長瀬くんは…微笑みを浮かべたままで、ぼろぼろと涙をこぼしていた。
それは表情を歪めて泣き叫ぶよりも痛々しく思えた。
夕日が私たちを赤く焼く。
「僕はただ、みんなに幸せになってほしかった。
あの夜の記憶を消すことで、日常を取り戻して欲しかった。
…でも、瑞穂ちゃんから君の記憶を消すことはできなかった。
君のことを忘れたままで、彼女が幸せになれるとは思えなかったから」
…ああ、この人は芯からそう思っている。
涙を拭おうともしないその態度が、なぜか気高く感じられた。
「…だから、君にも忘れて欲しくなかった。
本当に愛しく思った人のことを、覚えていて欲しかった。
それがどんなに辛くても…」
そこで言葉を切る。
「…僕も、瑠璃子さんのことを忘れたいとは思わないから」
そう。
彼も失っているんだ。どうしようもなく好きだった人を。
「ごめんね…。僕の、わがままなんだ」
作り笑いがとうとう崩れ、切ない表情に変わる。
泣くことをためらわなくなった頬を、雫が伝った。
私は…
「…太田、さん?」
意識した行動ではなかった。
でも、気が付いたとき、私は彼を抱きすくめていた。
どうしてこうなったのか、よく理解できない。
涙を流し続ける僕を、彼女は抱き締めた。
長瀬くんも寂しいんだね、と言って、彼女は少し笑んだ。
そのまま二人は動かずにいた。
しばらくして、彼女が急に顔を上げ、僕を家に誘った。
僕はなぜか断ることができず、彼女についていった。
そして夜のとばりが下りた今、僕と彼女は向き合っている。
しゅるり、と音をさせ、制服のスカーフをほどく。
上着を留めるボタンを一つずつ外していく。
僕はようやく我に返って、彼女の肩を掴んだ。
「…駄目だよ、太田さん」
「…どうして?」
「良くないよ…。こんなの、傷の舐め合いでしかない」
「…それでもいいよ」
彼女の唇が、僕の首筋に触れる。
「この痛みを分け合えるのは、長瀬くんだけだから」
セミロングの髪が、僕の頬をくすぐる。
シトラスミントのシャンプーの香りがした。
僕はもう…抗えなかった。
彼女のスカートが床に落ちる。
下着とソックスだけの姿になって、太田さんは僕の前に立った。
彼女の身体を見るのは初めてじゃない。
でも、今の彼女が一番綺麗だと思った。
そこに心があるから。
「あ…」
長瀬くんがそっと私を横たえる。
覆い被さるような姿勢になって、じっと私を見つめてくる。
私は両手で顔を隠した。
恥じらいの気持ちもあったけれど、それ以上に頬に残る痕を見られたくなくて。
でも、長瀬くんはその手をどけて、私の頬を撫でた。
そして痕をなぞるように舌を這わせる。
子犬になつかれているような感覚に、私は安らいでいた。
おずおずと遠慮がちな手が、私の乳房に触れる。
じれったいはずのその愛撫にも、私の身体は敏感に反応する。
「ふあ…やッ…」
私は本当にいやらしい女の子になってしまった。
だけど、あの人から教えられたことだから、それすらも誇らしく思えた。
…それだけなの?
身体が求めるから、誰にでもいいから抱かれたかったの?
…だったら、どうしてこんなに胸が苦しいの?
ああ…
もう、認めてしまおう。
私はこの優しいクラスメイトに抱かれることに…
胸の高鳴りを、覚えている。
彼女の身体を包む、最後の衣服を脱がせる。
彼女はわずかに不安そうな表情を見せる。
そこはすでにしっとりと潤って、きらきらと月光を反射していた。
「…ごめんね。私…いやらしいんだ…」
「…僕だって、そうだよ」
恥ずかしさをこらえて彼女の手を導く。
その手が触れた部分は、硬くふくらんでいた。
彼女が心底楽しそうに笑った。
「ね…してあげる」
「え?」
何のことかわからず、間抜けな返事をする僕。
その隙をつくように、彼女が僕の股間に取り付いた。
「お、太田さん?」
ジッパーを下ろし、下着をまさぐる。
ほどなく、みっともない位にそそり立った僕のものが顔を出した。
狙いすましたように彼女がそれを口に含む。
「うぁっ…お、太田さん…」
その温度と感触に、僕は悲鳴のような声を上げる。
彼女の舌が僕のこわばりを弄ぶ。
強烈な快感に不意打ちされ、身体の力が抜ける。
「だめっ…だよ…そんな…」
「ふふ…女の子みたいな声」
彼女はわざと大きく音を立てる。その音色にさえ、僕は高ぶってしまう。
深く飲み込んだかと思うと、唇で先端を引っかける。
情けないけれど、僕は早くも限界を迎えそうだった。
私の動き一つ一つに、長瀬くんは面白いほど反応してくれた。
口の中のものがぴくぴくと震えて、彼の限界が近いことを知らせる。
慌てて引こうとする腰を抱え込んで放さない。
少し遅れて、熱いものがほとばしった。
それをこぼさないように注意しながら、ゆっくりと彼を解放する。
「んっ…」
「ご…ごめん。僕…」
申し訳なさそうにする長瀬くん。
私はこくんと喉を鳴らして口の中のそれを飲み込んだ。
「お、太田さん!?」
「…はぁ…濃い、ね…」
長瀬くんは酔ったような表情で私を見つめていた。
彼の息が粘膜に吹きかかる。
さっきの仕返しとばかりに、長瀬くんが私のそこに顔を近づけていた。
「あ…さっきより濡れてる…」
「やだ…言わないでよ…」
それ以上追求されたら、いくら私でも恥ずかしい。
お願いした通り、長瀬くんは次の言葉を紡がなかった。
その代わりに、そこに舌を這わせる。
「…あっ! んんっ…!」
頬に触れたのと同じ感触、でも明らかにそれよりも淫らな動き。
身体の芯から熱が上ってくる。
いやいやをするように首を振っても、長瀬くんは許してくれない。
今度は私が悲鳴を上げる番だった。
「長瀬くん…。お願い、もう…」
切なそうな声に、僕は顔を上げる。
彼女が差し迫った表情でこちらを見ていた。
「…いくよ」
「…うん」
彼女を愛撫し、艶のある声を聞いているうち、僕のそれはすっかり硬度を取り戻していた。
先端を、入り口にあてがう。
お互いに初めてではない。このまま腰を沈めれば、たやすく一つになれるだろう。
けれど、ここまで来て、僕はためらっていた。
と、僕のうなじに彼女の腕が回された。
そのままほんの少しの力をかけられ、二人の顔が接近する。
間近で見る太田さんの瞳は、潤んでいるように見えた。
「…月で、いいから」
「え…?」
「日射しを受けて輝く、にせものの光でいいから。彼女の代わりでいいから」
「……」
「…だから、今は私を抱いてください」
…僕らは、間違っているのかもしれない。
余計に傷を深くするだけの行為なのかもしれない。
それでもこのとき、僕は太田香奈子という人を…愛しいと思ったんだ。
腰を沈め、彼女の中に埋没していく。
僕と彼女は、隙間なく満たし合った。
「はぁぁ…」
最奥まで塞がれる感覚に、背中が震える。
私の中は長瀬くんでいっぱいになった。
知らず、目尻から涙が伝い落ちる。
…ああ、私はまだ泣けるんだね…
「太田さん…」
私の涙に気付いた彼が、気遣わしげな声をかける。
「ん…平気。動いて…」
照れくささを隠して、長瀬くんに促す。
彼がゆっくりと運動を始める。
水音をさせて、二人の身体がぶつかり合う。
「ん…あっ…あっあっ…」
「ふぅっ…」
