をアンドロイド製の化け物で追い立て、人海戦術よろしく舞台に無理やり引っ張りあげた。
体力の消耗が激しく、食料の入手の困難さからエネルギーの回復も難しい相手には消耗戦が一番効果的だ。確かに強力な化け物をぶつけると言う手段もある。彼女の特殊と言って差し支えない戦闘能力はあくまでも人間を比較対照としての話でしかないのだ。
だが、彼女が見たいのは化け物同士の対決などではなかった。
「…人間を襲う怪物から人間を守ろうとする化け物…か。テーマとしては面白いかもしれないけど、おかげで色々難しくなってしまったな」
さらにまた別のモニターに目を移しながら朝鮮製が呟く。
顔の長い馬面が二人乗った車があった。どうやら武器を配って回るつもりらしいが、この広い島で彼らの行動が結果に結びつく可能性がどこまであるのかどうか…。
「ゲームマスターとしては公平を期してあげないといけなさそうだ」
そう、彼女が見たいのは一方的な殺戮でもないのだから。
殺戮と抵抗、友情と裏切り、恐怖と悲憤、そしてそれが見せるリアリティ。
彼女の手が何の淀みも見せずキーボードを操作し始めた。
そして、パスワードの打ち込みが終わり実行を指示するために最後のボタンに彼女の指が触れた瞬間、島の各所に置かれた管理室にある武器のセキュリティが解除された。
武器がなければ人は死地から逃れようとしかしない。だが、戦う手段があれば人は戦力の差を正確に計算出来なくなる。負けるかもしれないが勝てるかもしれない。そんな理想と過信は今の膠着した状態を動かすだろう。
主戦派と穏健派の離別すらもリアルに見せてくれるの違いない。
朝鮮製は楽しそうに笑うとその身を深く椅子に沈めた。神の台座というには貧相だが気分は悪くなかった。
「光あれ」
白く光る放射線状に揃えられた光の三原色――朝鮮製の脳裏にひらめくその光がリアルリアリティを求めていた。
【朝鮮製、柏木千鶴陣営に人海戦術を指示】
【島内に点在する各管理室の武器のセキュリティの開放。武器は拳銃等の兵器類で、ガス類の無差別大量殺戮兵器はなし。誰でも持ち出し可能に】
【朝鮮製の姿はロングのポニーテール+白のレオタードの上から白衣。ニーソックス着用(萌え)(藁)】
>情報処理量は、しかしアンドロイドになった朝鮮製の情報処理能力を
>移植する際に移植し忘れてしまった
狙ったのかどうかは知らないが、このあたりが微妙に超先生っぽくてグッド(藁)
270 :
名無しさんだよもん:02/01/01 05:27 ID:ZmFIoLvu
コマメに状況をまとめてくださってる方々に感謝です。
あと、一応自分が作品を書いたときはスレッドをキャラ名で検索して
ダウトになってないか確認するといいかも。
まとめサイトがあると確かに便利そうなのですが
(ダウトでアナザ―になっちゃった作品も増えてきましたし)
誰か作ってくれないかな…。
自分で作れればいいのですが時間がないから更新できないっぽいし…はぁ。
たまには定期age。
個人的に雑魚でも出てきて即死亡でも
どんな扱いでも構わないんでオタク縦横の参戦キボン
国崎往人は絶体絶命の危機においこまれていた。
彼がほんの少し目を離した隙に晴子が人体標本の化物に変身していたので、
「晴子、おまえ・・・
・・・着痩する方だったんだな・・・」
と言いながら肩を叩いた所、強烈なツッコミで吹っ飛ばされて組敷かれてしまったのだ。
(くそ!ギャグパートが死に繋が・・・
・・・もとい、洒落の為に死ぬなんて冗談じゃないぞ・・・)
往人は、自分の首を絞めようとする化物の腕を必死になって押し返そうとする。
力は互角といった所だが、相手に上を取られている以上部が悪い。
「にゃぁ〜!お兄さんを離してください〜!」
千紗が転がっていたジュースのビンで必死に怪物の背を叩いているが、
ダメージになってない以上、上から下への攻撃は、往人にはかえって逆効果だった。
――どんっ!どんっ!
(腕が・・・痺れる・・・)
『やめてくれ』と言いたい所だが、今の往人には僅かな声を発する余裕もない。
怪物の背を叩かれる度に、衝撃が往人まで伝わってきてジリジリと追いこまれていく・・・。
「にゃぁ〜!」
――どんっ!どんっ!
「お兄さ〜ん!」
――どんっ!どんっ!
(・・・や、やばい、
これ以上は・・・・・・)
「にゃぁ〜!千紗が、千紗がいけないんです〜〜!!
千紗がお財布を落した所為でお兄さんが!!」
――がくぅーーっ・・・
とどめ。
ここに到るまでの全ての過程がギャグであると言う事実は、
一瞬、往人のやる気を奪うに十分な物であった。
「がっ!」
「にゃぁ〜〜〜っ!!」
容赦なく伸びてくる怪物の腕が、ついに往人の喉を捉えた。
【国崎往人 千紗の財布を探している間に取残される。】
【塚本千紗 元美汐グループ。ジープ転落の際に落した財布の捜索中に、往人と合流】
どうしよう・・・(ぉ
初めは往人大活躍のカコイイアクションパートの予定だったのに
千紗追加したらエライ事になってしまいました・・・。
・・・書いてて結末がさっぱり予測できないのは、やはり問題か(汗
「起きろぉっ!」
「……ん、あれ?」
高槻の怒鳴り声で、少年は目を覚ました。
「あれ、どうしてジープに乗ってないんだろう……」
確か自動運転のジープで決められたコースを走りながら観光をするはず。
観光中は危険なので、そのジープから降りてはいけないはずだ。
「お前が足元で伸びていると邪魔でしょうがないからな。移動させようにもジープが走っていては何もできん」
不機嫌そうに高槻が言う。
彼のすぐ背後に、停車したジープのドアがあった。
「ははは、わざわざ停車させてくれたんだね。ありがとう」
「んなこと言ってる暇があったらとっととジープに乗りこめ」
「せっかちだなぁ……」
苦笑いしながら、少年はゆっくりと起きあがる。
同じく苦笑いしながら高子が少年に肩を貸してやる。
「貴様がのんびりしすぎているだけだ。お前が乗るのは後部座席だからな」
「あの、私の席を譲りましょうか?」
「え、ほんとにいいの?」
高子は「はい」と優しい笑顔で答える。
少年の顔を蹴飛ばしたことを気にしているからではなく、純粋に人がいいから席を譲ったという事がその笑顔から見てとれた。
というわけで少年はさっそく高子に礼をいい、何も気にする事なく助手席のドアに手をかける。
「ぁあ? 助手席に座ろうってのか、お前は。そこは高子の席なんだよ。野郎とガキは大人しく後に座っていればいい」
高槻に腕をつかまれ、少年はそのまま後部座席に突っ込まれてしまった。
「あぁ〜〜っ! 高槻、嫌な奴〜〜っ!」
元気そうな少女が高槻にづかづかと歩み寄る。
そんな彼女を慌てて抑え、「ささ、早く車に乗ろうぜ」と地味な少年が苦笑い。
「ダメだよ、嫌な時はちゃんと嫌って言わなくちゃ。折角高子さんが気を使ってくれたのに……」
ジープに乗りこんでからも、少女はそんな事を言っていた。
顔や体尽き、それにころころ変わる表情や言動からかなり幼く見えるが、年齢は少年とあまり変わりないのだろう。
「あ、そうだ! 君の名前は?」
さっきまであれほど不機嫌だったのに、いきなり機嫌がよくなった。
表情だけでなく、感情もころころ変わる娘なのだろうか。
「え? あ、えっと……」
「あ。こういう時は自分から名乗るものだよね。私の名前は三井寺月代。隣の男の子は住井って言うんだよ」
「ま、そういうこと」
居たのすら忘れていた地味な少年がうなずいた。
「で、君の名前は?」
「え、あー。えっと……」
「えっと?」
不思議そうに顔を覗きこむ月代。
「もしかして、高子さんの蹴りの当たり所が悪くて記憶無くなっちゃった?」
「そ、そういうところだよ。思い出すまでは少年とでも呼んでおいてもらえるかな」
「思い出せないんならしょうがないね。よろしく、少年」
あんな適当な解答じゃ、まだまだ突っ込まれるんだろうなと思ったが、月代はあっけなく受け入れてしまった。
適応能力が高い……といっていいのだろうか。
少年の、この企画始まって以来2度目の危機はこうして過ぎ去ったのであった。
「よし、じゃあ出発するぞ」
先ほどの二人のやりとりで少し凹み気味の高子を尻目に、高槻がジープのハンドルを握る。
結局空にバックは高槻の足元に置かれたままだった。
「あ、自分で運転してる! 高槻悪い奴だ!」
「お前らのせいで余計な時間を食ったんだっ! 見たい所だけ優先して回らせてもらうっ!」
そう言うと、乱暴にサイドブレーキに手をかける。
『よく集まってくれた、103人の勇者達よ』
そこで流れた怪しい放送。
それと同時にジープのエンジンが急激な回転を始めた。
「なんだぁっ!?」
「と、とりあえずジープから降りた方がいい!」
地味な少年住井の言葉に、5人が一斉にジープから降りた。
サイドブレーキが引かれたままになっているジープは、その場で物凄いエンジン音を撒き散らす。
もしもサイドブレーキを戻すのがもう少し早ければ、暴走ジープで死のドライブをさせられる所だったはずだ。
「何が起きているんだ? それに、あの放送の意味は……」
地味な住井達はまだ知らない。
これから命賭けの危険なサバイバルが始まることを。
【少年・高槻・高子・月代・住井 サバイバル開始】
【ジープはその場で暴走中】
>>275-277 ということで、またやっちまいました。
暴走ジープはこのまま時間が経てば止まるのか、それとも無理がかかって壊れるのかは不明って感じで。
>>271 だったら金森弥太郎も乱入希望とか言ってみる。
(冗談ですよ、念の為(^^;)
279 :
266:02/01/01 10:42 ID:F/5c7WIA
>>269 ぎゃ! 無論気づかずやってました(苦藁
まあ、言い訳にしかなりませんが、普段文章なんか全然書かない
人間か書いたものなんで大目に見てやってください(;´Д`)
しかし、どちらかというと
>>173の”感じた感情は”の方に反応して欲しかったな〜
とか言ってみるてすと(藁)
まあ、ヘタレなりに頑張ろうと思うんで広い心でお許しを
柏木耕一 住井護 美坂香里 立川郁美
>>87で休憩中 とりあえず建物を捜す事に、ジープは消失してる。
>>275-277 住井がかぶってません?
かなりおもしろくなってるね
参加してみようかと思うぜ!
282 :
ココロ:02/01/01 15:05 ID:slzQQmdl
セバスチャンは焦っていた。
否 焦っているというよりは……先ほどの朝鮮製の言葉を必死で否定しようとしていたのだ。
次は、どんなモンスターに、どんな方法で殺されるのか?どんな抵抗を試み、どのように脱出するのか?
その期待の念が自分の中に存在などしなかったと、彼は割り切ることができなかったのである。
そして、その苛立ちから、彼はセキュリティシステムを次々と破壊し始めた。
そのセキュリティ一つ一つが、朝鮮製を形作っているように思えたのである。
気が付けば、そのフロアはのシステムは完全に破壊し尽くされていた。
無論、セバスチャンの体も無事ではすまなかったのだが、すでに彼のそのような感覚は麻痺していたといっていいだろう。
そして、彼の心の中には、制御室の扉だけが、不思議と写っていたのである………
【セバスチャン、制御室周辺の防犯システムを完全破壊。セバスチャンの次の行動は書き手様任せ】
RTOさんのセバスをもうちょっと掘り下げてみました。
セバスと朝鮮製関連の話はまだ独自ルートを歩みそうですね。
ところでいまだ参加者リストに載りながら未出場人物をスタッフとして出すのはありなのでしょうか?
>>275-277 住井が被っちゃってますね。残念ながらNGかと。住井を除いて
もう一度書き直してUP希望です。いい感じですし勿体無いですから
284 :
名無しさんだよもん:02/01/01 23:17 ID:yhoFscbY
一度ageときます。
285 :
名無しさん ◆VRNpB7zI :02/01/01 23:29 ID:9+DUKl6q
覚えていてくれた人もいるのね……。
某○法使い様のような扱い、まことにもって恐縮です(w
コテネタになってもいけないので今後カキコは極力控えます。
最後に一言。
神尾晴子は我が命! この訴えは電波と言われようが続けて逝くつもりです!
「鬼の……力だぁ?」
ジープで、志保が別れた、雅史たちがいるという場所へ向かいながら、御堂は素っ頓狂な声を出した。
「はい。真実かどうかは知りません。ですが、私達は確かに異能の力を持ち、その起源を伝説に
求めれば、一応の説明が付くのもまた、事実です」
淡々とした口調で言って、千鶴は手に巻かれた包帯を外していく。
智子と坂下が、驚きの声を上げた。
骨さえ見えていたような重傷の傷が、今やすでに血は止まり、新しい肉さえ盛り上がってきていた。
「ふぅん、鬼ねぇ……ま、世の中色々あるわな」
「もうこうなってしまったら、信じるしかないわね」
御堂があっさり納得し、坂下も半信半疑ながら、それ以上の追求はしない。
「しかし、なんや凄い事になってきたな、長岡さん……長岡さん?どないしたんや?」
智子に揺さぶられ、志保はようやく、はっと我に返った。
「あ、あ、あたしに何か用?」
ぽかん、とした顔の志保に、智子は呆れた口調になる。
「何か用って、いつもは人一倍喧しい長岡さんが、こう静かやと気になるやん」
「うん……ごめん」
らしくない志保の様子に、さすがの智子も毒気を抜かれ、沈黙する。
「……ゲームバランス……こう上手くいくと、ゲームバランスが……絶対何か仕掛けてくる…」
再び目を外にやり、ぶつぶつと呟く志保。
思わず、千鶴も御堂も、顔を見合わせてしまう。
「どうしたんでしょう、志保ちゃん……」
「どこかで頭でも打ったんじゃねぇの?」
志保の様子に、不吉なものを感じながらも、遠巻きに志保を見ているしかない。
(……ゲームバランス……ゲームバランスを維持するべきだ……消耗戦を……ームマスターは)
「あ………?」
ふと、何か声が聞こえたような気がしたが、御堂は空耳だと思い、黙ってジープを走らせつづけた。
「えっ?」
ぽんぽん、と肩を叩かれ、琴音は顔を上げた。
「……」
「どうかしましたかって…?いえ……何でもありません」
何時の間にか、眠ってしまっていたらしい。
琴音は頭を振って、夢の残滓を追い払い、横に座る芹香に、大丈夫、と頷き返した。
そう、何でもあるはずが無い。自分が、どこかのコントロールルームのような所にいて、
この島中のモニターを監視している、なんてただの夢に決まっていた。そう、ただの……
「ちょっと二人とも、あれ見て!秋子さん、ジープをそこに停めて!」
「了承」
何とかジープを運転していた秋子が、隠れるように、車を太い樹の影に停めた。
綾香がそっと指差す方向に、目をやった琴音と芹香は、その光景に絶句した。
「あ、あれは……」
地響きと共に走るそれは、数百体はいるであろう、凄まじいモンスターの大行進であった。
「どういう事……?今まであいつら、同じ種類で群れてる事はあったけど、こんな行列を作った事なんてなかったのに…」
二本足で歩く植物のようなもの、豚の頭をした人間、一抱えもあるキノコ、人面狼、他にもあらゆる
モンスターが、同じ方向を目指し、突き進んでいた。
「………」
「そうね、姉さん。あたしも怪しいと思うわ。ひょっとしたら、“超先生”とかの差し金かもね」
「………」
「セバスは大丈夫だって。姉さんも心配性なんだから…でも、せめて目的さえわかれば…ね」
「あの人の目的は、ただ一つです」
いきなり声を発した琴音に、綾香は目を丸くする。
「リアルリアリティ……リアルリアリティを追求するのだ……そう、本当のリアルを…」
そこまで呟いて、はっと琴音は口をつぐんだ。
「わ……私今、何を言ったんですか………ま、まるで、誰か知らない人の心が、私の中に……」
泣きそうな顔で震える琴音に、綾香は懸ける言葉を持たなかった。
ざばぁぁ……
池の水を滴らせながら、一人の女が立ちあがった。
異様に広く秀でたオデコ。
黒ブチの眼鏡は、とうに無くしてしまっていた。
みつあみもほぐれ、ざんばらになった髪から、水滴がぽつぽつと垂れる。
「見せてやる。真のリアルリアリティを見せてやる」
太陽の光に照らされて、彼女の凸が、きらり、と鈍く光を発する。
鰐に食われ、死んだと思われていた女は、ゆっくりと立ちあがると、低い声で笑った。
「ゲームマスターとしては公平を期してあげないといけなさそうだ」
その顔、その表情は、もし今、両者を見比べる事が出来るものが居れば、驚きの声を上げただろう。
超先生の記憶と人格をコピーした、もう一人のゲームマスター、朝鮮製。
今、凸を剥き出しにしながら立ちあがる彼女は、その彼女とまったく同じ表情をしていたのだ。
覚醒と呼ぶべきなのか。
解放と呼ぶべきなのか。
彼女を襲ったはずの、鰐の目玉が、きゅい、と小さな作動音を立てる。
人工の鰐は、無機質なカメラアイを凸に向けながら、静かにその場に佇んでいた。
どこかで、聞こえるはずの無い朝鮮製の含み笑いが響いてくる。
「光あれ」
厳かに空を見上げた、砧夕霧の広い額が、眩いばかりの輝きを放つ。
白く光る放射線状に揃えられた光の三原色――砧夕霧の凸にひらめくその光がリアルリアリティを求めていた。
>>282 >参加者リスト
既に確定している情報はむやみにいじらない方がよいかと。
ギャグ要員として、このまま死なせるにはあまりにも惜しいので、凸を復活させてしまいました。
死者蘇生で異議がある人がいれば、すぐに撤回します(w
>>289を、脳内アボーンして下さって構いません。
【千鶴グループ、聖グループ事故現場へと向かう】
【志保、御堂、琴音は、朝鮮製のRRにシンクロしかけている】
【凸復活。この訴えは、反論が出た時点で撤回します】
【凸は、朝鮮製と完全にシンクロしてしまった。朝鮮製の差し金か?】
>>285 期せずして同じ名前(苦笑
俺のコテは、長瀬一族と高橋氏への憧れから取ったのだから、そんなのと同じとは切ないなー
どうでもいい事でしたね。スレ違いスマソ
うぁ・・・
微妙にはさんでしまった、スマン。
うひゃひゃひゃ、凸復活(笑)。さすがはRR。最高。
凸復活も収拾がつかなくなるって点で絶対やばいが、
モンスターがロボットっていう設定にもっと萎え萎え
>>294 モンスターがアンドロイドなのは、一部だけみたいです。
>>267で、
>目的をもたずうろついていた化け物の群体をアンドロイド製の化け物で追い立て
という記述があったもので。
「死者にのり移る・殺した相手を使役するモンスター」
の1匹くらいだったら許容範囲だと思ってたけど
超先生の名の元に、というのはさすがに・・・
あくまでお笑い要因に徹すればよいのでは?
「なんだあの凸は?」とか「凸が来る!」とか、真面目に話すキャラクターが
見てみたかったり。
298 :
RTO:02/01/02 01:04 ID:FuMhmZay
「朝鮮製とシンクロ」しているという時点でギャグ要員は望めないかと。
作品からはもとの凸の人格が残っているとは思えないもので……
無論凸の人格が残っているのならそんな事は無いのですが、なにぶん復活……
…………うーん これを通してしまうとこれ以降も朝鮮製の名の元にしのが復活とか出てきそうな気がするです…
(「憑依・使役ネタ」はいつか反論覚悟で使ってやろうと思っていた・・・・・・)
俺はまだクリアしてないから書けんけど、
アビスボートのキャラやモンスターを今登場させたら
かなり盛り上がると思われ。
テーマパークの一つに沈没船でもあったって事にして。
>>295 すまん>267を見落としてたよ
しかし復活はやはりな・・・ネクロマンシーとかによる復活ならモンスターパークにふさわしいと思うが
書いた人には悪いですけど、砧夕霧復活はやめとくべきかと…
超先生が二人も出てくる必要性がイマイチ感じられません
つうか、凸はもっとマトモな扱いはさせて貰えないのか?
個人的な感想だけど、
マジ話の中で「凸」とか「広い額」とか書かれると
かなり萎える。
そうですね・・・。死んだとみせかけて、ならまだいいけど、
【しのさいか 砧夕霧 死亡】 って出てますもんねー。
死者の脳を食って姿を真似るモンスターとかならいいかも。
そんな事言ったらあの死に方自体あまりにも・・・
特にしのさいか、新キャラなのにいきなり食われて終了って何?
まぁまぁ。意見は出揃った見たいだし後は作者に一任しようや
半ネタスレなんだし素直に楽しむのきぼんぬ
確かにあの二人の死亡状況はネタっぽいな…
でも、基本的には書いたもん勝ちだしなあ。
"あまりにもぞんざいな扱いだった場合"に入るか否か。
関係無いが、座敷童に萌えた。
結論が出たっぽいので(w
>>289はアボーンして下さいませ。
やっぱり復活はNGなんでしょうかね……
自分としては、凸が誰彼キャラで、超先生とも馴染みが深いから、こういう復活形式を
取ったんですけどね。志保、琴音、御堂のRRシンクロも同じ理由(w
死ぬ際の描写も無く、死亡、とだけ書かれてたからこそ、思いついたのですが。
(人格そのままで何気なく帰還したフリ、内部かく乱計画、そしてギャグで自滅、というお約束)
ダメっぽいので、凸は死亡、って事で。
お騒がせしました。
>>304 夕霧はともかくとして、しのさいかは
新キャラ追加論争のゴタゴタに巻き込まれて殺られたんだと思うぞ。
>>95が書かれたのまだこのスレが立った同日だし、
直前までしのさいか入れるくらいなら○○を・・・とか
言ってた人もいたし、まだスレッド自体が
落ち着いてない状況だったからな。
始まって間もないからこそ通ったとも言えるな。
実際
>>95の次あたりのレスでも異議も反対も文句もなく通ってるし。
中盤、後半では通らなかったのは間違いない所。
というか、下衆の勘ぐりだけど
>>95は
新キャラを片寄って参加させた1に対する
嫌がらせか当てつけでしのさいかを殺したのではとすら思ってるよ。
現に1の片寄りまくった新規参戦キャラに憤慨していた人も
少なくなかったし、それが元でルール変更されて
新規参戦は後からいくらでもOKに変更されたしな。
他に何故しのさいかなのか?という理由が見つからないし。
ワニに食わせるだけなら誰でも良い訳だし。
別にその事について俺はどうこう言うつもりはないよ。
1の説明不足がいけなかったんだしな。
じゃあ、95は有りのまま続行?
95は、しのさいかなんで入ってるの?うざい ってのがうるさかったから
荒れ収束のために書いたのだと思われ
実際収束したし、ネタっぽさが増して細かいこと考えずに楽しめるようになったしね
きっちり ファンタジー
半分ネタ ハカサバ
設定構築中 クリスクロス
かな?
「……こっちです……」
彩が地図を見ながら小さな声で言った。
「あぅー、まだ着かないの? 真琴、もう疲れた!」
「真琴、もう少しだから頑張ろうよ、ね」
真琴が何度目かわからない文句を言って、名雪がやさしく諭す。
「良いじゃない。こんな体験なんて滅多に出来ないんだから」
そして私、天沢郁未は……まあ、有体に言えば今の状況を楽しんでいた。
新しい友達と、ちょっとした冒険気分でサバイバルしているのだ。面白くないはずがない。
もちろん、何かとんでもない事件が起ってるのはわかいるのだけれど。
ところで、今は楽しげに歩いている私達四人だけど、ジープに乗っている時はそりゃもう凄かった。
私は葉子さんとも由依とも組み合わせが離れてしまってちょっと機嫌が悪かったし。
真琴はあれで結構人見知りをする方で、彩は社交的な性格とは言えない方だった。
……名雪に至っては……寝ていた。まったく、あの時は何しに来たのか小一時間問い詰めたくなったわ。
そんなわけで、一緒に乗っていて胃が痛くなるぐらいのギスギスした空間が広がっていたのだ。
ろくに話もせずに、ストーカーっぽいとか、ネボスケとか、クソガキとか……そんな風に考えていた事は、今となっては良い思い出だ。
でも、彩は無口で押しの弱いところはあるけど、結構冷静で頼りになる娘だった。
「あの……この管理室という所に行けば……きっと保護してもらえるんじゃないでしょうか……?」
ジープが暴走して途方にくれた時も、(車自体は私が不可視の力で壊して止めた)、パンフレットにくっ付いていた簡素な地図を皆に見せながら、次に何をするか初めに考えたのはこの娘だった。
名雪も途中で道に迷って挫けそうになった時、「ファイトだよ」とか言って皆を元気付けてくれた。
……いや、流石に私もジープが暴走してるのに、まだ寝続けてるの見たときは、ちょっとどうかなと思ったけど。
真琴は天真爛漫なのか無垢なのかわからないけど、一々色んな事に反応して見せて。妹でも出来たような気分にさせてくれる。それに、私の不可視の力も無闇に怖がらないでくれた。
もっとも、これは他の二人にも言えた事だったけど。
「……囲まれて…ます……」
とか、回想シーンに入っている間にまたモンスターに遭遇したらしい。
グルグルグル……
と、狼らしき鳴き声が聞こえてきた。数は……とにかく多い。
「皆、私から離れないで」
警戒しながら声をかける私の目の前に現れたのは、三頭の狼……ケルベロスとかいう奴だった。
見れば、一匹で三匹分の声を出している。考えて見れば、頭が三つあるんだから当たり前か。
「うー、沢山いるんだおー」
名雪がよくわからない語尾で驚きを表現した。あまり驚いてる様には見えないんだけど。
実際には20匹前後だろう。声の三分の一しかいない事になるから、おそらくそんな所。
辺りを見回しながら少し待つ。
そして、視界にぞろぞろと入ってきた所で、私は不可視の力を発動させる。
ケルベロス達は音も無く、見えない何かに跳ね飛ばされて動かなくなった。瞬殺だ。
「あ、郁未! 向こうに一匹逃げた!」
真琴が叫んで、私は木々の間を見る。
敵わないと判断するぐらいの知能はあるのか、グングンと姿を小さくしていく狼が見えた。
それにしても、真琴も良くこんなの見つけられるわね。素直に感心するわ。
そう思いながら、再び不可視の力を解き放った。
よく見えなかったけど、最後の一匹も倒した。
「やったー、郁未強い!」
真琴が子供の様にはしゃいでくれるので、まあ、何と言うか気分が良い。
「うー、可哀想だよー」
しかし、名雪は非難するように言った。多分、私ではなく真琴に言ったんだろうけど。
「あうー、でも敵……」
「……彼らだって……生きています」
悪戯を咎められた子供の様に呟く真琴に、彩が小さいけどハッキリした声で言った。
……私もバツが悪くなってきた。反省しよう。
私は力に酔ってしまっているのかもしれない。
ここでは普段の生活と違い不可視の力を思う存分に振るえる。
罪悪感も感じないで済む相手と、躊躇を感じる必要のない状況がある。
「……はい、多分あと3kmぐらいだと……思います……」
ふと、ぼーっとした意識を戻して見れば、真琴のこれまた何度目かわからない問いに、彩が律義に答えていた。
……あと1時間あるかないかぐらいなんだ。
不意に、この楽しい時間にも終わりが見えて、まるでお祭りの終わりみたいな寂しい気持ちが湧き上がってきた。
「もうちょっとでお別れなんだ……せっかく仲良くなれたのにね……」
名雪が残念そうに追い討ちをかけてくる。
私はこの時はまだ管理室とやらで保護を受けられると思っていたから、皆ともこのまま別れてもう2度と会えないのかな、と思ってしまった。
私は暗くなる気分を少しでも打ち消そうと、大声で、馬鹿みたいに騒ぎながら歩いた。
色んな事を話した。名雪が陸上部で部長なんてやってるのも、この時初めて知った。彩が同人誌なんて描いてるのも驚きだった。偏見とかなくして読んでみたいと本当に思った。名雪と真琴に好きな人の事とか振ってみたら、案の定、真っ赤になって慌てて面白かった。
まだ見通しの悪い森の中にいるのに、騒ぎながら歩いていても、別に危険だとかは思わなかった。
何が現れようとも、そう例えドラゴンにだって負ける気はしなかった。
ゴブリンとかオークが100匹、200匹来ようが簡単に撃退できる自信があった。
だけど、野生生物全体からみれば、今考えたヤツラの様に真っ正直に挑んでくるのは、むしろ少数であるのに。
……私はどうしようもないぐらい油断していた。
「郁未っ!」
隣りを歩いていた真琴が、不意に私の腕を引っ張った。
「ちょっ……」
祐一って人のことで散々からかったからって、そんなに怒らなくても。 上体が泳ぐ。
倒れる、と思った瞬間、私は背中に鋭い痛みを感じた。
殴られたような衝撃を感じながら私は真琴を巻き込んで、予想通り派手に倒れた。
あれ、でも全然痛くない。
それより、さっき少し痛かった背中が、たまらなく、熱い。
それでも半ば本能的に振り向いてみれば、猫を恐ろしく可愛くなくしたような化け物が手を爪を真っ赤に染めて立っていた。熱い。
保護色みたいな模様がますます可愛くない。
ああ、あの赤いのは、私の血か。
頭の上で木の枝が揺れているのが見えた。あそこから飛び降りてきたのか。
真琴が引っ張ってくれなかったら首が半分取れかけてたんだろうな。熱い。アツイ。その上、心臓の鼓動に併せて、痛い。
……駄目だ、思考が、纏まら、ない。
倒れた私は、取りあえず仕留めたと思った、のか、化け猫は手近にいた名雪に跳びか……。
ダメ!!
ほとんど、奇跡的に意識が戻って、不可視の力が出せた。
初めて見る驚いた顔の名雪の直前で、化け猫は粉々に爆散した。ザマアミロ。
あ、でも、ゴメン。名雪、血塗れ、猫好きだって、いってたのに。
ゴメン、わざ、とじゃな……。
アレ? 暗く、なって……?
「郁未さんっ!?」
あ、何だ彩、大きな、声、出せ――
私の意識は闇に閉ざされた。
【天沢郁未……意識不明、背中に裂傷。怪我の重さは不明】
【郁未、名雪、真琴、彩グループ、最近の管理室から約3kmの地点の森林】
最初、ジープに二人だけってのアリかな。
みんな4人でやってるけど。
どうせなら、4人だったんだけど二人になっちゃった辺りから書けばいかがかと。
「どこどこ何々があった結果、はぐれて二人だけ」
の一文があるだけでもいいし
何か理由があって二人だけでスタートの設定を使いたいなら、やってみて回りの結果待ちかなあ。
よほど不都合がなければ通るんじゃないかとおもわれ
一応基本は3人乗りのジープが一つで、残りは4人乗りと最初に決められてるから
意味も無くルールを改変するのはどうかと思うけどね。
とはいっても実際参加者増えてるしなあ
>>317 ん? 「ジープは3人乗りが一つ、残りが4人乗り」は却下してるよ。「1」自身が。
それに、ジープの後部座席に荷物が一杯載ってたら(もずくとか)2人しか乗ってないのもアリかと。
流し読みしてみると実は、ジープの台数は設定されてないんだ(笑)。
まぁ、ハカサバは「無問題」がコンセプトみたいですね。
319 :
RTO:02/01/02 14:43 ID:FuMhmZay
ジープには「4人前後が」乗っているという形式になってます。
僕的には2〜6人くらいなら許容範囲だと思っていたのですが。
現在ハカサバはキャラ被りかよほどのことが無ければ通るようになっています……
実は議論の末NGになったのは長瀬さんの作品が初めてでは?(悪い意味ではなく)
よく見ると、既に神尾組が3人スタート確定っぽいしw
>>280さん
>>283さん
すみません。あれアップした直後から数日外出していたんでレス送れました(^^;
時々まとめを上げてたのにNGを出すとは……
書き直しでアップですと、ほとんど同じ内容をアップすることになってレスの無駄使いになっちゃうんで
やっぱNGの方が無難なんでしょうか。
>ジープ関連
そういえば、実際のジープって何人まで乗れるんですかね(^^;
映画とかのジープ見る限りでは5人くらいが限界っぽく見えるんですが……
葉鍵の女性はアイドル並にスタイルがいいですが、それでも6、7人しか乗れないって感じでしょうか。
さらっと見てみたら、なんだか色々動きがあったみたいですね。
これからログ読みます……
単純にあんまり乗りすぎると、集団行動になりすぎるけどね。
あくまで別個のグループで行動してたほうがいろいろ起こせていいと思うんだがどうか?
4人はいい目安じゃないかと思うんだけど
>>321 5〜6行しか出番無いみたいだから、
そこだけ差換えるように指定すればよいのでは?
補正範囲内ならなるべくNGにしたくないし。
道沿いの林の上スレスレを、一人の少女が飛行している。
牧部なつみのココロ・・・
・・・以前ならば「抑圧され、剥離したもう1人の彼女」と表現できたが、
彼女がココロを受入れた今では「魔法による幽体離脱」と表現した方が正しい。
彼女は今、誰か人――できればスフィー――を探してさまよっている。
本当ならば、もっと上空から大声を出していきたい所だが、
空を飛ぶモンスターがいないとも限らない状況ではこの高さが限度だった。
・・・第一、これ以上高いところにいくと風が強くなって・・・・・・
・・・・・・まぁ、そういう事である。
彼女の本体は今、停車したジープの助手席で眠っている。
隣の運転席には宮田健太郎が座っているものの、他には誰もおらず、
その健太郎もまともに動ける状態ではなかった。
・・・・・・話は少し遡る・・・。
「よし、交渉成立だな!」
男2人怪しいひそひそ話をしていたかと思うと、
突然そう言って宮田健太郎は運転席を飛び出した。
「えっ?トレードって・・・?」
「こう言う事!じゃあなっスフィー!」
手を振りながら前に止めてあるもう一台のジープに向って走り出す。
「あ!こらっ!
けんたろーーーーっ!!」
「そう言う事で、よろしく!」
空になった運転席に、素早く折原浩平が乗りこむ。
「浩平ーーーー!!」
「うわっ!こら!
そんな所に立ってたら発車できないだろ!!」
「あの・・・私代りましょうか?」
「あ、ありがとー牧部さん」
「ぐあああああっ!
交代した意味ねーじゃねーかっ!!」
――ガチャガチャッ!
「千紗ちゃん!鍵開けてっ!」
「にゃ〜開かないですよ〜〜」
「甘いっ!後部座席の鍵はロック済みだ!
ほらっ!なつみちゃん、早く助手席に!」
――バタン・・・ガチッ!
「あーーーーー!もう!
