葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round68!!

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411近畿人
和樹の部屋のドアを開けた詠美が見たのは、
原稿用紙やトーンが散らばった床、ドリンクの空き瓶が並んだ机、
そして……
「なんでパンダがここにいんのよ……」
「見たら分かるやろ。原稿の追い込みやん」
「和樹ぃっ! 今日は勉強会じゃなかったの!?」
「いや、でも原稿が結構ヤバくてさぁ…。
 ゴメン、ちゃんと勉強の方も見るから」
「〜〜〜〜っ、帰る帰る帰るー!」
「ええやん、ちゃんと勉強見てくれる言うてるんやし。
……それとも詠美ちゃん、なんか他に目的でもあったんかいな〜?」
「な、ないわよ、そんなの」
「ならそのお泊まりセット一式入ってそうなでっかい鞄はなんやねん」
「こ……これは教科書とノートに決まってんじゃない!」
「ほ〜、そんなに勉強するんか。詠美ちゃんはいい子やなぁ」
「そ、そうよっ、詠美ちゃん様は学校の成績もゆーしゅーなのよっ!」
「ほな、この勝負パンツも別に和樹のためやないんやな♪」
バッ!
「きゃぁぁぁぁあああ!!」
床に座っていた由宇は、詠美のミニスカートの中が見えていたらしい。
スカートをまくられた詠美は、甲高い悲鳴を上げて座り込んだ。
「……み、見た? 見た!?」
「見てない見てない!」
顔を真っ赤にして睨む詠美に、和樹は必死に首を振る。
それを横目に見ながら、由宇は意地悪く笑った。
「いや〜、ピンクの総レースかぁ〜。詠美ちゃんも女の子やなぁ〜」
「ふ、ふみゅーん、パンダのバカぁ―――!!」
「えっ……おわっ、詠美!?」
「おい、お前ら……!」
どさぁっ!!
412近畿人:01/12/15 17:42 ID:kPZIxzys
「い、いったぁ……。いきなりなにすんねん!」
「なによっ、詠美ちゃん様のぱんつ見た罰よっ
アンタのぱんつも見せなさいよっ!」
由宇を押し倒した詠美は、半泣きになりながら由宇の短パンに手をかけた。
「や、やめぇって! いたた、ウチが悪かった!」
由宇も必死に抵抗するが、詠美の方が体格がいいので
なかなか跳ね除けることができない。
それでも、抵抗を抑えながらというのは難しいらしく、
詠美も由宇の短パンのボタンを外すのにもたついている。
そして和樹は、先ほど詠美の下着を目にしてしまった照れもあって、
止めに入るに入れない。
「おい、二人ともいい加減に……」
「なっ、ウチが悪かった! 和樹もああ言ってるんやし、そろそろ……」
「あーもう! ぱんつが駄目ならこっちよ!」
「え……っ」
ガバッ!
「……へ〜、パンダも一応ブラつけるくらいの大きさはあったんだ」
「〜〜〜〜〜〜ッ!」
詠美がTシャツをめくると由宇の胸には、ささやかなふくらみと、それを包む真っ白なブラジャーが現われた。
「あ、あほ詠美っ! はよ離せ!!」
「あ〜、パンダが真っ赤になってる〜、めっずらしー!
 っていうかコレ、レースとかリボンとか豪華だし……、
 パンダの方こそ勝負下着なんじゃないのぉー!?」
「………っ!」
詠美は勝ち誇った顔で、なおも由宇を押さえ付ける。
「これで和樹の気を引こうとしてたわけ?
 和樹の側にはこーんなごーじゃすびゅーてぃふるなくいーんがいるんだし、
パンダにはムリムリ!」
「………」
413近畿人:01/12/15 17:42 ID:kPZIxzys
「まぁパンダはラクダ色のババブラでつけてなさいってこっ……あれ?」
「ぅく……」
「ちょ、ちょっと……由宇?」
「……そこまで言うことないやろ……」
耳まで赤くした由宇は、いつの間にか涙ぐんでいた。
「う、ウチやって、和樹のこと好きやもん……
しょーがないやん……」
「……なっ、泣くことないでしょ!? あ、そ、そうか、
そうやって油断させといて『へへーん騙されたな大バカ詠美〜』っていう……」
「こんなの似合わんって……かわいくないって分かっとるし……」
「……な、なによぅ……」
「も……ええ加減どいてや……」
詠美の手を振り払って、由宇は上体を起こした。
その弾みで、ポロリと涙が一粒零れ落ちる。
「あ、あはは、なんか白けたな……。
ウチ……今日はもう帰るわ……」
ムリに笑いながら、由宇は机の上に広がった原稿を片付け始めた。
「ゆ、…………。か、和樹ぃ!!」
「はいッ!?」
今まで呆然と事の成り行きを見守ることしかできなかった和樹は、
突然名前を呼ばれて、声の裏返った返事をする。
「ゆ、由宇はかわいいわよね!?」
「は? あ、いや、うん、かわいいよ」
「もうええって! ウチ帰るんやし!」
「ふ、ふみゅ……ブラだって似合ってるわよっ、ねぇ和樹!」
ガバッ!
中腰になった由宇のTシャツを、再び詠美がめくり上げる。
「って、自分、また……!」
「ねぇ、かわいいわよねぇっ!?」
「そ、そんなこと言われても、俺、見てもいいのか……?」
414近畿人:01/12/15 17:42 ID:kPZIxzys
「あほっ、見たらあかんっ! 離せや詠美!」
「見なさいよ和樹っ!」
「え、えと、似合ってると思うけど……」
「あほー! もう帰る帰る帰るー!!」
先ほどとは立場が逆転して、今度は由宇が顔を真っ赤にして駄々をこねる。
それを必死に押し止めようとする詠美と由宇を交互に見て、
和樹は溜め息を一つつき、顔を上げた。
「でも、本当にかわいいと思うぜ、由宇」
「え?」
「ふみゅ?」
「ええと、そりゃ由宇は詠美ほど胸はデカくないけどさ、
 俺のためにそういう格好して来てくれたの、すごく嬉しいよ」
「………」
「和樹……?」
「俺、由宇のこと好きだから」
「ええっ!?」
「えっ、でっ、でも、ウチ胸ちっさいし……」
「だからそれは別に(むしろそう方が)いいって」
「和樹……」
「由宇……」
見詰め合う二人。由宇の目は、違う涙で潤み始めていた。
そして、二人は……。
「ちょぉーっと待ちなさいよぉ―――!!」
「あ、詠美」
「なによぅ! 私はどうなるのよぅ!!」
「なんだ、お前まだいたのか」
「ごめんなー詠美。ちょい邪魔やから今日のところは帰ってくれへんか?」
「ふ、ふみゅ〜〜〜ん!!」