意味をなさないため息のような声だけが、部屋の中に響く。
長瀬くんの腕が意外にたくましく思えて、私は安堵する。
…でも、一つだけ気がかりなことがあった。
「な…長瀬くん…」
「…なに? 太田さん…」
「あ…あのね…」
自分の顔が真っ赤になっているのがわかる。
「…ゆるく、ない?」
「…えっ? そ、それって…」
「だ、だから、私の…」
「…き、気持ちいいよ。すごく」
…良かった。
彼女の唐突な質問には驚かされた。
…やっぱり気になるものなのかな…
彼女がそんな心配をしていることが、少し可笑しかった。
そして同時に、彼女のことを可愛いと思った。
こうして身体を重ねていると、気持ちいい。温かい。
けれど言葉が出なくなってしまう。それがもどかしい。
心でも繋がりたい。
そう思って、いっそう激しく彼女を求める。
「あ、あ、ひぅっ…!」
「…っ、太田さん、太田さん!」
でも、快感にもやがて終わりがやってくる。
僕は再び限界を迎えようとしていた。
彼女も荒い息をついて、何かを耐えるようにしている。
「太田さん…僕、もう…」
「…来て、長瀬くん。全部…私に…」
その言葉を引き金に、僕は欲望を放った。
同時に彼女の身体がけいれんするように震え、僕をきつく抱き締めた。
しばらくすると、それも力尽きたのか、くたりと脱力した。
お互いの呼吸音だけを聞きながら、僕たちは余韻に身を委ねていた。
…君の心はわからない。
でも、電波で知ろうとは思わない。
こうして抱き合っている「今」だけは、本当のことだから。
「…本当は、仲間が欲しかっただけなのかもしれない」
長瀬くんがぽつりと言った。
「あの夜のこと。僕の失った狂気と…恋。
辛い記憶を、一人で持っていたくなかったのかもしれない。
だから、君を…」
彼の口元に人差し指をあてがい、そこから先を封じる。
「…それでもいいよ。
闇の中から私を連れ出してくれたのは、長瀬くんだから」
自分でも不思議なくらい自然に笑えた。
「それに…私たちは似ているから。同じ、だから」
なぜか彼は驚いたような表情を見せた。
「…だからね、長瀬くんとなら、いられると思う」
「…そうだね」
そう、まだお互いの心なんて少しもわかっていないけど。
自分自身の傷の深さすら、理解していないのかもしれないけど。
今はこうして二人でいる。
「…ねえ、長瀬くん」
「…なに?」
「…キス、して?」
彼は少し戸惑っていたけど、やがて意を決したように顔を寄せてきた。
私はマナー通りに目を閉じ、少し顎を上げた。
眩しいくらいの月明かりを背景に、二つの影が重なった。
以上、長瀬祐介×太田香奈子SS「月」でした。
視点が交互に入れ替わる形式で書いています。読み辛かったらすみません。
しかし18禁なのにあんまりえちくないなぁ…
というか、途中から太田さん萌えになってるような…
ここはスカト■SSもOKだっけ?
>147
やめてくれ(個人的意見)
今日は楽しいクリスマスイブ。
今年はみんな集まって、折原邸でクリスマスパーティーです。
さて、各自それぞれ何を用意してきたのでしょうか…
浩平「なあ澪、どうしてクリスマスパーティーに寿司持ってきたんだ?」
澪『あのね』『この方がゴージャスなの』
浩平「…まぁ、豪勢なのは構わないけど…」
澪『パーティーにはお寿司なの♪』
茜「…それは違います」
浩平「どうした茜?何か不満でもあるのか?」
茜「…いいえ。ですがクリスマスはやはりケーキが主役です」
浩平「だからと言って、お前の持ってきたケーキ、見るからに甘そうなんだか…」
茜「…当然です。山葉堂の主人に無理言って作ってもらいました」
浩平「ケーキにかかっている、見るからに甘そうな謎の液体は無視して…」
浩平「瑞佳、お前は何持ってきたんだ?」
瑞佳「私は飲み物もって来たんだよ」
浩平「まさか…」
瑞佳「美容と健康に、一杯の牛乳だよ」
澪『あのね』『お寿司には合わないの』(えぐえぐ
浩平「わわっ、泣くな澪!なぁ瑞佳、クリスマスらしい飲み物って他にあるだろ?」
瑞佳「私はいつだって浩平の事心配だよ…」
浩平「答えになってないぞ」
繭「みゅ〜♪」
浩平「おっ、繭は何もって来たんだ?」
繭「てりやきばーが♪」
浩平「…聞いた俺がバカだったよ」
みさき「浩平君、食事まだかな?」
浩平「先輩…頼むからスプーン両手に持ってお皿叩くのやめて下さい」
みさき「だってもうお腹ぺこぺこだよ…」
浩平「もう少しの辛抱ですっ!」
七瀬「ちょっと折原、誰か忘れてない?」
浩平「おお。茜、詩子さんはどうした?」
茜「…詩子は用事で来れないとの事です」
浩平「そっか…残念だな」
茜「…残念です」
七瀬「お〜り〜は〜ら〜?」
浩平「いたたっ!判ったからアイアンクローは止めろ、七瀬!痛いだろうがっ!」
七瀬「何もしてないでしょうがっ!それとも何?アイアンクローして欲しいの?」
浩平「…いや。それよりお前は何を持ってきたんだ?」
七瀬「そりゃぁもちろん、乙女といえばこれしかないでしょ♪」
茜「…キムチラーメン」(ぼそっ
七瀬「何か言った?里村さん」(ぎろっ
茜「…何でもありません」
浩平「で、結局何持ってきたんだ?」
七瀬「やはりパーティーと言えばこれ、クラッカーでしょ」
瑞佳「そういえば、クラッカー用意してなかったね。七瀬さん気が利くんだよ」
浩平「流石は七瀬、武器の調達はお手の物…」
七瀬「…何?」(ぎろっ
浩平「…何でもありません(って言うか、何で乙女がクラッカーなんだよ・・・)」
みさき「浩平君、お腹が空き過ぎてもう死にそうだよ…」
浩平「…約一名お腹空かしている事だし、とっとと始めるぞ!」
瑞佳「ロウソクに火を点けて…」
茜「…明かりを消します」
澪『あのね』『何も書けないの』(えぐ
七瀬「クラッカーの準備はオッケーよ」
浩平「それじゃあ、みんな一緒に…せーの」
浩平・瑞佳・七瀬・みさき「メリークリスマス!」
茜「…メリー・クリスマスです」
澪『メリー・クリスマスなの』
繭「めりー・くりすます♪」
>>149-150 クリスマスイブを記念して(w、ささやかなSSを書いてみました…
これで葉鍵板のみんなにも、クリスマスの思い出が出来れば…(泣
思わず、ONEのアンソロ思い出しちゃった(w
あと、浩平は詩子さんではなく、柚木と呼びます。
無粋なツッコミごめんよー
>>152 あっ(汗
ココ最近ONEやってないので間違えた(w
ご指摘感謝です。
>>147 なんでもあり。
でも、投稿する前に注意書きが欲しい。
『気に入らないものを見るのも見ないのも自己責任』ということでご容赦ください。
メインではありませんが…
スカトロが含まれてます。
18禁描写が含まれてます。
ジャンルはどうカテゴライズすればよいのかよくわかりませんが…ギャグだと思います。
以上の点を留意の上、お読みください。
もともと俺は絵を描くのが好きだった。
だから大学入学を機に描き始めたマンガも結構イイ線までいけるんじゃないかと
タカを括ってはいたのだが…。
描けない。
大志に連れられて出かけたこみパの熱気に当てられ、『マンガを描こう』と
思い立ったのはいいが、どうしてもマンガが描けない。
選んだジャンルが俺に合わないのか?