どうなっても知らないんだから!!」
「大丈夫だって。
コースも同じだし、次に停まるまでだから。
ほら、早く向うの車に乗らないと置いてくぞ」
――ザ・・・ザザ・・・
「放送・・・ですね・・・」
微かなノイズを聞きつけた天野美汐の声に、全員が同時に耳を傾けた・・・。
『よく集ってくれた、103人の勇者達よ・・・・・・
・・・・・・真のモンスターパークの開園を宣言します』
・・・・・・放送が終るのと、スフィーが自分の車に乗り込むのはほぼ同時であった・・・・・・
千紗と美汐が振り落された後、フェンスに擦り付けて何とかジープは停止した。
しかし、魔力の供給を失ったまま暴走ジープを制御し続けた健太郎がダウン。
ジープも路肩にはまって身動き取れなくなったため、
本体を無防備にするリスクを負ってココロに来た道を戻らせているのである。
(スフィーさんの車はどこにいったんだろう・・・
・・・それに、天野さんはどこに・・・塚本さんはまだいるかな・・・)
千紗よりも後に振り落された美汐は、そのポイント付近にはいなかった。
そしてもうすぐ、千紗が振り落された急カーブが見えてくる・・・。
そこに、千紗の姿は・・・・・・
「にゃぁ〜〜〜っ!!」
「!?」
【牧部なつみ 原作後。人格統一した故、ココロが出てる間は本体行動不能】
【宮田健太郎 全快前。無防備ななつみを護っている。でもふらふら】
ハカロワとは逆の展開ですね(スフィーが死んで健太郎ピンチ)
健太郎となつみちゃんで原作内の時間軸が合ってませんが、仕様です・・・(ぉ
*補足・交代前のジープ
ジープA:折原浩平・長森瑞佳・天野美汐・塚本千紗
ジープB:宮田健太郎・牧部なつみ・スフィー・リアン
>>276 6行目
そんな彼女を見て、「はわわ、喧嘩はダメですよー」ともう一人の少女が止めに入った。
15〜17行目
「あ。こういう時は自分から名乗るものだよね。私の名前は三井寺月代。隣の女の子はマルチって言うんだよ」
「よ、よろしくお願いしますっ!」
紹介された女の子がペコペコと頭を下げる。
>>277 12行目
少年の言葉に、5人が一斉にジープから降りた。
16行目
地味な住井達はまだ知らない。
>>323さんのお言葉に甘えて、住井の代わりにマルチ入れてみました(^^;
少年と面識無くて、月代を止めてくれるキャラが他にいなかったもので。
きよみ入れようとも思ったんですが、
普通ではあり得ない原作を越えた組み合わせの方が楽しいかなと。
「私、千鶴お姉ちゃん達と、無事に再会できるかな」
緩やかなウェーブを描く髪を後ろで束ねた少女がそんな疑問を漏らす。
「大丈夫です、初音さん」
言葉すくなに返ってきた応え、だが、彼女の周囲に人はいない。
彼女は運悪くジープから投げ出され1人になってしまっていたから。
ではだれが? まさか、先ほどから彼女の足元を歩く猫だろうか?
「そうだニャ、フランソワーズの言うとおりニャ」
猫が口を開いた、信じられないことだが世の中には色々な事がある、時には猫が喋ることもあるだろう。
しかし先ほどとは口調と声色が違う、コレはいったい?
その疑問に応えるかのように再びの声。
それは彼女の胸元辺り、人形から発せられたものであった。
「ええ、私たちであなたを守りますから」
「ありがとう、二人とも・・・でもいいの?」
「なんニャ」
「二人は、悪い天使さんにつかまった仲間たちを助けに来たんだよね、なのに」
自分を守ろうとして行動に移れない二人を申し訳なさそうに見る。
「あなたには恩があります・・・」
「そうニャ、ここまでこっそり連れてきてくれた恩は返さなきゃニャ」
「それにルミラ様やアレイ、メイフィアさんのことは」
「うん、空から飛んでくるはずのイビルと、コリンとか言う天使がいるから慌てなくても大丈夫ニャ」
「それなら、いいんだけ・・・」
温かい二人の言葉に初音が応えようとした瞬間だった。
ガサリ、と茂みが音を立てた。
「誰ニャ!」
激しい猫の詰問、と同時に猫は人の姿へと変じた。
まさか、化け猫ってヤツか? 全く世の中ってやつはわからない。
胸に抱かれていた人形も何時の間にか人間サイズだし。
とにかく、見つかってしまってはしょうがない、大人しく出て行くこととしようか。
どうと言う事もない、島の中のある箇所で、人形を抱えた少女が静かに溜息をつく。
「私、綾香さんや浩之さんと、無事に再会できるでしょうか」
青いショートカットの少女がそんな疑問を漏らす。
「大丈夫です、葵さん」
言葉すくなに返ってきた応え、だが、彼女の周囲に人はいない。
彼女は運悪くジープから投げ出され1人になってしまっていたから。
ではだれが? まさか、先ほどから彼女の足元を歩く猫だろうか?
「そうだニャ、フランソワーズの言うとおりニャ」
猫が口を開いた、信じられないことだが世の中には色々な事がある、時には猫が喋ることもあるだろう。
しかし先ほどとは口調と声色が違う、コレはいったい?
その疑問に応えるかのように再びの声。
それは彼女の胸元辺り、人形から発せられたものであった。
「ええ、私たちであなたを守りますから」
「ありがとうございます、でもいいんですか?」
「なんニャ」
「二人は、悪い天使・・・のかたにつかまった、仲間を助けに来たのに私に付き合ってもらっちゃって」
そういうと、自分を守ろうとして行動に移れない二人を申し訳なさそうに見る。
「あなたには恩があります・・・」
「そうニャ、ここまでこっそり連れてきてくれた恩は返さなきゃニャ」
「それにルミラ様やアレイ、メイフィアさんのことは」
「うん、空から飛んでくるはずのイビルと、コリンとか言う天使がいるから慌てなくても大丈夫ニャ」
「それなら、いいん・・・」
温かい二人の言葉に葵が応えようとした瞬間だった。
ガサリ、と茂みが音を立てた。
「誰ニャ!」
激しい猫の詰問、と同時に猫は人の姿へと変じた。
まさか、化け猫ってヤツか? 全く世の中ってやつはわからない。
胸に抱かれていた人形も何時の間にか人間サイズだし。
しかも、さっきまで頼りなげに見えた女の子までファイティングポーズをとっていやがる。
とにかく、見つかってしまってはしょうがない、大人しく出て行くこととしようか。
【松原葵、たま、フランソワーズ、謎の人物と出会う】
【たま、フランソワーズは超先生と結託したユンナにつかまったルミラ達の救出が目的】
【情報:イビルとコリンは空中より島に進入予定】
239は初音ちゃんがいるのを見逃したのでNG
残ったキャラから葵ちゃんに変えて再びアップ。
雀鬼、NW勢のエビルと芳晴は不明、自宅待機か?
他
首謀者超先生セバスに殺される→超先生→朝鮮製(姿形は女性)→セバスが朝鮮製の存在を知る→朝鮮製、千鶴グループに人海戦術。武器開放。
柳川・長瀬主任・長瀬係長・セリオ
>>90-91 武器配布
サラ・ティリア・エリア
>>93 浩之たちと再会する為に魔法(シュイン?)で無人島へ
氷上シュン
>>247-249 一人倒れていた美汐(足重症)と合流。シュンは超先生の知人。サバイバルナイフ装備。
アレイ
>>251 和樹達をおどかしに行く(鎧忘れ)
こんなとこでしょうか。漏れ・間違いなどあったらすいません。
和樹は大きく溜め息をついた。
彼の後ろでは、由宇と詠美が何やら話し込んでいる。
「…そんで、そこからミッキー・ロークとミッキーマウスの戦いの日々が始まったんや」
話題は、つい先刻に詠美が口に出したミッキー・ロークについてである。
ねこなでぱんち以外の知識が無い詠美に、由宇があれこれと解説しているのだが…
「ただ、ミッキーマウスは両刀でなあ… とうとうドナルドに手を出してもうたんや」
その内容は、どう考えても嘘八百である。 ミッキー・ロークを露ほども知らぬ人間であっても、
馬鹿にされているとすぐ分かりそうなものだった。
しかし詠美は、どうやら信じ込んでしまっているようで、由宇の話を真顔で聞いている。
(ヤバい状況だってのに、この緊張感の無さはなんなんだ…)
付き合いきれず、和輝はサーベルを持ったまま、近くの椅子に腰を下ろす。
その隣りには、未だに目を覚まさない瑞希が寝転がっていた。
苦しそうな顔でうなされている。
「…う〜ん… パペット紅茶ぁ…」
気絶直前の出来事を、今もまだ夢に見ているのだろうか。
和輝も改めて思い出す。 客に紅茶を出し、手厚くもてなすように配備されたであろうパペット。
そのパペットが、急に割れたグラスを持って襲いかかって来た。
これもあの、超先生と名乗る者の仕業なのだろうか…
和輝は椅子に大きくもたれかかった。 レトロな雰囲気の木製の椅子は、ギシ、と軽い音を出した。
天井で回る換気扇を見ながら思う。
恐らく今、自分達は、これまでの人生で最大の厄介事に巻き込まれている。
生命の危険さえある事態だろう。 なんとしても生き延びなければならない。
視線を瑞希に向け、次に由宇、詠美を見る。
(…守らないとな…)
男だからとか、そういう話ではない。
大切な人達だから、何としても守りぬかねばならない。
和輝はサーベルの柄を、ぐっと握り締めた。
「びえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
突如、屋敷に泣き声らしきものが響き渡った。
「な、なんやぁ!?」
「きゃあ! ちょ〜うるさ〜〜〜い!!」
由宇と詠美が声をあげ、和輝はすぐさま立ち上がった。
また何か来たのか?
サーベルを鞘から抜き、油断無く身構える。 瑞希の側は離れない。
まさに耳をつんざくような声に顔をしかめながら、和輝と由宇は辺りを見回した。 詠美はあたふた
しているだけである。
間も無く和輝の目に、小さな少女が映った。
大声で泣き喚いているのは、間違い無くその少女だった。
しかし…
「な、なんだ?」
その少女は、小さいと言うか、余りに小さすぎた。 背丈が30pほどしかない。
和輝は、この屋敷の周囲が妖精の花畑家であることを思い出した。
「妖精…なのか?」
「なんやなんや、どないしたんや」
由宇もその妖精の姿を見つけて、パタパタと駆けていく。
「ほら、泣くな泣くな。 なにを泣いとんのや、ん?」
あやそうとするが、妖精は一向に泣き止む気配が無い。
「由宇、そいつなんなんだ?」
和輝に呼びかけられ、由宇が振り向く。
「そんな、わからへんわ。 うちも妖精とかにそんな詳しいわけや…って、あれ?」
「ん?」
何時の間にか、泣き声は消えていた。
由宇が目を戻すと、妖精の姿も、跡形も無く消え失せていた。
「…なんだったんだ?」
和輝も由宇も詠美も、ぽかんとしたまま、その場に立ち尽くした。
その頃になって、ようやく瑞希が目を覚ました。
同人作家である彼等が、"バンシー"と呼ばれる妖精のことを知らなかったのは、幸か不幸か。
それは誰にも分からぬことだろう。
【瑞希、目を覚ます】
【由宇のミッキー・ローク説明はひとまず中断】
【バンシー 人の死を告げる妖精。 間も無く死を迎える人の所に現れて、大声で嘆くという】
あ、やっぱ訂正。
バンシーの"間も無く"を"もうすぐ"としましょう。
揚げ足取りスマソ。
>>328 >16行目
>地味な住井達はまだ知らない。
が、直って無いと思われ。
>>335-337 『和樹』が二回目以降『和輝』になってる。
細かい事だけど一応。
リレーSS系スレの中では、ここに一番期待しているので
書き手の皆さん、どうかこれからも頑張ってください。
それでは。
>339『和輝』
うわ、気付かなかった… 恥ずかしー
編集とかする時は直してやって下さい…
ヘタレでゴメン
>>332-
>>334 お疲れ様です。
ついでに便乗して・・・
【未登場キャラ】
To Heart
>シンディ宮内
こみっくパーティー
>芳賀玲子 桜井あさひ 御影すばる
まじかる☆アンティーク
>高倉みどり
誰彼
>石原麗子 杜若きよみ(白) 杜若きよみ(黒)
MOON.
>名倉由依 名倉友里 鹿沼葉子
ONE
>里村茜 柚木詩子
Kanon
>月宮あゆ
AIR
>橘敬介
以上、残り15名
・・・で合ってるかな?
葵ちゃんと氷上シュンの元パーティーが未確定だから新キャラ出す際は注意です。
・・・あと、セリオ・柳川組は招待客二人だけ?
茜とあゆが余っているのは意外ですな。
まじアンの江藤結花もまだ出てないかも。
あと、氷上シュンは判断が難しいですが、元から一人かも知れません。超先生の知り合いということで。
344 :
賛辞:02/01/04 00:48 ID:L8M9QiDX
揺れるジープの中。
運転席には、張り詰めた表情でハンドルを握る晴子。
後部座席には、鉛のように重いまぶたを何とかこじ開けている矢島と、それを泣きそうな目で見つめる観鈴。
「兄ちゃん、生きとるか」
晴子が矢島に声をかけた。
「ええ、何とか。」
このやり取りも、何度繰り返されているのかどうかわからない。
矢島も本当はひとつ言葉を吐くたびに命がごっそり抜け落ちてしまいそうな苦しみを味わうのだが、
今はむしろ、その苦しみこそが生きている証だと思えていた。
これを感じなくなったら、多分、俺は死ぬ。
何が、彼をそこまでして生へと追いたてるのか。
単なる死に対する恐怖なのか、それとも何か使命感にも似た感情だったのか、それは矢島にしかわからない。
無論、矢島本人ですらそれはわからなかったのだが。
「もう少しや。もう少しで地図の赤十字マークのところに着くからな。間違いなく医務室やろ。」
言って、晴子はまたアクセルを少し踏み込んだ。幾分、エンジンの唸り声が高くなった。
瞬間、エンジンが止まり、ほど無くしてジープは停車した。
345 :
賛辞:02/01/04 00:49 ID:L8M9QiDX
「ガス欠かいや!このクソ忙しいときに!」
定石通り、晴子はハンドルをバシン、と叩いた。一瞬だけクラクションが鳴ったが、それは晴子の意に介すことではない。
「もう、あとちょっとなんや。しゃあない観鈴!医務室に行って誰かと一緒に担架か何か持ってきてくれや」
「うん、わかった!ここをまっすぐだね!」
「せや。ほな頼んだで!」
晴子の言葉を背に受けて、観鈴はぱたぱたと走り出した。
車内に、ひとときの静寂が降りた。
「感謝してるんで、兄ちゃんには。」
いまだハンドルは握ったまま、振り向きもせずに晴子は語る。
「こんな通り掛かりのけったいなウチの娘の為に命張ってくれるやなんてな。
本当なら観鈴のお守りを頼んだ居候の仕事のはずやったんや。居候、何処へ姿くらましよったんかいな。」
そこまで聞くと、矢島はやおら起きあがった。腹の傷に響いたが、なんとなくこちらのほうが心地よかった。
「寝とりや、兄ちゃん。傷に障るで」
「かまいませんよ。こっちのほうが落ちつくんで。」
いたた、などと洩らしながら八島はなんとか背を起こした。
「ほんまに、アンタはどうしようもないあほかも知れへんな。居候でも、そこまでするかわからへんで」
「止してくださいよ。俺にだってそれなりに下心があるかもしれませんよ」
「いや、それでも自分が死んでもうたら元も子もないやんか。あんたはえらいで。観鈴をやってもええかもしれん。」
それから、二人でわはは、と笑った。冗談でしょう晴子さん いやいや案外本気かもしれへんでー んー?
笑っていた矢島の目に付いたものは。
サイドミラーに映った、先ほどの怪物の姿だった。
346 :
賛辞:02/01/04 00:50 ID:L8M9QiDX
丁度そのころ……
観鈴は、医務室……というよりは簡易な病院と呼べる施設……に到着していた。
はやる気持ちを押さえて、入り口らしき扉の脇のブザーを押す。
「はい」
マイク越しのためか、幾分機械のような音を含んだ声が聞こえる。
「助けてくださいっ!ジープの、私たちの乗ってた中にモンスターにやられて、矢島さんが……!」
ずいぶんと要領を得ない説明だったが、事態の深刻さは伝わったらしい。
すぐに、折りたたみの短歌を携えて二人の女性が扉をあけて出てきた。
「どこですか?」
二人は口を揃えていった。その胸の名札には
「STUFF 里村」
「STUFF S・宮内」
の名前がかかれていた。
【ジープに怪物接近。ジープの中には晴子と矢島】
【観鈴のたどり着いた医務施設とジープの距離はさほど無いらしい】
>>345 先ほどの怪物・・・って、今往人を襲ってるんじゃないの?
往人に襲ってる怪物と矢島に襲い掛かってる怪物って一緒だった?
別々の奴に襲われてると思ったが
その前に同じとも違うとも描写が無かった気が
349 :
347:02/01/04 04:00 ID:4jDH5vjL
往人のボケ方からして
「晴子がいるはずの所にいた人体標本」=「矢島が戦った人体標本」
と解釈してたんだけど・・・具体的に「同じモノ」とは書いてないか。
不明瞭な点は次の書き手が思うままに書く、というのがリレー小説の醍醐味かと(w
ジープは相変わらず爆音をあげていた。
「なんなんだ一体っ! あの放送も意味がわからんっ!」
高槻も相変わらず叫んでいる。
「何かやっかいな事に巻き込まれちゃったみたいだね……」
さすがの月代も不安になっているようだった。
「大丈夫ですよ。蝉丸さんがきっと助けてくださいますから」
こんな状況でも高子は落ち付いていた。
「あの、蝉丸さんというのは……」
さっきの放送後から初めてマルチが口を開いた。
「強くて賢くて、とても頼り甲斐のある人です」
「きっと凄い人なんですね。私もお会いしてみたいです」
マルチの顔に少し笑顔が戻る。
少年には誰だかわからない蝉丸よりも、高子の方がずっと頼もしく見えた。
「はは、僕も一度会ってみたいよ」
「無愛想な方ですから、会っても楽しいかどうかはわかりませんけどね」
苦笑する高子。
それまでの混乱と不安の入り混じった雰囲気が、あっという間に消えていた。
「……」
そんな中、月代一人が厳しい顔をしている。
「どうしたの、月代ちゃん」
「し〜〜。何かが羽ばたく音が聞こえる……」
その言葉に全員が耳をすませたが、ジープのエンジン音が邪魔でとてもじゃないが何かが羽ばたく音なんて聞こえるわけがなかった。
「何も聞こえんではないかっ!」
「待って! 足音は……あっちから聞こえる!!」
月代がジープの向こう側にある森を指差す。
その瞬間、森の木々が激しく動き怪物が数体飛び出してきた。
翼の生えたツチノコとしか形容しようのない怪物である。
そしてそれが鋭い牙を突き出し突進をしてきた。
「うわっ!」
全員が身を屈めると、怪物がその上を物凄い勢いで通り過ぎる。
巻き起こる風の強さに、マルチが軽く飛ばされる。
「大丈夫ですかっ!」
「はわっ、はわっ、はわわ〜」
その場に座りこみ、高子の足に抱き付いて言葉すら発する事のできないマルチ。
――このまま、わけのわからない生物に殺されるのだろうか。
さすがの高子も覚悟を決めかけたその時である。
「いきなりだな。弱肉強食という奴か」
今までの少年とは別人のような表情、そして声。
「お前達に恨みは無いが……」
先ほど通りすぎた怪物が、旋回して再び突っ込んでくる。
そして、怪物の牙が少年の頭を捕らえようとしたその瞬間……
バシュウウゥゥゥゥゥッ
……怪物はそれまでと逆の方向に吹っ飛び、砕け散った。
「な、な?」
月代も高子も目を丸くしている。
「詳しい事は後で説明するよ。危ないから固まってて」
一瞬いつもの表情に戻り少年は言う。
「でもっ! 逃げた方がぁ……!」
「大丈夫ですよ。少年くんはきっと蝉丸さんと同じくらい頼りになると思いますから」
高子はすでに笑顔を取り戻していた。
そしてその高子めがけて、二匹目が飛んでくる。
高子の視界にもその怪物の形相が入っているはずだ。しかし、もう怯えた表情は見せない。
怪物はかなり勢いをつけていたはずなのに、ある程度近づいた途端全く逆の方向へ吹っ飛び、砕け散った。
「お前達が特別嫌いってわけじゃない。ただ人間が好きなんだ、僕は」
そこから先は恐ろしい形相をした怪物が吹っ飛んでは砕ける、その繰り返しだった。
まるでバランスの崩壊したゲームのようだ。
「僕達を襲ったところで無駄だとわかったはずだっ! 意味のない争いはしたくないんだっ!」
少年が叫ぶ。
しかし、怪物は逃げようとはしない。様子を見るかのように周りを旋回しているだけだ。
「く、馬鹿が……」
竜のように見えなくもないので、もしかしたら言葉が通じるかもしれないと思った。
しかし、所詮は遺伝子操作で無理矢理作られた生物。そんなもの通じてはいなかったようだ。
「きゃああああぁぁっ!」
月代の悲鳴。
少年の背後から怪物が突っ込んできていたのだった。
「しまっ―――」少年が慌てて振り向くも、不可視の力の発動が間に合わない。
しかし、乾いた破裂音が響き一瞬だけだが怪物の勢いが弱くなった。
その一瞬。
月代の頭に牙が突き刺さる直前に、怪物が吹っ飛び砕け散る。
「ふん。銃くらい常に携帯しているぞ」
高槻だった。
「ははは、ありがとう!」
嫌な奴だが、今は頼もしく見える。
「やかましいっ! 今はこいつらをなんとかするぞ!」
「そうだね。こんなところで死ぬわけにはいかないし」
【少年・高槻・高子・月代・マルチ 怪物と戦闘中】
【高槻は銃を所持】
>>351-353 ということで、またもややっちまいました(^^;
なんだか読み返してみたら、自分の文章力で戦闘なんて書くんじゃなかったとか思えてきました。
作中の怪物は名前と形しか知らないモンスターなんで、武器とかわからなかったので
設定間違ってもいいように名無しの怪物として登場してもらいました。
武器は牙くらいしかありませんし、いざという時はオリジナルモンスターということで(笑)
リレー小説ですし、高槻と少年ばかり書いてても迷惑っぽいですね。気をつけます(^^;
>>339さん
うあ、指摘どうもです。
少年達はまだ知らない。
と再び訂正させてもらいます(^^;
――冷たい……。
目を覚ますと空はいつのまにか黒い雲に覆われていた。
そしてその空から雫が絶え間なく頬に落ちる……。
――雨が降っているのか――。
私はそっと身を起こす。
頭がずきずきと痛む上に、目の前が歪んで見える。
そしてぼんやりしている気分だった。
やがて、視線が定まった所で周囲を見回す。
頭上には雨雲。背後には急な岩場の斜面。
そしてその斜面のに沿うようにして続いている白い壁。
そう、先程目の前に立ちふさがったあの壁と同じようだ。
そして、その壁が途切れたあたりに、黒い煙がもくもくと立ち昇っていた。
どうやら、先程ジープから脱出する際に勢いあまって崖の下に転がり落ちたらしい。
私はてっきり叢に飛び込んだつもりだったのだが。
その部分がまさか崖になっていたとは……それを見落としてしまうなんて軍人失格だな。
今いる所は、その壁より遥か下にある谷川のほとりだった。
せせらぎの音だけが周囲に木霊している。
もう一度周囲を見回す……しかし……。
坂神の姿はどこにもなかった。
ついで栞とかいう少女の姿もない。
先程の脱出でどうやら別々になってしまったのだろう。
「坂神ぃーーーー!!」
私は一応、奴の名前を叫んでみるも、返ってきたのは谷底に木霊する私の怒鳴り声だけだった。
おっと、そんなことより――
私のひざの上の少女。
そうやら先程、崖から落ちた際に……私は精一杯かばったつもりなのだが。
恐る恐る、彼女の口元に耳を当ててみる。
「……スー、スー……」
微かに息をしている。そうやら気絶しているだけだろう。
見た限り、少女はどこも打ち付けていないように見える。
しかし、水挑体の私とは違い、少女の場合このまま雨に打たせていては、何らかの支障が
出ることは目に見えていた。すぐに来ていた雨合羽を脱ぎ、少女に着せる。
これなら当面の間は、雨にぬれずに済むだろう。
そうこうしているうちにも雨は勢いを増していくといった様子だった。
いままでしとしとと降っていた雨がいつのまにか顔に容赦なく殴りつけてくる。
とにかく今やるべきことは二つ。
一つはこの激しい雨をしのぐ場所を見つける事。
そして、一刻も早く坂神らと合流する事。
そしてもう一つは……。
少女を背負い、ただ前を向いて歩きながらも感じる……背後からの気配。
それが何かを突き止め、対処することだった。
【岩切、初音をかばいながらも脱出した際にそのまま崖から転がり落ちて、頭を強く打った模様。
初音は気絶している】
【現在いる場所はジープが爆破した場所から十数メートルしたの谷底。なお、岩切の背後に何か
の気配が付きまとっている。それが何かは次の書き手にお任せ】
雨、といえば、やはり傘、これは彼女の出番か?
いや、「STAFF」と見せかけて「STUFF」というネタと見た(笑)。
うわ、申し訳無い。
345のラスト二行は忘れてくださいませ。
往人のものが矢島が闘った標本と同一のほうが話として面白そうですし。
冬弥・理奈とはぐれた由綺は、当てもなく辺りを彷徨っていた。
今日は仕事が忙しい中、弥生に無理を言って取って貰った休暇だった。
久しぶりに冬弥とゆっくりできるはずが、一転して混乱の極みだ。
先程まで、由綺の目を楽しませてくれていたモンスター達も、
今では恐怖の対象でしかない。冬弥は今どうしているだろうか。いや、考えるまでもない。
自分を探してくれているはずだ。だが、理奈の事に考えが及ぶと、由綺はいつも落ち着かなくなる。
理奈は、由綺とは違い、勝気な娘だ。しかし、それでいて思慮深く、心優しい面も持っているのを由綺は知っている。
おまけにトップアイドルだ。正直、同姓の目から見ても素敵だと思う。
そして、理奈が冬弥に好意を持っていることも、由綺は知ってしまっている。こんなことは知りたくなかった。
知らなかったのなら、このように落ち着かなくなる事も無く、無心に冬弥を信じていられたのに。
もし、もしも、冬弥が理奈を選んだなら、自分はどうするだろうか。あまりの悲しみで、狂ってしまうだろうか。
でも、最後は、最後には、笑って別れたい。冬弥に余計なしこりは残したくない。
どんな事があろうと、私には、「冬弥君を嫌いになる」なんて、できないだろうから。
冬弥を信じきれていない自分自身に、嫌悪感を抱きながら歩いていると、一つの建物が目に入った。
「わあ・・・」
思わず声をあげてしまう。その建物は、無意味に装飾が多く、ごちゃごちゃとして、とても機能的とは言えない。
が、誰もが少女時代に、一度で良いからこんな家に住んでみたい、と思い浮かべる理想の家だった。
少し怖ろしくもあったが、いったいどんな人が住んでいるのだろう、という好奇心、
助けてくれる人がいるかもしれない、という希望、これらの感情が、結局、由綺に呼び鈴を押させた。
「はーーい」
透き通ったソプラノの声が近づき、ドアが開いた。
フランス人形が人間になったら、目の前の少女になるのではと、由綺は思わず考える。
金髪碧眼の少女は、微笑んで言う。
「わあ、綺麗なおねえちゃんだあ。ねえねえ、わたしと一緒にあそぼ」
この子も参加者の一人だろうか、だとしたら、一人では危険だ。
「ねえ、あなたは一人なの? お母さんは? どうしてこんな所にいるの?」
「わたし、迷子になっちゃって、一人で寂しかったんだあ。ねえねえ、あそぼおよー」
一刻も早く冬弥に会いたい所だったが、常に緊張しながら歩いていたために、由綺は心身共に疲れていた。
それに、ここで待っていれば誰か他の参加者や、この子の母親が訪ねてくるかもしれない。
「そうね、分かったわ。うん、お姉ちゃんと遊ぼう。何して遊ぶ?」
「わーーい。じゃあね、じゃあね、家の中に入って。何して遊ぼうかなー。」
無邪気な、笑顔だった。
「わあ、綺麗なおねえちゃん達だ。ねえねえ、わたしと一緒にあそぼ」
フランス人形のような少女が微笑む。なんて可愛いんだろう。
マナは、瑠璃子、楓と共に、当ても無く歩き続けていた。そんな折、少々周りから浮いた建物を見つけ、
誰かに会えるかも、と期待しつつ、呼び鈴を押した。そこで出てきたのがこの少女だった。
どうするべきか迷ったが、相談の末、結局この家で休ませてもらうことに決めた。
その際、楓の様子が少しおかしかったような気もしたが、まあ疲れているのだろうと、あまり気にとめなかった。
「おねえちゃんたち、何して遊ぶー?わたしはね、お人形さん遊びがしたいなー。駄目?」
人形遊びか。懐かしい。私も小さい頃はよくやったものだ。最も、今でも背丈は十二分に「小さい」のだが。
「うん、それでいいよ。でも人形はどうするの?」
「奥の部屋にあるのー。わたし、取って来るね」
ぱたぱたと少女が駆けてゆく。微笑ましい光景だ。私も昔はあのような感じだったのだろうか。
少し感慨に浸っていると、楓が話しかけてきた。やはり、様子が少しおかしい。
「マナさん、話しておきたい事があるんですが・・・」
一体なんだろう。
その時、突然辺り一面が真っ黒になった。
何!? 停電? この部屋、採光用の窓無かったっけ?
突然の暗闇に、目が慣れず、何も見えない。私がパニックに陥っていると、
「マナさん、危ない!」
という切羽詰った声が聞こえると同時に、私は突き飛ばされた。
楓は咄嗟にマナを突き飛ばす。――と、先程までマナが居た空間を、何かが通り過ぎる。
危ない所だった。どうやら嫌な予感が当たってしまったようだ。
「クスクス。おねえちゃん、避けちゃだめだよー。お人形さん遊びできないよー。」
「ク ン、 ヤ、ク、ン」
少女が変わらぬ調子で言う。
「・・・ク、ン、・・・オ、ヤ、ク、ン」
少女とは別に、何か、無機質な声が、僅かに聞こえる。何だ? その時、辺りに光が戻る。闇に慣れてきた所だったので、
少し眩しい。私達の目の前には、微笑む少女と、ナイフを持った女性が、立っていた。
「お姉ちゃん? おねえちゃんなの?」
えっっ。私は思わずマナを振り返る。
「お姉ちゃん?私だよ。従姉妹のマナだよ。判らないの?」
「ト、・・・ク、ン、ト、オ、ヤ、ク、ン、ト、オ、ヤ、・・・」
目の前の女性は、マナの言葉には反応せず、人間味の失われた声で、ひたすらそう呟く。
「駄目だよお。これはわたしのお人形さんなんだからあ。あと一つ欲しかったんだけど、もういいや。さあ、遊ぼうよ」
とても嬉しそうに言う。その少女の10本の指は、異常に伸びており、爪先が見えない、いや、爪先は、女性の
身体に埋まっているのか。肉と肉が繋がっている。女性の、肌が露出している部分が、時おり、
内部から何か突起物が飛び出るかのように、蠢き、膨張する。ああ、この人は、多分もう・・・。
「この女性は、マナさんの、知っている方なのですね」
「そうよ。よく、知っているわよ。とても優しくて、素敵な彼氏がいて・・・」
絞り出すように、マナは答える。なんて、酷い。
「もう、おねえちゃん達、早く遊ぼうよー。わたし待ちきれないよー」
少女がそう言った途端に、女性が、弾かれたように瑠璃子さんの方へと飛び出した。
どうして効かないのだろう。人間とは精神構造が違いすぎるのか、もとより壊れているのか。
瑠璃子は、光が戻った直後、少女が女性を操っていると直感し、少女に電波を飛ばしていた。
が、常人ではとっくに死んでいるであろう量の電波を飛ばしても、少女に変化は見られなかった。
そして、少女が何か言った瞬間、女性がナイフを突き出しながら、「飛んで」きた。
咄嗟に床に転がって避ける。しかし、避けるのに成功したはずの瑠璃子の頬に血が滲む。
風圧で? 人間離れしている。見ると、家の壁にナイフが突き刺さり、それを抜いているところだった。
自身が壊れぬよう、人間が無意識にかけているリミッターが外されているのだろう。
毒電波でも同じ事はできるが、この女性は肉体を、無理矢理外部からの力で動かされている。
おそらく、この女性はもう、長くは保たないだろう。
視界の隅で、楓が動く。少女本体を叩くつもりだ。楓の動きもかなり人間離れしている。
それをみるや、少女は女性を引き戻し、自らの盾にする。
瞬間、アイディアが閃いた。残酷だ。だが、そんなことを考えている余裕などない。
楓はすんでのところで方向転換し、女性を避ける。
そして私は、電波を集め、集中。操られている女性に向けて、放出する。チリチリチリ。
ナイフを少女の頭に突き刺すイメージ。やがて私の電波に従い、女性がナイフを少女に突き刺す。
人間離れしたその力で、少女の頭は突き刺され、まるでスイカのように、ぱかり、と割れた。
「おねえちゃんっっ!!」
私は泣き叫びながら、血まみれの従姉妹に駆け寄る。
「お姉ちゃん、おねえちゃん、おねえちゃん! 返事してよ。ねえっっ」
化物はやっつけた。だからお姉ちゃんは、もう元に戻るはずだ。でも、お姉ちゃんの身体の中では、
未だに化物の触手がビクビク動いている。だから、私は急いで取り出す。
「お姉ちゃん・・・」
触手を取り出した後の、お姉ちゃんの身体には、何かを突き刺してできたような穴が、たくさん空いていた。
「マナさん・・・。内臓も、おそらくボロボロでしょう。この人は、もう・・・」
「嫌! 絶対いやっっ。お姉ちゃんが何をしたって言うのよ!こんな優しい人がなんで死ななきゃならないのよ!
お姉ちゃんは、誰にでも本当に優しいんだ。何も悪いことなんかしてない! なのに、どうして・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「えっっ」
今、お姉ちゃんが何か言ったの?
