葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round61!!

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664名無しさんだよもん
SSによる応援。
俺自身の解釈による、妄想。
実際のBADENDとは異なる解釈となっています。

耕一は千鶴を抱きしめる腕に力を込めた。口元から血が逆流して溢れた。
耕一「ごふっ」
その腹には千鶴の鋭く尖った爪が深々と突き刺さっている、
苦しまないように逝かせてあげよう、千鶴はそう願っていたのに最後の最後で躊躇いが生じたのか、
急所を僅かに外し、それが耕一を苦しませていた。
千鶴「あっ・・・」
耕一の中に腕を残したまま、千鶴は驚きの声を上げ耕一の顔を見つめた。
実の父の死、そして大好きな叔父の死を体験した千鶴。
しかし実際に死の瞬間に立ち会うのは初めてだった。
つい数時間前に愛を交わし、心も身体も結ばれた人……。
耕一は想像を絶する苦痛を味わいながらも、千鶴に向かって微笑んでいた。
耕一「千鶴さんに殺されたい」
大好きな千鶴さんに殺されたい…、それは耕一がこの世で願う最後の願い事。
全てをその小さな身体に溜め込み、それでも気丈に微笑んでくれた千鶴さん……愛してる…。
痛みも感じないくらいの愛しさ、それが彼を笑顔にさせていた。
その顔を見た瞬間身体は振るえ、千鶴の瞳に涙が溢れた。
千鶴「こう・・・いち・・さん」
身体は更に抱き寄せられ、爪は深々と突き刺さる。
耕一の口元が言葉を伝えたように思えたが、それが耳に届く事は無かった。
最後の力を振り絞ると、耕一は千鶴から離れ水門の方へと歩き始める。
血を滴らせながら傷口を庇い歩く、しかし逃げようとしているようには見えなかった。
千鶴はその姿を呆然と見送つめている。