こみパ会場で感じた『突き動かされるもの』は単なる血迷いだったのか?
もっと根本的な理由…つまり、俺にはマンガを描く資質が欠けているのか?
マンガが描けない理由と思われる要素について、ひとつひとつ考えてみる。
選んだジャンルは…アニメ。それもスポーツの。
俺がマンガを描く事にあれだけ反対していた瑞希だが、スポーツを題材にした
マンガなら少しは受け入れてくれるんじゃないかという考えによるものだ。
マンガを描こうと思ったのも、新たなる刺激…エロパワーを求めて彷徨している
多くの人々をこみパ会場で目の当たりにしたからだ。
ここまで考えて、俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
そう。こみパの会場でうようよしているたくさんの人々と、スポーツに青春をかけてきた
瑞希がお互い相容れるものではないから。
そういえば、先日大志に連れて行ってもらったこみパの会場で、瑞希はあからさまに
イヤな顔をしていたっけ。
会場が臭いだの、周りの連中の服装がダサいだの、大声でエロ話をし始めるのに
閉口しただの、臆面もなく『○○萌え〜』と話し合う連中が不気味だのと。
となると…今の俺は二者択一を迫られているというわけか…。
こみパでエロを求めて蠢く多くの人々を満足させる作品を描くか、それとも瑞希だけに
気に入られる作品を描くか。
問題はそれだけではない。
俺にはマンガを描く資質にも欠けている。
美術大学に落ちたから、マンガを描く事自体を手段ではなく目的にしていたんじゃないか?
俺は、他人に伝えたい『何か』があるからこそマンガを描こうと思い立ったんじゃないか?
マンガを描くという事はあくまで他人に『何か』を伝えるための手段に過ぎない。
だが、今の俺は他人に伝えるべき肝心な『何か』が無いのだ。
『他人を満足させられるようなエロネタ』が。
「そのとおりだマイブラザーよ!!」
「うわっ!!」
背後から突然掛けられた大声。
もうだいぶ慣れたとはいえ、人が真剣に物を考えている時にいきなり声を掛けるのは
やめて欲しいものだ。
「何だ、大志か…」
「何だとは何かな。マイ同志よ」
「お前にそそのかされて始めたマンガだが…どうにも描けないんだ」
「そそのかされたとは人聞きの悪い。同志がマンガを描くのは宿命なのだ」
「宿命づけられてるといわれても、描けないものは描けないんだよ」
「その様子では、マンガを取るか、それとも中学からの女友達…いや、マイシスターを
取るかで困っているようだが」
「まあな」
どうして俺が今考えている事がお前にわかるんだ、いつ瑞希がお前のシスターとやらに
なったんだと訊く気力は既に失われてしまっている。
「さらに…今の自分には、他人に伝えるべき『ネタ』がないとも思っているようだが」
「まあな…。はぁ…」
ここまで図星を指されると、反論の余地はない。
同人マンガ狂の大志のことだ。
『こみパでお前が感じた熱気は偽りのものだったのか!?』
とでも言って俺に詰め寄ってくるんだろう。
「ふふふ…それでこそマイ同志」
大志の言葉は俺の予想と大きくかけ離れたものだった。
「同人マンガ『だけ』を描くために、他の全てを犠牲にするのは寧ろ凡人のすることだ」
「はぁ?」
「まだわからぬのかマイ同志よ。日常に潜むものをもネタにしてこそ真の同人作家。
執筆活動以外のモノを蔑ろにしてマンガを描いた挙句、ネタ切れという致命的な病気に
冒されるようでは話にならないということだ」
「…」
「先人を見るがいい。偉大なる同人作家は『マンガを描くために日常生活を送っている』
のではないか? 例外なく」
「う…」
「反対に、『日常生活を送るためにマンガを描く』ことを考えてみるがいい。確かに
前者に比して、執筆活動に関わる時間は多くなる、いや多くせざるを得なくなる。
執筆活動だけにかまけて、マンガ以外の事に触れないのでは当然ネタも仕入れる事が出来ない。
その結果、ネタ切れに陥るというのは先ほど述べたとおりだ。
人間が持っているネタには個人差があるとはいえ決して無限ではないからな」
「確かにな…」
「その点、同志和樹は『マンガ』と『マイシスター』の狭間で苦悩している。つまり
マンガ一直線で猪突猛進する愚を犯す人間ではないということを証明しているに他ならないのだ」
「でもなあ…『瑞希』と『マンガ』との板挟みになって悩んでいるとはいえ、ネタが
浮かばないようじゃ同人作家として失格だろ…って、待てよ…」
そこで俺の頭をあるアイデアが掠める。
『瑞希』はスポーツ少女、今俺が描こうとしている『マンガ』のジャンルはスポーツ。
いっそのこと、瑞希自身をネタにしてやればいいんじゃないか?