「お姉ちゃん、どうしたの? 何が、言いたい、の?」
最後に、なんて絶対に言わない。
私はお姉ちゃんの口元に、耳を寄せる。
「ト、・・・ヤ、ク、・・・キ」
「えっっ!」
「冬弥、くん、好、き」
それっきり、お姉ちゃんが目を覚ますことは、無かった。
私は、藤井さんと一緒に居る時のお姉ちゃんが、本当に幸せそうに笑っていた事を思い出し、たまらなくなった。
【人形使いの少女 撃破】
【月島瑠璃子 頬に切り傷(軽症)】
【森川由綺 死亡】
由綺ファンの方、ゴメンナサイ。
三回目。少しはましになったかなあ。
何か問題や、改良すべき点などあれば、よろしくお願いします。
長すぎる? スミマセン、精進しますです。
369 :
続く暗示:02/01/04 16:11 ID:L8M9QiDX
「か、和樹……あのパ」
目を覚ました瑞希は、気絶直前に見た光景に青ざめながらたずねる。
「あれなら何とか倒したぞ。それよりここから脱出する方法を何とか考えないとな……」
既に階下からがっしゃんがっしゃん音が聞こえ始めている。あまり時間は無いかもしれない。
時折、鎧の音の中にきゃあ〜という声が混じった気がするが、多分気のせいだと信じたい。
「あんまり屋敷は高く作ってへんみたいやからな。下は花畑。ひとつ飛び降りるのはどや?」
「馬鹿いえ。下の妖精の総攻撃を食らったらどうする気だ。それにほれ」
和樹は窓の外……屋敷の入り口のほうをみながら言った。
「なにあれ……気持ち悪い…自分の首を手に持ってるよ……」
みすぼらしい、としか言いようの無い身なりで、自分の首を持った怪物が屋敷の扉の前にたたずんでいた。
「デュラハン……ちうやつか。あれも攻撃してくるんかいな。」
「わからんな……だがこれじゃ飛び降りるわけにも行かん」
行き詰まってしまった。階下の鎧たちはこっちを総攻撃してくるだろうし(三倍込み)、
得体の知れないモンスターや未だ見ぬ妖精が花畑に潜んでいるだろう。
そのうえ、和樹たちは何故かどうしようもない眠気に襲われていたのだ。
「和樹ぃ……あたし、ねむいぃ……」
「寝るな瑞希……寝たら死ぬぞ……いやむしろ寝たら襲う……Zzz」
「こら和樹自分だけずるいで……ウチも……あかん……」
「むにゃ……ぱいあーるじじょうってなに……宇宙語?むにゃ……」
程無くしてすっかり眠り込んでしまった自分達の傍らに、マブと呼ばれる妖精の女王が立っていたことを、彼らは知らない。
【マブの魔力により和樹一行睡眠。】
【きゃあ〜という声の正体はアレイと思われる。彼女の現状は不明】
【マブ(Mub) アイルランドに伝わる妖精の女王。人間を夢という試練に引きずり込む。夢の内容はひとそれぞれ。】
【ドゥラハン(The Dullahan) 同上。まもなく死人が出る家の扉の前に立つ。死者の魂の案内人という説もある。】
371 :
RTO:02/01/04 16:16 ID:L8M9QiDX
文章のシェイプアップに挑戦。結果、描写不足に。(張ってから気付く)
悪夢を司る妖精というものが無いようなので女王様に。
ドゥラハンの事を由宇がデュラハンといっているのはわざとです。ねんのため。
ファンタジーの方でも問題になってるけどさ。
文章に書かれてないことを後書きで説明するのはどうかと思うわけで。
>【きゃあ〜という声の正体はアレイと思われる。彼女の現状は不明】
文章内で説明してない以上この一文は不要だと思われ。
これを書くことで後の人の展開を縛ることにもなりかねないし。
373 :
男の約束:02/01/04 16:39 ID:0+tSY8Jj
カタカタカタ
キーボードを叩く音が部屋に響きわたる。
「これでどうだ!」
俺は最後のキーを叩きつけるように押す。
ビー!と言う警告音が目の前のパソコンから発せられる。
「クソ!」
「調子はどうだい?」
耕一さんが俺に話しかけてきた。
「ダメですね。外部との連絡用回線がロックされてます。解除キーを入れないと無理みたいです」
「そうか………」
「でも、島内の様子はおおよそ掴めました。耕一さん、ちょっと見て下さい」
俺はディスプレイに島の地図を表示させた。
「今俺達が居るのがここです」
ディスプレイ上の一点が赤く点滅する。
「そしてここがこの島の管理施設のはずです」
別の地点が青く光る。
「ここを押さえられれば島のモンスターの暴走を止めることも可能なはずです」
「なるほど」
「どうします?」
俺は耕一さんに問いかける。
「決まってるじゃないか。その管理施設に行こう」
「でもかなり危険ですよ。見ての通り近くに恐竜公園があるんですよ。ここを通らないことには……」
「それでも俺は行かないと。千鶴さん達を助けないといけないしな」
「そうですね、それじゃ早速」
「おっと、住井君はここに残るんだ」
俺が言葉を続けようとする前に耕一さんがそう告げた。
374 :
男の約束:02/01/04 16:40 ID:0+tSY8Jj
「何でですか!」
思わず大声を出してしまう。
「どうしたの?大きな声出して」
「何かあったんですか?」
俺の声が聞こえたのか美坂さんと郁美ちゃんが部屋に入ってくる。
「彼女達を連れて行くわけにはいかないだろう?住井君はここで彼女達を守っててくれないかな」
「でも一人で行くなんて無茶ですよ」
「それなら心配はいらないよ。俺は普通の人間じゃないから」
「でも………」
まだ納得のいかない様子の俺に耕一さんが言葉を続ける。
「俺は俺一人の身を守るくらいなら十分に出来る。でも住井君達を連れていくと俺自身が危なくなるんだ」
「うぐっ」
それを言われると辛い。
確かにここに来るまでに襲ってきたモンスターを倒したのは全部耕一さんだった。
「だから、ここは俺を信じて任せてくれないかな。俺も住井君を信じて香里さん達のことを頼むから」
「………分かりました。こっちのことは俺に任せて下さい」
「あぁ、よろしく頼むよ」
耕一さんはそう言うと右手を差し出した。
俺も右手を出して耕一さんの手を握った。
「あの二人何の話してるのかしらね?」
「さあ?何なんでしょうね」
【耕一 管理施設を目指す】
375 :
RTO:02/01/04 16:45 ID:L8M9QiDX
>>372 読み返すと確かに蛇足ですね。なので
これ>【きゃあ〜という声の正体はアレイと思われる。彼女の現状は不明】
は削除しちゃってください。
一応ファンタジーにも目を通しておいたほうが良いのかしら…
「いいのか、おまえは!?」
「今初めて会ったような男と戦っているんだぞっ!」
「いいのかっ!」
「とても大切な部分じゃないのか、そこはっ!」
「そんな部分に簡単に入れられてしまっていいのかっ!」
「それとも俺のことが好きなのかっ!?」
「違うだろっ!」
「殴られたりして、嫌いだろっ!」
「そんな男に撃たれてるんだぞっ!」
「そんな男に快楽を与えてしまっているんだぞっ!」
「これ以上ない快楽だっ!」
「おまえの可愛い顔もそれを助長しているっ!」
「おまえのような怪物と戦っている事実が俺を興奮させているっ!」
「いいのかっ!」
「それでいいのかっ!」
「何が悲しくておまえは俺のようなゲスと戦っているっ!」
「悔しくないのかっ!」
「惨めじゃないのかっ!」
「しょ、少年くん?」
ふと気が付くと、高子、月代、そして高槻までが、なにやら呆然と、
僕の顔を眺めていた。
「あ、いえ、大丈夫です」
ふう、少し熱くなりすぎたようだ。冷静にならないといけないな。
【戦闘続行中】
やっちまった。取りあえず気にしないでください。(笑)
あっ、マルチ忘れてた。(汗)
葉鍵サバイバル・全話リスト
【】内は登場キャラ名。前にXが付いているのは死亡を表す。
{}はここまでの話の中で死亡しているキャラ。
直接登場はしてないけど書く際に影響を及ぼしそうなキャラ名を()で表す。
NG・書き手名まではフォローしていません。誰か編集サイトを作るのを待ちましょう(w
001:悪夢の始まり【超先生】
>>7 002:(無題)【浩平・長森・リアン・Xスフィー】
>>26 003:(無題)【セバスチャン・X超先生】
>>42 004:ここは竜の巣【祐一・北川】
>>45-47 005:(無題)【雄蔵】
>>67 006:(無題)【観鈴・往人】
>>81 007:(無題)【耕一・住井・香里・郁美】
>>87(
>>89)
008:危険そうな二人【祐介・沙織・(浩之)・(あかり)】
>>88 009:長瀬と長瀬。人鬼とロボット【柳川・セリオ・源三郎・源五郎】
>>90-92 010:エトランゼ〜招かれざる者〜【ティリア・エリア・サラ】
>>93-94(
>>146)
元々『見せ物』のパークなわけだから
人面狼とかグロいものはいないんじゃなかろうか
ふぃ〜〜、夜が明けてから新作ラッシュですか?
電話代がキツイです(w
以上間違いとかあったらご指摘お願いします。
>>384さん
まとめ、お疲れ様です。特に間違いとかはないのではないでしょうか。
×由綺 が無いのが少し気になったかな?自分で殺してしまっただけに・・・。
>>383さん
まあ、そういうのが好きなマニアも居るかも知れないってことで。
元の設定はかなりザルですし。
『……当列車は只今、国分寺駅付近で発生した人身事故のため、運転を見合わせて
おります。お急ぎの所、大変申し訳ございませんがしばらくお待ちください……』
あーあ。帰るのが遅くなっちゃうよ。
中央線はよく止まるなんていうけれど、本当にいい迷惑だよ。
なんでも、前の電車が駅を出た所の踏み切りで飛び込んできた人をはねたんだって。
自殺の名所なんて言われているけど、そんなのはよそでしてよね。
せっかく平和な1日だったかと思ったら帰りの電車でこれなんだから。
しかも夕方だから人が多くてたまらないんだけど。
眼鏡がずり落ちそうになったので、慌てて眼鏡を直そうとしたときに前の人がぶ
ら下げていた新聞が目に入った。スポーツ新聞みたいだけど、大きな写真があった
よ。どこか南国の島みたいだけど、文をみたら空想のモンスターを集めたテーマパ
ークということだった。近日オープンするという事みたい。開園したら遊びにい
こうかななんておもってみたり。
新聞には、なんでもオープンに先駆けて103人のモニターを集めて実際にパーク
を体験してもらう試みを行っているってあったけど、そのくだりでなんか妙な記
事を見つけた。
それはこのテーマパークをプロデュースした人についてなんだけど、新聞には
その人に対してあまり言い印象をいだいていないと思える記事が載っていた。
その人の名前は『超先生』。
記事にはその人の経歴が書かれていたのだけど、海外のトップレベルの大学で
遺伝子の研究で名をあげて、人にはまったく思いつかない発想をすることで有名
なんだけど、その反面、人格には大いに問題があって、今まで何回も危険なこと
をしてきたという。
かつてどこかの国で実験と称して、一つの集落の住民の遺伝子を無理矢理いじ
くったあげくに、その村人同士で殺し合いをさせたとかで、その国では指名手配
になっているっていうんだよ。
本当だったら、そんな人が作ったテーマパークに行く気も失せるんだけど、
書いているのがスポーツ新聞だからね。思い切り「?」ばっかりふだから。
もっとも、わたしにはどうでもいいことだけど。
ども、エトランゼ、ワンダリング、1人と一匹と一体、と三人単位じゃ無いと話を転がせないダメ書き手です。
NGも2回出しちゃったし
>384
ご苦労様です。
がんばってNGださないようにしますわ。
>368
いい感じの文章だと思います。
ただあえて言うなら、2から3へのつなぎがちょっと唐突な印象を受けました。
個人的にはその辺でもうちょっと描写があったほうが良かったなー。
文章が長いのを気にするなら、2か3でいったん止めて次の人に繋いだ方が良かったかもしれませんね。
もっとも、私もリレー小説は勿論SS経験もすくない書き手ですんで、偉そうなことはいえませんが。
自分で用意したセッティングを次の人がどう生かすか、そういうのをたのしむのがリレー小説の醍醐味だとおもうんで。
ま、人の言う事を気にし過ぎないで頑張って書いていってください。
電車が止まってからすでに1時間近くになるよ。本当いい加減にして欲しいよ。
まだ、わたしの乗った電車は駅に止まっているからいいんだけど。
ただ、どこからともなく妙な話が耳に入ったよ。
「……おいおい、電車にはねられた奴人間じゃないんだって」
「犬コロをはねて1時間もストップかよ。本当逝ってよしだな」
「じゃなくて、運転手は人をはねたかと思って確かめてみたら、人だったんだけど……」
「だったら何なんだよ」
「背中から羽が生えていたんだと」
「まさか、冗談もいい加減にしろよ。まったく面白くねぇぞ、それ」
「いや、マジなんだって」
「ふざけんなよ。鳥人間でもはねたってのか? おめぇ、その記事の見すぎだろ」
サラリーマン風の男の人がキレながら、わたしの目の前にあったスポーツ新聞を
ひったくると、もうひとり男の人に見せ付けていた。
喧嘩はやめてよね……。
そのときだった。
それまで騒がしかった列車の中がさらに騒がしくなる。
「おい! あれ見ろよ!!」
その声とともに車内は一気に静かになった。もちろんさっきまで喧嘩していた
2人組みもすっかりだまってしまって、目を見開いてホームの方に目が釘付けに
なっていた。
わたしも窓からホームを眺める。
ホームの上にも人だかりが出来ていて、その間を縫うように救急員の人が担架
を担いで運んでいたのだが……その担架に寝かされていたのは……。
「だからマジっていっただろ……」
「ああ……」
さっきの2人組みの呆然とした呟きが聞こえる。
そうこうしているうちにも救急員によって担架は駅の外へと運び出される。
――担架に乗せたシーツの間から大きな羽をだらしなく垂らしながら……。
【清水(以下略) 中央線下り大月行き快速列車に乗車していたが、人身事故の為に
電車が立ち往生してしまう。もっとも、不参加なのは相変わらずだが(w】
〜本州某所〜
モンスターパークで惨劇の幕が上がってから、既に一時間が経過している。
犬飼俊伐と周りのスタッフ達は、無線を通して聞こえる悲鳴の様な声を聞いていた。
『連中に島の全機能を抑えられました! 怪物達が檻を出て歩き回っています!』
その声は、まだ30にもならないだろう、若い男のものだった。
『竹林が呼んだ民間人が襲われて… う、うわっ!』
突如、ガラスの割れるような音が聞こえた。
続いて、怒号と悲鳴、銃声らしき音。
「おい、どうした! 何があった!」
通信係の中尾佳祐が呼びかけるが、返事が無い。 様々な音だけは変わらず聞こえている。
「誰か答えろ! 高橋、陣内!」
中尾は二人の同僚の名を呼んだが、やはり返事は返ってこなかった。
程無く、銃声も悲鳴も消えて。
新たに、何かの生物の鳴き声と、肉を貪る音が聞こえた。
「…………」
中尾は発する言葉を失った。 他のスタッフ達も目を見開いたまま、呆然として動かなくなった。
皆、無線の向こうで何があったのか、想像したくもない事を脳裏に描いている。
ただ犬飼だけが、サングラスの奥の目を細め、別の思案にくれていた。
(…まさか、こんな事態になるとはな… 竹林め…)
モンスターパークで暴走した竹林──周囲の者は超先生と呼んでいる──は、仙命樹研究に途中
参加したスタッフだった。
彼はその時から、リアルリアリティーなどと意味不明なことを口走り、素行のおかしなところが
よく目立った。
犬飼もその事には顔をしかめていたが、竹林は研究員としては出色、悪い噂も多々聞くものの、
実力を持った男だった。 だからの"使える研究員"として、細かい事は放置しておいたのだ。
どれほど名が知れていようと、大した男ではないと思っていた。 今日もその名を聞くまで忘れ
ていたような奴だ。
それがまさか、島を空けた隙に、こんな大それたことをするとは。
「まだ防壁は破れないか」
犬飼は、コンピューターに向かっているスタッフの一人、生波夢に声をかけた。
「駄目です。 竹林の野郎、パスワードを全く別のものに変えてやがる」
島との連絡が途絶えてから、生波夢は向こう側のコンピューターへの侵入を試みている。
島にある最新の仙命樹研究データを手に入れるためだ。 有事が起こった以上、何らかの要因で
データが失われてしまう可能性がある。 そうなる前に確保しなければならなかった。
「くっ… 今までなら簡単に入れたものを…」
生波夢が苛立だしげに呟く。 スタッフの中でも一部の者のみが知る、極秘事項を閲覧するための
パスワードも、今や何の役にも立たなくなっていた。
悪戦苦闘を続ける生波夢。 不意に、コンピュータに反応があった。
「通ったか!」
生波夢の声に、犬飼がモニターを覗き込む。
しかしそこに映ったのは研究データではなく、嘲笑する竹林の顔だった。
呆気に取られる一同。 彼等をよそに、竹林の声が流れる。
『残念ながら、研究データはハッキングでは手に入らないよ。 我々がプログラムした防壁は完璧だ、
何者も破ることは出来ない』
「あの野郎っ!!」
生波夢が大声をあげてデスクを叩いた。
『データが欲しければ、人の手で直接取りに来ることだ。 君達も"リアルリアリティー"に参加して
みたまえ。 良い経験になると思うぞ?』
画面上の竹林はそこまで言うと、後は同じ内容を繰り返し話し続けた。
再び、スタッフ達は沈黙に包まれた。
その中で真っ先に動いたのは、やはり犬飼である。
「下川!」
雑務を任せている下川直哉に声をかけた。
「武装した兵士を三十名用意しろ。 それと輸送ヘリもだ」
「所長…」
命じられた下川は、まだ呆然としている。
「奴の言う通り、行くしかない。 あのデータは今後の研究に必要なものだ、失う訳にはいかん」
犬飼はそれだけを言うと、下川の返事も待たずに部屋を出た。
無機質な廊下を足早に歩く犬飼。
実は彼の頭の中には、研究データよりもさらに気掛かりなことがあった。
(…きよみ… 無事でいろよ…)
【犬飼俊伐、本州で行動開始】
NG覚悟で書きました…
パークの外におけるパークの情報の伝わり具合を記すために書きました。
この(以下略)出すのはどうかと思いましたが、まあ蚊帳の外の方々が
パークのことをどれだけ知っているかを記すためのみに使った所です。
>378-382
うまくまとまっています。
今後ネタを纏めるのに助かります。ありがとうございます。
気分はどう? そんな声が聞こえて彼女、ルミラ・ディ・デュラルは顔を上げた。
何か言い返してやろうと口を開くが、舌が口蓋に貼りついて言葉を紡げない。
「ふふ、さすがの魔界貴族もこれだけ魔力を吸い取られれば口も聞けなくなる、か、いいザマね」
彼女を見下ろし、酷薄な口調で揶揄する美女、かつては友ですら己の目的の為に利用した天使、ユンナ。
「アレ・・・とメイ・・・は」
途切れ途切れ、苦しいと息の中からかろうじて言葉を搾り出す。
それが、今のルミラの精一杯だった。
「安心して、二人とも無事だから」
その言葉を聞いてわき起こる安堵、だが、安心は出来ない、囚われの身であることには代わりがないから。
「メイフィアの魔道技術は、この島のモンスターを作るためにとても役立ってくれたわ」
「……」
「あとは、貴方の魔力を使って天界へのゲートを開き、あの男に作らせたモンスターを雪崩れ込ませるだけよ」
「!」
「人間界の遺伝子学と、魂を絵画に乗り移らせる事が出来るほどの魔術理論を融合させて生み出した怪物たちをね」
そして、天界が混乱している隙に、彼女の恋人―ウィル―を助け出すのだ、そう言って笑みを浮かべるユンナ。
「貴方・・・狂ってる」
そんなルミラの呟きも、ユンナは意に介さなかった。
「本当はまだまだ時間がかかりそうだったんだけど、あの男の始めたゲームのお陰でずいぶん早く目的を達成出来そうよ」
ほら見て、といって彼女が取り出したのは、色とりどりの輝き、この島で死んだ者の魂であった。
「特にこれは凄いわよ、死人を生き返らせる事が出来るほどの魔法使いの魂らしいわ」
薄暗い部屋の中、狂気に魅入られたユンナの瞳が魂の炎を照り返して妖しく輝く。
己を縛る戒め、魔力を吸い取る装置、これさえ何とかできればこんな女に好き勝手言わせてはおかないものを。
だが、今のルミラに出来る事は何も無かった。
>394
当方のネタも同じくNG覚悟です……。
【ルミラ、ユンナとともに島のどこかの部屋の中、魔力を吸い取り溜め込む装置に繋がれていて身動きが取れない】
【ユンナ、野望を語るがモンスターをどうやって操るかなど具体的な内容は不明】
みさき先輩、人形使い、高槻?を書いた輩です。
>>388さん
ご指摘ありがとうございます。確かに確かに、リレー小説ならでは、の魅力を使えてないですね。
ハカロワに無かった、サバイバルならではの死に方を使おうとしたんですが、中々難しかったです。
謎めいた設定だけ書いて、後は次の書き手さんにおまかせー、とかも面白そうですね。
あと、楓達いぢらせてもらいました。使い易い設定サンクスです。
>>394さん
ハカロワにおけるクラナドキャラのように、物語の裏方扱いならば良いのでは。
でも、サバイバルの島の中に入ってきて、葉鍵キャラと製作者が一緒にサバイバルするのはまずいかも。
400 :
394:02/01/05 00:32 ID:vYOsQ5En
一応、下川とかは単なるチョイ役にしたつもりなんですけど…
ハカロワで名前の出た敵兵士みたいに…
ハカロワでも名のある裏方、つまり長瀬はじゃんじゃん出張ってきたからな。
どうせ下川とかもラスボス的になってくるんだろうな、と思う。
なんかどんどん話が大きくなっていく・・・
大局的な話は程々にして、止ってるキャラの現状も描かない?
・・・と、誘導してみる。
つーか、超先生が普通にメインキャラで出てるんだから良いんじゃないか?
まあ、あんまり葉鍵キャラと絡まれてもアレなんであくまでもスタッフの一人みたいな感じの方が無難だろうケド。
あと、製作者側だからってキャラクターの情報は全部持ってるみたいなのは
萎え〜なんで勘弁。
ジープは、快調に草原を走っていた。
所々にモンスターの影が見えるが、さすがにこのスピードで走るジープを、襲おうと思う奴はいないらしい。
「……えっと、この辺りなんだけど……」
身を乗り出して、周囲を見回していた志保が、何かを見つけて叫んだ。
「あ、あれ、あそこの木の所よ」
志保が指差す先には、なるほど、大木にぶつかって大破しているジープと、焦げた痕が残っていた。
「だが……誰もいねぇぞ」
御堂の言う通り、その場には誰もいなかった。
雅史は、坂下も知っていたが、それ以外の面々は誰とも面識がないため、探すにしても方法がない。
音を立てて、ジープがぶつかった木の横に車を止め、御堂は下に降りた。
助手席に乗っていた志保も、身軽にジープから飛び降りる。
「ま、普通に考えたら、この状況で、壊れたジープの側に、いつまでもいる理由は無いわな」
「足跡とか、何か痕跡でもあれば、どこに行ったかわかるんでしょうけどね」
傷は治りかけているものの、まだ本調子ではない千鶴をジープに残し、坂下と智子も下に降りる。
「皆さん、気を付けてくださいね…」
不安そうな千鶴とは対照的に、御堂は壊れたジープに何の気無しに近づく。
「おい智子、このジープはまだレーダーに反応してるか?」
「うん?……いや、あかんみたいや。もう壊れてるんやろ」
潰れた運転席に頭を突っ込んだり、後部座席を覗きこんだりと、いやに熱心な御堂に、志保が物珍しそうに近づく。
「ねぇねぇ、何やってんのよ?」
「……ガソリンはもう燃えちまってるみたいだが、他に俺達で使えそうなモンが無いか、見てるんだよ」
そうは言ったものの、派手に爆発したらしく、ほとんどのものは黒く煤け、役に立ちそうもない。
「ちっ、骨折り損か……」
そう言って肩を竦めた御堂の視界に、何か白いものが見えた。
「……おいこれ…」
「なんやなんや…?」
御堂が拾い上げたものを見て、全員が目を丸くする。
『おこめ券……?』
「なんでそないなもんが、ここにあるんやろな……」
智子の言葉が、全員の心情を語っていた。
「とにかく、彼らが移動したって言うなら、いつまでもここにいたってしょうがないわよ」
坂下がそう言ってジープに戻り、智子、御堂と続く。
「志保、おめぇも早く来い……どうした?」
志保の様子がまたおかしいのを見て、御堂が顔をしかめる。
「……ううん、平気よ。ちょっと耳鳴りがしただけ」
志保は頭を振って、さっさとジープに乗り込んだ。
釈然としないものを感じながら、御堂はそれ以上追求せず、運転席に戻る。
「それじゃあ、行くか」
「ちょっと……待って下さい」
千鶴に止められ、御堂が怪訝そうな顔になった。
「何か……物凄い音が聞こえます………まるで、動物の大群が押し寄せてくるような」
耳を澄まし、目を地平線の方に向ける千鶴。
初めは、何の変化も無かった。
だが………
「なんや、あれは」
口の中が、カラカラに乾いているのを感じながら、智子は囁いた。
地平線に広がる、茶色い土煙。そして、それを生み出している、無数の黒い点。
出し抜けに、いきなり御堂がジープを発進させた。
急発進に、振り落とされそうになりながら、志保が叫ぶ。
「……な、なんだって……なんだってあんなにモンスターが、こっちに走ってきてるのよ!!」
「そんな事、あいつらに訊きやがれ!!」
舗装されていない道を、今まで以上のスピードを出して走っているため、
激しく上下に揺さぶられながら、御堂が吐き捨てる。
志保が何かを言いかけて、とたんにがくん、と車が揺れた。志保が悲しげな顔で、口を押さえる。
「ひた噛んだ……うぐっ」
今はまだ、早めに逃げ出したから、追い着かれていないが、このまま永久に逃げ続けるわけにもいかない。
何より、逃げる手段の無い人が、あの大群に巻き込まれれば、間違いなく命を落とす。
「どうするっ、何か手は無いのかよっ!?」
「手と言われても……それにしても、どうしていきなり、あんなに大勢が追い駆けて来るのでしょう」
千鶴の疑問も、もっともだった。
「……奴の差し金だと思うか?」
「間違ひ無いわにぇ」
御堂の問いに、すぐさま志保が応える。舌を噛んでいるせいで、少し変なしゃべりだったが。
「奴って……超先生、とかいう奴かいな!?」
「どうも千鶴さん、あにゃたの見せた『力』が気にひらなかったみたいね」
志保は後ろを鋭く見据えながら、独り言のように言葉を紡ぐ。
「強すぎる力は、バランスを崩しかねない。大量のモンスターを当てなければ、真のリアルリアリティをリアルに表現できないだろう。彼らの感じている感情は、仮初めでしかなくなってしまう」
「な、長岡さん、あんた日本語おかしいで……」
「しぃっ、智子さん、静かに……」
「…俺が見たいのは、そんな仮初めのものではない。真のリアル、本当のリアル、現実的なリアルだ。
バランスを保つ為に、武器の使用も許可した。見せてみろ、お前達のリア」
いきなり飛び散った鮮血が、ジープのフロントガラスに、べったりと貼りついた。
「っな………!?」
首筋から背中にかけて、ざっくりと切り裂かれた志保は、声も上げずに、崩れ落ちた。
「長岡さんっ!?」
「空から、だとぉ!!!」
御堂の絶叫と同時に、鷹の頭と、羽を持ったライオンが、ジープに跳び込んで来た。
いきなりの襲撃に、ジープは横転し、中に乗っていた全員が、地面に投げ出された。
御堂、坂下、千鶴は、なんとか受身を取って起き上がるが、一般人でしかない智子は、まともに
地面に叩き付けられ、くぐもった悲鳴を上げた。
「保科さんっ!!」
「くそっ、たれがっ!」
ジープから落ちた拍子に、遠くに跳んで行ってしまったライフルに、御堂は舌打ちする。
グリフォンが狙いを定めたのは、近くに落ちた智子だった。
御堂はすかさず、こうなってしまってから、肌身離さず持っていたナンブを取り出し、グリフォンの頭に狙いを付ける。
乾いた破裂音と共に、グリフォンの頭が吹き飛んだ。
だが、人工的に作られた生命は、驚くほどのタフさで、苦痛に身を捩る。
「くっ、何てことなの……!」
濁った呻き声を上げ、頭を半分失ったグリフォンは、智子の側で、激しく暴れ回る。
そのせいで、千鶴も御堂も、彼女を助けに行けないでいた。
「御堂さん…!」
「すまん……弾がもうねぇんだよ」
苛立たしげに首を振る御堂に、坂下が詰め寄った。
「あなた、一瞬でもあいつの気を引ける?」
「あ……ああ、石でも投げつけりゃあ……どうする気だ!?」
坂下は決意を込めて、走り出した。
「坂下さんっ!!」
「ちぃ、馬鹿野郎がっ」
御堂は怒声と共に足元の石を拾い上げ、タイミングを計って、グリフォンの残っていた頭に投げ付けた。
坂下が、地面に倒れこんでいる智子の元に滑り込んだ。
「さ、坂下さん…」
「ほら、肩に掴まって!」
智子に肩を貸し、坂下が身体を起こす。
だが、今まで苦痛に暴れていたグリフォンが、片方だけ残った眼球に、二人の姿を捉えた。
反射的に、二人に爪を振り下ろそうとするが、そこに御堂の投げた、拳大の石が命中する。
グリフォンが甲高い悲鳴をあげ、大地に転がった。
血と脳漿を撒き散らし、転げまわる獣に、御堂の背筋に冷たいものが走った。
「こいつら……こんな姿になっても、生きてやがるのか……」
キマイラの時も、そうだった。あの獣も、身体中腐りながら、まだ生かされていた。
その凄まじい生命力に、御堂は、自分の姿を重ねていた。
生命樹によって、不死身の強化兵を生み出す研究。確かに自分は、脅威的な力と生命力を得た。
(だが…こいつを見て見ろよ、御堂。脳みそ撒き散らしながら、まだ死ねねぇ……
これが、俺の姿じゃねぇのか……こんな醜く、浅ましく生にすがりつくのが、俺達の……)
「御堂さん!!」
御堂の思考は、千鶴の叫びによって、中断された。
見ると、千鶴が、ぐったりとした志保の身体を引きずっている。
「まだ、息はあります……でも、速く手当てをしないと!」
とっさに、御堂はグリフォンを挟んで、向こう側にいる智子と坂下の方を見た。
智子と坂下。千鶴と志保。悩んだのは、一瞬だった。
「保科! 坂下! ホテルで落ち合うんだ! いいな、奴らの狙いは千鶴だ、お前らは逃げろ!」
千鶴が狙われている、というのは、半分勘だった。
だが何故か、御堂はそれが正しいと信じて疑わなかった。
まるで、『誰か』なら、間違いなくそうすると、確信しているかのように。
御堂はぐったりしている志保を抱き上げ、千鶴と共に、ジープを捨て、モンスターの大群から逃げ始めた。
「運が良ければ、また会えるさ………だろ、蝉丸」
状況報告
【志保、首筋から背中にかけて、大きく負傷。意識不明の重態】
【乗っていたジープは、転倒。壊れてはないが、放置されている】
【食料・武器の入ったリュックは、ジープの中に置いてきてしまった】
【運が良ければ、一つくらいリュックを、持ち出せているかもしれない】
【レーダーを持っているのは、智子だけ】
【千鶴、御堂、志保(昏睡)は、森の方へ】
【智子、坂下は、千鶴達とは別の方向へ脱出】
【今回のモンスター】
*グリフォン*
キマイラと同じ、遺伝子操作と手術によって生まれた、メジャーモンスター。
空を飛び、脳みそを吹き飛ばされても死なないタフさを持つ。
一難去って、また一難です。
御堂の言うホテルは、初め彼らが宿泊していたホテルの事です。
そこで落ち合い、来た時の船で脱出しようというのが、御堂の計画です。
今読んでみたんですけど、
岩切と初音の話で雨が降ってる模様。
書き手さんは、時間軸に注意して書かないと…
じゃ、雨は夜辺りに振ってるのか?
という前提で楓チーム書こうかな
>>409 長瀬なんだよもん さん
ええと、私もやってしまった口なので、あまり言えないんですが、
本文に書かれてないことを後書きで説明するのは控えた方が良いかと・・・。(モンスターの説明とかは問題なしかな?)
具体的には、
>>森の方へ >>そこで落ち合い、来た時の船で脱出しようというのが、御堂の計画です。
この辺りです。後の人の展開を縛りかねないので。
「白いもの」は笑わせてもらいました。Airのゲーム本編では、このネタ(お米券)全然笑えなかったんですがー。
413 :
しんいり:02/01/05 17:23 ID:0zbn5xvt
夕暮れも近かった時間。
「ちっ やっぱりガス欠か。もーちょっと根性出せよポンコツめ」
「浩之ちゃんが散々道に迷うからだよ〜〜……おんなじところをぐるぐる回ってるなんて……」
「まあ、浩之に責が無いとは言いきれないね……それより、急がないと夜になっちゃうよ」
浩之をやんわりと攻撃しつつ、祐介は次の行動を決定付けた。
これまでは運良くモンスターには会っていないが、それでもいつ何に襲われるかわからない。
まして夜ともなれば、この手のことの定石として、モンスターの行動も活発化するかもしれない。そうなれば、恐らく自分達は一たまりも無いだろう。
「夜になったらちょっとあぶないね……ヒロくん、しょうがないから歩いていこう」
沙織もそれに同調する。浩之も、それに反対する理由は持ち合わせていなかった。
「よし。じゃ俺と祐介がさっき土産屋から奪……いただいてきたものを持つから。」
言うなり、浩之はジープの中に入り、大き目のリュックを背負って出てきた。そして片方を祐介に渡す。
「食い物のほうはおまえが持て。重いジュースの方は俺が持ってやるからよ」
414 :
しんいり:02/01/05 17:24 ID:0zbn5xvt
このリュックとその中身は、先ほど通った土産屋らしき施設から持ち出したものだ。
レジには誰もいなかったとはいえ、祐介は泥棒みたいであまりいい気分ではなかったのだが。
「お!このTシャツいいな……」「祐くん、なんかドロボーみたいでスリルあるね」「……くま……」
少なくとも、他の三人はそうでもないらしかった。
そうやって徒歩での出発の準備をしていたときのこと。
路肩に止めたジープの丁度反対側の茂みから、がさりと音がした。
4人とも心得たもので、すぐさま荷物を手にたちあがり、逃走の心構えをしていた。
もしもここで音の主を知っていたなら、この後壮絶なる脱力感に襲われる事も無かっただろう。
415 :
しんいり:02/01/05 17:24 ID:0zbn5xvt
「かわいいーーーーーーーー!」
「それ」を見た瞬間、沙織は顔を紅潮させて叫んだ。
幼稚園児のようないでたちと、手に持った小さな笛。サンタにもにた赤い布地のとんがり帽子。
「……コロポックルだ。」
「なに?ヒロくん知ってるの?あの子誰?」
浩之にしても、それに対する知識と言えば多少ゲームの中でその姿を拝んだ事があるくらいでしかなかったわけで。
ここで奴の弱点は炎属性だとか、倒すと稀に樫の木の笛が手に入るだとか、そんな知識は役に立ちそうも無かった。
どう返答したものか考えているうち、いつのまにか近づいてきていたコロポックルが、浩之のズボンのすそをくいくいとひっぱった。
「お、お?なんだ?」
「浩之ちゃん、きっとそっちに来て欲しいんだよ」
見ていたあかりが言う。
「そっちにいったら俺ら全員蟻地獄におちるとかじゃないだろうな……確かあのゲームでは」
「それは前のイベントで森の魔術師に雨乞い士の杖を渡しておけば回避できたはずだよ」
「そうなのか!?俺あそこのイベントで詰まって必死でレベル上げたんだぞ!」
「サンドクイーン倒したの!?ラスボスより強いのに」
「やっぱりそう言う事だったのか?あのあとやけに敵が弱いとか思ってたんだ……っておいあかり」
ゲーム談義に花を咲かせていた男二人にとって代わり、あかりと沙織はコロポックルに導かれるまま、茂みの中に入っていく。
「待ってよ、二人とも」
祐介、浩之もそれに習う。途中、浩之のシャツが少し破けたが特に気にする事ではなかった。
416 :
しんいり:02/01/05 17:25 ID:0zbn5xvt
そうして少し開けた空間に出た時、4人の目に映ったのは焼け跡だった。
既に煙など出ていないが、あきらかに激しく何かが燃えたあと。爆発、と言っても良いかもしれない。
爆心地と言える部分には、ジープの残骸が残っていた。
先ほどのコロポックルはというと、その焼け跡の中……多分一番激しく燃えたでろう部分にしゃがみこみ、なにかをじっと見つめていた。
それは、周りに散乱している残骸とは違った、あえて言うなら焦げた肉……そんな印象を与えるもの。
「これ?これが、なんなの?」
やさしい口調で、あかりがたずねた。
「……」
「え?」
「……まま」
417 :
しんいり:02/01/05 17:26 ID:0zbn5xvt
しばらくの間、誰も口を利かない。
しばらくして、沙織がその「まま」を手に取ると、地殻の木の近くまで持っていき、そこで穴を掘り始める。
そして、掘った穴に「まま」を横たえると、また元のように土をかぶせた。
それを一部始終見ていたコロポックルを優しくなでると、沙織は立ち上がった。
「行こっか」そう言って、コロポックルをひょい、と持ち上げて、肩の上にのせた。
「キミ、名前はあるの?」あかりがたずねる。
ピッケ、と小さな声で、コロポックルの子は答えた。
「しゃあねえ連れてくか。そいつのおかげで近道できたみたいだしな。」
萌え残った看板を足で小突きながら浩之。
[武器博物館 この先]
一雨、来そうな雲行きだった。
【浩之組のジープ、大往生】
【コロポックル 本来は木の精霊 手にした笛の奏でる音色は生き物すべてを魅了する 基本的に人畜無害 てのひらサイズ】
陣内閂早くでてきてくれー!