瑞希だって、まさか自分が主人公として登場しているマンガにいやな顔をすることはありえないだろう。
なんといっても自分が登場してるんだからな。
もし、そのマンガがこみパで話題になり、バカ売れすることにでもなったら…。
俺も大喜び、瑞希も大喜び、そして大志も大喜び。
みんな大喜びじゃないか。
「ふむ…その顔では何かいいネタを思いついたようだな、マイ同志よ」
俺はやおら椅子から立ち上がり、大志の手を握った。
「大志…お前のおかげでいいマンガが描けそうだ!!」
「同志和樹よ…礼を言うのはまだ早いぞ。ネタは原稿になって初めて生きた物になるのだからな」
「ああ。わかってる! そこで少し手伝ってくれないか? いいネタを得るためにも
お前の力が必要なんだ!!」
「うむ。他ならぬ同志のためになら協力は惜しまないぞ」
数日後。
ゴールデンウィークだということもあり、巷は連れ立って遠出をしているカップルで
溢れ返っているのだろう。
にも関わらず俺は自宅に篭っていた。
瑞希の来訪を待って。
マンガ嫌いで尚且つスポーツ…特にテニス…に青春を捧げている瑞希の事だ。
どうせこの俺をマンガから遠ざけるべく、そして自分も楽しみたいという理由で
俺をテニスに誘い出すのは間違いないだろう。
その矢先。
『ぴんぽーん。がちゃ』
玄関の呼び鈴が鳴ると同時にドアが開けられる。
「ちょっと。和樹。あんたこんないい天気の日に家に篭って何やってんのよ!?」
俺に断りもせずに家に入ってくるような人間は、知っている限り大志以外には一人しかいない。
相も変わらず大きなお世話を焼いてくれる友人の来訪だ。
「やあ。瑞希」
「やあ、じゃないでしょ。世間はゴールデンウィークなのよ。どうせ碌に授業にも出ず
マンガばかり描いているあんたには連れ立って出かけるような友達もいないでしょ?」
「うるさいなあ。大きなお世話だ」
「今日も遅く起きて、朝食抜いたんでしょ?」
「まあな」
「ほらっ、哀れなあんたの為に私が直々にサンドイッチ作ってきてあげたんだから。
さっさと食べなさいよ」
「ああ…じゃ、コーヒーでも淹れてくる…」
「へぇ…下品なあんたのことだから何も言わずにかぶりつくんじゃないかと思ってたんだけどな」
「何だよ、その言い草」
「ひょっとしたら『瑞希。お前が淹れてこい』とか言うんじゃないかとも思ってた」
違うな。
瑞希のためだけの特製コーヒーは俺にしか淹れられないんだ。
コーヒーの粉と水をメーカーにセットし、スイッチを入れる。
「ねえ、あんたまだマンガなんか描いてんの?」
無遠慮な瑞希の声が、台所でコーヒーが出来上がるのを待っている俺の背中に突き刺さる。
「なあ瑞希」
質問に質問を返す形で俺は瑞希に話し掛けた。
「お前…もし自分自身がマンガのネタになったならどう思う?」
「冗談言わないでよ。私そんなのは、絶っっっ対、ヤ」
そこで俺は自分の浅はかさを思い知らされた。
瑞希はマンガそのものが嫌いなのだから、マンガのネタにされる事に拒否反応を
示すのが当然の反応だろう。
ならば…力ずくで瑞希を俺のマンガのネタにしてみせるまでだ。
そういう意味でも今日の計略は是非成功させなければならない。
瑞希を俺のマンガのネタにすれば、『瑞希』と『マンガ』を両立させることに繋がるのだから。
決意を新たにした俺は、ビーカーからコーヒーをカップに空ける。
勿論、瑞希のカップには『例のもの』をたっぷりといれてやった。
瑞希の作ってくれたサンドイッチにかぶりつきつつ、コーヒーを咽喉の奥に流し込む。
「ねえ、和樹。今日…いっしょにテニスでもやらない?」
先ほどとは違い、少しこちらの顔色を窺うように、瑞希は訊ねてくる。
「そうだな…たまには身体を動かすのもいいか」
「そうよ! マンガばっかり描いてたんじゃ病気になっちゃうよ!」
一転して、少し気色ばんで瑞希は話し掛けてきた。
「なんてったってこの私が付き合ってあげるんだからね。断る方がおかしいのよ」
「あのなあ…」
瑞希は、この俺を自分のペースに引きずり込んだとでも思っているのだろうが
実際はこの俺の手の平で踊らされている事に気付いてはいないようだ。
「よし! じゃあ、いっちょお前をもんでやるか」
「もまれるのはあんたのほうよ!」
瑞希…お前にも俺のマンガの素晴らしさを思い知らせてやる…。
俺の計画が成功した後で…な。
スパーンッ!!
ラケットとボールが立てる小気味よい音がする度に、俺はコート中を走り回る事を余儀なくされる。
大学構内のテニスコートで、俺と瑞希はテニスをプレイしている。
いや。
瑞希の放つサーブやスマッシュに俺が翻弄されていると表現するほうが正確か。
「だらしないわね! もうへばったの!?」
「みずきぃ…、お前…、絶対俺をいたぶってるだろ…」
「違うわよ。私が左右に打ち分ける巧みなスマッシュにあんたが付いて来れないだけよ」
「…」
「どうせ大学に入ってから、一日も運動してないんでしょ」
「くそぉ…」
もう少しの辛抱だ。
ネタが新鮮で活きがよければよいほど、素晴らしいマンガが出来上がるってもんだ。
「もうワンゲーム終わっちゃうわよ? 私から全くポイント取れずに」
瑞希がサーブの態勢に入った…瞬間。
「あっ…」
自分のお腹を押さえ、瑞希はコートにうずくまった。
「どうかしたか? 瑞希?」
俺はゆっくりと瑞希のそばに寄る。
糸に絡まって動きの取れない蝶ににじり寄る蜘蛛のように。
「ちょ…ちょっと…ね…」
地べたに座り込んでお腹を押さえ、太股をもじもじとすり合わせている瑞希の姿が
俺の計略が成功したのを裏付けている。
いくらテニスで俺を翻弄できる瑞希とはいえ、生理的現象に敵う筈がない。
『アレ』を我慢しているのがまるわかりだ。
「い…いきなり…お腹が…」
俺に対してはいつも強気の瑞希が、自分の体の不調をこうもあっけなく訴えるとは…。
「それにしても効果てきめんだな」
「?…えっ…?」
「さっき、俺が瑞希のカップに入れた下剤の事だよ」
「ちょ…ちょっと和樹…あんた、何考えてんの…!?」
「瑞希をマンガのネタにすることだよ!! 大志! 手伝ってくれ!!」
「その言葉を待っていたぞ。マイブラザー!」
『ある物』を手にした大志が俺達の方へ向かってくる。
「な…何よ…それ…」
大志が持って来た『ある物』を目にした瑞希の顔色がさっと青くなる。
「見てのとおりだ、マイシスターよ」
瑞希は自分の眼前で展開している『現実』を受け入れまいとしているのだろうか。
イヤイヤをするように、細かく首を左右に振っている。
「では、マイブラザーよ。マイシスターの菊座に500cc一気に注入してくれたまえ」
「いやあああ〜〜〜っ!!」
じたばたと暴れる瑞希だが、押さえつける男二人の力には抗う術などない。
ましてや、今の瑞希は腹痛に悩まされるのみならず、『アレ』が体外に排出されるのを
防ぐべく括約筋に神経を集中せざるを得ないのだから、力など入らないのは当然だ。
「なあ瑞希、こうすれば少しは楽になるだろ」
俺は瑞希を四つんばいにさせ、お尻を突き出させるようにした。
地球には『重力』という力が働いている。
木の実は、地面に落ちればこそ、空に昇ってゆくことは決してない。
ならば瑞希の体内にある『アレ』が排出されるのも、瑞希のお尻を地面ではなく空へ
向けさせることで、少しは遅らせる事ができるはずだ。
いくら瑞希がはねっかえり娘とはいえ、万物の真理に逆らう事はできはしまい。
「うううっ…」
呻き声を上げる瑞希。
ここからでは瑞希の表情を窺い知る事は出来ないが、下腹に力を入れつづけ、苦痛にその顔を
歪めているのだろう。
「う〜む。実にいい表情だマイシスターよ。いい。実にいい」
もはや瑞希には、大志の軽口に反応する余裕すら残されていないようだ。
「マイ同志和樹よ、締め切りも近いことだろう。貴重な時間を無駄にするわけにはいくまい?」
「そうだな。そろそろ本番を始めるか。いっちょ瑞希の口を塞いでやってくれ」
大志はズボンとトランクスを下げ、自分自身のナニを瑞希の口の中に押し込む。
「うむううんっ!!」
知り合いのモノだとはいえ、いきなり肉棒を口に入れられたのだから、瑞希の予期せぬ抵抗を
招く可能性が残されている。
俺は瑞希のスコートと下着を一気に引き下ろした。
肉付きのいい瑞希のお尻が露になる。
「へえ…さすがスポーツに打ち込んでるだけあっていいケツしてるじゃないか」
そして俺は例のモノの先端を、肉丘の谷間に息づく瑞希の菊座にあてがう。
「ちょっ、ちょっと…和樹いっ!? 冗談でしょ!? やめてッ!!」
「冗談でこんな事ができるかよ」
そして俺は浣腸器のピストンをゆっくりと押す。
「ひっ…いやあああああっ!!」
注射器の中の冷たい液体が、日常生活の排泄とは全く逆の順番で、瑞希の肛門、直腸
そして大腸を侵してゆく。
「あ…。あああ…」
瑞希の腹部で排泄物と、排泄を促す物体が混じり合い、不協和音をたてる。
「すげえ。ゴロゴロいう音がここまで聞こえてくる」
「マイ同志和樹よ。感心してないで早くマイシスターをマンガのネタにしたまえ」
「そうだったな。じゃあ瑞希…」
俺も大志と同様に、ナニを取り出して瑞希の菊座ではない、もう一つの別の孔にあてがった。
「テニスのレッスンの次はペニスのレッスンといこうか」
俺は思い切り腰を送り出す。
「ひいっ! いっ、痛ぁぁぁいっ!」
愛液も殆ど分泌されていない状態で俺に犯された瑞希は悲痛な叫び声を上げる。
「うっ…し…締まる…」
瑞希は、スポーツをしているために元々締まりはよくてもおかしくはない。
それに加え、排泄を我慢すべく必死で下腹部に力を入れているせいか、ただでさえ締まりのよい
瑞希の膣内はぎゅうぎゅう締まり、俺自身を容赦なく責め立てる。
「マイシスター瑞希よ。痛がってばかりでいないで続きを忘れないでくれたまえ」
「う…んむうううっ…」
大志が再び瑞希の口中にペニスを押し込んだ。
俺は瑞希を犯しつつ、瑞希のテニスウェアの裾から手を入れて瑞希のたわわな胸を揉み始める。
「しかし本当に柔らかいな。瑞希の胸」
むにむにと揉むたびにその形を歪にゆがめる胸の感触を味わいつつ、俺は何度も何度も
瑞希の膣奥を突き続ける。
「か…かずきぃ…私…私…もう…」
息を荒げながら瑞希が懇願する。
「瑞希。前なのか、後なのか、どっちなんだ?」
「そ…そんなの…わかんないよ…」
無理もない。
犯されつつも排泄を食い止めるのはもう限界だろう。
俺は思い切り腰を動かし始めた。
「それにしても大志。まるでエロ同人マンガのような展開だな」
「エロ同人マンガの『ような』ではないぞ。マイ同志和樹。この経験をマンガにすれば
エロ同人マンガ『そのもの』になるのだからな」
「そうだったな。はははっ…っと、やばい。もう出る…」
俺は瑞希の中からペニスを引き抜き、思い切り瑞希にぶっ掛ける。
びゅくびゅくと脈動する俺自身から精液が迸り、瑞希のテニスウェアに降りかかった。
大志も瑞希の顔面に向けて射精した。
同時に。
ぶうううううううっ!!ぶりぶりぶりいいっ!!ぶばああああっ!!ぶっじゅううぅぅーーーっ!
ぢょばぢょばぢょぼぼおおおおおっ!!ぶちゃっ!ぶじゅるううっ!!ぶぽおおおっ!ぶひっ!
ぶぶぶうううううっっーーーーーっ!!びびびぶびいいっ!!ぶりぶぢゃぶしゃあああああっ!!