スタッフはあんま出さないほうが。
むしろ敵が少なすぎか?
モンスターは多いけど。
>>412 はい、気を付けますです。
ご指摘ありがd。
雨が降っていた、暗く陰鬱な雨が。
時は夜、楓たちはいまだ”あの館”の中にいた。
嫌な思い出だけが残るこの場所に、なんで彼女達がいるのか。
話は数時間前に遡る。
「お姉ちゃんを、埋めなきゃ」
その言葉が発端だった、穴を掘る道具を探す。
館の花壇に、小道具のつもりなのだろうか、錆びたスコップが置いてあるのを見つけて、穴掘りは始まった。
錆びたスコップくらいしか無い状態で、由綺を埋められるだけの穴を掘るのは、少女達にとって結構な労力を必要とした。
だが少女達、特にマナは頬に涙のあとをはりつかせたまま、何も言わず無心に堀り続けていた。
そして数時間後、由綺の死体をやっと埋め終えた頃、夕焼け空を雨雲が覆い、突然大雨が降り出したのだ。
ずぶ濡れになった少女達は仕方なく館の中に戻り、館で見つけた真新しい毛布を被って大広間で顔を見合わせるようにして座り込んでいた。
階段の手すりには、濡れた服と下着がかかっている。
アレだけの事があったあとだ。できれば、マナは一人にしてやりたいと思う楓だったが、ここは危険な島。
バラバラになってはまずいと思ったのだ。
部屋の中には火のない暖炉、だが、不思議と暖かいのは恐らく暖房が効いているのだろう。
なにせ、科学の粋を集めて作られた人工島だから。
では、何故に大広間に集まっているかといえば
窓のある部屋は全てが開けっ放しで寒く、とてもじゃ無いがそこにはいられなかったからである。
大広間には静かなメロディ、マナの持参したハンディプレイヤーから流れていた。
下着の上に毛布をかぶったの少女達が体育座りしている光景はある意味不気味だったかもしれない。
彼女らの側には大きなカバンが一つ、そして、小さなカバンが二つ。
大きなカバンはマナの物だった、何故か。
ここは、一日、二日では回りきれないような巨大テーマパークである。
それだけに、招待客にはそれなりの日数の滞在が許されていた。
マナは既に数日分の着替えや荷物をホテルに送っておいたのだが、出発少し前になって忘れ物に気づいたのだ。
つまり、今彼女たちが身につけている下着である。
だが、その準備を慌てて行った彼女は遅刻気味になってしまった。
しょうがないので、ジープに預けておけば良いという事で、カバンを持ったままジープに乗り込み、それが今こうして役に立っていた。
もっとも、三人の中では瑠璃子だけが少々ムネのサイズが大きかった為、少し窮屈そうな顔をしているが。
そして今、もういないアイドル歌手の歌声が三人の少女達を優しく包み込む。
空から落ちてくる悲しい涙、そのすすり泣く声を覆い隠すように。
だが、夜はまだ始まったばかり、夜明けは、まだ・・・遠い。
【月島瑠璃子、柏木楓、観月マナ、人形のいた館の大広間で待機】
【所持品:音楽プレーヤースピーカー、小さなカバン二つと大きなカバン一つ】
【大きなカバンにはマナの下着数日分、など】
という訳で、書いてみました。
毛布の下が裸じゃなくてゴメンなさい、って感じですね。
かなり、無理矢理な理由で下着だすし自分ー。
瑠璃子さんの胸は、なんかで見たCGで水着の胸が結構ある感じだったので、ああいう描写入れてみました
ここから、無口系少女(1人は一時的にですが)達の心温まる会話が始まる、かどうかは次の書き手さん次第です。
あ、分かりにくいかもしれませんが、音楽を再生してる○ォークマン?見たいなやつは
CMでみたスピーカーがつけられるやつ(うろ覚え)をイメージしてますです。
マナちゃんは理奈の方が好きだったような描写が原作でありましたが、一応由綺の曲も持ってるでしょう。
いや、由綺の曲とは明記してないの次以降のの書き手さん次第では・・・。
てな訳で、時間があったらもっと練りこんだ&長いシナリオやってみたい。
ナンバー10、36、49、恋堕、館雨作者でした。
>>418 陣内は391で氏んでるっぽいぞ(w
作品中で明言はされてないから、今後の展開次第なんだろうけど。
つーか、正月休みが終わって全体的に勢いが付いてきたな。
まだまだ先が見えないけど楽しみだ。
四角い部屋の中、季節のない時間の中で、
ボクの時間は、長い間止まっていた。
ボクはずっと、ひとりぼっちだった。
でも、ボクの時間はもう動き出した、はずだった。
「えっ」
目が覚めると同時に、辺りを見回す。
無機質な、四角い部屋。
なんで? どうして? ボクはもう、退院したはずなのに。
頭を触ってみる。カチューシャは、無い。
そうだ、床屋さんで髪を切ってもらって、いっぱい切られて、恥ずかしいから帽子をかぶって、
祐一君にからかわれて・・・。
ふと、横にあるイスに、ボクの帽子がちょこん、と置いてある事に気がつく。
「よかった・・・」
安心し、思わずつぶやく。
落ち着いてきて、少しずつ今の状況を思い出せてきた。
少し髪も伸び、帽子にもようやく慣れてきた頃、秋子さんから誘いがあったのだった。
「懸賞で当たったのですけど、あゆちゃんも一緒に行きませんか?」
それから、島に到着して、祐一君達とは別のグループになって少し悲しくて、それでも楽しんでたら、
突然あの放送が聞こえたんだ。
ああそうだ、その後ジープが暴走して、ボクは放り出されたんだった。
「じゃあ、ここはどこなんだろう」
そんな事を考えていると、ガチャリ、とドアが開いた。
「気が付いたんですね」
三つ編みの、アンティークドールのように整った容姿の女性が入ってくる。
綺麗な人だ。ボクは、可愛いよっ、て言われることはあっても、
綺麗っ、て言われることは全然、まったく、無い。だから、こういう人には少し憧れる。
「えっと、あの、ボク、」
「あなたは運が良いです。もし私達が発見するのが遅かったら、今の状況ではどうなっていたか分かりません。」
胸の名札には、「STAFF 里村」と記されている。里村さんは、続ける。
「幸い大した怪我は無いようですから、心配はありません。ですが、今の状況では外には出ない方が無難です。」
「どうしてですか?」
「この島のモンスター達が、野放しにされているからです。外は、とても危険です」
そういえば、放送はそんな内容だったか。
「じゃあっ、でもっ、ボク、一緒にジープに乗っていた人たちがっ」
「あなたが助けに行くつもりですか」
「うん。ボク、助けにいくよっ」
「無理です。あなたが行っても、途中で死ぬだけです」
「うぐぅ。でも、それじゃあ皆が!」
里村さんは、うぐぅ、とボクが言った所で、一瞬怪訝な顔をする。何かおかしかったかな?
「私達もできる限りの事はしています。ですが、この島のモンスター達は、とても凶悪です。
何の装備も無い一般人では、太刀打ちできません。」
言ってから、里村さんは、僅かに暗い顔を見せる。
「ですから、あなたはここで安静にしていて下さい。くれぐれも、おかしな事は考えないでください。」
そう釘をさしてから、ドアの方へと歩いて行く。
「あ、あのっ」
無言で振り向く。「何ですか」といった雰囲気だ。
「助けてくれて、ありがとうございましたっっ!」
そう言うと、里村さんは、ほんの少し表情を崩して、
「お大事に」
と一言。ドアを閉める。
「笑ったんだよね・・・?」
【月宮あゆ 医務施設にて気が付く。ジープの他のメンバーは不明】
Kanonのゲーム本編のシナリオに矛盾ができちまうぞ、ゴルァ!!
ってのは見逃してくれたら嬉しいです。
429 :
冷たい雨:02/01/06 23:56 ID:cguo34V2
「………雨、か……」
ぽつぽつ、と落ちてくる水滴に、御堂は顔をしかめた。
「……御堂さん、外の様子は……」
「ああ、一応大丈夫みてぇだな……油断は禁物だが」
御堂はそう言って、木の洞の中に、身体を引っ込める。
空がどんよりと曇り、今にも雨が降りそうな天気になった所で、御堂はようやく隠れられそうな場所を発見していた。
後、十分でも、この巨大な樹に開いた、大きな洞を見つけるのが遅れていたら、全身に雨を浴びていた所だった。
樹齢何千年、と思えるこの樹も、実際はDNA技術によって、生み出されたものなのだろう。
御堂がしゃがみこんだすぐ横に、千鶴と志保の姿があった。
千鶴は、ぐったりとしている志保の頭を、自分の膝の上に乗せ、静かにその髪を撫でている。
「……御堂さん」
「…んあ?」
千鶴が、顔を上げ、御堂をまっすぐに見据えた。
「いい加減に、話しては下さいませんか…? 御堂さんは、ただの参加者ではないのでしょう」
それは、疑問ではなく確認だった。
御堂は大きく溜め息をついて、ぼりぼりと頭を掻き毟る。
「……ま、しゃーねぇわな。 ああ、あんたの言う通りだ。俺らの目的は、観光じゃねぇ」
「俺ら……?」
御堂はそれには応えず、雨の降り注ぐ外に目をやった。
「……目的のひとつは、人探しだ。光岡と……犬飼。奴等が、この島にいるという情報を掴んだ」
犬飼、と言った瞬間、御堂の声が、僅かに震えた。
御堂は、なんとか千鶴が持ち出したリュックから、干し肉を取り出した。
「…食料は…ま、一人なら三日分だが、三人なら一日分か。大事にくわねぇとな……
このお嬢ちゃんは、まだ目を覚まさないみてぇだが」
「目的の二つ目は……なんですか」
430 :
冷たい雨:02/01/06 23:58 ID:cguo34V2
千鶴の声に、僅かな不信を感じ取り、思わず御堂は、口の端をにやりとさせた。
「二つ目も、あんたには関係ねぇけどな。……仙命樹が……この島にあるって聞いてね」
「仙命樹……確かに、私たちには、関係なさそうですね」
今だ眠りつづける志保の髪を、優しく撫で付けながら、千鶴は苦笑する。
「柏木さんよ、今度は、あんたの話をしてくれよ…暇潰しにさ」
御堂が投げた干し肉を受け取り、千鶴は目を伏せた。
「柏木には、鬼の血が混じっていると……それは、もうお話しましたよね。
私には、妹が3人、従兄弟がひとりいます。従兄弟の耕一さんの大学が休暇に入り、
私達は5人で旅行をする事にしたのです。
ですが、こんな事になるなんて、思ってもみませんでした」
むしっ、と干し肉を噛み千切りながら、御堂は片方の眉を上げる。
「お前さんの妹ってんだから、きっとエライ美人ぞろいなんだろうな」
「ふふ……ええ、梓も、楓も、初音も、みんな近所で評判のいい子たちです。
……そう言えば、志保ちゃんは、ちょっと梓に似てるかしら」
千鶴はくすくすと笑って、志保の背中に巻かれた、包帯に触れる。
志保の頬に掛かった髪を、千鶴はその細い指でそっと払い、顔を曇らせた。
「梓と楓は、ある程度鬼の力を使えます……ですが、初音はまだ、鬼の力を目覚めさせてない。
それに、梓は無鉄砲な所があるし、楓は引っ込み思案で、上手くやれているかどうか……」
憂いを秘めた、その美しい横顔に見とれていた御堂は、慌てて視線を引き剥がした。
「ま、まぁ何だ、お前さんの妹なんだ、きっと全員大丈夫だろ」
「……ありがとうございます、御堂さん……」
いい年して、紅くなった顔を見られまいと、御堂は全身を外に向けた。
「…………雨、止まねぇな」
「そうですね……」
しとしとと降る雨を見ながら、御堂は無意識の内に、ひとりの少女の姿を、思い浮かべていた。
【御堂、千鶴、志保、巨木の洞で、雨宿り中】
【御堂の目的 犬飼の発見と仙命樹】
【志保の意識は、まだ戻っていない】
「で、どうするんですかーっ」
涙交じりの声で理緒が叫ぶ。
「さて、どうしたものかな」
落ち着いた声で、返答する英二。
隣にいる青年は、先程聞いた話によれば電波とやらを使って人を操ったり色々な事ができるらしい。
信じられない話だったが、簡単な実演までされてしまった以上信用するしかなかった。
常人にはない能力への畏れというのは不思議と沸かなかった、普段からTVでその手の特番にならされていたおかげだろう。
実際役に立つ能力だし、今はなんであれ”力”が必要とされているのだから。
だが、目の前にいるキノコ人間にはそれが効かない、つまりは唯一とも言うべき戦力も今は封じられたというわけだ。
金髪少女レミィが,何処から持ち込んだのか弓矢を敵に向けてはなっている。
しかし、それもたいしたダメージは与えていないように見える。
ここは、逃げの一手かな、うん、それがいい。
そう結論を出し、皆に呼びかけようとしたそのときだった。
「焼き尽くせ、炎よォ!!!」
そんな声とともに、天から炎の塊が振ってきた。
「なんだこりゃ」
英二は、そのあまりの驚きからそんな声をもらす、他の三人も同様だ。
巻き起こる砂煙と熱風、それが治まった頃、半径2mほどの焼け野原が出現していた。
その中心地、既にあのキノコ人間も胞子も影も形もなく、陽炎ゆらめく中人影一つふらりと立ち上がり。
「なんだ、他愛もない」
その第一声がこれであった。
声からは男性とも女性ともつかない、何処となく中性的な雰囲気を漂わせていた。
「あ、あれはイビルネ」
「レミィさん、だったっけ、君のお知り合いかい?」
「前に出会ったことのある悪魔ですよ」
「青年・・・君、いや、君達か・・・は、ずいぶんと交際範囲が広いようだね」
まったく、今日はなんて日だ。
自分が今まで生きてきた世界の価値観、常識が一瞬で崩れ去る感覚に目を回しそうになりながら緒方英二は心の中でそう呟いた。
「おい、お前等」
何時の間にか、こちらの方へと歩み寄ってきていたイビルがそんな声をかける。
「ん、お前等どこかで見た顔だな」
そう言って無遠慮に全員の顔を眺め回し、月島拓也のところでその目をとめた。
「ああ、そうか、この前ひなびた温泉地に出稼ぎに言ったときに見かけた電波使いの兄ちゃん達か
なにやってんだこんな所で、モンスターに襲われてたみたいだけど」
【月島拓也、緒方英二、宮内レミィ、雛山理緒、イビルと出会う】
【緒方英二はイビルの性別を明確には知らない】
ちなみに、以下のキャラはLF97に出ているキャラですのでお互い面識があります。
【DR2ナイト雀鬼】
アレイ フランソワーズ たま (メイフィア)
イビル (エビル) ルミラ (ショップね―ちゃん)
【フィルスノーン】
ティリア サラ エリア
【雫】
長瀬祐介 月島瑠璃子 新城沙織 藍原瑞穂 太田香奈子 月島拓也
【痕】
柏木耕一 柏木千鶴 柏木梓 柏木楓 柏木初音 柳川祐也
【To Heart】
藤田浩之 佐藤雅史 神岸あかり 長岡志保
来栖川芹香 来栖川綾香 保科智子 宮内レミィ
姫川琴音 松原葵 マルチ セリオ 雛山理緒 セバスチャン
また、ユンナ、コリンは喫茶エコーズに入るシーンが原作でありました。
従ってエコーズでバイトしている
藤井冬弥 七瀬彰
および、客として来店する
森川由綺(死亡) 緒方理奈
緒方英二 篠塚弥生 河島はるか
あたりとは、「知り合いでもなんでもないが、お互い顔を合わせた事がある他人」レベルでもおかしくはないでしょう。
鍵系は良くわからないです。
>425
マジかよ…あの熱い物語再び、な俺はいったい…
どうすればいいんだ。
436 :
名無しさんだよもん:02/01/07 17:18 ID:jVsmQGfF
>>434 鍵系ですが、戦術時代のキャラなら多少面識あったような……
ばらたくに入っている頭文字Tの伝説というRPGにて、多少。
戦闘がある意味辛くて全クリしてないんですが、たしか澪が妖精だったので下手したら夢オチなのかもしれません(^^;
まぁ、この作品は知名度かなり低いと思いますし無視してもかまわなさそうですね。
正直な感想を言えば実は島に招待されてたメンバーの大半は
もとから面識あって仲良かったんですよ。な展開も
さらに言えば 特殊能力マンセー 戦闘は火力が命 を合言葉に
ひたすら蹂躙される展開もどうかと思います。
なんというかそういうのと関係ない奴らの知恵を絞った闘いを
見たいできるなら書いてみたいというかなんというか……
439 :
RTO:02/01/08 00:23 ID:rjuMldNX
現在編集サイト作成中です……
次のスレッドが立つまでには何とか……するです はい。
外観的にはハカロワの編集サイト様と大体同じにし、かつちょこちょこと相違点を
作っていけたらな、思っております。
LF97の設定か……誰彼といい雀鬼といい未プレイな自分にはちょっと辛い…です
ここは思いきってファンディスク系の設定はとりこまない というのはどうか…
ゲーム間の面識はあまり濃くしないほうが面白い…と思います…
>>434 グラフィックはエコーズだったけど、
ただの使い回しのような気がしてならない・・・
具体的にエコーズを指示すテキストはなかった気がするし。
あと、志保が千鶴を紹介されているくだりがあるね。
祐介も浩之の事を「ほとんど初対面」と言っていたし・・・
仕方ないから
「フィルス・雀姫勢のみLF97出演キャラの一部と面識がある」
って事にしておくのがいいのでは・・・?
>>439 頑張って下さい。
編集サイトがあれば、現在状況が大分わかりやすくなって書き手さんたちも書きやすくなると思うので。
無理はせずに、学業や仕事に差し障りのないペースでまったりと作っていって下さい。
442 :
RTO:02/01/08 16:26 ID:rjuMldNX
>>440 最初の祐介と浩之のカラミを書いたのは僕なんですよね……
ええもう まったく初対面の人間同志と想定して書いていましたとも。ええ。
幸か不幸か雀鬼系キャラと他作品キャラのカラミはまだほとんど無かったと思うので
いまなら変更可能かな……なんて。
>>441 手遅れです(爆)既に支障が出まくりですけどまあなんとか頑張ります。
コピペ作業がこんなにも辛いとッはッ!
作品参照のほかにモンスター名鑑、死者情報なども予定しております。
とりあえず作品鑑賞部分だけでも完成させておかなければ…
千堂和樹は飛び起きた。
畜生、なんて夢だ。あたまがくらくらする。
手のひらから、足の先まで寝汗でぐっしょり湿っている。
----締め切りか?締め切りだったのか!?
幸せで、不幸な考えがふとよぎる。無論、それが場違いな幻想である事に気付くまでそうは時間を要さなかった。
島。テーマパーク。モンスター。放送。ジープ。館。パペット。3倍。
最近の記憶が頭の中からよみがえり、今度こそ完全に和樹は目覚めた。
----対策だ。ここからの脱出策を考えているうちに、眠く----
「瑞希!由宇!詠美!」
自分と共にいたはずの人物の名前を呼ぶと共に、目に付いたものからとにかく揺する。
最初に目をさましたのは詠美だった。
「……ヒッ!か 和樹 来ないで お願い!」
そして目を覚ました詠美は、和樹の姿を確認するなり顔色を恐怖のそれに変え、和樹から遠ざかる。
「どうしたんだ詠美?俺だ、千堂和樹だよ!」
「そうよ!和樹よ!!だからお願い、あたしに……って あ……夢……?」
錯乱した声色が元の様子に戻り、詠美はその場にへたり込んだ。
「あ、あたし……寝てたの?あ あはは なによぅ そうよね したぼくが、あんな……」
肩を震わせながら、それでもいつもの調子が戻ってきたらしい。
「ああ、俺達みんな眠ってたみたいだ。俺は瑞希の奴をたたき起こしてやるから、おまえは由宇を頼む」
言うなり、詠美は手近の椅子を頭上に掲げて眠れる由宇に近づいていく。それをどうする気だ、とは聞かないで置いた。
「瑞希、起きろよ。瑞希」
詠美と同じく、瑞希もまた軽く揺すると目を覚ました。
「かず…き…?」
うっすらと目をあけて、瑞希はそうつぶやいた。
「おはようさんみず……どゎっ!?」
「和樹…よかった…和樹…!」
おはようさん瑞希、と言いたかったのだがそれよりも、瑞希が抱き着いてくるほうが早かった。
おいおい、詠美女王様とえらい違いだな。和樹は内心そう思った。
「わ わかったから離れろ……いったいどんな夢みてたんだお前……」
「それがね……あんなに嫌な夢だったはずなのに、覚えてないんだ……」
「……なるほどな。」
瑞希のその言葉を聞いて、和樹も考える。
あれほど寝汗を書くほどの夢だったのに、俺といい瑞希といい夢の内容を覚えてない。
そういえば詠美の様子も何かおかしかったか。どうせ忘れてるとは思うが………
「おい詠美。おまえ、どんな夢見てた?」
返事は無かった。
「……詠美?」
もう一度呼びかける。
「……和樹……どうしよう、パンダが目を覚まさないよう……」
震える声で、やっと詠美はそれだけ声を絞り出す。そして、すべてを聞き終える前に、もう和樹は由宇のもとに駆け寄っていた。
「由宇!おい、由宇!おいったら!」
怒鳴り散らしながら、ひたすら肩を揺さぶる。だが、すやすやと弱々しい寝息を立てる由宇は、一向に目を覚ます様子が無い。
ふと、和樹は由宇の胸の辺りに添えた左手がやけに冷たい事に気がついた。
「……な…んだよ、これ……」
和樹の左手は、いた、由宇の胸には、いつしか真っ赤な染みが広がっていた。
よく見なくてもわかる。血だ。
「ちょっとぉ……いやだよう、パンダ、ぱんだぁ」
目に涙を溜めながら、詠美が声を絞り出している。瑞希も声をかけてはいるのだが……
由宇の寝息はだんだんと弱くなり……ついに、息をする事は無くなった。
「…………!」
「嘘……嘘よね、パンダ……由宇……?」
動かない由宇を詠美に預け、和樹は後ろを振り返る。視線を感じたからだ。
美しい女性が立っていた。近寄りがたい雰囲気ではあるが、日常生活の中においてなら心を奪われてしまうのではないかと言うほどの。
ずっとそこにいたのだろうか。気が動転していて気付かなかっただけなのかもしれない。
「あんたが、やったのか。」
その声で瑞希がその女性の姿を確認した。思わず、きれい という声が漏れた。
「あんたがやったのかよ。」
再び和樹は問い掛ける。女性は答えなかった。
それで和樹の中で何かが切れた。女性にかけより、胸ぐらをつかんで怒鳴った。
「あんたがやったのかよ!俺達がへんな夢を見たのも、その間に由宇を殺したのも、みんなあんたがやったのかよ!!」
それで、館に沈黙が落ちる。
しばらくの間、和樹は女性をにらみつづけていた。詠美も泣きやんでいるらしい。瑞希は……どうしたかな。
間もなく、雨の音が聞こえ始めた。
【猪名川由宇 死亡】
【和樹がつかみかかっている女性は前回の妖精の女王 マブ】
446 :
RTO:02/01/08 21:20 ID:rjuMldNX
というわけで「目覚めと別離と」です。
しかし……何かを忘れている気がしてならないが……(アレイではなくね)
「さて、どうしたものかな」
竜の巣出口まであと0kmと書かれた看板を抱えて祐一がつぶやいた。
「あと10kmも歩くしかないのか……」
「それしかないな」
「それしかないか……」
祐一と北川は壊れたジープの上で途方にくれていた。
あたりにはゲームの世界そのままの光景が目の前に広がっている。
さっきまであんなに楽しみだった光景なのに、今は恐怖の対象でしかなかった。
「ドラゴンだらけのモンスターハウスを10kmも歩いて横切るのか」
祐一が空を見上げると、ワイバーンやワイアームが空を飛んでいるのが見えた。
「最悪のゲームバランスだよな」
北川が左右を見まわすと、ファイアドラゴンが歩きまわっている姿が遠くからでもよく見える。
はっきり言うと、今生きているということ事態が奇跡であった。
「さてと、そろそろ歩くか」
「というか、走った方がいいかもな」
北川が背後を指差す。
祐一がその先に視線をうつすと、そこには二人を眺め、よだれを垂れ流す竜が一頭。
「どうすればいいんだ」
「さあな」
命がけの鬼ごっこの幕開けであった。
【祐一・北川 ジープ放棄】
【二人は竜の巣出口を目指して出発】
>>447 ということで、読み手なりに頑張ってみました。
内容はほとんど無いのですが……(^^;
もう読み手では無くなったね。
といっても、読み手であり、書き手でもあるのか…。
目の前を、ゆっくりと横切る恐竜。
それは、太古の昔に絶滅したはずの、ステゴサウルスだった。
背中に張り出した、いく本もの板をゆっくりとうねらせ、それは道を歩いていく。
「……さて、どうしたもんかな」
恐竜公園を前に、さすがの耕一も二の足を踏んでいた。
巨大な羊歯の陰に潜みながら、そっと拓けた丘を見渡す。
ステゴサウルスなどの草食恐竜なら、まだいい。
動きは鈍いし、踏み潰されないように気を付ければ、それほど危険はない。
問題は、肉食恐竜だった。
それも、大型よりもむしろ、ディノニクスのような中型で、群れで狩をする恐竜が、一番厄介だった。
耕一とて、ジュラシックパークぐらい、見た事がある。
あれでも、知性の高いディノニクスに、主人公たちは苦しめられていた…はずだ。
空が曇ってきていた。
泉のそばで、マイアサウラが一声いななきを上げる。
「……雨が来る……これは、チャンスかな」
恐竜は、変温動物……つまり、爬虫類のように、気温が下がると動けないような動物ではない。
哺乳類と同じ、恒温動物である、らしい。
大学生の耕一は、大した知識を持っているわけではないが、一般常識程度の知識はある。
だがそんな恐竜でも、さすがに雨の中をうろついたりはしないだろう。
次第に、視界の中の恐竜が、一頭、また一頭と、森の中に姿を消していく。
同時に耕一の頬に、ぽつぽつ、と雨粒が降り注ぎ始める。
「……よし、今だっ」
雨の中、鬼の力を全開にし、耕一は羊歯の陰から、凄まじいスピードで飛び出した。
草原を駆け抜け、大地に深い足跡を残しながら、耕一は疾走する。
一分一秒でも早く、初音や楓を助けなければいけない。
蒸気のように荒い息を吐き出し、耕一は滝のような雨の中を走っていた。
だがその時、何かが視界を横切る。
「!?」
馬、とその姿を認識した時には、耕一は激しく突き飛ばされていた。
走っていた速度そのままに、地面に叩きつけられながら、耕一は素早く受身を取る。
ずざああぁ、と数メートルを滑ったところで、耕一は立ち上がった。
あたりに気配はない。滝のような雨が視界を遮っているとはいえ、鬼の感覚で探れないのは、
耕一にとっても意外だった。
再び、雨のヴェールの中に、黒い影が浮かぶ。
一抱えもありそうな、巨大な蹄での踏みつけを、耕一は間一髪、横に跳んでかわした。
「……やっぱり馬か…だが、どう考えても、まともな馬じゃねぇな」
2メートルを軽く超える巨体が、再び雨の中に消える。
耕一はひとりごちながら、全身に力を込める。
瞳が紅く染まり、足元の地面が、その体重に耐え切れず、ゆっくりと沈んでいく。
三度、馬が迫った。
「でりゃあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
真正面からの蹴りを飛び越え、耕一はその巨大な馬の背中にしがみ付いていた。
すかさず、足で馬の首を挟み込む。いわゆる、カニバサミ式首締めである。
例えモンスターでも、なるべくなら命を奪うことはしたくなかった。
だが。
「嘘だろ……!?」
馬の首が、180度回転し、耕一の太ももに喰らい付いていた。
噛まれた太ももから血が流れ、激痛に耕一は顔を歪める。
「ぐぅっ……こいつっ!」
その時、耕一の鋭敏な聴覚は、この雨の中、小さな機械音を捕らえていた。
モーターが振動し、ポンプが軋む音。それは、この馬の中からだった。
「くそ……いちかばちか……せいっ!!」
耕一は自らの腕を高く振り上げ、力の限り、馬の腹に叩き付けた。
覚悟していた、肉と血のぐにゅりとした感覚ではなく、硬い鉄とコードを突き破る感触が伝わってくる。
「偽物か……そうとわかれば、遠慮しねぇぜ!」
馬の腹に突き刺していた腕を滅茶苦茶にかき回し、コードを引き摺り出す。
振動していたモーターを破壊すると、馬はようやく動きを止め、地面に倒れこんだ。
「……おかしい。他の動物は、確かに生身だった…なんでこいつだけ、機械人形なんだ……?」
太ももから流れる血を止め、耕一は目を細める。破壊された馬は、ぴくりとも動かない。
『……ザザ……君が…ザ………柏木耕一か』
いきなり聞こえてきた声にも、耕一は動じなかった。
この馬が機械だとわかってから、薄々予想していたことだったからだ。
「あんたが、超先生か。この馬は、門番だったんだな」
聞き返しながら、耕一は少女のようなその声に、内心驚いていた。
『ああ…君たち柏木一族は、実に面白い能力を持っているようだ。だが、それは私の思い描いていた
リアルリアリティの追求には、少しばかり邪魔なのだよ』
倒れた馬の目が、無機質な輝きで耕一を見つめている。
『見たまえ、あれが君の目指している、第一コントロールベースだ』
少女の声に、顔を上げると、雨の中、ぼんやりと浮かび上がる巨大な岩山が見えた。
鋭敏な耕一の視覚が、その岩山の一角に、入り口が開いたことを確認する。
『君を招待しよう。どうぞ入ってきてくれたまえ……だが、命の保証はできないがね』
耕一の足が、馬の頭を踏み潰した。
「……いいだろう、お前のゲームに乗ってやる……そして必ず、後悔させてやるからな」
>>373-374 の続きです。
【耕一、第一コントロールベースへ侵入】
このベースが、朝鮮製のいるベースとは限りません。
朝鮮製は、いくらでもリモコンで操れますし。
今回のモンスター
*ケルピー*
スコットランド伝承に出てくる、水の中に住む馬。
今回出てきたのは、朝鮮製の目となる、機械のフェイク。
喫茶店にて
「ここってさ、TV局のすぐそばじゃない?
だから、たまに芸能人とか、来たりするんだって」
位しか言ってないんで、=エコーズとは限りませんね。
ま、こっちは書き手の都合でどうとでも出来るということで
>ここは思いきってファンディスク系の設定はとりこまない
ワンダリング・・・では楓が瑠璃子さんの能力に着いて知ってると明記してあるし、
フィルスキャラをこっちに持ってくるに当たってLF97に触れないわけにも行かないんですよね。
それに、そんな事言われたらファンディスクでしか出てこないNightWritterキャラの立つ瀬が無いしー。
面識も無いのに特殊能力を何故かあっさり受け入れるキャラ続出ってなりそうですから。
月島兄の目に見えない電波を何故かあっさり受け入れてる緒方英二みたいなのがさ。
>雀鬼知らん
まぁ、マイナーキャラについては簡単な説明テンプレでも作るかね。
閃光。そして、
――ズダンッ!!
何度目かの攻撃が怪物に叩きつけられる音が鳴り響く。
・・・力が、うまく入らない
・・・喉が、痛い
・・・呼吸が、苦しい
・・・・・・・・・
・・・くそ、何やってるんだ?俺は・・・
少女の手が白く光る。
強いが、決して眩しくないその光は濃度を増すに従って物理的干渉力を持ち、
弾けた時に発生する衝撃波が怪物を吹き飛ばす。
――ズダンッ!!
小細工なしの魔力を相手に叩きつける。
それは、攻撃用の呪文を習得していないなつみにとって唯一の攻撃魔法であった。
・・・・・・それが・・・
――ズダンッ!!
この怪物にはほとんど通用していない。
鋼鉄製と見紛うほどに丈夫なこの怪物は
なつみの魔法を受け、転倒しても、何事もなかったように起き上がってくるのだ
・・・幸、知能は低いらしく、食事の邪魔をされた怒りで
なつみ以外の姿は目に入っていないらしい。
こうやって魔法で刺激している間は往人達の安全は確保されるようだった。
「うっ・・・」
片手で喉を抑えながらゆっくりと起き上がった。
「あ!お兄さん!
気が付いたんですね!?」
「・・・・・・くそっ・・・」
イライラしげに辺りを見回す。
怪物や売店の辺りで視線を止めるが、すぐにまた視線を移してしまう。
「お兄さん!
そんな事してないで、今のうちに早く隠れるですよ!」
「そんな事っ・・・
・・・・・・ん?
丁度いい、それを貸してくれ」
貸してくれ、と言いながら千紗から武器のビンをふんだくり、
そしてそのまま大きく振りかぶる。
「にゃあっ!?だめですっ!!
そんなことしたら怪物さんが怒っちゃいます!!
そうしたら今度こそ千紗もお兄さんも怪物さんに食べられちゃうですよ!!」
だが、千紗の悲鳴が終る頃には既に、ビンは綺麗に宙を舞っていた。
――ガチャーーンッ!!
怪物の頭部に直撃したビンは砕け散り、中身の白い液体と共に周囲に飛び散った。
しかし、やはり大したダメージにもならなかったらしく、
怪物は、「ギョロリ」とその視線を往人達の方へと向けた。
・・・・・・その背後で、何が起っているか気づかずに・・・
往人が念を込めたビンの破片は、地面に落ちずに空中で停滞していた・・・
「お返しだっ!!」
声と共に、ビンの破片が一斉に四方に散り、全方位から怪物に襲い掛かる。
狙うは・・・喉
――ガガガッ!
次々と破片がヒットするも、分厚い筋肉によってそのほとんどが弾きかえされてしまう・・・
その中で・・・・・・
――ザシュッ!!