絶頂を迎え、全身を弛緩させた瑞希の肛門から大量の黄金がほとばしる。
「いっ…いやああああああああぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
瑞希が悲鳴をあげた。
排便という行為自体は日常的なものだが、それをテニスコート上で他人に見せるなどということは
絶対ありえない。
日常と、非日常とが混じった狂気の空間。
「うわあ…うこん(鬱金)色のうんこがいっぱい出てやがる。白いテニスウェアとの
コントラストがいいな」
「それだけではないぞ同志和樹よ。純白のテニスウェアとスコートと、それを汚している白濁液との
調和もエロ同人作家としては見逃せまい」
「これだけいいネタが身近にあったとは…。感謝してるぜ、瑞希」
「喜ぶのはまだ早いぞ、同志よ」
「ああ。わかってる。早速原稿に取り掛からなくてはな…でも…」
「でも…?」
「同人活動を始めたばかりの俺にはフルカラーの原稿なんかとても描けないよ」
「というわけだ」
「ふ〜ん。無断で私をこんなマンガに登場させたわけね…」
ゴールデンウィークのある日。
俺は瑞希に、出来たてのエロ同人マンガの原稿を見せていた。
いや、迂闊にも机の上に置きっぱなしにしておいた原稿を、家に押し入ってきた
瑞希に見られたというほうが正確か。
勿論原稿はカラーではなく、白黒である。
俺は冷や汗をかきながら瑞希に話し掛ける。
「こみパに出しても、他のサークルと比較しても遜色ない出来だと自負している」
「ふ〜ん…」
「ネタ出しに悩んだあげく、中学以来の女友達をネタにせざるを得なかった同人作家の悲哀が
よく表現できていると思うのだが」
「女友達…ね…」
「俺としてはこのオチの部分に注目して欲しいところだ」
「…」
「なあ瑞希。なんか感想は…?」
「…バカ…」
「えっ?」
「和樹の、バカあああああああああ〜〜〜!!」
大声でそう叫ぶなり、瑞希は俺の血と汗の結晶である原稿をめちゃめちゃに破り捨て
俺の部屋から出て行った。
>>156-166『エロ同人作家残酷物語』
以上です。
冬季休業ということもあり、遅ればせながらこみパをプレイ。
なんか、ノベルでもなく、シミュレーションゲームでもない中途半端な印象を受けました。
あんまりえっちっちじゃないし…。
やっちゃいます。
ゴールデンタイムのドラマが終わり、エンディングが流れ始めたところでマナちゃんはひとつ大きく伸びをした。
「藤井さん、電話借りていい?」
「うん」
俺が返事を返す前に、彼女はもう席を立って電話の受話器を持ち上げかけていた。
番号をプッシュする音、しばらくして電話の相手と何か会話を交わす声を、俺は見ているわけでもないテレビの方に目を向けながら聞くでもなく聞いていた。
「……ありがと」
二言三言話しただけですぐに電話を切ると、彼女はベッドの縁に腰掛けて足を投げ出した。
「ご両親?」
「そう。今日帰ってきてるみたいだから、一応ね」
聞こえてきた断片的な会話の中で、学校の友達の家に泊まって来る、などと言っていたのはそういうことか、と俺は納得した。
彼女と俺の部屋で一緒に夜を過ごしたことは今までに何回もあったが、親に電話を入れたのは今回が初めてだった。
最近また両親の仕事が忙しくなったらしく、『何日も帰ってこないこともあるんだから』と言っていたのは誇張ではなかったようだ。
「マナちゃん……」
一人で生活するには広すぎる家で日々の大部分を過ごすのはやはり寂しいのだろうか、両親の話になると心なしか表情が翳る。
俺は立ち上がり、テレビのスイッチを切った。夜の静けさが室内に満ちる。
そしてマナちゃんと並んでベッドに下ろすと、その身体を少し強引に抱き寄せた。
「……なによ」
少し頬を赤くして俺の顔を見上げる彼女の唇に、俺は黙って自分の唇を重ねた。
ゆっくりと舌を口腔に差し入れると、彼女はぎこちなく応じてきた。しばらくの間、互いに愛撫を繰り返す。
やがて唇を離すと、マナちゃんは俺を睨みつけるようにして言った。
「もう……スケベ」
「つい、ね。ごめん」
「別に謝んなくたっていいわよ。……ねぇ」
彼女は少し頬を染めてこちらに視線を向ける。
今日こそは――と、俺は努めて平静を装いながら言った。今までに言い出せずにいた悲願を成就させるために。
「ところでマナちゃん。俺たちがこういう関係になって……これまでにその、エッチしたのも一回や二回じゃないわけだけど」
「と、突然改まってなに口走ってんのよ?」
「いつも同じことを繰り返しているのはいずれマンネリになるからよくないと言うか、文化的な生物としての面目が立たないと言うか」
「……で、つまり何が言いたいわけ?」
俺はベッドの脇にさり気なく置いておいた紙袋を彼女に手渡した。
訝しげな表情を浮かべて、マナちゃんは袋の中に手を入れ中身を漁り始めた。
「何……コレ?」
「いや、その、たまには少し趣向を変えて、と思って」
三角形に近い形状の紺色の布のようなものをヒラヒラさせながら問う彼女に、俺は心中の動揺を察されないように答えた。
「私にはブルマと体操服のように見えるわ、どうかしら」
「いい読みだね」
「コレをどうしろと?」
「いや、だから、たまにはいつもと違う格好でやってみ……もが」
俺の顔を飛んできた体操服が覆った。視界が白く染まる。純白の、銀世界を連想させる世界だ。
そして次の瞬間には、マナちゃんの拳が雪崩のように降ってきた。無差別に振り下ろされる握り拳はそれほど痛いわけではないが、視界の塞がれた今、少し怖い。
「あの、マナちゃん、ちょっと、落ち着いて、その……痛い痛い! だんだん強くなってきてる!」
「藤井さんのバカッ! バカバカバカバカバカッ! スケベ! 変態! 性犯罪者! ロリコン!」
自分でロリコンって言うのはどうなんだろう、となぜだか少し冷静になりながらも俺は状況をフォローしようと口を開いた。
「違うんだ、落ち着いて聞いて欲しい。俺は別に変なことを考えてコレを用意したわけじゃないんだ。ただ――」
「……そんなもの被りながら何言っても説得力ゼロね。ハッキリ言って」
「う……」
俺は取りあえず顔に貼り付いたままの体操服をベッドの上に置いた。
「そうか……マナちゃんの趣味には合わなかったんだ……」
「もし少しでも、ほんの一カケラでもコレが趣味に合うと思ってたんならある意味ちょっと尊敬したい気分よ」
「ぁぅ……ぃゃ……」
返す言葉が見つからず、俺は俯いているしかなかった。
「なに、もしかして本気だったの? なんだか凄い残念そうなんだけど」
「う……否定できない」
気がつかないうちに俺は母親に叱られている子供のようにベッドの上に正座していた。