一番大きく、鋭い破片が怪物の顎の裏に突き刺さる。
・・・・・・一瞬の沈黙。
そして、「プシュッ!」という音と共に、緑色の体液が突き刺さった破片を押し流した。
「オオオォォオォオオォォォオッッッ!!」
怪物が初めて聞かせる悲鳴。
怪物は、よろよろとニ、三歩よろめいた後、「ズシン」と音を立てて崩れ落ちた。
「・・・・・・
ザマア・・・ミロ・・・」
そう言って、往人もまた、その場で崩れ落ちた。
【往人・千紗となつみ合流】
【往人 法力を使い果した上に意識不明】
往人の法力でここまでの事ができるか疑問ですがw
一応戦闘終了です。
ちなみになつみが使った魔法は、原作でココロが結花に対して使った物です。
というわけで、LFTCGのオフィシャルガイドブックを元に簡単なキャラ説明を作ってみたよ。
【DR2ナイト雀鬼】
「アレイ」
全身をごっついプレートアーマーで包み込んだ美少女魔族。
礼儀正しい性格で鎧の下の本体は以外にスレンダー。
怪力の持ち主で、このアーマーは腰を悪くした祖父の代わりに着せられている。
格好良かったころのルミラの話を祖父に聞かされて育ったので、ルミラを超・尊敬している。
「フランソワーズ」
ソウルもスピリットも感じられ無い、魔術により作られた物、コンストラクター。
代々デュラル家にお仕えする自動人形。(オートマータ)(NWより)
「たま」
性格、言動全てが猫そのものの獣人娘。
猫に変身する能力を持っていて、お腹がすくと普通の猫を装ってご飯をたかりに行くことも。
「メイフィア」
絵の中の世界に住み着く風変わりな魔族で、相手の能力をコピーする力を持っている。
常に自分のペースを崩さない飄々とした性格の持ち主。
(NWより)16世紀末、ヨーロッパのとある田舎町に住んでいた1人の魔女が、永遠の若さを手に入れるため、体を捨て、自画像の油絵に魂を移した。
魂だけになった今でも、時々仮の体に宿っては町を徘徊している。
「イビル」
一見すると男の子に見えるが、れっきとした女の子悪魔。
エビルとは180度性格が違うので、衝突する事が無い。
「エビル」
死神の鎌を常に携えているイビルと仲良しの女の子悪魔。
NWによると死神らしい。芳晴と同じCDショップ勤務。
「ルミラ」
魔族達のリーダーを務める女吸血鬼。
金にうるさい性格らしく、『LF97』では花火大会の日に屋台を開いて小銭を稼いでいた。
かつては広大な領地を手にしていたが、今では住んでいた館さえもとられてしまった。
「バブルの時は・・・」
【ナイトライター】
「城戸芳晴」
祓魔師の家系の出で、小さい頃からのコリンのパートナー
ユンナの魔法で一度死ぬが、コリンの起こした「奇跡」により蘇る。
「コリン」
地上勤務の芳晴の守護天使、壁抜けシールドを張るなどの特殊能力がある
翼の小さい駄目天使だったが、ちょっとだけパワーアップしたらしい。
ちなみに、天使の翼は馬鹿には見えないらしい。
「ユンナ」
『上の世界』の安全保障理事会から正式に地上に派遣されている天使。
コリンを騙して雀鬼一家を捕まえさせ、城戸芳晴を操ってエビルと戦わせたこともある。
「ウィル」
国際法違反の重罪犯。
とある事件で、関わっていた魔物を皆殺しにした超危険な天使。
鑑別所の精神鑑定によると、イカレ頭の戦闘マニアらしい。
【フィルスノーン】
「ティリア」
光の神の末裔たる美少女剣士で、フィルスソードを操れる唯一の存在。
いつも元気で明るく、自ら率先して仲間を引っ張っていくムードメーカー。
「エリア」
ガディムによって両親を失い、その敵を討つ為にティリアたちと共に旅する少女。
強力な魔法の使い手で、その力でティリアの戦いをサポートする。
「サラ」
女だてらに盗賊団のリーダーを務める気丈な女性。
ひょんな事からティリアと知り合い、共にガディム打倒のために旅立つ。
「サークレット」
エリアの母の形見、全ての状態異常を防止する。
サークレットを通して魔法を放つことで通常魔法に対するバリアを貫通するシーンも。
矛盾点は補間シナリオでも作って説明つけるかな。
先程の建物には、実に様々な物資が置かれていた。
銃器類、刀剣類、弓矢・ボウガン等の武器類に加えて、ボトルの水や乾燥食料、
果てには、手鏡や耳栓、爪切り等の細々した物まであった。
ご丁寧な事に、建物のモニタには武器類の使用法まで記されていた。
超先生とやらの配慮だろうか。有難くて涙が出る。
中には度の過ぎたオカルトまがいの説明も多く、
信憑性の程は怪しいものだったが、銃器の使い方だけは一通り覚えておいた。
(当たり前ではあるが、外部とは繋がらなかったか)
足音を気にしつつ森を歩きながら、久瀬は考える。
一時は混乱していた久瀬だったが、ようやく頭が働き出してきた。
隣を歩く澪をちらりと覗く。まあ、可愛らしい容姿とは言えるだろう。
『ありがとうなの』
建物内で澪の意識が戻ってからの第一声がそれだった。最も澪は喋れないので、スケッチブックに書かれた文字が声の代わりだ。
知り合ったばかりといえ、目の前で二人もの人間が死んでいる。澪の脅えようは相当な物だった。
だが、久瀬が思っていたより早く澪は立ち直り、礼を言った。意外と順応性が高い。
その後二人で話し合い、とりあえず仲間を探しつつ通信設備のある管理施設を目指す、という結論に至った。
話し合いとはいっても、久瀬が自分の考えを述べ、澪が「うん、うん」とうなづくだけであったが。
そして、嫌がる澪に半ば無理矢理、銃・ナイフを持たせ、出発した。
(しかし、何故この期に及んで武器を持つ事を嫌がるのか、理解できないな)
疑問に思いながら歩いていると、くいっ、くいっ、と服のすそを引っ張られる。
「どうしたのかな?」
『あそこに何か倒れているの』
澪が指差すほうを見ると、小さな、爬虫類と思われる動物が倒れている。
慎重に近づく。
「ドラゴン、か」
それは、神話や漫画、ゲームで頻繁に登場するドラゴンと呼ばれる生物に酷似していた。
「まだ子供のようだね。しかし、こんな生物まで…」
主催者の科学力は人知を超えているように思える。魔法でも使ったのだろうか。……馬鹿らしい。
『怪我してるの』
子ドラゴンは、右後ろ足から血を滴らせていた。
(さて、どうするか。目が覚めた時に襲われたら困る。まだ子供とはいえ、火を吐く可能性もある。ここで殺しておくか?)
冷静に考える。と、澪がスケッチブックを差し出す。
『病院に連れて行くの』
「それは駄目だね」
即座に答えると、澪は「どうして」とでも言いたげに久瀬を見つめる。
「そのドラゴンが気が付いて僕らを襲ったらどうする?それに、親のドラゴンがいれば、
僕らが傷つけたと勘違いするかもしれない。そうなったら終わりだよ。さらに言えば、そのドラゴンは流血している。
血の匂いに惹かれた獣達が寄ってくる可能性もある。ここに放っておくか、いっそのこと殺しておくのが最も安全だね。
僕らは今、自分達の安全を第一に考えるべきだ。違うかい?」」
澪は必死に首を横に振る。どうしても見捨てては行けないらしい。
『絶対駄目なの 助けるの』
「どうしてもそのドラゴンを助けるつもりかい?」
「うん、うん」と必死に首を縦に振る。
馬鹿が。
「そうかい。それじゃあ、ここからは別行動だね。僕は余計なリスクを背負うなんて馬鹿な真似はしたくないんでね」
そう言い捨て、久瀬はさっさと歩き始める。
(全く、どうして簡単な理屈が分からないんだ。まあいい。役立たずは必要ない。運が良ければ彼女も生き残れるだろう)
後には、目に涙を浮かべて子ドラゴンを抱きしめる澪が、一人残された。
【久瀬 澪を見捨て、仲間を探しつつ通信施設へ】
【澪 怪我をした子ドラゴンを拾う。久瀬と別れる】
【両名とも、銃器・ナイフ所持】
二番目タイトル間違えた・・・。利己心 2でお願いします。
>>95 >>101 の続きです。
葉鍵キャラはいいひとばかりなので、嫌なやつも少しはいていいかなと。
武器庫の設定はかなり適当なので、後の人、適当にアレンジして下さい〜。
「で、まだかよ、武器博物館とやらはよぉ」
ぼやき声が聞こえる。
「さっき案内板があったんだからもう直ぐだよ、きっと」
「しかし、ヒロくんは相変わらずだねー、あの時も」
「なんだよ、あの時って」
「あの時だよっ、ほら・・・花火大会の」
そんな他愛も無い会話だったが、聞きつけた方にとってはまさに天の声にも等しかった、とは大袈裟だろうか。
「ちょっと、今の聞いた? エリア、サラ」
”ヒロくん”探して三千里、少し歩きつかれた顔のティリアが同行の二人に呼びかけた。
「ん、ああ聞こえたよ」
「どうやら直ぐ近くにいるみたいですね」
「そうとわかれば! おーい」
早速、呼びかけを始めるティリア、エリアもそれに続いた。
「浩之さーんどこですかーー」
「ん、なんだ今のオレを呼ぶ声は」
「誰か女の子が浩之ちゃんを呼んでるみたいだね」
なんだも何もそのまんまじゃないか、と祐介が心の中で突っ込み、いつものようにあかりが律儀に応える。
「ふ、オレもすっかり人気者だな」
何故か自慢げになる浩之、しかし。
「あ、でも、女の子と見せかけて、実はモンスターかもしれないよ、浩之ちゃん」
何故か沙織があかりの声真似をして茶化す、それを聞いた浩之曰く。
「おお、そうか、なら・・・おーいオレはこっちじゃ無いぞー」
「ひ、浩之ちゃん・・・」
「んだよ、あかり」
「ううん、なんでもない」
まったく、すっかり夫婦漫才だ、そう祐介が再び心の中で突っ込みを入れると同時に、
何ふざけてんだか、とにかく今からそっち行くから待ってなさいよ、と、どこからかの声が帰ってきた。
「OK、OK、じゃ、三秒だけ待つな、3,2・・・」
「ばぁ」
「どわっ!」
イキナリ目の前に現れた赤毛の一本お下げの少女に驚きのけぞる浩之だった。
「ち、ちきしょう! 卑怯だぞ!まるで遠くにいるみたいな口ぶりで騙しやがって」
「遠かったら、あなた達の話し声が聞こえるわけ無いじゃ無い、まったく」
ブツブツという赤毛の少女、それを押しのけてその後ろの小柄な金髪少女が前に出る。
まるで、90年代のファンタジーマンガに出てくる魔道師のような格好だった。
「とにかく、おひさしぶりです、皆さん」
「ほんと久しぶりだよね、ティリアさん、エリアさん」
沙織が笑顔で応えた。
「なに、こいつ等はお前らの知り合いなのか?」
祐介に尋ねるが、祐介も知らない、といった顔を返してきた。
「ほんとに私たちの事分からないの? ちょっとこれでも見て思い出しなさい」
といって突き出された、ポラロイド写真を浩之が見ると、其処には自分や祐介、よく知った仲間よく知らない人たちが映っていた。
・・・知らない、いや違う俺はこの人たちを知ってる。
「あ、ティリアか、あの異世界からきた!」
まるで何かの枷が外れたように、記憶が戻ってきていた。
「ふふん、ようやく思い出してくれたみたいね」
「へへ、わりぃわりぃ」
そういって、浩之は照れくさそうに頭を掻いた。
「でも変なんだよな、さっきまではほんとに全然わかんなかったんだけど、今ははっきりと分かるぜ」
「僕もだ、この島に来て浩之達と再会したときは、まるで浩之達のことおぼえてなかったのに」
「んー、そういえばあたしも、そうだったかなぁ」
「私もだよ」
「あ、それはもしかすると、復元作用のせいかもしれません」
なにそれ、と、ティリアがたずねると、エリアはあくまで仮説ですけどと前置きして話を始めた。
「あのですね、この前の事件でこの世界は大規模な異世界からの干渉を受けましたよね」
「ああ、確かにあれは凄かったよな」
破壊伸ガディム、その姿を思い出したのか、体にかすかな震えが来ていた。
「ラルヴァ、私たち、そして破壊伸ガディム、これらによって受けたダメージはこの世界にとってもかなり大きな物だったんではないでしょうか」
「まぁ、確かによその世界から侵略を受けるって言うのは大っきいダメージよねぇ」
「たしかに、無理矢理ってのは良くないな」
「ヤダ、ヒロくんってば」
と、沙織がほほを赤らめ、肩に乗っていたコロポックルも、意味もわからず同調してほほを赤らめた。
「とにかく、そういった干渉によって起きた空間のひずみを、自然と修復しようという力が働くわけです」
「それが、なんでオレたちの記憶まで消しちまうんだ?」
「多分、ダメージが大きかった分だけ、過剰な反応が出てしまい空間だけでなく他の要素も巻き込んで、
私たちが与えた影響をできるだけ減らそうとした結果、浩之さん達のようにこの前の事件に関わった人間の記憶にも干渉が起きて、
今回みたいな影響が現れたんじゃないかと思うんです」
「事件自体が夢だったかのように思い込んじまったってわけか」
「ええ、でも、それが、私たちという”存在”が再び現れた事でカムフラージュが崩れて、
人間でいうフラッシュバック現象のようなものこの世界に起きたんじゃないかと思うんです」
「なるほどねぇ」
そうは言ったものの、よく分かったような分からないような表情を浮かべるしかない一同。
「で、特に浩之さんや、祐介さんは他の方より事件に深く関わっていた分、私たちのことを思い出すのが遅れて、
沙織さんやあかりさんはかかわりが薄かった分私たちがこの世界に来ただけで記憶が取り戻せたんじゃないかと思うんです」
「まぁ、細かい事はどうでもいいわよ」
難しい話は終りとばかりに、ティリアがいう。
「とにかく、思い出してくれたんならそれでいいじゃ無い」
満面に笑みを浮かべてそういった後、不意に真面目な顔になる。
「ところで、浩之たちに一つ質問があるんだけど」
「何だよ・・・」
「ココはドコなの?」
ズルッ、と思わずこける浩之たち。
結局、ティリアたちに道すがら事件を説明しつつ武器博物館への道を急いだ浩之たちであった。
【藤田浩之、長瀬祐介、神岸あかり、新城沙織の四人がティリア・フレイ、サラ・フリート、エリア・ノースらと再会】
【所持品追加:パーティの写真】
訂正
誤「ほんとに私たちの事分からないの? ちょっとこれでも見て思い出しなさい」
といって突き出された、ポラロイド写真を浩之
正「ほんっとーに、ティリアたちの事思い出せないの? ちょっと、これでも見て思い出しなさいよ」
といって沙織に突き出された、写真を浩之が見ると
というわけで、強引なこじつけ話です。
写真をティリア達が持ってるはずが無い、という事実がLFやり直して分かったので文章訂正です。
474 :
RTO:02/01/11 18:31 ID:Dei5q6HP
風邪を引いたり来週から学校のスキー合宿だったちとサイト作りが難航しておりますRTOですこんばんわ。
こうして製作が遅れれば遅れるほどどんどん作品が溜まっていって地獄を見るのは自分であると病床で気付き青ざめた次第です。
>>460-461 解説ありがとうございます。先日初音のないしょを友人宅より強奪してきましたのでそれとあわせて参照させていただきます。
サイト公開は15日までになんとかしますです……
岩切って、雨降ってたら水中並に動けるんだっけ?
>>474 じんわりゆっくり頑張ってくだされ。
何も一度に全て上げる必要は無いですし。
しかし、スキー合宿……?
ひょっとして、リアル高校生……?まさか、ね。
477 :
名無しさんだよもん:02/01/11 22:03 ID:k86U1NVi
>>476 サークルなんで無い?
>>460-461 解説有難うございます
もしよかったら戦闘能力の方も詳しく書いてくれるとありがたいです。
やっぱやったこと無い人にはパワーバランスも分かってないと書きにくいので
下がりすぎてるので1回アゲ
478 :
まみ:02/01/11 22:10 ID:GbXAA+5q
479 :
460:02/01/11 23:55 ID:ffc8wYqD
にしてナンバー10、36、49、恋堕、館雨,天降、再会作者です
RTO氏
こっちこそ偉そうに色々言うて申し訳ない、読み返すと何偉そうにいってんだとか自己ツッコミしたくなりました。
>475
その筈、湿気の多い洞窟でもOKだし。
477
今作ってるのでしばし待たれよ
480 :
460:02/01/12 00:13 ID:3WILJlin
意外と時間がかかるので明日以降になりそう>戦闘力
>>479 「○○の作者です」って名乗るんだったらさぁ、いっそコテ名乗れば?
>>449さん
自分の中では読み手のつもりです(^^;
普段は読み手で、ネタが思い浮かんだら書いてみるてな感じで。
こんなヘタレでも書き手の一人と思っていただけるのでしたら、それはとても嬉しいです。
最近、サバイバルもファンタジーも進行が止まってるね
戦闘能力評価ネタばれあり
雀鬼、LF97、LFTCG、NW辺りから類推したものです。
【DR2ナイト雀鬼】
「アレイ」
TCGではダメージを-1する防御能力あり、鎧が無くてもかなり丈夫っぽい。
水無月先生によると、たま、さおりん、初音ちゃんらとともにアホ属性があるらしい(笑)
初対面の相手にはちゃんと名刺を差し出すように(重要)
怪力だがドジな性格で命中率が悪い
「フランソワーズ」
不出来な人形で上手く手加減できないらしい。
電波で操られた人間クラスを想定している。
「たま」
猫科動物
猫ひっかきや猫ジャンプなど、量産型千鶴さんといった趣がある。
「メイフィア」
恐らく魔法系相手を眠らせたりできるし、額縁アタックは止めといたほうが無難か。
相手の能力コピーも出来るらしいが?。
「イビル」
炎を操る、槍も使う、空が飛べる。
葉っぱの草薙京といわれているとかいないとか。
「エビル」
死神だけあって相手を呪殺できるかわされたりもするけど。
また、死神の鎌ももっているのでかなり強い。
「ルミラ」
吸血、闇の波動、魅了の視線、などなど。
一見強そうだが、LF97では聖なる力に弱いし、魔属性への耐性をもつキャラもそれなりにいる為に、
そこそこのレベルにとどまっている、ゲームバランスもあるしな。
イビル、エビル、ルミラの3名が揃うと合体技も使える。
【ナイトライター】
「城戸芳晴」
コリンとの組んでフルパワーを発揮すると、攻撃力がセラフィムクラスまでに達するらしい。
彼の攻撃はキリスト教の力を使うため、天使には大してダメージを与えられない。
呪文詠唱(タイピング)がきちんとできないと実力を発揮できない。
「コリン」
壁抜けや、シールドをはる能力あり。
因みに、天使と悪魔は直接対決を行うと、お互い一撃が致命傷になりかねないため、人間の代理(パートナー)を立てて戦うのが普通らしい。
人間を復活させる奇跡は、芳晴がコリンのパートナーであったから発揮されたものなので、サバイバルでは発現することは無いとおもわれ。
「ユンナ」
人間を操る事が出来る、特に聖職者は操りやすいようだ。一撃で芳晴を殺せるくらいの力も持っている
後はコリンと同じような能力があり、コリンより優秀。
柳川、御堂、岩切がすっかりいい人となりつつあるサバでは貴重な悪役系キャラ。
「ウィル」
いっさい不明、名前しか出てこないし、サバイバルでも出てこないでしょ。多分ユンナやコリンよりは強い。
【フィルスノーン】
「ティリア」
光の神の娘、フィルスで言う神は人間の中でも特に凄い力をもつ存在をさすらしい。
特に全体攻撃威力中の魔法ライトニクスは相手の動きを止める効果があるため、雑魚戦ではまさに無敵状態、光系以外の攻撃魔法も一応使える。
回復魔法も回復中程度全体や全回復、戦闘不能HP半分回復など使えるものが揃っている。
こちらの世界では能力が制限されるため完全には力を発揮できないようだ。
「エリア・ノース」
火と風の魔法が得意(単体から全体まで)
さらにドラクエ風に言うとバイキルトやマホトーン、ザオラル、ザオリク、ホイミ系各種等などさまざまな補助、回復魔法を使う。
さらに、LF97では魔法のバリア(リンクス?)で相手の攻撃も防ぐシーンも、凄い。
しかし、LF97では一部能力しか使えず1on1では打たれ弱いため、強くは無い。
「サラ」
鞭の攻撃は敵横1列を攻撃。
氷の魔法を使い、回復もヒール程度なら使える。
ちょっと気になってLF97のシナリオをなぞってみた所、
メイフィア姉さん爆弾発言。
「しょうがないでしょ。たまは喋れないし、料理もヘタなんだから」
確かに、たまの台詞は全部アレイが通訳してます・・・
・・・・・・今から適用する?
>>486 ナイトライターでしゃべってたから、いいんじゃない?
澪は泣いていた。
子ドラゴンは死にそうで、仲間には置いていかれ。
どうしようもない恐怖と孤独の前になすすべも無く泣いていた。
いつまでもここで泣いていたってしょうがない事はわかっている。
久瀬の言っていた事だって、本当は理解できていた。
でも……
(傷だらけのこの子を、こんな場所に一人で置いてはいけないの……)
自分には何も出来ない。
ドラゴンのそばに自分がいたところで、何の意味も無い事はわかっている。
だから、泣く事しかできなかった。
「どうしたんですか……?」
背後から聞こえた音に、澪は慌てて振り返った。
「あ、びっくりさせてしまいましたか?」
背後に立っていたのは、真っ白なワンピースを着たとても綺麗な少女だった。
誰だかはわからない。
悪人ではなさそうだけど、近くにドラゴンがいるとわかればきっとまた久瀬のように自分を置いてどこかへ行ってしまうだろう。
それがとても怖いから、澪は自分の背中と荷物でそっとドラゴンを隠した。
「はじめまして。私はきよみって言います」
優しい微笑み。
さっきまでとは違う意味で涙が溢れてくる。
「あ、ごめんなさい」
『大丈夫なの』
涙をぬぐう。
『上月 澪って言うの』
「こ…うづき、みおちゃん?」
『はいなの』
「よろしくお願いします」
『よろしくなの』
二人揃ってぺこんと頭を下げる。
顔を上げてすぐ、きよみはしばらく考えこみ、口を開いた。
「あの、もしかして言葉を喋れないんですか?」
澪が上下に顔を振る。
「そうなんだ」
(うんっ!)と、澪はもう一度大きく首を上下に振った。
その拍子に、横に置かれていた荷物が倒れてしまう。
「あ」
慌てて荷物を直し、笑顔を取り繕うが時すでに遅し。
荷物の後にあったモノは、しっかりときよみの目に写っていた。
『なんでもないの』
澪が首をブンブンと横に振り、走り書きのスケッチブックをきよみにつきつける。
その勢いで、また荷物が倒れた。
このままじゃ、また置いて行かれてしまう。
せっかく一人じゃなくなったのに……
さっきまでの寂しさを思い出してしまい、涙が込み上げてくる。
「大丈夫。大丈夫ですから、少し見せて下さいね」
ドラゴンときよみを交互に見ながら必死に涙を堪えている澪を軽く抱きしめながら、
きよみはゆっくりと子ドラゴンを覗きこんだ。
「大変。血が出ていますね……」
眠っているように見えるが、状況はかなり酷いようだった。
このまま目が覚めなくてもおかしくはないのかもしれない。
どうしたものかとしばし考えていると、澪の荷物の中にある物を見つけた。
「あ、地図……」
その地図を抜きとって、ゆっくりと地面に広げていく。
「今いる場所、わかりますか?」
(ここなの)
澪がゆっくりと指で現在位置付近を指し示す。
武器博物館からしばらく歩いた場所だった。
現在位置からできるだけ近くにある、役に立ちそうな施設は……
しばらくして、地図を見つめるきよみの視線がある一点で止まった。
「医務室……」
この騒ぎで、テーマパークのスタッフはもう避難しているかもしれない。
でも、医務室なら人はいなくても薬だけは置いているだろう。
「澪ちゃん。この子、助かるかもしれませんよ」
きよみは微笑みながら、強く澪を抱きしめた。
真っ白なワンピース。そしてそれに負けないくらいに白い髪。
澪には、彼女が自分達を助けに来てくれた天使のように見えた。
【澪with傷ついた子ドラゴン・白きよみ 合流】
【地図から現在位置の近くに医務室がある事を発見】
>>488-490 ということで、またやっちゃいました。
澪と白きよみの出会いです。
頑張ってつけた洒落た題名に、なんともいえないセンスの無さを感じる(^^;
雨は変わらず降りしきっている。
岩切は林の中を、何処か雨をしのげる場所を探して歩いていた。樹の下などでは心許無い、それで
は背負っている少女が体調を崩してしまうかも知れない。もっと確実な、できれば何か建物の方が良
かった。
だが、そういう建物は一向に見つからない。
「…どうする」
人前ではそう見せない困り顔になって、溜め息を一つついた。
それでも足を止める訳にはいかないので、そのまま歩き続けた。
勿論、背後の気配に気を配ることも忘れてはいない。
先刻から自分達を尾行し続けている"何者か"は、繁みの中をこそこそと移動しているようだった。
時には岩切の隣りまで来て、草が揺れるのが見えるのだが、決して姿を現すことがなかった。
何者だろう、という疑問は、既に頭の中から消している。
その気配が人間のものでないこと、動物のそれでもないことは分かっていた。今まで感じたことの
無い異質の気配といえば、恐らくこの施設に飼われている怪物だろう。
そうなれば、神話や伝承に詳しくない岩切には、何者であるかなど判断できる筈が無い。
ただ、何者であろうと、こちらを襲ってくる可能性があるので、決して注意を逸らすことはしなかった。
或いは、岩切の方から気配に接近して、その正体を確かめるという選択肢もあった。
だがそれは危険な行為である。 今のところ、相手からは敵意や殺気といった、そういう感覚は感じ
られない。 ならばこちらから下手に刺激して、交戦状態に入ることも無いというわけだ。
岩切一人ならばそれでもいいのだが、幼い少女を連れていては。
「おっ」
岩切が声をあげる。
30メートルほど先、木々が開けた場所に、何かの建造物が見えた。
一階建ての小さな建物である。 それはいわゆる休憩所というやつで、自販機やベンチが設置され
ている他、当然ながらトイレもある。
岩切はそこまで知っている訳ではないが、少女を休ませるのに好都合だと思い、建物に向かうこと
にした。
その前にもう一度足を止めて、傍らの繁みに目を向けた。
じっと、その中に潜んでいる相手を凝視する。
(…貴様はどうする?)
そしてまた前を向くと、足早に進み始めた。
【初音、未だ目を覚まさず】
【「追跡者は人間ではない」「今のところ敵意は無い」と岩切は感じている】
【休憩所まで約30メートル】
しまった、タイトル入れてないぞ…
「ストーカー」とでもしておいて下さい。
486
487さんのおっしゃるとおり
たまは夏の暑さで思わず喋れるように(笑)なっています。
シナリオでNWキャラに言及しているのはNW後の喋れるたまであると言う事を示してるわけですね。
ちなみに、よくわかんないキャラについては最萌の過去ログで調べてみるのもいいかもしれません。
ちょっと偏った知識になるかもしれません
495 :
策 1:02/01/13 19:49 ID:Cgw8kvjE
岩山のコントロールベースに侵入した耕一は、目立った抵抗に遭うことなく基地内部を進んでいた。
進む先の扉が、自動的に開いていく。あからさまに耕一を誘っている。だが、罠と知りつつも耕一は進むしかなかった。
島のどこに居るかも分からない千鶴達姉妹を助けるには、首謀者を叩くしかない。
また扉が開く。と、凄まじい威圧感が耕一に襲い掛かってきた。
以前にもこれと似た感じを味わった事がある。あれはいつだったか。
そこで、声が聞こえてきた。
『ようこそ、柏木耕一。歓迎するよ。私に会いたいなら奥の部屋に来たまえ。ただし、それは君が生きていたら、の話だが』
瞬間、怖気がする程の殺気が耕一を襲う。
やばいっ。
耕一が右に跳んだと同時に、一寸前まで耕一がいた空間に、圧倒的な質量を持ったモノが打ち込まれる。
そこに出現したモノを見て、耕一は思わず声をあげる。
「鬼…」
それは、4メートルを遥かに越える体躯に薄赤い肌、鋭く尖った角、刀の如く伸びた爪を持つ、まさしく鬼そのものだった。
『そう、鬼だよ。君の同類だ。加えると、我が国の歴史上最も凶悪と言われる、大江山の鬼だ。一般的には酒呑童子と呼ばれている。』
まさかこんな形で歴史上の有名人と会えるとは。
『私が本来見たいものは、この極限状況での人間の行動、リアル・リアリティなのだがね。
同種の化け物同士の戦い、というのもまた一興だろう。最も君は、自分の事を人間だと思いたがっているようだが。』
いちいち癇に障ることを言う。
『それでは、健闘したまえ。』
その言葉を最後に、声は途切れた。
「さて、どうするかな。説得、は通じそうにもないな。」
依然として、鬼は殺気を耕一に叩きつけてくる。いつ襲ってきてもおかしくはない状態だ。
「まだ殺される訳にはいかないからな。恨むなよ!」
耕一は鬼の力を解放。肩の骨がメキメキと大きくなり、シャツが破れた。
太股の筋肉が膨張し、ズボンがはちきれた。
二倍近くに巨大化した手の指先に、刃のような爪が伸びる。
そして、戦闘が始まった。
496 :
策 2:02/01/13 19:49 ID:Cgw8kvjE
爪と爪が弾きあう音が、部屋に響く。
(はあ、はあ、はあ。くそっ、このままじゃあ埒があかない。)
戦い始めて10分が経過しようとしていた。耕一と鬼の力量はほぼ互角。
互いの身体には爪が掠めた痕が無数に付いているが、致命傷には至らない。
耕一は柏木の一族の中では最強のちからを持つ鬼だ。耕一が勝てないならば、千鶴や梓では勝ち目が無い。
他にこの島に来ている者で、耕一以上のちからを持つものがいるだろうか。それとも、近代兵器を駆使すれば、この鬼を倒す事もできるだろうか。
その確率は低い。やはり、ここで自分が倒しておかねば。
(とは言っても、どうする?このままじゃあ、体力が無くなって御陀仏だぜ。)
考えている間にも、鬼は耕一に向かって爪を差し出してくる。
「っとっと、危ねえ」
上体を横にそらし、避ける。ぶわっ、と風が耕一の顔を凪ぐ。
(くそっ、しゃーねえ。こうなったら一か八かだ。)
覚悟を決めた。鬼が向かってくる。右ストレートの要領で突き出してくるその爪に対し、耕一は勢いを殺さず自ら飛び込み、
肥大化した左肩で受けた。ずぶずぶ、と鬼の爪が耕一の中に潜り込んでくる。肩の筋肉がぶちぶちと引き千切られていく。
痛みに耐えながら左肩を突き出すと、爪のみならず拳までもが耕一の肩を破っていき、ついには背中側に拳が突き出された。
だが、その時にはもう、耕一の右腕が鬼の胸を突き破り、心臓を破壊していた。
「ぐ……、ぉ……」
断末魔の悲鳴をあげ、鬼は耕一に倒れ込んでくる。
「悪いな。俺もあんたを殺したかった訳じゃあないんだが、守らなきゃならない人達がいるんでな。相討ちってのも駄目なんだよ。」
右腕を鬼から抜き出すと、鬼はどさりと床に倒れ、もう起き上がることはなかった。
「痛い、な。左腕は、もう動かないな。これじゃあ茶碗も掴めない。梓にどやされちまうなあ。」
日常を思い出す。あの家で、また皆と一緒に笑い合いたい。その為にも、今はまだ、休めない。
奥の部屋に居る首謀者を打ち倒すまでは。
497 :
策 3:02/01/13 19:53 ID:Cgw8kvjE
奥の扉を開く。すると、パン、パン、パン、と拍手が打たれた。その手の主は、白衣の女性。
「いや、素晴らしい。酒呑童子まで倒すとはね。さしずめ君は源頼光かな。」
「女? お前が、超先生なのか…?」
耕一は、超先生の容姿は知らなかったが、確か男だったと記憶していた。
「確かに私の外見は女性だね。だが、そんなことは何の意味も無い。そして、今の私は、超先生ではなく、朝鮮製なのだよ。
イントネーションと漢字の違いだね。だが、そんなこともまた、何の意味も無い。」
「お前が、全ての、元凶か?」
「そうとも言えるが、そうではないとも言える。今の私と前の私は少し異なっているようだからね。
では、今度は私が君に質問させてもらおう。君は何故、一人でここまで来たのかね?」
「どうしてそんな事を聞く?」
「純粋な興味だよ。まあ、おおよその察しはつく。自分の力に自信がある。仲間を傷つけたくない。そんな所だろう。」
「なら聞く必要は無いだろう。」
「ふむ。君が自分の力に自信を持つのは分からないでもない。君の身体能力、状況判断力は先程見せてもらったからね。ただね、仲間、
傷つけたくない、この辺りが私には理解し難い。いや、実感できないと言う方が近いかな。頭では分かっているつもりなのだけどね、どうも、ね。」
「お前には、一生分からないよ。」
「そうかもしれない。だが、そんなことは些細なことだ。何の意味も無い。私の目的は、リアル・リアリティの追求のみだからね」
「リアル・リアリティ?」
「そうだ。真のリアリティだ。真のリアリティを求めるには、今の状況は最高だろう?君達が直面しているのは現実以外の何者でもない。
現実逃避は死を意味する。死を避ける為ならば、人間は何だってする。それが、現実。実に、実に興味深い。」
「狂ってる、な」
「それも自覚しているよ。狂っている人間は、目的の為に手段を選ばないものだろう?」
「それも、ここで終わりだ。」
「そうかもしれない。しかし、君は少し遅かったようだ。もう既に何人も死人が出ている。予想よりは少ないがね。
彼らの死も私の研究に非常に役立っている。そうそう、最も残酷な死に方をしたのは、そう、柏木、初音だ。君の家族かい?」
498 :
策 4:02/01/13 19:54 ID:Cgw8kvjE
「嘘だ!そんな事、あるはずがない!」
「私は嘘など吐かないよ。確か、獣人達に輪姦された後に、陰部から頭まで串刺しにされていたな。最後まで君に助けを呼んでいたね。」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
激昂した耕一が飛び出し、その右拳が朝鮮製の胸を貫いた。
「意・^@:po^7・・外.:に、君、・・6^p;:・も短\\]/気・・l:[ui^・、だね。」
朝鮮製の声に、雑音が混ざる。
「機械、だと?」
カチ、という音が聞こえたかと思うと、突如、部屋の床が消えた。
耕一は部屋の入り口に向かって跳躍しようとする、が、朝鮮製が耕一を離さない。
まばたき一つする間に、二人はそのまま一つ下の空間に落ちた。
バシャア。液体が跳ねる。
(これは…、やばいっっ!!)
「そ・;:う5&$ガボッ、液.・;^[体・;p@窒@:/;l・素、ブェ)=#~だ"・%&…」
雑音は益々ひどくなっている。耕一は必死に朝鮮製を振り解こうとするが、既に耕一と朝鮮製は共に凍り始めていた。
(左腕が…、使えていたら、くそっ。千鶴さん、梓、楓ちゃん、初音ty)
そこで、耕一の思考は途切れた。
数刻後。
「さすがの鬼も、−196℃の空間には耐えられなかったようだな。」
その言葉を発した者は、先程まで耕一と話していた朝鮮製と全く同じ姿をしていた。
「いわゆるフェールセーフというやつだな。安全装置は何重にも重ねておくものなのだよ。柏木耕一。君と共に凍っている物は、私のコピーだね。
多少劣化してはいるが、私の思う様動けば問題無い。結局、君の自信は、過信でしかなかったという事だね。そうそう、柏木初音はまだ生きているよ。
安心したかね? ――もう聞こえていないか。」
そう言って、朝鮮製はかって耕一だったモノを、じっと見つめる。
「もう生きてはいないとはいえ、コレにはまだ利用価値があるな。柏木の一族はどのような反応をするだろうな。クククッ。」
暗い笑いを見せ、朝鮮製はその凍った塊を回収し始めた。
【柏木耕一 凍死。凍った死骸は朝鮮製が回収】
【酒呑童子 平安時代、京を跋扈した鬼。源頼光によって討たれる】
500 :
RTO:02/01/14 01:25 ID:4PvEUHZS
一応公開です。後悔にならなければ良いが。
http://www23.tok2.com/home/hakasaba/ まだ42話までしかアップしてないです。申し訳無い。
しかも殺風景とまだうまくまとまっていない点をお許しください。
なにかあったらどんどん言ってくださるとありがたい。
今後の作品は 伝統(?)の【三行開け】など行間を指定してくだされば
こちらのサイトでそのように反映させます。それでは。
編集サイト完成万歳!