楽園の向こう側と、こちら側と。俺の求めた世界はブラウン管の向こう側にしか存在しなかったのだろうか。
「――――けど」
気まずい沈黙を破ったのは、小さくて聞き取れないほどのマナちゃんの呟きだった。
「な、何か仰ったでしょうか……?」
「うー……」
マナちゃんは真っ赤になって低く唸ると、さっきよりも幾分大きい声で繰り返した。
「そんなに……そんなに落ち込むんだったら、別に……着てあげてもいいけど」
俺は無言で彼女の手を両手で握り締めた。
「な、何を本気で喜んでるのよ! ちょっと、目に涙なんて浮かべないでよ!」
「幸せだなぁ……優しい彼女を持つと」
「か、勘違いしないでよね! 冴えない大学生が今にも自殺しそうな顔してたから同情しただけよ! ホ、ホントはすごくイヤなんだから!」
俺は握った手を解き、彼女に背を向けて再び俯いた。
「そんな……俺は嫌がってるマナちゃんに無理強いなんてできないよ……諦めるから……気にしないで……うん」
「あ、ちょっと……ふ、藤井さんは私がそれ着たらそんなに嬉しいわけ?」
「うん」
即答した。
「……着て欲しい?」
「うん」
「……どうしても?」
「着てくれると凄く嬉しい」
「う……わかったわよぅ……着るからその辛気臭い顔やめてよね!」
「了解」
俺は自分にできる限り最高に爽やかな微笑みを浮かべた。
「気持ち悪い……」
「……そんなこと言われても」
カチャ……
ドアノブが回り、恥ずかしいからと脱衣所で着替えてきたマナちゃんが部屋に入ってきた。
「き、着てきたわよ……なんかすっごい恥ずかしいんだけど……」
白い体操服の少し厚手の生地をつつましやかに押し上げる、控えめな胸のライン。
服の裾に半分隠れた紺のブルマから伸びる、すらりとした足のライン。
上から下まで流れるようなその繊細なシルエットに、白に紺、そして健康的な肌色が映えるコントラスト。
「ディ・モールト(非常に)! ディ・モールト(非常に)良い!」
「何わけのわからないこと言って……きゃっ!?」
俺はマナちゃんにツカツカと歩み寄ると、背中と膝の裏で支えて抱え上げた。
いわゆるお姫様だっこの状態で、そのままベッドまで運んで行く。
彼女の身体をシーツに優しく横たえると、俺はいそいそとシャツを脱ぎ、ズボンを下ろした。
「あ、あの……なんかいつもと比べて凄いことになってるんですけど……角度とか」
言われて、俺は視線を下に落とした。臍にくっつきそうなほど勃起したモノがトランクスを不自然な形に押し上げていた。
通常の三倍とまでは行かないものの、かなり元気であることは疑いようがない。
「まぁ、これは俺の煩悩と夢と愛のあらわれだと思ってもらえれば」
「……なーんか、煩悩ばっかりな気がするわね……」
「罪を憎んで人を憎まず、ってね」
俺はマナちゃんを後ろから抱きすくめると、脇の下から腕を回して服の上から胸のふくらみに触った。
体操服の生地の独特のザラザラした感触越しに伝わってくる胸の柔らかさが俺の理性を蕩かして行く。
首筋をついばむように愛撫しながら円を描くように乳房をこね回していると、やがて中心部の突起が可愛らしく自己主張を始めた。
「ん……なーんか、藤井さんいつもより手つきがヤラシイ……」
「俺はマナちゃんがいつもより反応いいなーと思ったんだけど。早くも効果が出てるのかな?」
「ちょ、調子いいこと言わないでよね!」
「そう? じゃ、試してみようか」
言うが早いが、俺は左手をゆっくり臍に、そして太腿に滑らせた。
しばらく撫で回してそのすべすべした感触を楽しんだ後、手をスライドさせてブルマ越しに恥丘の微妙なふくらみに触れる。
「やん、もう……この格好、ホントに恥ずかしいんだからね……」
中心に沿って焦らすように上下に撫でると、汗ばんだ肌が分厚いブルマの生地で蒸れているのか、あるいは別の理由でか、指先がその向こう側に湿り気を感じ取った。
右手で徐々にツンと勃ってきた乳首を弄りながら、彼女の耳元にそっと囁く。
「あれ? もう下が湿ってるみたいだよ」
「ウ、ウソぉ……きゃんっ!?」
マナちゃんの目がトロンと潤んできた頃を見計らって、俺は指をブルマとパンティの内側に侵入させた。
素早く秘裂の位置を探り当て、優しくなぞるように愛撫する。
程なく、俺はそこから滲み出る分泌液が指に絡み付いてくるのを感じ取った。
「なんだ、やっぱり感じてるじゃない」
「うんッ……もう、そんなこといちいち言わなくていいの」
息遣いが熱っぽくなってきている。
「指、入れるよ……」
「え? 待って……あッ」
俺は静かに中指をマナちゃんの膣に沈めていった。ぎゅうぎゅうにきつくて、熱い。
最後まで入れると、今度は逆に静かに引き抜く。その単調な繰り返し。
「あっ、ん……はぁ……ん、っく……ふぅ」
「どう? 気持ちいい?」
「そ、そんなこと……ふぁッ」
膣に入れた指がキュッと締め付けられる。出し入れの最中に空いた指がクリトリスに掠ったようだ。
俺はその周辺を意識的に触れるようにしつつ、胸を揉みしだいていた手を体操服の裾から内に忍ばせ、直接先端の突起を弄んだ。
「やっ、やだぁ……あぅ……そんな……」
かなり感覚が過敏になってきているのか、俺が指を動かすたびに彼女の身体はビクンビクンと如実に反応を返す。
「マナちゃんのここ、もうビショビショになってる……少し強くするよ」
「え……? あっ、ああっ、あん、はぁ、ふあぁ……」
内側の壁を引っかかないように注意しながら、指を出し入れする速度を速めてやると、マナちゃんは小刻みに切羽詰ったような声で喘いだ。
秘洞の奥がひくついている。そろそろだなと思った俺は、乳首と秘部に同時に激しい責めを加えた。
「あっ、あ、あんっ、あ、あっ、んんっ、ああ、ん……んーーーーーーーっ!」
口を覆った手の指を噛み、マナちゃんは徐々に高くなっていった声を押し殺した。軽い絶頂を迎えたらしく、肉襞がきゅっと収縮する。
ひとしきり全身を痙攣させて絶頂の余波を享受すると、やがてくてんとベッドに身を投げ出し、呼吸を整えた。
「ふぅ、んっ……はぁ……」
透明感のある肌を桃色に染めて息を荒くしている、体操着姿のマナちゃん。
そんな彼女を見て、俺は一つの結論に至った。
「ダメだ……マナちゃん可愛すぎる……」
口に出さずにはいられなかった掛け値無しの本音を呟いて、倒れ込んだマナちゃんの身体に覆い被さるようにのしかかった。
「やっ……もうちょっと休ませてよ……」
俺はそれには答えずに、黙って体操服の上をたくし上げた。小ぶりな、張りのある双丘と先端の桜色の突起が外気にさらされる。
「うー……ケダモノ……」
「可愛い彼女のいるエッチな彼氏と付き合う女の子は大変だね」
「もう、バカ言ってないの……んっ」