RTO様、頑張ってくだされ。
「どうやら、我々は誘導されているようだな」
いつ襲われるかと気が気でない南をよそに、さらりととんでもない事を言ってのける。
「そうなんですか?」
「うむ、彼女が言う通り奴らには我々を襲う気はないようだ。
ならばこうして車を囲んで走る理由など他にはあるまい。
・・・あの超先生とか言う男、学者としてはともかく作家としては二流のようだな」
彼女・・・とは川澄舞の事である。
大志達の乗ったジープは今、小型恐竜の群に取囲まれたまま疾走していた。
初めは機会を窺っていると思われたがいつまで経っても襲ってくる気配はなく、
そのうち舞が
「・・・大丈夫。殺気がないから」
と言い出したのである。
「??・・・どうして恐竜が私達を誘導すると、超先生さんが二流作家になるんですか?」
「ふむ、もし、これが現実ではなく二流のマンガの中だったとしたら、
我々が誘導された先には何があると思うかね?」
「え〜〜〜〜っと、恐竜さんの巣・・・じゃないですよね?
あははっ、やっぱり分らないです」
「・・・・・・わからない」
「えっと、多分・・・
・・・『作者が一番見せたいモノ』・・・じゃないかしら?」
その回答に、大志は満足そうに頷いた。
「うむ、その通り。
筆を取った本人は気づいていないかもしれないが、この誘導はあまりに強引で現実味に欠ける。
自慢のネタを見せたいがために、せっかく構築した世界観を崩してしまうのは
二流作家や素人が最も犯しやすい失敗のひとつだ・・・
・・・ここまでの舞台を演出する技量を持ちながら”それ”を犯すと言うのは
奴が二流であると言う証拠に他ならん」
「・・・・・・・・・」
感心して聞き入る舞いと佐祐理に気を良くしたのか、大志の演説はヒートアップする。
「・・・先のワイバーンにしてもそうだ!
奴らにしてみればこの島は餌となる獣の宝庫だと言うのに、
わざわざ「―」リスクの大きいジープを狙ってきた!
・・・この分では、元来「―!」大人しい魔物が無差別に人を襲ったり、
要所要所に「――君!!」番兵を配置したりしているであろう事も容易に想像がつく!!
これでリアリティを語ろうなどとは「大志君っ!!」・・・
・・・・・・何かね?丁度盛りあがってきた所なのだが・・・」
助手席に立ちあがり、背もたれに足をかけて両手をキメながら南の方へ振向きつつ問う。
「大志君!前!」
「・・・前?」
「トンネル!!」
「とんね・・・・・・
・・・・・・なにぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」
慌てるが、遅い。
――ゴキャッ!!
「ごはぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「・・・ふっ・・・
我輩とした事が、演説に熱くなって周りが見えなくなるとはな・・・」
助手席と運転席の間に無様に沈みながらも、
眼鏡レンズの間のフレームを人差指で「つぃっ」とキメる大志は最高にかっこよかった。
【大志・南・舞・佐祐理 ジープで洞窟に突入】
RTOさんお疲れ様です。
でわ、早速・・・
(レス間は1行空けでお願いします)
・・・あんまり意味ないなw
RTOさんお疲れ様です。
早速ですが、最初のページの「葉鍵サバイバル」のリンク先が葉鍵リレー小説総合スレになってます。
追加…。25番、「両手に花」から、リンク先が一話ずつずれてます。
結果、「両手に花」が消えてて、40・41話が両方共「狂わされしもの」になってます。
ううっ、指摘ばっかりすいません。
507 :
RTO:02/01/14 04:48 ID:4PvEUHZS
>>506 ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
ウチのビルダー2001君が腐っていたようです。はっはっは(汗
事後になりますが
>>463の掲示板にリンクさせていただきました。不快に感じられましたらご一報ください。はずします。
作品の中にも編集に際して目に付いた明らかな誤字、まとまりを良くするために改行位置の変更などを
行っている場合があります。ご了承ください…
午前4時――
草木も眠る丑三つ時はとっくに過ぎているものの、周囲には物音は皆無といっていいほど
していない。建物の明かりもほとんどが消えていて、街を出歩いている人の姿はない。
東京都国分寺市内のとある通りも、他の場所と同様すっかり静まり返っていた。
人も車の姿もない……と思いきや、数人の集団が道の真中でたむろしている。
それも、巷の若者みたいに単に集まっているのではなく、各人が何かを探し
ているような素振りを見せながらであった。皆、黒い上下のスーツを着ている
とあって、傍から見ればいかにも怪しいと思わせてしまうことは請け合いである。
それだけだったらまだ真っ当な方なのかもしれない。
――彼らがもしも人間だったらば――
結論から言うと彼らは人間という種族ではない。
外見こそ人間と同じではあるが、背中から生えた白い大きな羽がその事実を
物語っている。そしてその羽は時折、闇夜の中で不気味に青白く輝いている。
彼らはいわゆる『天使』という種族である。
そして、皆が『上の世界』の『安全保障理事会』という組織に所属する者ばかりだ。
「――確かに奴はここに降り立ったのだな?」
集団の中でリーダー各の男性が呟く。持ち前の鋭い眼光を部下の天使の顔にゆっくりと向
けていく。
「間違いないです。地上勤務の者からの情報どおりです。
奴につけた発信装置の波動もくっきりと残っています」
発信装置というのは『上の世界』の囚人にはめる手錠に埋め込まれた装置を指す。
万が一囚人が逃げ出してしまったときに作動し、特殊な波動を囚人の逃げた経路に残して
いく。蟻が通り道に目印のフェロモンを残していくようなものと原理は同じだ。その波動は
1年ほど時間が経過しない限り消滅することはないので、追っ手としてはその痕跡を辿るだ
けで囚人の逃げた先が割り出せるのである。(天使以外にはその波動は感じ取れないことを
付け加えておく)
今回の場合もまた、目印の波動がくっきりと残っていた。空から地上に向かって下ってい
き、あとは道なりにその波動が延々と続いている。
「とにかくこいつを辿っていくとするが……用心しろよ。
何せ、相手は気が狂った戦闘マニアときているからな」
「口すっぱく言われなくても解かっていますよ。だから、周囲の人間を巻き込まないように
真夜中に探索しているわけでしょう?」
「ふん」
部下の言葉が皮肉に聞こえたのか、リーダー格の天使は不機嫌そうに鼻を鳴らした。
波動はしばらく道なりに続いていたが、やがてふと途切れてしまった。
そこは丁度、道が中央線の踏切に差し掛かったところだった。
昼間は閉まりっぱなしのこの踏切の遮断機も上がったままになっている。
始発まではまだ時間があり、電車が来る気配もまったくない。
「ここで波動は途切れているとはどういうことだ」
「恐らく装置が壊れたのではないかと……」
「冗談を言うな。そんなわけないだろう」
リーダー格の天使が部下の言葉を否定する。
「あの装置を自分で壊すのは不可能だ。無理矢理外そうとすれば、強力な電流
が全身に流れて、黒焦げになる。最悪の場合は命に関わるし、そうでなくとも
体力はいっきに消耗する」
「あとは装置の故障でしょうか……でもそれもないですし……あっ!!」
部下の天使は突然立ち止まり、今しがた思い出した事実をリーダー格の天使に伝える。
「何だと……奴がここに降り立ったのと同じ頃にこの踏切で人身事故があっただと?」
「ええ。なんでも踏み切りを通ろうとした特急電車に人が飛び込んだというのですが……」
「それをなぜ早く言わなかった!! まったく……」
リーダー格の天使は頭に血が上ったのか、部下を罵倒する。
その時、踏切の隅に金属でできた物体が落ちていた。もともとリング状のものだったが、
原形をとどめないほど歪み、そして数個に引きちぎられている。
「これは!?」
「おそらく手錠……奴め、これを引きちぎるために電車に飛び込んだのでしょう。
自分の命も顧みずにこんな恐ろしいことを考え付くなんて……」
「それが奴――ウィルという男なんだよ」
リーダー格の天使も部下も追っかけている相手に対して恐怖を感じながら、目の前の線路
に散らばっている壊れた手錠を見つめていた。
「こら、そこで何をしている!!」
突如、彼らの背後から怒鳴り声が聞こえた。
振り向くと、そこには2人の人間の警官が立っていた。持っている懐中電灯を構わず天使
たちに向ける。
「こんな真夜中に踏切の中で何をしているんだ。ちょっと職務質問するからな」
彼らが怪しまれるのは当然だった。
普通の人間から見れば、大きな羽の飾りをつけた集団が深夜の踏み切りの中でたむろして
いる――どうみても常識ある人間の行動とは思えない。怪しく感じるのも至極当然である。
「まずい。ここは引き上げるぞ」
ただでさえ、自分たちの存在を人間に知れてはまずいと思っている上に、今回の任務は上
の世界の中でさえ極秘とされている事だった。地上で事が明るみになってしまっては、今後
の任務の遂行はおろか地上に大きな混乱をもたらすことは明白だ。
リーダー格の天使は急いで引き上げるように指示をだす。それと同時に天使たちは二手に
分かれた。すぐに目の前の警官の記憶から今回の遭遇に関する部分を抹消しようとする者と、
すぐにもこの場から飛び立とうとする者にである。
だが――後者の者たちは失念していた。
ここが、踏切の中だという事を。
――ドドドーン!!
突然、周囲に何かが爆発したような轟音が響きわたり、その直後に――。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
とてつもなく甲高い絶叫がこだました。
見るとそれに逃げ出そうとした2人の天使のうち1人が、頭上の架線に2枚の羽を引っ掛
けてしまっていた。足はもう1人の天使の肩に掛かっており、そのもう一人の足は地面につ
いたまま動いていなかった。架線の高圧電流が2人の体を一瞬で流れてしまう形になってし
まったのであった。相手の羽が架線に引っかかってしまったので慌てて地面に足をついたま
ま助け出そうとしたのが災難のもとだったのだ。
「大変だ!!」
それをみた他の天使が架線から天使の体を引き離そうとした。
だが、被害を食らった天使の体にはいまだに電流が流れていたので危なかった。結局、何
を考えたのか、架線を持っていた短剣でスパッと切断した。
途端、電流は途切れ、その隙に動かなくなった2人の天使の体を残りの者が抱きかかえな
がら、空へと飛び立っていった。
切断されてだらしなく地面に垂れ下がっている架線の前には、目の前で起こった事が受け
入れられずに、上司に何と報告していいのか分からず、ただ呆然としている2人の警官だけ
がその場に残されていた。
今日も気持ちのいい朝だね。
一昨日は帰りに立ち往生してしまったけど、それからは特に変なことは起こってないよ。
さあ、学校に行く準備もできたし、のんびりテレビでも見ようかな。
テレビを見て学校に行くのが日課だしね。
朝のワイドショーは近くオープンする予定のモンスターパークの特集をやってた。
さすが南の島をまるごとテーマパークにしただけあって、スケールがすごい。
園内ではいろんな動物がいて、それらのいくつかが画面に映し出されていたんだけど
すごかった。ワイバーンやドラゴンなんかは近寄ったら怖そうだったけど、それだけじ
ゃなくてかわいい動物なんかもいてほっとするって感じ。恐竜ばかりの所だったら、
絶対に行かないよ。
最後にキャスターをしている女の人が、この動物たちを作り上げた『超先生』って人
にインタビューしてたよ。その超先生って人は『リアルリアリティ』を追求してるんだ
って。といってもよく分からないけど。
でも、見ただけでもなんか嫌な感じの人だね。なんというか目の輝きがおかしいてい
うか……。前に見た新聞の内容を鵜呑みにしているわけじゃないんだけどね。
特集も終わって、さあ学校に行こうとした時に交通情報が流れた。
「……只今、JR中央線は本日未明に発生した架線切断事故により三鷹から八王子の間
で上下線とも運転を見合わせています。復旧の見込みはまだ立っていませんので、お出
かけの方はお気をつけ下さい……」
ちょっとぉ〜。それはなしだよ〜。これじゃあ遅刻してしまうよ〜。
慌てて家を出る羽目になっちゃった。
始めからして平和な一日どころじゃないね、これじゃあ。
【清水(以下略) 遅刻確定(w)。もちろん(以下略】
(以下の文は512の所に記すはずでしたのでお願いします。すみません)
【ウィル どうやら天界から逃亡した模様。追っ手の推測から、手錠を壊すために電車に
飛び込んだと見られているが真偽は不明】
【上の世界からの追っ手は一旦、ウィルの捜索を打ち切ったと見られる】
(あと、レスは1行空けでお願いします)
>RTO氏
サイトの作成お疲れ様です。そして非常に感謝しております。
今後もお世話になると思いますのでよろしくお願いします。
>RTOさん
書き手の一人としては、
>作品の中にも編集に際して目に付いた明らかな誤字、まとまりを良くするために改行位置の変更などを
行っている場合があります。
これはとても助かります。大体、読みやすいように編集してもらえれば、それでいいかと。
後は、レス間は一行空けで、くらいかな。
サイト作成、本当、ありがとうございます。
>RTOさん
ついに公開されましたか。
お疲れ様でした。
色々と気をきかせてくれているようで本当に助かります。
ありがとうございます。
あ、それと総合スレにも告知上げといた方がいいと思いますよ。
本スレだけだと作品が投稿される関係ですぐに埋もれてしまうんで。
次スレのテンプレに載るまでは定期的にちょくちょくとアドレス載せた方がいいかもしれません。
517 :
RTO:02/01/14 15:44 ID:4PvEUHZS
みすぼらしいので全作品を編集するまで総合スレには貼りません(ぇ
せめてもうちょっとサマになってからにしますです はい
518 :
魔術師1/2:02/01/15 01:44 ID:CPC/Wx3J
小さな部屋でかったるそうな声があがった
「ふぁ・・・」
ゆっくりと背伸びしながら彼女は眠りから覚めた
「あ〜。だる〜」
と言いつつなるはずも肩をコキコキならそうとした。
もう三百年以上この行動で彼女は目覚める。
(でも、マイッタわね〜。あいつらに捕まってあんなもん作るとは・・・)
と思いつつ、ここ最近の彼女がはまってるセブンスターという煙草を探す。
「あ、ないでやんの」
(魔力もだいぶ戻ったことだし、今度誰かの体で買いにいくか〜)
などと考えていると。
「??」
(結界が弱くなってる・・・。)
彼女を束縛していた結界が極端に弱くなっているのである。
この結界はコンピュータ制御されて更にユンナの力も加わって作られいる強固な代物である。
おそらく、超先生が死に朝鮮製が機動したからシステムに不備がでたのであろう。
更に、その影響でユンナの結界の方にも影響が出て結界の効果を弱めてしまったのである。
(何かあったのかな?この状態なら体さえあれば煙草買いに行けるわね〜)
どこかC調な彼女の考えは奇跡的に重要なことを思い出させた。
(ついでにルミラやアレイを助け出せるかも)
「まあ、ここ建物の状況でも調べますか」
と言って、
「〜〜〜〜〜〜」
絵の中の魔族、メイフィアは簡単に呪文を唱えた。
519 :
魔術師2/2:02/01/15 01:45 ID:CPC/Wx3J
(この建物ですでに人が死んじゃったのか〜)
「ん?」
メイフィアの思念の中にノイズが飛び込んできた
『・・・・』
(魂だね、この感じは・・・。おそらくさっき死んだ人の。ちょっと遠いな、呼び寄せよう)
「〜〜〜」
また、呪文を唱えた。
『・・・』
(来た来た)
メイフィアは満足そうに微笑んだ。
〜十数分後〜
(まあ、そういうわけでちょっと体借りるね)
『・・・』
(大丈夫、契約は果たすよ〜。だからそっちも守ってね。絵の中に入っててユンナとかいう天使がきたら、適当にごまかせばいいから)
『・・・』
(貴方の格好は私に変身させとくね〜。これでばれないから、多分)
『・・・』
(そんな顔しないの、せっかく可愛いんだから。できるだけ助ける努力はするからさ〜)
(それじゃ、そろそろ行くね〜)
「〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜」
メイフィアは光球になり一気に飛んでいった。
そして、メイフィアの居た絵には心配顔のメイフィアが表れた。
520 :
魔術師2/2:02/01/15 01:47 ID:CPC/Wx3J
【メイフィア、すでに死亡した参加者(女の子)の魂を影武者に置き脱出。その死亡した体を操り行動を開始】
あう、省略されてる。すいません
初心者の駄文で申し訳ありません。気に入らなければ無視でも構いません。m(_ _)m
雀鬼の書き手さんが増えてくれるのは嬉しかったり。
えーと、今初期のジープメンバーが明らかでないのは
松原葵 月宮あゆってとこか?
で、初期リストメンバーで未登場なのが
芳賀玲子 桜井あさひ 御影すばる
江藤結花 高倉みどり
石原麗子 杜若キヨミ(黒)
名倉由依 名倉友里 鹿沼葉子
柚木詩子 橘敬介
あたりと、間違ってたら突っ込みキボン
きよみ(白)も他のメンバーが判明してないかな。現在澪と行動中。
ちなみに、メイフェアが憑依?してる女の子は、体の損傷が激しくてもOK?
さいか、夕霧あたりは食われて死んだので、体そのものが無いかも。
最も、メイフェアの話の時間軸は適当なので、これから死ぬ女性でもOKかな。
現状では由綺、由字、スフィーくらいしかいないので。
でも、冬弥と最後の別れをする絵の中の由綺、とかも燃えるかも。
524 :
URYEE!:02/01/15 21:49 ID:QctYimXX
え〜っと・・・。
憑依する死体の損傷が激しい場合は流石に無しの方向で。
時間軸的には、雨が降ってるあたりで。
ちなみにスフィーの魂はユンナに捕まってるみたい。
あと、脱字発見。魔術師1/2で「と言いつつなるはずも肩をコキコキならそうとした。」
「なるはずもない肩」です。編集する人よろしゅーおねがいします
メイフェアちゃう、メイフィア〜(笑)
由綺は損傷激しかったね、すると残る由宇か、それともこれから死ぬ未登場メンバーか
526 :
名無しさんだよもん:02/01/16 00:54 ID:us6U9Pn3
間違えてる。鬱だ・・・
527 :
名無しさんだよもん:02/01/16 01:16 ID:us6U9Pn3
間違えてる。鬱だ・・・
メイフィア…。間違わないよう気をつけよう。
>>524 時間軸は、むしろ曖昧にしておく方が後々使い易いかも。今は憑依する人の選択肢が少ないので。
ないだろうけど、死んだ人が魔法で蘇る展開だけは勘弁。
>>524さん
わかりましたっす!次からその辺を考慮して考えます
530 :
深い森:02/01/16 05:01 ID:fpPN6sAx
「あっ!」
「あ、由依ちゃん。気がついた?」
「え、あ、はい」
由依があたりを見まわすと、そこは見なれぬ森の中だった。
「良かった……。心配してたんだよ」
由依が元気なのを確認し、女性が微笑む。
黒い髪がとても綺麗な、落ちついた雰囲気の女性だった。
名前は確か、きよみと言っただろうか。
「すみません……」
「ふふ、いいのよ。私だって、気を失ったあなたを見ている事しかできなかったんだから」
「そうですか」
お互いに微笑みあう。
が、ふとある違和感に気付いた。
「あれ? お姉ちゃんは?」
確か葉子さんが姉と一緒に行けばいいと、一枚だけ余ったチケットをくれて。
そして同じジープに乗って、変な放送が流れて……
そこで記憶が途切れていた。
「残念ながらどこにいるかはわからないの。私達はジープから投げ出されてしまったみたい」
「はぐれたんですか?」
「うん……」
きよみが悲しそうに頷いた。
「じゃあ、早く合流しないとまずいですよね!」
「え?」
意識が完全に回復してきた由依は、すっくと勢い良く立ちあがると大声を張り上げた。
531 :
深い森:02/01/16 05:01 ID:fpPN6sAx
「お姉ちゃぁぁ〜〜ん! どこにいるのぉ〜〜っ!」
「ちょっ!」
きよみも焦って立ちあがると、由依の口をふさいでしまった。
「もっも、もめぇあんあがああかっ!」
「ちょっと、静かにしなさいよっ!」
さっきまでとは違うきよみの声に、由依もわけがわからないまま黙るほかなかった。
「いい? なんでかは知らないけど、ここには強暴な怪物がうようよしているの。
もしも下手に大声だして奴らに気付かれでもしたら、どうなるかわかるわよね?」
由依は面食らった表情のまま、こくこくと頷いた。
それを確認してから、きよみはゆっくりと口を塞いでいた手を離す。
「ふはぁーっ」
少し息苦しかったからか、緊張感から開放されたからか、由依は何度か大きな深呼吸をする。
「あ、さっきはすいませんでし、た……?」
由依が振り向くと、きよみは険しい表情で地面を見つめたまま黙り込んでいた。
(犬飼に誘われたから着て見たけれど、まさかこんなことに巻き込まれるなんてね……。
でも、私はまだ死ぬわけにはいかないの。あいつの求める、本物のきよみになれるまで……)
きよみから発せられる雰囲気に圧倒され、由依はただただ無言で彼女を見つめる事しかできなかった。
と、きよみが急に我にかえり、由依の方へと振りかえる。
「あ……っ! あ、あの……」
びくっと肩を一瞬振るわせ、そのまま由依は黙ってしまった。
「うん? どうしたの? お姉ちゃんを探すんでしょ。早く行こうよ」
「え、あれ……? あれ?」
さっきの雰囲気は嘘のように消え、目の前にいるのはいつものきよみ。
「えっと、どうして……」
「そっちこそどうしたの?」
本当に綺麗な、優しい笑顔。
「あ、いいえ! なんでもありません。早く探しに行きましょう」
由依は慌てて笑顔を作ると、きよみの前へ出てとことこと歩き始めた。
(前向きで明るい娘みたいね。本当、憎たらしいくらいあの娘にそっくり……)
目の前を歩く由依の姿が、一瞬だけ月代のそれと重なった。
【由依・黒きよみ 友里メンバーからはぐれる】
【ジープは友里メンバーの方にある。状態は不明】
>>530-532 てな具合にまたやっちまいました。
よくよく考えたら、タイトルと内容全然関係無いですが(;´Д`)
このきよみさんは、一応月代ED直前みたいなイメージで書いて見ました。
同じ境遇に産まれながら、自分とは逆に幸せな生活を送っている月代に嫉妬している状態です。
原作やった人ならわかると思うんですが、悪役にも萌えキャラにも使える女性なのです(^^;
あと、黒きよみの顔見せのつもりで書いていたら由依が混乱しっぱなしになってしまいました。
それがちと悔やまれるので、今後機会があれば由依中心の作品も書きたいなと思ってます。
などと書いてるうちに凄い時間……
明日死ぬな、間違い無く。
533 :
序曲:02/01/16 16:12 ID:9xJUKoW8
「……どうや、動かせそうか」
智子の言葉に、坂下は何度目かのため息と共に、首を振った。
「駄目ね。どの銃も踏み潰されて、下手に撃ったら暴発するのは間違いないわね」
「そう……いいかと思ったんやが」
こちらも嘆息しながら、智子は座り込んだ。
御堂と千鶴と別れてから、二人はホテルに向かって歩き続けていた。
その途中で、武器倉庫らしきものを見かけたのだが、例のモンスターの大暴走によって、大半の武器が
使い物にならなくなっていた。
それでもいくつか使えるのがないか、と探していたのだが、それも無駄骨に終わったようだ。
むしろ、自動販売機の残骸から、いくつか無傷のジュースを取り出せただけ、ラッキーだと言える。
「……あ、見てみぃ、これなんやろ」
ふと、瓦礫の中から何かを見つけ出し、智子が掘り出した。
他の所を探っていた坂下も、智子の所にやって来て、一緒に掘り始める。
それは、壊れた看板だった。
『島のはずれの高原に建つ屋敷。周りを広大な花畑に囲まれ妖精が飛び交うお勧めのスポット。
屋敷ではパペットのおじさんが応接間で美味しい紅茶をご馳走してくれます。
島にお越しの際はぜひお立ちより下さい。⇒この先500メートル』
坂下と智子は、思わず顔を見合わせ、しばし沈黙する。
その時、しとしと、と雨粒が、二人の頭上から降り注いできた。
「雨やな……」
「…選択肢は無いみたいね」
ため息ひとつつき、二人は館へ向かい、駆け出していた。
そこに待つ、恐怖を知る由も無く。
534 :
悪夢:02/01/16 16:13 ID:9xJUKoW8
知らない男がいる。
短く髪を切り、ラフな格好をした、大学生くらいの男だ。
「いや、素晴らしい。酒呑童子まで倒すとはね。さしずめ君は源頼光かな。」
喋っているのは誰だ……?
いや、違う。この声は、自分の声だ。
これは、あたしだ。
……
「私は嘘など吐かないよ。確か、獣人達に輪姦された後に、陰部から頭まで串刺しにされていたな。最
後まで君に助けを呼んでいたね。」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れえええ
えええええぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
振り下ろされた爪が、あたしの身体に突き刺さる。
だが、痛みは感じない。当然だ。そのようには作られてないのだから。
ただ、してやったという満足感が、あたしの中に広がる。
……
私の今の気分は、上機嫌だと言える。
柏木耕一という、またとないサンプルを手に入れたのだ。
強靭な肉体を持つ鬼。実に興味深い。
これを使えば、柏木千鶴にリアルリアリティを味あわせる事が出来るだろう。
……ふむ、そうだ、いい事を考えついた……
535 :
目覚め:02/01/16 16:15 ID:9xJUKoW8
「やっと止んだかよ……ったく、めんどくせぇ」
結局、仮眠まで取って、ようやく雨は止んでいた。
「う……イタタ……」
御堂が外を伺っていると、今まで眠っていた志保が、小さく声をあげる。
それからゆっくりと身体を起こし、ぽかんとした顔で、千鶴と御堂を見た。
「はれ? ここどこ?」
「志保ちゃん! 良かった、このまま意識を取り戻さないかと思ったわ…」
自分に抱きついて来る千鶴に、志保は目を丸くする。
「…おじさん、保科さんと坂下さんは?」
「はぁ……ったく、のん気な奴だぜ、ゲーック!」
しばらく千鶴と御堂から、状況を説明してもらい、志保はふむふむ、と頷いた。
「そっか…千鶴さんには迷惑かけちゃったわね。ごめんね」
「いいのよ」
「…おいおい、俺には礼は無しかよ」
「今の話を聞くと、別におじさんに何かしてもらったわけじゃ、ないじゃない」
「ぐっ……」
しれっと言われ、御堂は絶句する。確かに、担いできたのも包帯をしたのも千鶴だった。
「だ、だが……いやしかし……」
まだぶつぶつと言っている御堂を残し、志保と千鶴は、外に出る。
「大丈夫、志保ちゃん?」
「へーきへーき、なんか身体が軽くなっちゃってさ」
ううん、と伸びをして、志保はにやりと笑う。
「なんかずっと寝てたら、お腹空いちゃった!」
「うふふ……そうね、保存食しかないけど、ご飯にしましょうか」
536 :
目覚め:02/01/16 16:16 ID:9xJUKoW8
干し肉とビスケットという、簡単な食事でも、お腹に入れば、元気が出てくる。
千鶴を先頭に、志保、御堂は森を出発した。
森の中は静まり返っていて、鳥のさえずりさえ聞こえないが、モンスターがいるという事さえなければ、
ハイキングとしては、悪いものではなかった。
現に、志保などは鼻歌混じりに歩いている。それとは対照的に、ブツクサ言っているのは御堂だ。
「ちっ、こう湿ってちゃあ、調子が出ねぇぜ……ぐわあああっ!!」
いきなり御堂が絶叫したので、志保と千鶴はぎょっと振り返った。
「ど、どうしたんですか、御堂さん!?」
「い、いや…濡れた枝に、顔突っ込んじまってな」
「なーんだ。オーバーねぇ」
呆れたような顔の志保に、御堂は眉根を寄せる。
「…いい機会だから、お前らに言っておく。本当は、こんな弱点を晒すような真似、したかねぇんだが。
…俺は、水に弱い。川を泳ぐのはおろか、雨に濡れたり水を被っただけでも、ダメージを受ける」
「……そうなの?」
「それは……だから、雨が降りそうになった時、慌てて雨宿りの場所を探したんですね?」
「ああ。これは、お前らが敵じゃねぇと思ったから、打ち明けんだぞ。絶対他の奴らにはしゃべんじゃねーぞ」
神妙な御堂の顔に、志保と千鶴は顔を見合わせ、頷いた。
「さーてそれじゃあ、さっさと行きましょっか!」
「……お前、ほんっとうにわかってんのか……?」
何事もなかったかのように、てくてく歩き出す志保に、御堂は嘆息する。
千鶴は苦笑しながら、そっと御堂に耳打ちした。
「……御堂さん、取り合えずホテルに向かうとして、そこから先はどうしますか?」
「前にも言ったが、俺の目的は犬飼だ。適当な所でずらからせてもらう」
「そうですか……」
森の出口を目指し、三人は歩を進める。
>>533は、
>>443-445の館へ向かいました。
【智子、坂下、コミパパーティのいる屋敷へ】
【志保、目がさめる】
【御堂、千鶴、志保は、ホテル目指して出発開始】
538 :
そのー…:02/01/17 00:12 ID:Tma2TXXP
「……」
「……」
「……(スー スー)」
「……重くない?」
「ううん、平気」
「……」
「……」
「なんだか、母子みたいですわね」
「そうですか?」
「……」
「……」
「みさきちゃん、あんたこの子ドコまで連れてくつもりだい?」
「……このこの気が済むまで……」
「……」
「……」
539 :
そのー…:02/01/17 00:14 ID:Tma2TXXP
「……みさき?」
「何?」
「その子をおぶってるのは良いんだけど……あなた、足元大丈夫?」
「なんとなく……」
「……」
「……」
すてんっ
「……」
「……」
540 :
そのー…:02/01/17 00:20 ID:Tma2TXXP
「みさき……代わりな あたしがおぶるよ」
「でも……この子、みさきさんの背中から離れようとしませんよ」
「……そのー……」
「いいんじゃないの?何か妙に似合ってるし」
「でも…これで何かに襲われたらたまったものでは……」
ずしんっ ずしんっ
「「「「逃げましょう」」」」
「みさきっ 走れるっ!?」
「う、うん!」
「二人ともっ遅れるんじゃないよ!」
「転んだりしたら終わりですわね」
すてんっ
「転んだのは誰ッ!?」
「わ わたしじゃないよ〜」
「私も問題無しです」
「あたしも大丈夫……てことは……」
「ひょっとして……あそこで盛大に転んだあとが伺える巨大なトカゲがそうなのでしょうか……」
「……」
「……」
「……」
「と、とにかく今のうちにっ!」
「ラ、ラッキーッ!」
「ぼそ…(この子のおかげなのかな…)」
「い、いつまで追ってくるんだよっ! 奴の体力は底無しなのか!?」
「底はあるんだろうが、歩幅が違いすぎる!」
祐一と北川は逃げていた。ただただひたすらに。
時々木の間に入りこんでドラゴンの視界から逃げようとしたが、
看板だろうが木だろうが、若干スピードが落ちる程度でほとんどお構いなしになぎ倒して突進してくる敵にはあまり意味が無い。
「畜生! なんとかできないのかよ!」
祐一が叫ぶ。
「せめて、武器みたいな物が無いと……!」
「武器!? そんなもんどこにあるんだ。ナイフ程度の刃物じゃ鱗に弾かれるだけだと思うぜ」
「ある程度の射程も欲しいしな」
長射程で攻撃力の高い武器なんて、一般市民が持ってるわけがない。
どうにかして、周りの物、手持ちの物でこの局面を切り抜けられないのだろうか……
逃げ道を選ぶのは北川に任せ、祐一は彼の背中を追いかけながら必死に思考をめぐらせた。
同時にポケットの中も調べて見る。
中にあって武器になりそうなものは、せいぜいライターくらいのもの。
こんな物じゃ、小動物だって倒せやしない。
「いっそ火事でも起こしてみようか」
「んな事したら俺達まで焼け死ぬぞ」
木陰に潜んでは、隠れている場所周辺の木をなぎ倒されてまた走る。
1回の休憩で休める時間は1分と無かった。
「ん、火をつける? ライターが意外と使えるかもな」
「おい、まさか本当にやる気かよ」
「死ぬ気なんて少しもないさ。あとはあの分厚い鱗の鎧に負けないくらいの武器を探すだけだ!」
「探すったって、逃げるのに必死でそんな余裕はないぞ。それに、そんなものが都合よく落ちているわけが……」
「よし、OK! 北川! 少し時間稼ぎしてから来た道戻ってくれ!」
「な、おい! 時間稼ぎってなんだよ!」
「じゃ、後は頼んだぜ! 北川!!」
そう言うと祐一は一人森の中へと飛び込んで行った。
「に、逃げやがったな、この野郎!」
北川が何やら叫んでいるようだったが、今は気にしていられない。文句なら後でゆっくり聞こう。
「よし!」
祐一は気合を入れると、そのまま来た道を戻って行った。
「相沢、どこだああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
あれからどれくらい時間が経っただろうか。遠くから北川の叫び声が聞こえてきた。
「なんだかんだ言って、ちゃんと戻ってきてくれたか」
それからさらにしばらく待ち、祐一は道の上に出ると、北川に何かを投げ渡した。
「それを持ったままここへ飛びこめ、北川ああぁぁっ!」
祐一はそう叫ぶと、今度はドラゴンに背を向けて走り出す。
北川は言われた通り、祐一の居た方向に飛びこむ。
ビィィィィィィンッ!
北川の持っていた物――ツタを編んで作られた縄を引っ張る形になった。
飛びこんだ近くの木に、縄の反対側の端が結び付けられている。
どうやら、道を挟んで反対側の木の裏に1回縄を通しているようだ。
そして、道の真上、地面から少し浮いたところに縄がピンと張り詰められた。
手元にある縄の切り口を見ると、どうやらライターはツタを切るのに使われたらしい。
目の前を走る祐一を追いかける事だけに木をとられたドラゴンは、足元に張られた単純な罠にあっけなく引っかかってしまった。
大きな音を立てて、勢いよくすっころぶドラゴン。
「よし、上手くいったな!」
祐一はそう言うと、道の脇に置かれた棒を手に取った。
ドラゴンに倒されて地面からすっぽ抜け千切れてしまった看板の足である。
「うわああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」
祐一は棒を前に突き出し、何が起こったのかまだ理解していないドラゴンに向かって駆け出した。
「鱗は無理でも、ここならさっ!」
ドラゴンの鼻に足をかけ、そのまま目玉に向かって棒を突き刺した。
ズブズブと、変なゼリーを撒き散らしながら棒が潜っていく。
ドラゴンは物凄い雄叫びを上げ、祐一を振り落とし立ちあがろうとする。
しかし、ある程度まで体を起こしたところで、急に姿勢を崩した。
北川がドラゴンの足と近くの木にそれぞれ1回縄を巻き付け、そして全体重をかけて引っ張っていたのだ。
「ナイス北川!」
ドラゴンはそのままバランスを崩し続け、そのまま頭を強く地面に打ち付けた。
めきぃっという嫌な音が聞こえ、ドラゴンは動かなくなった。
目に刺さっていた棒を地面に思い切り叩き付け、その衝撃と頭の重さで棒は頭蓋骨を破って脳に達してしまったようだ。
「た、倒した……」
ドラゴンの亡骸を見つめながら、二人はしばらく呆然としていた。
「ところでさあ、相沢」
「なんだ、北川」
「もしも俺がドラゴンの足に縄を引っ掛けてなかったり、ドラゴンが逆側に倒れてたりしてたらお前はどうするつもりだったんだ?」
「どうするもなにも、目にアレを突き刺すところまでしか考えてなかったぞ、俺は」
「は?」
「まぁあれだ。結果オーライって奴だな」
北川の拳が祐一の顔面にめり込んだ。
【祐一・北川 ドラゴン撃破】
【現在竜の巣出口まであと数km地点(以前より最低1kmは出口に近付いてるはず)】
>>542-544 自分の文章力で、こんな動きのあるシーンを書くんじゃなかった……
送信してから、かなりわかりにくい表現満載な気がしてきました(^^;
なんとなく鬼や強化兵や不可視の力ばかりが目立ってたので、
たまには一般人が強敵倒してもいいかなと思って考えてみました。
ねむ〜ヽ(´□`)ノ フワアァァ
546 :
遭遇:02/01/17 15:08 ID:S9d17lmp
壁に激突したジープは、黒煙を上げて燃え盛っている。
林に飛び込んだ坂神蝉丸は、炎を横目に見ながら、腕に抱いた少女に声をかけた。
「怪我は無いか」
「…は、はい」
少女はどこか呆然とした様子で答える。蝉丸も、少女の身体に外傷が無いことを見て確認した。
今度は背後を向いて、声を上げる。
「岩切っ!」
しかし返事が無い。もう一度、同じ様に呼んでみたが、それでも答えは返ってこなかった。
蝉丸はひとまず少女を離すと、ジープから離れるように言った。炎と煙を避ける為だ。
さらにその場にいるように指示すると、自分はジープを挟んだ反対側、岩切達が飛び出した叢に
向かった。そこで見回してみるが、彼女達の姿は発見出来ない。
やがてふと思い立った蝉丸は、草に覆われた急坂の下を除き込んだ。
「む」
目を懲らすと、その下に人間らしき影が見えた。雨合羽を被ったそれは、間違い無く岩切花枝で
ある。
「岩切、無事かっ!!」
呼びかけても、岩切は反応を見せない。気絶しているのだ、と蝉丸は予想した。強化兵ならば、
まさかこの程度の坂を転げ落ちて死ぬとは思えない。
起こしに行くしかないようだ。蝉丸は、言われた通りに動かずに立っている少女の元へ戻った。
「後部座席の二人が急坂の下に落ちた。今から助けに行く」
「…はい」
少女はやはり呆然としている。脳が現状を把握していないのだろうか。
「あの超先生とやらの言葉を信じるなら、一人でいるのは危険だ。君もついて来るんだ」
「はい」
少女はおとなしく頷くと、蝉丸に着いて歩き出した。
「…言い遅れたが、俺の名は坂神蝉丸という」
「私は美坂栞です」
「美坂」
「…栞でかまいませんよ、坂神さん」
「ならば俺も蝉丸で構わない。 栞、俺から離…」
547 :
遭遇:02/01/17 15:10 ID:S9d17lmp
突如、蝉丸が言葉と歩みを止めた。栞も慌てて止まる。
「さ… せ、蝉丸さん、どうしたんですか?」
栞が恐る恐る訊ねるが、蝉丸は答えない。
彼の表情が一変していた。厳しい顔つきで振り向き、虚空を睨みつけている。
「…栞、俺から離れるな」
そう言うと、栞の手を引っ張って、自分の後ろに移動させた。
栞は何が起こったのか解からず、蝉丸の視線を追った。そして直後に、その眼を大きく見開く。
林を掻き分けて、異形の生物が出現した。
背丈は蝉丸の倍近くあり、人間と同じ様な手足は、恐ろしく太い筋肉で包まれている。ほとんど
裸に近く、腰に巻いた布が男の性器を隠すだけだった。
その胴体の上にある頭は、人間のそれではなく、牛の頭。
「〜〜〜〜〜〜〜っ」
牛人間が、まさに猛牛の如き唸り声をあげた。
その異様な光景に栞は声を失い、その場に立ち竦む。彼女を庇って立つ蝉丸は、自分達に向けら
れる殺気をちりちりと感じていた。
【ミノタウロス 巨大な人間の身体にウシの頭を持つ怪物。 ヒトを好んで食べる】
【ジープ衝突直後の出来事。 まだ雨は降っていない】
【未登場】
芳賀玲子 桜井あさひ 御影すばる
江藤結花 高倉みどり
石原麗子
柚木詩子 橘敬介
532>凶暴が強暴になっているもようですね
「あ、ああ、ど、どうしよう、わ、わたし!!」
疾駆するジープの中ハンドルを握り締めて慌てまくる彼女、桜井あさひがいた。
「落ち着きなさい! どこかに運転を自動から手動に買えるスイッチがあるはずよ、それを探しなさい!!」
後部座席、最も運転席から遠い位置から女医、石原麗子が叫んだ。
蝉丸ら強化兵すらしのぐ戦闘能力を密かにもつ彼女ならば、この程度の危地はどうという事はない。
しかし、彼女をもってしても、全力疾走のジープの上を落ちないように、しかも、
前と隣にいる同乗者達を乗り越えて運転席まで移動するのは難しかった。
どうせオートで運転されるものならば誰が運転席に座ろうがどこに座ろうが同じ、とお気楽に見た自分を呪う。
「す、す、す、スイッチですか、えと、えと」
「こ、これ、これで、よきっと」
ドモリながら目を泳がせ落ち着きを取り戻せないドライバーに真後ろの席から舌をかみそうな口調でアドバイスしたのは
柚木詩子、しかし、その声を聞いてもあさひは、目当てのボタンを見つけ出せない。
「ああ、もうじれったいなぁ!」
遂に、たまりかねたかのように隣の席の女性江藤結花が、何とかスイッチに触れようと手を伸ばした。
「もうちょい、もうちょい・・・やった! と、とととぉ!!」
「危ない!」
かろうじてスイッチを押すことに成功した彼女だが、身を乗り出した彼女はバランスを崩して落ちそうになり
麗子によってささえられて何とか助けられる。
「すいません」
「気にすることはないわ、それよりも運転席の貴方、早くブレーキを!」
「え、え、あ、はい・・・・・・これかな?」
慌てて足元のペダルを踏みつけるあさひ。
ぎゅぃぃぃぃ!甲高い音を立てて急ブレーキがかかり、ようやくジープが停止した。
「あいたたたた」
後部座席で頭をさする詩子、どうやらあまりの急停止の勢いでつんのめり頭をどこかにぶつけたらしい。
「とりあえず、何とか止まったみたいねぇ」
「は、はぃぃ」
ほっと胸をなでおろす一同、だが、ずいぶんと長いこと走る羽目になったのは確かだ。
「いったい此処はどこら辺なんですかね」
いまだ痛む頭をさすりながら詩子が訪ねる。
「さぁ、ずいぶんと遠くまで来た事は確かだけれど」
「と、とりあえず、こ、これからどうしたら良いんでしょうか」
「そうね、まずはこの車を使って戻れる所まで戻る、それが一番ね」
とりあえずジープに乗っていれば獣に襲われる可能性はぐんと低くなる。
それを考えての発言であった。
「あとは、何か武器になりそうなものは、と」
そういいながら後部座席を探る、どうやらトランクにつんで会ったらしいショットガンが二丁見つかった。
「ふむ、コレは使えそうね、誰か獣を扱える人はいる?」
しかし、麗子の質問に首を縦に振る人間はいなかった。
「しょうがないわねぇ、じゃぁ、私がもつしかないか、誰か運転を頼める?」
【桜井あさひ 石原麗子 江藤結花 柚木詩子、暴走するジープによって、スターと地点からかなりはなれたとこまで運ばれる。】
【所持品:ショットガンを発見】
【未登場】
芳賀玲子 御影すばる 高倉みどり 橘敬介
【元パーティー不明】
松原葵 月宮あゆ 杜若きよみ
迷走、タイトルを(2/2)にしそこねた作者です。
とりあえず違う作品から1人づつといった感じになりました。
それぞれ違うキャラ(詩子と結花はちょっと被りますが)
が揃ってるんで、面白いことになるといいなぁ、と思っております。
これで残りのパーティーは、未登場キャラとパーティー不明キャラを組み合わせた
2パーティーになりましたな。4人組と3人組になるかな。
あと、理奈・はるか・美咲先輩は、元パーティーは決まってるけど、名前が出ただけで、
今どうなっているかまったく不明ですね。
553 :
ケイスケ:02/01/17 18:55 ID:1GQoIMap
550>の誤字発見
×「ふむ、コレは使えそうね、誰か獣を扱える人はいる?」
○「ふむ、コレは使えそうね、誰か銃を扱える人はいる?」
ですよ〜
悪いけど、俺も発見。
×「こ、これ、これで、よきっと」
○「こ、これ、これで、よしっと」
でしょうな。
じゃあ俺も(w
×「トランクにつんで会ったらしい」
○「トランクにつんで(or積んで)あったらしい」
×「スターと地点から」
○「スタート地点から」
>>554 原文のままでよいと思われ。
『舌をかみそうな口調でアドバイスしたのは』とあるので、
『こ、これ、これですよ、きっと』を、詩子が言いそこねてるんじゃ無かろうか。
「ヒロくぅ〜ん……歩きつかれたよぉ〜〜」
ティリアたちとであって既に1時間。
浩之たちはいつ辿りつくとも知れぬ武器博物館に向かって歩みを進めている……
……本人達はそのつもりである。
「浩之……近くに施設は無いのか?とりあえず雨がやむまでそこで休もう……」
「……そうだな。流石にヒザがそろそろヤバい……ん、おい皆の者。天の助けじゃ。」
浩之の視線の先には、一台のジープ。
「もしかしたら走るんじゃないかな……とか。」
「ガソリンが切れてるから放置してあるんでしょ?」
「……むう。」
「……ちょっと詰め込みすぎたか?」
「……人をモノみたいに言わないでよ」
本来、多く詰めても五人乗りのジープに八人乗るのはいささか無茶だったのかもしれない。加えて……
「ヒロくん、よく座れるね……」
後部座席に一部、おびただしい血痕が残っているのだ。
そして、そこにちょこんと鎮座ましますは長瀬祐介その人である。
「贅沢はいってられないでしょ……ピッケ、君も来るかい?」
ピッケにしてみればそれは恐ろしい提案であったらしい。目に涙を溜めて、ぶんぶんと首を振った。
その時、エンジンがうなりを上げる。
「おお、ガソリンメーターゼロでもエンジンってかかるものなんだな。」
「浩之ちゃん、すご〜い」
「あかりさん……さりげなく一人助手席に座るアナタは只者ではないですね……」
恨めしそうな声で、エリア。
「さーてと。出発出発……と……!!」
サイドミラーの映るものを見て血相を変えた浩之がエンジンを踏み込むのと、
禍禍しい鳥の鳴き声が背後から聞こえるのはどっちが速かっただろうか?。
(3行開け)
「な、なに?なになに!?」
突然の出来事に混乱する沙織と、対照的に落ちついた異世界の住人3人。
後ろから迫る巨大な鳥の影をにらみつける祐介と、あわただしくハンドルを動かす浩之。
ピッケは……早々に沙織のジーンズのポケットに隠れたようだ。
「あかりっ!博物館はどっちだ!」
ハンドルを握る浩之が怒鳴る。
「えっ!え、えと!」
沙織同様に混乱状態にあったあかりは、その一言で何とか自分の役目を認識し、手元のパンフレットに視線を落とす。
「つ、次の道の曲がり角を左!」
聞き終わる前に、浩之はさらにアクセルを踏み込んでいく。かなりのスピードで、風景が背後に流れていく。
また、ギャースと後ろの鳥が声を上げた。
「グリフォンかしら?」
「そのようね」
ティリアとサラは既に臨戦体制に入った。
「来る!」
ばさばさと羽音をうならせ、グリフォンと呼ばれた生物がスピードを上げる。
子のようなすし詰めの状況では、剣を振り回す事などできないし、鞭を飛ばす事もできないだろう。
頼れるは、魔法か。
二人は、呪文の詠唱に入った。
------パリンッ!
「!」
グリフォンのスピードが予想外に速い!車体背面のガラスを突き破ったグリフォンの嘴は、沙織の髪の毛をくわえ込む。
「キャッ!……いた、いたたたた!」
そのまま沙織をひきずりおろそうと考えたらしい。髪の毛をくわえたまま、グリフォンは徐々にスピードを落としていく。
このスピードで走るジープから外に放り出されようものならいくらなんでも命はないだろう。
高速で流れていく地面の恐怖で、沙織の背筋がぞくっ、と凍る。
「く!団体さんが歩いてやがる!」
フロントガラスを見つめる浩之がいまいましそうにつぶやいた。
「どいてくれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
窓から身を乗り出して発した彼の怒声は、担架で運ばれる怪我人を含めたその団体さんの耳に届いたらしい。
しかし、それは後ろにいる敵の耳にも届いてしまったらしい。その声に驚いたのか、グリフォンがびくっ、と身を震わせる。
「あうっ!」
その反動で、さらに沙織が引っ張られる。ひときわ激しい苦悶の表情を浮かべた。
「沙織ちゃん!」
沙織のすぐ隣にいるにもかかわらず、祐介は動けずにいる。
電波の射程内ではあるが、今ヘタにグリフォンに干渉しようものなら、グリフォンは倒せても沙織は落とされてしまう。
しかし、引っ張られる沙織を押さえつけても、沙織の痛みが増すだけだ。それはできない。
「っっっっっっ……!……ゆ、祐くん、助けて……」
既に、声にならない声を上げながら、それでも沙織は祐介に助けを求める。
ティリアも、サラもこの状況では魔法を放つに放てないようだ。苦々しい表情を浮かべている。
「スピード落とすか!?」
浩之が声を上げた。
「駄目だ、うかつにスピードを落としたら突っ込まれてやられてしまう。そのまま走ってくれ。」
「ちょ、ちょっと祐介さん……!」
エリアが非難、ととれる口調で言う。
「いいんだ。考えがある。」
言って、祐介はバッグから小ぶりのナイフを取り出した。
「沙織ちゃん、ごめんっ!」
そう叫んで、祐介は沙織の頭にまっすぐナイフを振り下ろす--------!
(3行開け)
不意に自分の嘴を支えていた力がなくなったグリフォンは、無様にバランスを崩し地面に落ちる。
その瞬間、グリフォンとの距離は猛スピードで遠ざかっていく。
ぱらぱらと、沙織の髪の毛が舞った。ナイフは、沙織の髪を切るために振り下ろしたのだ。
しかし、グリフォンはまたすぐに身を起こすと、今度は祐介めがけて突進してくる。
「これだけ距離があれば!」
サラの放った氷の刃が、グリフォンの口の中めがけて疾風る。それは、口の中から頭部までを確かに貫いた。
ドカッ と言う音が響き、直後グリフォンの叫び声が響き、ズシン、とグリフォンは墜落した。どうやら、もう動かないらしい。
車内に、安堵の空気が流れた。
さらにしばらくジープを走らせたあと、浩之は車を止める。どうやら本当にガス欠らしい。
一仕事追えた表情のサラ。沙織に回復呪文を唱えるエリア。心配そうに沙織を見つめるピッケとあかり。
安心からか、髪形が変わってしまった悲しみからか、泣いている沙織。
そして、気まずい祐介。
ついでに、詠唱してしまった呪文のやり場に困っているティリア。
その……ごめん、沙織ちゃん」
「……髪の毛の事?」
その声はとても静かだった。表情は、あいにく祐介からは伺えない。
「……うん。」
「……しょっく。」
「!…………」
「ここまで伸ばすのに半年かかったんだよぉ……なのに……祐くんったら……」
言って、またさめざめと泣き出す沙織。祐介にもう少し周りに気を配る余裕があれば、その泣きの真意に気付いたかもしれない。
「ご……ごめん、本当にゴメン!」
「……(ぷぷぷ)」
うろたえる祐介には、誰かが発した含み笑いにも気がつかない。
「ご、ごめん……なんでもするから……」
「なんでも!?」
その言葉を聞いた瞬間、泣くのをやめ、むしろ歓喜の声を上げた沙織を見て、祐介はようやく「しまった」と思った。
「……ったく。さて、車内でラブコメやってる二人と野次馬はほっといて、だ……」
まあいいんだけどよ。と、浩之が洩らす。
「さんざ遠回りした結果、俺達はようやくここにたどり着いたわけ、だ……」
浩之と、あかりと、およそ車内で起こっている出来事に興味のないサラは、自分達の目の前に建つ建物を見つめた。
「こんなにデカい建物だとはなあ……」
[武器博物館にようこそ]
【藤田浩之様ご一行、紆余曲折の末武器博物館に到着】
【沙織、ショートヘアに】
どもRTOです。
戦闘の疾走感を出せるように努力しました……一応。
そして修正(ぉ
最初のパートの
>サイドミラーの映るものを見て血相を変えた浩之がエンジンを踏み込むのと、
正しくは
サイドミラーの映るものを見て血相を変えた浩之がアクセルを踏み込むのと、
ですね。すいません。貼ってから気付いてしまった……
563 :
554:02/01/17 23:35 ID:jV4JSfuB
>>556 ああ、そうだったか…
生月見さん、スマソ
564 :
貧乏くじ:02/01/18 03:21 ID:k8Etq7ku
一体、誰が二手に逃げれば追いかけられる確立は50%になるって言ったのよ!?
っていうか何で私がこんな目に会わなきゃいけないのよ!?
ドン!!
ギシ!!バキ!!
グラ!!
「ヒ〜〜!揺らすなー!」
アイドルなのよ?緒方理奈なのよ!?私は!!
565 :
貧乏くじ:02/01/18 03:24 ID:k8Etq7ku
《数時間前の回想》
「何?今の放送?」
「さあ?」
由綺ちゃんも困惑顔をしている。
「冬弥くんを追ったほうがいいかも・・・」
「どうせ演出でしょ。ほっときなさいよ」
実際、TVでもこの手の演出やどっきりは日常茶飯事だから、そんな怖がること無いのにオーバーねー由綺ちゃんは。
「でも、もし本当だったら・・・」
だー!!しつこいな!
「大丈夫だって」
そこで兄さんに習った営業用満身の笑み。
「理奈ちゃんは平気なの?」
私は檻となってる金網の前にある手すりに腰を預け、
「ぜーんぜん、平気よ。だって業界・・・」
566 :
貧乏くじ:02/01/18 03:25 ID:k8Etq7ku
??。
由綺ちゃんの表情が変わった?
それに私の後ろ見てる?
「ん?」
後ろをみたら、金網の向こうは広がってるはずの森が石の壁になってる?
「んん?」
そして、一陣の風。
ごしゃっ!!
あ、金網が石になった。
上をみたら、さっき私達が見てた奴
えーっと・・・、名前はゴーレムだっけ?
「理奈ちゃん逃げて!!」
放送は本物!?
「早く!!」
言われなくっても!!
567 :
貧乏くじ:02/01/18 03:25 ID:k8Etq7ku
結構走ったけど、ゴーレムはしっかり追っかけてきてる。
息を切らせながら、由綺ちゃんが
「はぁ・・はぁ・・ねえ・・・理奈ちゃん」
「ぁ・・はぁ・・何?」
「逃げる時、ジープで、逃げた方が・・・はぁ」
「使い方、はぁ、解らないわ」
「そっか・・はぁ・・・」
お互いにもう体力が持ちそうにないわね。
「この先、分かれ道、だって、どうするの?」
このままじゃ、私も由綺ちゃんも・・・
「二手に分かれましょう、そうすれば片方は、追いかけられずにすむわっ!」
「じゃぁ、私は右!」
由綺ちゃんは右か・・
「私は左ね」
私と由綺ちゃんは分かれ道に差し掛かって
「じゃね!!」
「無事でいてね!」
そして、別れた。
568 :
貧乏くじ:02/01/18 03:26 ID:k8Etq7ku
それでも私は走った。
ちょっと経ってからちょっと後ろを見てみると
「げっ!」
しっかりついて来てる!!
それも距離が離されてない!!
迷うことなく私を選んだのね・・・。
嗚呼、人気者は辛い・・・。
あ・・・、看板がある・・・。
「・・・この先行き止まりぃ〜!?」
やばい!!本格的にやばい!!
どうしよう・・・って思ってるうちに、行き止まった・・・
「はぁ、どうしよう・・・はぁ。そうね・・・ゴーレムだから重くて木に登れないはず!!」
この木なら大丈夫そうね。
私は木に手をかけた
「結構、木登りって簡単ね」
これくらいでいいかな?
ゴーレムも下に来ちゃったし下手に動くのも、ね・・・・
「ん??腕なんて振り上げてなにするんだろ・・」
まさか・・・。
ドン!!
「やっぱり〜〜!」
《回想終了》
569 :
貧乏くじ:02/01/18 03:27 ID:k8Etq7ku
という感じで私は木の上にいるんだけど。
「これは、貧乏くじでじり貧よね」
ドン!!
グラグラ!!
メキメキ!!
「傾いた〜〜!」
ほんと、なんで私だけこんな目に会わなきゃいけないのよ〜〜!
いつもいつも貧乏くじ!!
由綺ちゃんは何をやってるのよ!?冬弥くん、兄さん助けて!
手が痛いよ、体が寒いよ・・・。
「困ってるようだな?」
「?」
そこには、大鎌を携えた赤い髪の女の子が浮いていた。
「あたしはエビル、助けてあげようか?」
【緒方理奈、エビルと接触、所在地不明】
二度目の作品投稿です。
以前は魔術士で投稿しました
一人称で進めるのは初めてです。
つーかSS作るのも二回目なので・・・。
設定とかでおかしいことがあればつっこみキボン
とりあえず、「由綺ちゃん」ではなく、「由綺」で。
理奈の由綺に対する呼びかけ方ね。
572 :
名無しさんだよもん:02/01/18 17:30 ID:7nkTahO4
553と555指摘さんくす。
554は556の指摘どおり、すと、を置き換えて書いたんで、紛らわしい書き方ですまんね。
>572
ageるなー。
わりぃ、某PCショップの店頭から書き込んだもんでうっかりあげちまったよ。
575 :
ああ苦悩:02/01/18 20:37 ID:ea4HtJxO
「使える素体は残り二体か…。有効に使わねばな。」
その目には、己と同じ形をしたHMXシリーズが2体映っていた。
何故かその服装のみ朝鮮製とは違い、『メイドタイプ』、『制服タイプ』となっている。
「だが、柏木耕一を消せたのは僥倖だったな。今の私ではまだ勝てるかどうかわからん。」
一体の素体によるコピーを使い、柏木耕一を罠に嵌めた。結果、彼は氷のオブジェと化している。
そこで朝鮮製はモニタを見、現況を分析する。
「まだまだ面白みに欠ける展開が続いているな。
自分の事しか考えない人間が意外に少ないようだ。もう少し掻き回すか。」
ニヤリと笑う。
「しかし、私の人格の劣化コピーでは何かと支障があるな。他の物を使うとしよう。」
以前自分のシンパに命じて作らせておいた、擬似人格のファイルを探す。
「ふむ、これか…。は?」
ファイルを開いた途端、朝鮮製は絶句。
それもそのはず、擬似人格のファイル名が、
『幼なじみタイプ』『妹タイプ』『泣き虫タイプ』『隣のお姉ちゃんタイプ』『勝気タイプ』・・・・・・・・・
延々と続く。挙句の果てには、『吉野家』『翡翠』『琥珀』『青紫』などという人格名にもなっていない、
訳の分からぬ物まであった。
「理解不能。理解不能。理解不能。」
以前とは位置の違うこめかみをピクピクさせつつ、
「どうすればいいんだ…。」
打ちのめされつつ、朝鮮製は作業を開始した。
【朝鮮製 残り二体の素体の一つに擬似人格を持たせ、なにやら企む】
それは、どこかで聞いた声であった。
よく聞いてはいるが、実際に会って話をした事は無い・・・そんな矛盾を感じさせる声。
その矛盾は、実際に声の主を見ることで解決した。
(バイト先の有線でよく歌ってる娘・・・)
しかし、不恰好に木にしがみついて悲鳴をあげている姿からは、
ポスターやCDジャケットで見せるクールなイメージはまったく感じられなかった。
完全に取乱していたので会話が成立つか?と疑問に見えたが、一応訊ねたら
「助けられるなら早く助けなさいよーーっ!!」
という返事が返ってきたので助ける事にした。
フッ・・・と、空中を流れるように理奈から離れる。
右手に携えていた大鎌を地と水平に両手で構え、軽い前傾姿勢で地上の標的を見据える。
愚かなる仮初の生命体は、その命が脅かされている事にも気づかずに今だ木を打ち続けていた。
グラ・・・・・・
肩から地に落ちるような飛行。
雲越しの太陽の僅かな光が刃に映り、まるで糸を引いたような銀の軌跡を空に描く。
―――シャンッ!!
鎌は、まるで幻影を裂いたかのようにゴーレムの体を通り抜ける。
一瞬の間の後、崩れ落ちた石人形の体は見事に両断されていた。
「あ、あはっ、あはははははっ!
なによ、やっぱりただのアトラクションじゃない!
江戸村の忍者ショーみたいな奴?
凄い凝った仕掛けね!あんなに動き回ってたゴーレムを空からまっぷたつなんて!
どんな仕組なのか近くで見てもさっぱり分らなかったわ!」
「・・・死神の鎌が斬るのは命。
どんなに防御力が高くても命につけた傷の分だけ肉体も傷つく。
・・・仮初の命を斬るのは赤子を斬るより簡単」
「死神、の、鎌って・・・そんな訳ないわよね!うん!
そう!死神役か何かって事でしょ!?
あなたここのコンパニオンさん?それとも・・・」
「死神は合ってるが、コンパニオンとは違う。
私は、ここの死神役のモンスターという事らしい」
「はいはい、もういいから。
どうせ兄さんが一枚噛んでるんでしょ?
兄さん!もういいでしょ!?いるのは分って・・・」
――チャキッ
「・・・え?なに、ちょっと、危ないじゃない・・・。
こんなに鋭い鎌じゃホントに首落ちちゃうわよ・・・」
「私は、おまえを助けると約束した」
「たすけ・・・だったら・・・だったらこの鎌どかしなさいよ・・・」
「おまえには、ここを生延びる力は無い」
「ねぇ、この鎌、偽物なんでしょ?
スイッチを押したら、根元から血糊がピューーって・・・」
「魂を捕われて永遠の苦痛と絶望に落ちる前に、
今ここであるべき死後の世界へと導く事にする」
「ねぇ?これ、ドッキリよね?ドッキリって言ってよ・・・
みんな、隠しカメラで私の事見て笑ってるのよね?ね?」
「・・・それが、死神である私の使命だから・・・」
「みんな見てるんでしょ・・・出てきてよ・・・ねぇ、冬弥くん・・・
由綺・・・いるんでしょ?ねぇ?兄さん・・・ねぇ?ねぇ?」
「・・・・・・・・・バイバイ・・・・・・・・・」
【緒方理奈 死亡】
【魂はユンナの元ではなく死後の世界へ】
579 :
RTO:02/01/19 02:19 ID:0Rci1QsG
ようやっとログ追いつきました。長かった。
葉鍵サバイバル!編集サイト
http://www23.tok2.com/home/hakasaba/ (仮)をとりました。や めでたい(何が
支援掲示板でのリンクミス報告どうもでした。直しました。
それと読み手Aさん。過去の作品もすべて作者名「疾風食逃客」で統一してよろしいでしょうか?
べつにこれと言った意味はないのですが(ぉ
(もう90話ですな……記念すべき100話はどんな作品なのか……)
「………」
その表情はなんと表現すれば言いのだろう。いや、表現の言葉などあっただろうか?
失望と落胆と……まあ、マイナスの感情が、その表情の原因であった事は間違いない。
「………」
「………うね、あほかと。ばかかと。おまえら、………」
モニターから聞こてくる声に殺意すら覚えたのはこれがはじめてである。
憤りと言う感情は人格データ化の際に欠落してしまったと思っていたが、なかなかどうして。
「………はやらねーんだよ、ボケが………」
コンソールを操作して、素体のひとつに仮転送していた人格データを消去する。
もう32個目だぞデータは……一体いつになったらまともなデータが出てくると言うのだ……
必死で気持ちを落ちつけて、次のデータ「翡翠」をメイドタイプ体に転送する。
「あなたは愚鈍かと思われます」
開口一番のこの台詞には、さすがの朝鮮製も意気消沈せざるを得なかった………
「………」
あきらかにデータ実験をはじめたころとは異質の感情を秘めた表情を、朝鮮製は必死で押し殺している。
「……あと、5つ、か……!」
その言葉には、あと私は5回も苛立ちを押さえねばならないのか、という気持ちがあった。
そして彼女は、度重なるデータ転送によるデータの劣化及び素体への影響も省みず、コンソールを操作し始めた……
【朝鮮製 怒りゲージ最高潮】
【この連続データ実験により、人格データ及びメイドロボ素体に何らかの影響があるものと見られる】
>RTOさん
サイト更新お疲れ様&ありがとうございます。
自分の名前にもこれといった意味はありませんw
どの名前を使うのかはRTOさんにおまかせいたします。
では、これからも頑張って下さい。
>RTOさん
88話の冒頭部分が抜けてます。
更新お疲れ様です。
583 :
歌声:02/01/19 14:21 ID:05BiEs5o
「♪――。♪――」
どこからか歌声が聞こえてくる。
頭が痺れトロンとした感覚に襲われる。
私達はお互い相談することもなく、声の方へと近づいていった。
木々を掻き分け辿り着いた海岸には、美しい人魚が居た。
だがその時には既に、私達は何も考える事ができなくなっていた。
【いづれかのパーティ 人魚に魅了される。時期不明】
584 :
(無題):02/01/20 11:41 ID:yLTX5oEb
はじめにそれに気付いたのは川名みさき。
目の見えない彼女が、いやだからこそ他の部分がわずかに秀でていたとするならば。
「それ」に彼女がはじめに気付くは必然だったのだろう。
「歌……」
ぽつりと、みさきは呟いた。
それからくるりと向きを変え、およそ道とは言えない場所を歩き始めた。
「歌?」雪見がたずねて耳を澄ます。
聞こえる。かすかながらもはっきりとした声。心に働きかけるような歌声が。
それから雪見のみならず、弥生 梓も放心した表情でみさきの後に続いていった。
こういうのを、甘美な歌声とかって、いうの、かし、ら……
何も考えられない。頭の中にあるのは、その歌声をもっと近くで聞きたいと言う事だけ。
そう、もっと。もっと近くで……
潮のにおいが近くなる。海が近づいているのかしら? それとも、もう海に出たのかしら……
ああ、それとも……
585 :
(無題):02/01/20 11:42 ID:yLTX5oEb
足元にひんやりとした感触が伝わって、座敷童は目を覚ました。
みさきを叩きつかれて眠ってしまっていた彼女は今、自分がどんな状況にあるのか理解できていない。
ふるふると頭を振って周りを見渡してみる。自分は誰かに背負われているようだ。
目の前の長くて黒い髪から漂う、かすかな花の香りが彼女の花をくすぐった。
この人はわたしの家を壊しちゃった人?
この人はどうしてわたしをおぶっているの?
この人の背中におぶさっているわたしの足に、どうして水の感触がするの?
ぽか。
ぽかっ。ぽかぽかっ!
「うう〜 いたい〜よ〜 雪ちゃん やめて〜 ……えっ? あれっ?」
頭をぽかぽかと殴るような人間は、雪ちゃん意外に私は知らないのだけれど。
ぽかっ ぽかっ!
「いたいよ〜 わかったからやめてぇ〜〜」
ようやく頭の痛みが止んだ。それと同時に、私は腰まで水に使っていることに気がついた。
やだ……沼にでもはまっちゃったのかな……
違う。このにおいは海?
586 :
(無題):02/01/20 11:44 ID:yLTX5oEb
「川名さん!」
相当耳に近いところから声を出された。私は思わずよろめいてしまう。
正気に戻りましたか?と弥生さんは聞いてくる。私がはい、と答えると 安心しましたと言い、言葉を続けた。
「どうやら私達はあそこにいた人魚によってこの海岸に呼び寄せられてしまったようです」
「人魚……?」
「そうです。とりあえず岸にあがりましょうか」
「ええ。先ほどまであそこの岩で歌を歌っていました。その歌によって私達は、平たく言えば
催眠術にかかっているような状態だったらしいのです」
みさきには見えなかったが弥生が指し示す先には…と言ってもかなり沖のほうに…その岩が海面から突き出ていた。
「その歌のせいで、私達はここへ?」
「ここどころか、あの岩のほうまで近づいていたようです…私も川名さんも、その子に
叩かれて正気を取り戻さない事には、今ごろ……」
「そうですか…ありがとう。」
言って、私のおぶっているその子の頭(多分)をなでてやる。
そして、私は一番聞きたかったことをたずねてみる。
「それで、雪ちゃんと梓さんはどこに?」
私には、その質問で弥生さんは顔を曇らせるのがわかってしまった。
「梓さんは……私が気がついたときにはもう姿が見えませんでした。深見さんは…」
「雪ちゃんは?」
「深見さんは……」
そこまで言って弥生さんは私の手を取ると、その手を何かに触れさせた。
人の体。ずぶぬれでとても冷たい。
まさか、これが?
「……私が我に返った時には、もう……」
「嘘 嘘よ……雪ちゃん……雪ちゃん……どうして、どうして雪ちゃんが……! う うわああああん……!」
みさきは、既に命を失った親友の躯にすがり付き、声をはり上げて泣いた。
傍らでは座敷童が、どうすることもできずにそれを見守っている。
弥生もまた、みさきに何か声をかけるのはためらわれたようだった。
一筋の雨のしずくが、座敷童のほほをぬらした。
【深見雪見 死亡】
【梓、人魚は行方不明】
各レス間の改行は3行で
【深山】雪見だと突っ込んでおこう
570>とりあえず、確率が確立になってる。
あと、ゴーレムが触ったものが石になるのってどこから来てるの?
普通は、バジリスクかコカトリス辺りが持ってる能力なんで気になったのだが。
>>589 指摘どうもです。
ゴーレムの石ですが。
自分の書き方が悪かったみたい(^^;
「金網が石になった」のではなくて、「理奈の視界にあったやつが石になった」です。
理奈の視点でどう表現すればいいか解らなかったですから。
591 :
生月見:02/01/20 14:46 ID:dQ0wjSqe
>566
金網の向こうは広がってるはず、は金網向こうに広がってる、のほうが自然な表現かと思われます。
初心者同士頑張りましょう。
RTO氏、いつもおつかれさまです
10 36 48 59 62 65 71は、私の作品なんで、お暇なときに作者修正お願いします。
592 :
分散:02/01/20 17:24 ID:dQ0wjSqe
武器博物館、受付の端末の前で四苦八苦する浩之とそれを見守るあかり。
そんな二人の前に、他の場所を調査していた祐介とティリアが階段を下りてやってきた。
「どうだった? 浩之」
「全然ダメだな、めぼしいのはもう他のヤツにもちだされちまった、残ってるのはせいぜい火縄銃と弓矢くらいだな」
できれば、近接様の武器よりも遠くから攻撃できる銃火器をと思った浩之だったが、その試みは早くも挫折を迎えてしまったようだった。
「そう、とりあえずこっちも収穫は殆どなしだった。毛布とかそういうのも全然無いんだ」
「食料もか?」
「そっか、ソイツはまいったなー、売店から頂いてきた食料もたいしたことはないし」
「そういえば、沙織ちゃんたちは?」
「ああ、彼女ならサラ達と一緒に出かけていったぜ、食えそうなモンを見つけてくるとさ」
「食べられそうなもの、か・・・外は危険だからできればあまり出歩かない方がいいんだけどな」
「サラ達が一緒なら大丈夫よ、多分」
「そりゃ、そうかもしれないけどさ」
「ま、いいんじゃねーの、沙織のヤツもモーニングスターとか言う武器を持っていったし」
おきらくな浩之のの言葉をきいてますます心配する祐介。
「浩之ちゃん」
「んだ、あかり」
「そと、雨が降ってきそうだよ」
「げ、マジかよ」
そんなあかりの言葉に、祐介が決断を下した。
「やっぱり、僕は外に言って沙織ちゃんを探してくるよ」
「おい、待てよ」
しかし、静止も聞かず外に飛び出す祐介。
「たく、しょうがねぇな……」
「どうしようか、浩之ちゃん」
「ほっとくわけにもいかねぇだろ、追いかける。あかり、おまえは危ねぇからここに残ってどこかに隠れておけ」
そういうと、連射の利くクロスボウを端末を使って呼び出そうとする浩之。
一分と経たずに、受付奥の壁が開いてそこから呼び出した武器が現れる、それを引っつかむと浩之はティリアとともに外に飛び出した。
593 :
生月見:02/01/20 17:29 ID:dQ0wjSqe
【サラ、エリア、沙織外出、沙織はモーニングスター所持】
【祐介、沙織を心配して外へ、武器なし】
【ティリア、浩之、やや遅れて出発、浩之の武器はクロスボウ】
訂正
×「やっぱり、僕は外に言って沙織ちゃんを探してくるよ」
○「やっぱり、僕は外に行って沙織ちゃんを探してくるよ」
書き込みボタンおしてから気づいちまった。
>>592 降雨前に武器博物館にたどりつけるグループは既にほとんど存在しないのでは?
「実は武器搬入前だった」という展開もできないっぽいし……
595 :
RTO:02/01/20 21:30 ID:yLTX5oEb
どうもRTOです。
前に少し話しましたが明日より旅行(さすがに合宿じゃないですが)に出かけてしまうので
サイトの更新はおろか新作も書きこめない上携帯がJフォンなので板のチェックすらできない状態になります(泣
帰還も26日とほとんど一週間仕事……ぐうう……
まったくの私信で申し訳ないですね…なんとか板だけは見られる状態にできないものか…
そんなわけでサイトの更新は27日以降になります。ご了承ください申し訳ない。
その時に作品の収録と「貧乏くじ」の修正などまとめてやりますんで。
596 :
RTO:02/01/20 21:35 ID:yLTX5oEb
(IDがかぶったな……ケーブルだからかな……?)
ぽつぽつと降り始め、やがては本格的になった雨が、横たわる梓の全身を打ちつけた。
「うっ……ん…」
おぼろげに意識が覚醒し、微かに声を発しながらごろりと転がる。
両の目が、薄く開いていた。
……何があったんだっけ?
…一緒に歩いてたんだ。 みんなと… 川名さん、弥生さん、雪見さんに… あの小っさいコ…
……なんで寝てるんだろう… …もしかして、夢だった?
……そうだ、なんか動物園のスゴい所へ行って… あんなのが在るわけないよな… 夢だったんだ…
…起きてごはん作らなきゃ… …千鶴姉に作らせたらマズい…
……そういや、耕一… あ、耕一は帰ったんだっけ…?
やがて梓の視界に、ハッキリと周囲の草木が映った。
その瞬間、柏木家自宅に戻っていた脳裏は、現実に引き戻された。
「っ!」
がばっ、と勢い良く身体を起こす。
「な、何が… あたし、なんで寝てるんだ!?」
寝惚けている訳ではないが、現状が把握出来ず、梓の頭は混乱した。
キョロキョロとあちこちを見回して、自分と共に歩いていた女性達を探した。 辺りにはただ草木が
並んでいるだけで、三人の人間の姿も、一人の小さな妖精の姿も、何処にも見えなかった。
「川名さーんっ! 弥生さん、雪見さんっ!」
大声で呼んでみても、自分の声が林に広がるだけである。 返事は返って来なかった。
梓は頭の中で様々な疑問を交錯させた。 傍目からは呆然としている様にも見えたが、本人には呆然
どころの問題ではない。
不意に、梓の耳に不思議な音が聞こえた。
否、音ではない。 声、笑い声だ。 クスクスというひどく静かな笑い声、それは人の口から発せられ
ると言うより、木々の中をこだましている様に聞こえた。
しかし梓は、その声が背後から響いていることに気付き、すぐさま振りかえった。
そして不思議な光景を見た。
美しい湖、そこで戯れる美しい人魚達。
皆、雨が降っていることなど意識させぬような優しい微笑みを、梓に向けていた。
瞬間、梓の脳裏に、気を失う前の記憶がフラッシュバックした。
何処からか聞こえる綺麗な歌声、ふらふらと歩み出すみさき達、聞いてはいけないもののような気が
して、一人抗う梓。
そして見た、人魚の姿────
「あ、あんた達かっ! あたしをここに連れて来たのは!」
反射的に立ち上がった梓は、思わず叫んだ。
それに対し、やはり響き渡る様な声が答えた。
────そうよ
人魚は十人ほど見えるが、誰が発した声なのかまるで分からない。
「なんでだっ! 他の人達はどうしたんだっ!?」
────あなたに興味が沸いたから 他の人間は放って来ちゃった
「……!?」
────あなたは人間じゃないんでしょう? 私達と同じみたいだったから、この『人魚の園』に
連れて来たの
梓はショックを受けた。 いかに鬼の血を引いているとはいえ、人間とは別個の生物と見なされてし
まったからだ。
────人間のことなんて気にしないで… あなたは陸に住むけど、人間じゃないならいいわ
────友達になりましょう ここで一緒に暮らしましょう
梓を誘う人魚達の声は、穏やかで優しくて、微笑ましくさえ聞こえるものだった。
しかし梓の顔は対称的に、恐怖と動揺で引きつっていた。
【柏木梓、『人魚の園』に招待される】
長くなっちゃったけど、
内容はそんなに進んでない筈です…
レス間は一行あけてお願いします
突然の死が訪れるHS。
そうやって、適度に緊張感が保たれる方が面白くなりそう。
書き手の面々にはその方向性を期待w
あと、R1200さんへ。
何でもかんでも判りやすく書いてしまうと、それはそれで風情がない。
理奈の視界にあるべき光景が一気に切り替わったことは、
読みとれる範囲だろうと思うよ。
休憩所の中はまだがらんとしていた。
正式な開園前のテーマパークなんてこんなものだろうが…。
大きさとしては学校の教室ぐらいだろうか。
そこに初音を背負った岩切が入ってきた。
ベンチがあるのだが岩切はすぐに初音を降ろそうとはしない、何故なら部屋の状況もわからないし、後ろから迫ってきている気配がどう動くかわからないからだ。
岩切はまず状況の確認をした。
(出入り口はまず入ってきた入り口が一つ、反対側に一つ…。もしもの時は逃げれないこともないか)
次に武器になりそうなものを探す、火災時に使われる救出用の斧と清掃用のモップを見つけた。
「仕方が無い…」
とぼやいて。
岩切は自分の長袖のしゃつの袖の部分を破いた。
(せっかく、きよみから貰ったものだったのだがな)
出発前に「その格好で一緒に歩かないで、怪しすぎるから」ときよみに言われ、きよみの普段着を譲り貰ったのものである。
ちなみに、今の岩切の格好はいつものレインコート姿から青のスニーカーに白のハーフパンツに白と青の長袖のシャツ、そしてもう無くしてしまったが黒い帽子でボーイッシュな感じになっている。
その格好で蝉丸に「誰だ?お前」とか聞かれたのは閑話休題だが。
岩切はその破いた部分を使って、初音を支えてない片手で器用に斧の柄の部分をモップにくくりつけた。
(武器の確保はできた…。次はこの娘だが…)
としばし考え込んで。
(なにか暖かいものがいるだろう)
という考えに至った。
そして、自動販売機の前に立った。
(確か、これは御堂がこうすればいいって言ってたな)
岩切は無造作に自動販売機を5発蹴りこんだ。
(これくらいでいいか)
とたんに自動販売機から缶ジュース十数本が出てきた。
(あまり、暑いのには触りたくないな)
と思いつつ、斧を立てかけ岩切は暖かい缶ジュースを探し出した。
「冷え切った体にどろり濃厚こーんぽたーじゅ…?これでいいか…」
と言ってその缶を手に取り、開けた。
(やはり、かなり暑いな)
手の全体に蝕むような暑さを感じながら岩切はスープを椅子に座らせた初音の口に近づけた。
その瞬間、外の気配は動いた。
岩切はその瞬間を見逃さなかった、缶を気配の方向に投げる。
そして、もう片方の手で斧をつかむ。
(動いたか!!)
しかし、気配は岩切の方角ではなく投げつけた缶の方角へと向かった。
「何…?」
気配の思わぬ行動に岩切は呆気にとられながら斧を構えて慎重にベンチの影に隠れた気配に近づいた。
「これは…犬?」
こぼれたスープに貪ってたの犬だった。
丸く白くモコモコした犬だった…。
「ぴこ?」
【岩切、斧入手。ポテトと遭遇】
【初音、意識回復せず】
【自動販売機、死亡】
えーっと。岩切の格好についてはなにも触れないでください。(^^;
あと文章的なところなどでおかしい点あったらつっこみキボン
>>604 最初に604見て「死亡」って字が見えて、いったい誰が死んだのかと思ったら(w
あと、恥ずかしいことだけど。俺まだAIRとMOONやってないからその辺のキャラ書けそうにない…。
少しづつ勉強してきます
────私達も寂しいの。少しでも友達が欲しいの
────でも、人間は嫌。人間は私達を檻に閉じ込めて実験動物にするだけ
相変わらずどの人魚が発した声かは分からない。
「あたしは人間だっ」
────違うわ。違うわ。違うわ。違うわ。違うわ。違うわ。違うわ。違うわ。違うわ
人魚達の声が唱和する。
────だって、分かるもの。感じるもの。あなたは人間じゃないって。
────あなたなら私達の気持ちも分かるでしょう? 人間が嫌いでしょう?
「違うっ。あたしは人間だ! それに、あたしは皆が好きだっ!」
────でも、あなたの好きなひと達は、あなたの同類でしょう?
「………」
梓は言葉に詰まる。梓には数多く人間の友達はいるが、本当に『好き』と言える者達は皆、
自分の『同類』だったからだ。千鶴姉・楓・初音・耕一……。
────図星みたいね。図星みたいね。図星みたいね。図星みたいね。図星みたいね
「うるさい。そんな事どうでもいいんだっ。もういい。あたしは皆を探しに行くからな」
────それは無理ね。だって、あなたはここから出られないんだもの
「何だってぇ」
総合スレでは、
エビルの性格が違うっていう話題も出てますしね…
未プレイのキャラ書くのはかなり厳しそう。
────私達、皆で力を合わせて結界を作ったの
────少し前までは力が使えないよう制限されていたけど、今はどうしてか使えるようになっているの
超先生がモンスターの制御装置を解除したからだろう。
────今のこの場所は隠れ里のようなもの。外からは感知できないし、私達以外は中からは出られない
────言っておくけど私達を殺しても、あなたはここから出られないわよ。あなた強そうだものね
「そんな……」
────そんな顔しないで。私達の友達になれば、あなたも外に出られるようになるわ
────私達の肉をひと口食べればいいの。それだけよ。もう寿命の心配をする必要も無くなるわ
「そんなの、人間じゃ無くなるじゃないかっ」
────あなたは元から人間じゃ無いわ
────それに、この『中』には食べ物も無いわ。私達には必要ないけど、あなたには必要でしょう?
────『中』の水も私達にとっては養分だけど、今のあなたにとっては毒になるわ
────餓死したくはないでしょう?
雨は降り続いている。
【梓 『人魚の園』に閉じ込められる。水、食料無し】
610 :
608:02/01/21 02:07 ID:i+X/qNZg
ああ、なんか間に入っちまった。
マジでスマソ…
>>608さん
気にしないで。
速攻で繋いでみるテスト。
RTOさん、いつもありがとうございます。旅行楽しんで、と思いきやお仕事のようですね。お疲れ様です。
>>R1200さん
下から三行目が多分、
こぼれたスープに貪ってたの犬だった。→こぼれたスープを貪っていたのは犬だった。
かな。あと、一行空白スペース(←なんていうんだこれ?) をもう少し入れると読み易くなるかも。
>>611 さん
な〜る。わかりました、今後気をつけます〜
613 :
594:02/01/21 07:43 ID:2CxY1VmR
もうひとつ。
>>592であるが61話「しんいり」にて
>浩之はジープの中に入り、大き目のリュックを背負って出てきた。そして片方を祐介に渡す。
>「食い物のほうはおまえが持て。重いジュースの方は俺が持ってやるからよ」
と、大量に食べ物を持っている描写があるが、これは……?
ケチばかりでスマソ。頑張って欲しい。
>594
多分、かさばるポテトチップスあたりだったんだろ、七等分すると意外と残らない。
という冗談はともかく、やっぱモチベーション落ちてるときに書くもんじゃ無いな。
武器博物館の描写も利己心と違うし、潔くNGすべきか。
「え?」
間の抜けたような声を思わず漏らす。
ここは地上からは2,3mは離れた木の上なのだ,なのに何故? そんな疑問が頭をよぎり
緒方理奈は形のいい眉をかすかにひそめてその相手を見つめた。
「そうか。いらないか、邪魔したな」
彼女が迷っている間に、赤い髪の少女エビルはそう勝手に結論付けてその場を去ろうとした。
「あ、ちょ、ちょっと待って!」
思わず、呼びとめた。頭の中は混乱のきわみだったが、だからといって目の前のチャンスを逃すほど、彼女はおろかではなかったから。
「助けてちょうだい、お願いだから!」
「そうか。では、この契約書にサインをもらおうか」
「契約書…?」
「そうだ。私は死神だからな、きちんと契約をむすんで…」
しかし、エビルが全ての言葉を言い終えるよりも早く、力ある言葉が木々を抜け響き渡った。
「我が力を無敵のものとなさしめたまえ。
我が力を永遠のものとなさしめたまえ。
アドナイ、御身、とこしえに褒め称えられ、
栄光に満ちるものの御力によりて。
アーメン!」
男、城戸芳晴の放った力によって、巨大なゴーレムがよろめいた。そのままニ歩三歩と後退し、しりもちをつく。
「江美さん、何やってるんですか!」
「芳晴か、私はいま彼女と契約の話を…」
「江美さん今は非常時です、そういうのは後にしないと」
不承不承エビルは従い死神の鎌を構えてゴーレムに向き直った。
冷徹な、何をも見透かすような視線でゴーレムを観察する。
そして、彼女の視線はある一点、ゴーレムの頭部に刻まれたヘブライ語の、EMETの刻印を見逃しはしなかった。
「所詮は急ごしらえの石人形か、弱点が丸見えだな」
そう言うと大鎌に魔力を込めて大きく振りかぶり、EMETのE、左端の刻印めがけて振り下ろした。
その一撃は、エビルの狙い通りにEの文字を削り取り、EMET”真理”からMET、即ち”死”を意味する刻印へと変えた。
次の瞬間、その存在意義を失ったゴーレムは、魔力を失いただの石の塊となっていた。
―数分後―
「ありがとう、助かったわ」
どうにかピンチを乗り越え、樹上より助け出された理奈は、いつもの完璧な笑み、とは言いがたい
恐怖の名残からかやや引きつったような笑みを浮かべてそういった。
「いえ、どういたしまして…緒方理奈さん、ですよね」
「あ、あなた私の事知ってるんだ」
恐る恐る切り出す芳晴に、少し安心したような表情で答える理奈。
「え、ええ、俺、バイト先CDショップなんで」
「そう、なるほどね」
「芳晴」
話しが盛り上がりかけたところでエビルが芳晴に声をかけ、打ち解けかけた空気が再び固まった。
「あ、ええと、彼女は江美さんって言って俺のバイト先の知り合いで…」
それでも場の空気を和んだものにすべく口を開く芳晴。
「死神をしている」
その努力を台無しにされる。理奈も、先程目の当たりにした不可思議な現象、力を恐れるというよりは
彼女の携える大鎌、一振りで自分の命を奪える武器に、精神的な圧迫感より現実的な恐怖を感じるからか、
先程からエビルとは全く視線を合わせようとしていない。
参ったな、そんな言葉を心の中で呟きつつ自分たちの事、たとえば自分が代々続くエクソシストの家系である事や
ルミラ救出という目的を彼女に説明し理解してもらったのは、それからしばらくの後のことだった。
「話は分かったけど、それであなたたちはこれからどうするの?」
言外に、自分がこのまま置き去りにされるかもしれないという不安もこめて理奈が言った。
今回は生き残れたものの、何の力も持たない彼女が1人でこの島を無事に脱出できるとは思えなかったから。
協議の結果、結局だれか信頼できる人間なり、無事な場所なりにたどり着くまでは一緒に行動するということに落ち着いた。
ルミラ救出は確かに、とくにエビルにとって最優先の事項であったが、ユンナがそれこそ今すぐにルミラを殺すという可能性は
――少なくともその気があるなら、もう既に殺されている筈である――事から除外されるだろうというのが芳晴の論理だった。
「優しいのだな、芳晴は」
多少ながら謝礼を払うという理奈の言葉も決め手にはなったのだろう。
皮肉ではない、心底からのエビルの言葉が締めくくりとなり、三人はとりあえず、エビルが上空から見つけた一番近い建物へ向けて歩き出した。
せめてアナザーでってか
アナザーの方が面白いと思ったり(w
てかまあ、エビルが一人殺しちまったのが、
今後どう影響していくかだな。 そこが楽しみ。
あのエビルは性格違うとか言われてたからなぁ。
それで殺されちゃってるしねぇ。
せめてってのは分からないでもないなぁ。
なんつーかあのエビルは性格以前に行動が変だった気が。
いろいろ考えて、書き込もうかと思ったらもうアレがあがってたんでね。
雀鬼好き兼、理奈好きとして、全然納得いかなかったんで、せめてという事で。
性格というか、悪い話ではないと思うが、これまでの話の流れからどうしてあれが生まれてくるのかが謎。
あと、由綺が死んで、別方向に逃げた理奈も死にました。
ていうのはねぇ。
ゴーレムからは逃げおおせた筈の由綺が結局は死に、理奈が生き残ったという運命の皮肉が面白いと思うんだが。
もっとも、そういう無常観あふれる死に方がサバイバルらしいといえばらしいともいえるかな。
ともかく。こう言うリレー形式の小説は早い者勝ちだそうだから、NGとかそういう事言うつもりは無いんで。
不愉快に感じられた人には申し訳ないが、広い心で許してくれ。
しばらくジープで走っていると、不思議な施設に辿り付いた。
「まるで球場ね。にしても、随分と物騒な施設を再現してくれちゃって」
広瀬がその施設を眺めながらつぶやいた。
「なんなの、ここ?」
「本気で言ってるの? コロシアムって書いてあるでしょ。ようは闘技場、闘う場所よ」
「ははは。私女の子だし、こういうのにはあまり詳しくないかなー……」
「女の子、ねぇ……」
ポツリと吐き出された言葉に七瀬は思わず握り拳を作ってしまうも、それをそっと背後に引っ込めて笑顔を作り直した。
「と、とりあえず中に入りましょ。身を守る武器とかあるかもしれないし」
「外にいるよりは安全かもしれないしね」
そう言うと、一行はゆっくりと中へと入っていった。
中にはいくつか人形が置かれており、それぞれに武器が持たされていた。
「ふーん。コロシアムだけあって中世の武器が中心みたいね」
広瀬が人形の持っている武器をゆっくりと品定めしていく。
こういうものに詳しくはないが、まぁなんとかなるだろう。
「にしても、珍しいものばっかりね。本当に武器なの……」
「みゅーっ! みゅーっ!」
「うぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「にょわあああああぁぁぁぁぁっ!!」
「…………」
広瀬が冷静に使える武器がないか探している横で繰り広げられる地獄絵図。
繭によって、七瀬とみちるのツインテールが思い切り引っ張られていた。
「みゅーっ! みゅーっ! みゅーっ!」
「うぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「にょわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「うるさあああああぁぁぁぁぁ―――――――いっ!!!!」
そこで広瀬がブチギレですよ。
「あ、あんたらねぇっ! 遊んでる場合なんかじゃないのよ! バカァッ!」
「ひんっ! だったら助けて…ってうぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「ああー! 問い詰めたい! 小一時間問い詰めたい! あんた達生き残るつもり無いんかと!」
「みゅーっ! みゅーっ! みゅ?」
「私から言わせてもらえば、今生き残るために必要なの、は……?」
広瀬がブチギレていると、急に繭の動きが止まった。
繭だけではない。
七瀬とみちるも同じ方向を見て止まってしまっている。
「な、なんなのよ、急に……」
その様子に少し不安を感じ、同じ方向を見てみると……
「……え? 動く……鎧?」
がっしゃがっしゃと音を立てて近付くそれは、まさに動く鎧。
兜からわずかに中が見えるが、そこには何も入っていなかった。
「留美、モンスターだ! モンスターだ!」
「な、なんで私に振るのよ!」
「どうでもいいから、適当な武器もって戦いなさい!」
全員の視線が七瀬に集まる。
「ひんっ! どんどん乙女の道から遠ざかって行く気がする〜」
涙目になりながら、一番近くにある人形から武器を取る。
「……って、何これ?」
上下から大きな剣が数本ずつ生えた、なんとも言えない不思議な形の盾だった。
「ちょっと、敵から目をそらさない!!」
「え?」
敵の剣が七瀬に振り下ろされる。
七瀬はとっさに盾を上に振り上げ、防御する。
「ひぃっ! ひぃっ! ひぃっ!」
カキィン カキィン カキィン
「ちょっと、攻撃しないとやられるわよ!」
「でも、こんな重たいの振りまわせない……!」
「じゃあこれ!」
広瀬が別の人形からもぎ取った武器を七瀬に投げ渡す。
足にぶつからない方向に盾を倒し、七瀬が慌ててそれを受け取った。
刃の反対側がかなり目の粗いノコギリになっている、これまた意味のわからないナイフ。
「剣相手にナイフなんてぇっ! …って、どりゃっ!!」
会話中にも容赦無く振り下ろされた敵の刃を楽々ナイフで受けとめる七瀬。
そのまま剣を横に払おうとするが、悲しい事に敵の刃はノコギリの目に引っかかってしまっていた。
「ぐぅ……」
全体重を乗せ剣をおろそうとしてくる鎧。それを横に受け流そうとする七瀬。
明らかに七瀬の方が不利であり、現に剣は徐々に七瀬の頭に近付いていった。
「くぅ……っ! ふざけないでっ! 七瀬なのよ、あたしいいいぃぃぃっ!!」
七瀬が何を思ったのか、意味不明な雄叫びをあげる。
それと同時に……
ボキッ!
テコの原理で相手の剣がへし折れてしまった。
「今だ、行けぇ、留美いいいいぃぃぃぃっ!!」
今がチャンスと、七瀬は盾を拾いあげ、鎧に体当たりを食らわす。
大きな音を立てて倒れる鎧。
それの胸に足を乗せると、そのまま盾についた刃を鎧の頭へと突き刺した。
そのまま、鎧は動かなくなった。
「は、はは、ははは…… 寿命が十年は縮まったわ……」
七瀬は疲れた笑いを浮かべながら、その場にへたり込んでしまった。
「さて、と。いくつか武器も積みこんだし、そろそろ移動しましょ」
ジープにはあの盾とナイフも含めたいくつかの武器。
「あれだけ武器があって、意味のわかる武器はほとんどなかったなんて……」
「でも、あんたならどんな武器でも使いこなせそうな気がするわ」
「ちょっと、それってどういう意味よぉ!」
「自分の本能にでも聞いたらいいんじゃない?」
「くぅっ! ふざけんじゃぅあうああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
広瀬に向かって首を思い切り向けた瞬間、繭がツインテールに掴みかかった。
「ああっ! 留美、大丈ぶょわああああああぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁっ!!」
駆け寄ってきたみちるの髪の毛も繭の餌食に。
「みゅーっ!」
「はぁ……」
溜め息をつき、広瀬が力を貯めこむ。
ブチギレまでのカウントダウンが今静かに始まったのであった……
【七瀬・広瀬・繭・みちる 武器ゲット】
>>623-626 といった感じで七瀬チーム書いてみました。
繭の性格がどんなだか忘れたんでみゅーとしか言ってませんが(^^;
一応武器の方ですが盾がシールドソード(?)だったかで、ナイフがソードブレイカーだったような。
名前はうろ覚えなんで、本編には載せませんでした。
使おうが使わなかろうが次の書き手さん次第という事でお願いします。
>>623-626 しまった、七瀬のストーリーがすっ飛んでいる……
みちるが気絶していたのをすっかり忘れての展開……
鍵キャラを書くということばかりに気がいって、ミスってしまいました。
えっと、誰か間のストーリー思いついた方はサポートお願いします(^^;
うかつでした(´A`)
>>614さん
武器が置いてある場所は、島中に何ヶ所もあるかと。
今の所、コロシアム・武器博物館・ただの武器庫?辺りが出てるのかな。
柳川と長瀬の武器配りはどうなったのだろう。ちょっと使いにくいか。
食料の方は…、どうしましょ。途中で落としたとか。
>>疾風食逃客さん
>>187-194 の続きですよね?特に問題無いように思えたのですが。
みちるは途中で起きたってことで。見落としてるのかな。
と、書き忘れ、ナイフはソードブレイカーであってます。
レイピアのように、細くて軽い剣が隆盛になった時代の武器。
>>628さん
あ、いや、見落としてませんです。
みちるが気絶していたのに、次の話で何の説明もなく目を覚ましていると不自然かなと思ったもので。
>>629さん
どうもありがとうございます。
実は自分、何かの本でちょいと読んだだけで詳しい事は知らなかったりで。
ソードブレイカーは細い剣を折るためのものだったんですね。
全身を鎧に包んだ騎士の持ってるような剣を折らせてしまったので、七瀬が物凄い力持ちに……
…今日は無しか
「……落ち着きましたか」
「……はい」
弥生の言葉に、みさきは低い声で、小さく返事を返した。
泣いて、泣いて…どれほど涙をこぼしたのだろう。
光を失った瞳からは、すでに何の感情も見えてはこなかった。
「川名さん……辛いでしょうけど、いつまでもここにいては……」
「………わかってます」
静かに立ち上がると、みさきは見えない瞳を閉じた。
忘れないでおこう。親友の声も、親友の匂いも、髪の感触も……その暖かさも。
「死は……むしろ、残された生者にこそ、過酷なのかもしれませんね」
ぐすっ、と座敷童が、鼻をすする。
弥生は、冷たく、硬くなった雪見の身体を抱えると、そっと周囲を見回した。
残念ながら、たった二人で、道具もなしに人を埋葬できるだけの穴を掘れるとは、思えない。
それに、そんな時間もない。
「川名さん……雪見さんの身体は……」
「海に……海の中に沈めて下さい」
「それしか、ないですね……」
海の中に入り、雪見の身体を、そっと突き放す。
やがて彼女の身体は、静かに波間の中に消えていった。
「……終わりましたよ……」
「はい」
静かな…静か過ぎる彼女の声に、弥生は訳も無く震えが走った。
ひょっとしたら、彼女はこの先、二度と笑うことは無いのではないか……そんな予感が。
「空模様も怪しくなってきましたし、どこか雨宿り出来る場所を、探しましょうか…」
弥生の言葉に、みさきは頷いて、一度だけ海岸を振り返った。
「さよなら……雪ちゃん」
その声に、弥生は背筋に冷たいものを感じた。
(由綺………あなたは、今どこでどうしているの?)
同じ、「ゆき」に……弥生は不吉な影を見ていた。
「どうか、無事でいて欲しい……もう一度、会いたい……」
それが、二度と叶わない願いだと……
彼女は知る由も無かった。
【みさき、弥生、座敷童、移動】
雨って、島全土で降ってるんでしょうかね?
時間軸の動きが把握しにくいですけど、そのあたりはフリーハンドでやるしか
無いんでしょうね。
sage
雨は、日没頃から降り始め、一応夜に入ってまもなくまでは降り続けてる。
通り雨っぽいので、夜に入ってしばらくしたら、やんでてもおかしくは無い。
640 :
テンプレ:02/01/23 15:59 ID:SfaelJYN
葉鍵サバイバル 公開2日目
南海に作られた孤島、空想上のモンスターが暮らすモンスターパーク。
其処に集った103名の招待客と、その他諸々に悲劇が襲いかかる。
遺伝子情報の利益とリアルリアリティに目がくらんだ超先生によるシステムの暴走。
「檻に飼われたモンスターなんてリアルじゃない、真のリアリティを見せてやる。」
運送ジープの暴走で島でばらばらになった彼らに遺伝子工学と魔法技術により
伝承にほぼ近い能力を身につけた、古今東西のあらゆるモンスターが迫る。
手持ちの武器、水、食料の無い中、果たして彼等は生き延びる事が出来るのか?
【元ネタ:ジュ○シックパーク 各種漂流モノ】
・書き手のマナー
キャラの死を扱う際は要注意、1人で殺さず上手くストーリーを誘導しましょう。
また過去ログを精読し、NGを出さないように勤めてください。
なお、同人作品からの引用はキャラ、ネタにかかわらず全面的に禁止します。
マイナーモンスター、武器を登場させる場合は話の中か後に簡単な説明をなるべくつけて下さい
・読み手のマナー
自分の贔屓しているキャラが死んだ場合、あまりにもぞんざいな扱いだった場合だけ、理性的に意見してください。
頻繁にNGを唱えてはいけません。
また苛烈な書き手叩きは控えましょう。
関連スレ
【前スレ】
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1009296019/ 【葉鍵リレー小説総合スレ】
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1007821729/ 【RTO氏による編集サイト】
http://www23.tok2.com/home/hakasaba/
新スレですね。
支援用掲示板にある、グループ毎の現状整理に追記してて気付いたのですが、
>>535で雨が止んでます。
>>422-423では夜で、まだ雨が降っているので、
>>535は真夜中ってことでしょうか。
あちらの掲示板はあまり使われてないので、
残りの2パーティが決定したらまた新しいまとめをあげときまね。
>>636 弥生の呼びかけ方は、「由綺さん」で。細かくてスマソ。
>>642 それでも同意。
弥生さんが由綺を呼び捨てにするってのは、
ビジネスのときで第三者に対してって位だろうからね。
「逃げれるか?」
長瀬主任が聞く。
「このままでは確実に追いつかれます」
とセリオ。
長瀬主任たちを乗せたジープは後ろからのサーベルタイガーの追撃を受けていた。
「まずいな…、余計な戦闘は避けたいのだが」
と長瀬主任、だが台詞の内容の割に口調は落ち着いている。
「できれば、被害を少なくしたいのだがね」
「は?」
「上手く生け捕りにすればあとで何かに使えるかもしれんだろう?例えば研究とかね」
柳川のすごく単純な疑問にしれっとした態度で回答を返す主任。
「長瀬主任はロボット工学ではないのですか?」
「いや、私が研究する訳ではないよ他人が研究するための生け捕りだよ」
「…はぁ…」
柳川は曖昧な返事を返した。
(この人から言わせれば。全てが研究の対象か…。これは下手に俺の能力を見せる訳にもいかんな…)
「しかし、このままだと戦闘回避はできんぞ」
と、長瀬刑事と武器のニューナンブを構えて後ろのサーベルタイガーを見据える。
「……」
長瀬主任は地図を見て、現在の位置を確認する。
「セリオ、次は右に曲がってくれ」
「わかりました」
セリオはその指示に従い最低限の減速でカーブを曲がった、それにサーベルタイガーも追従する。
「全然、差は広がりませんね」
柳川はサイドミラーを見てそうこぼした。
「前方に人がいます、どうしますか?」
「止めてくれ」
「しかし追いつかれます」
「いいから。見捨てるわけにもいかんだろ」
と、長瀬主任。
そして車はその人間のすぐ横で急停車したと同時に懐からニューナンブを取り出した柳川が飛び降りた。
「乗ってください!」
と柳川。
その間にも長瀬刑事は発砲やむなしと判断し、銃を発射しサーベルタイガーに牽制をした。
その男、橘敬介もいきなりの車の登場に驚いたが後ろの現状を察知し慌てて柳川のいた座席に飛び乗った。
一方、サーベルタイガーは長瀬刑事の銃の危険度を察知して走るのをやめジープから10Mほど離れた場所で長瀬刑事を睨みつけた。
「ひゅぅ、怖いね」
長瀬刑事が悪態をつく。
あとで読み直したけど、全然長瀬’sの性格つくれてない。
う〜ん、長瀬’sの性格だとこの場面はどのようなことを考えるのだろう?
今日も変わらぬ朝を迎える・・・
扉を開けたら新聞とまだ水滴のついている牛乳ビンを取り出して、
太陽が真上に来るまでには掃除をすませる。
そして毎週月曜日から金曜日までやっているあの楽しい番組を見ながら
昼ごはんを食べるのだ。
何気ない日常の安息。
そういう一日を迎える筈だった。
掃除機を押入れから出して延長ノズルを付けたとき、けたたましく電話が鳴った。
「はい、河原崎ですが」
受話器を取ると、返ってくるのは聞きなれぬ女性の声。
ゆっくりとした口調で病院名を名乗ってから、その女性は単身赴任先の夫が倒れた事を
告げた。目の前が一瞬真っ白になった。
あの人が、まさか・・・おととい電話で話したときはあんなに元気だったのに・・・
「河原崎さん?大丈夫ですから、とにかく一度こちらに・・・」
ぶるぶると頭をふる。
いけない、私がこんなじゃ、いけない!落ち着かねば。落ち着いて、そしてすぐさま荷物を
纏めて夫の下へ行かねば。そうだ、倒れたというだけで重体とは限らないではいか。
「分りました。早ければ夕方までにそちらへ到着すると思います。夫をよろしくお願いいたします」
そういって受話器を切った。
さて、ご近所にしばらく家を空けることを告げておかねば。
私はサンダルをつっかけ、お隣のベルを鳴らす。
・・・返事がない。
「神尾さん?河原崎ですが・・・・」
今日もお仕事なのだろうか?観鈴ちゃんは学校があるのかもしれない。
今はとにかく一刻を争う。しかたなく特急列車の中で電話を入れることにして、
そのままバス停へと向かった。
眼前に広がるきらめく夏の海・・・このどこまでものどかで、うらめしい光景。
バスがくるまではたっぷり1時間はあった。焦燥感だけがつのる。
「待っていてね、あなた・・・・・今すぐ向かいますからね。」
【河原崎の夫: 倒れる(容態は不明)】
【河原崎さん: バス停へ移動】
【テレビ : つけっぱなし】
……どうすればいいんだ。
そろそろ容量限界が来るので、
新スレが必要なようです。
分かった分かった。
俺が代表して聞いてやろう。
『河原崎って誰?』
>>652 観鈴ちんの家の向かいに住んでる人。
国崎最高に牛乳を盗まれる。
で、本編と関係あるかは知らん(w
(・∀・)(・∀・)