プックリとふくれて存在をアピールする乳首を口に含み、下の先でコロコロ転がしてやる。
まだ固いままのそれを舌先で追いかけるように突付き、反対側の胸も指の間に先端部を挟み込むようにしてこね回す。
「ひゃ、ひゃんっ! あっ、んんっん……イ、イッたばっかりなんだからもうちょっと優しくしてよね……」
「可愛い彼女のいるエッチな――」
「そ、それはもういいからぁ……」
胸への悪戯を十分に堪能すると、俺は臍の方に向かって少しずつ舐め下ろしていった。
彼女の綺麗で滑らかな、高級なシルクのような肌にキスの雨を降らせながら、俺の舌はやがて下腹部に到達する。
太腿を撫でるように愛撫しながら鼻先をブルマの中心部に近づけると、蕾から開花しつつある女性の匂いが微かに鼻腔をくすぐった。
「マナちゃんのここ……女の子の匂いがする……」
「あん……い、言わないでよ……そんなこと」
恥ずかしさに顔を真っ赤にして吐息を漏らす彼女を見ながら、生地越しに恥丘を撫で回す。
マナちゃんの反応を心行くまで楽しむと、俺は人差し指を折り曲げてブルマの上から秘裂にグリグリと押し付けた。
「ふあっ! あ、あっ、ひうっ、あ、あああ……」
「一回イッた後だけあって随分感じやすくなってるね」
「あ、あふ、ひゃん、んっ……ふ、やっ、ダメ、変になっちゃう……ぅあっ……」
本当は舌でも弄り倒してやろうと思っていたが、ガクガク震えながら目に涙を浮かべるマナちゃんをこれ以上焦らすのは少し気が引けた。
それに、正直言えば俺のトランクスの中身もいい加減我慢の限界を訴え始めていたところだった。
「マナちゃん……いい?」
「はぁ……ん、来て……」
「うん」
俺がベッドの脇の、避妊具が入れてある棚に手を伸ばそうとすると、彼女はその手を掴んで引き止めた。
「今日……大丈夫だから……いいよ……」
「……わかった」
俺はトランクスを下ろすと、マナちゃんのブルマを少し横にずらした。
ヒクヒクと蜜を湛えたピンク色の秘唇が俺の眼前に露わになる。
「ん……脱がなくていいの……?」
「まさか!」
俺は予想外の一言に驚愕を隠すことができなかった。
「最後に脱がせちゃったら何のためにこの格好でしてるのかわからないよ! そんなできそこないのAVみたいな!」
「……変態」
しまった、マナちゃんがちょっと引いている。
俺は慌ててフォローに入った。
「つまり、その……マナちゃんは何を着ても似合うってことさ」
「話がズレてる気がするんだけど……」
「まぁ、些細なことは気にしないで続けようよ、ね?」
「むー……ごまかされた感じ……」
これ以上立場を悪くするわけにはいかない。俺はいきり立ったペニスを掴み、先端部を秘裂に押し当てて数回こすりつける。
すると彼女は無意識にか腰をくねらせて、潤んだ瞳で懇願してきた。
「やぁ……早く……」
「行くよ」
ズンッ!
俺はぬかるむ秘洞へ一気に奥まで突き入れた。
「ひぐっ!」
「マナちゃん……凄い……熱くて溶けそうだよ……」
溢れる愛液で蕩けた膣内が締め付け、うねり、ざわめいて俺を歓迎する。
十分な潤滑油のおかげで挿入自体はスムーズに行われたが、彼女の膣は狭く、きゅうきゅうと搾り取るように締め付けてくる。
俺はマナちゃんの身体を抱き起こすと、座位の格好に抱え込んで腰を使い始めた。
「あ、や、やだ、すご……あふっ、い、いつもより、おっきいよおぉ……あっ、ひあっ!」
「今日はマナちゃんも凄いよ……トロトロだ……」
ブルマのお尻のあたりに手を添えて、華奢なマナちゃんの身体を揺すり立てる。
捲っておいた体操服が腰を動かすごとに少しずつずり下がって来る。俺はその上からツンと浮き上がった乳首に吸い付いた。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、はぁ、やん、吸っちゃやだぁ……あっ、んっん、はぁぁん……」
「気持ちいい?」
「う、あっ、うん、きもち、いい、よぉ……あっ、あ、あっ、んんっ!」
「マナちゃん……今度は後ろから……」
「え? ……あっ」
俺は一旦ペニスを引き抜き、彼女をコテンと押し倒すと、四つんばいの格好にさせた。
「は……はずかしいよ……こんなの……」
「大丈夫だから……ね」
「……うん」
そのまま淫液の滴る秘裂に根元まで押し込む。
間髪を入れずに俺は激しい抽送を開始した。
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ!
淫らな水音が規則正しいリズムで刻まれる。
「ひっ、あぐっ、あっ、お、奥に当たって……あっあっあっ、そ、そんな強く、しないでぇ……」
「可愛いよ……マナちゃん……」
腰を打ち付ける度に、マナちゃんの膣の感触とは別にブルマと擦れる感触が俺に背筋が痺れるような快感を与える。
彼女の体温と摩擦熱が相まって、俺は本当に腰が溶けてしまうような錯覚に陥っていた。
マナちゃんの奥を突きながらその背中に倒れ込み、頬を固定してキスを求める。
サラサラの髪の毛を撫でながら、俺は狂ったようにマナちゃんの唇を貪った。
「ん、んん……んむぅ……」
「ん……マナちゃん……俺……そろそろ……」
「待って……終わる時は、顔、見てたいから……」
「わかった……」
熱く煮えたぎった俺自身を再び抜くと、全身の力が抜けたかのようにマナちゃんが崩れ落ちた。
震えるその身体を仰向けに転がし、両膝を開かせると、俺は三度秘洞に突撃し、最後のラッシュをかけた。
「あっ、そんな、いきなり激し……はっん、あぐ、うぁあぁ……くぅん!」
もう一度マナちゃんの唇を奪う。夢中で舌を絡ませながら、体操服をたくし上げ、腰のぶつかり合いに合わせて揺れる乳房を揉みしだいた。
俺は必死でピストン運動を続ける。彼女の腕が俺の背中に回され、食い込む爪の感触が伝わってきた。
「いやっ……いやっ……ずんずんって……っくぅ! きてるよぉ……くぁっ、お、おかしくなっちゃうっ!」
「俺も……もう、限界だよ……」
「ダメ、もうダメぇ……お願い、一緒に……あっあっあっあっあっ、ふぁ、あんっ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「くっ……出るっ……!」
マナちゃんが感極まった声を上げると、膣全体がビクンビクンと激しく収縮した。
同時に、俺はマナちゃんの一番奥まで突き入れると、既に先端まで上がり切って放出されるのを待っていた灼熱の奔流を全てぶちまけた。
「はぁん……ぅあ……熱……い」
呆けたようにそれだけ呟くと、彼女はぐったりと力を失い、俺の腕の中で静かに目を閉じた。
「もう……藤井さんがこんな趣味の変態だとは思わなかったわ」
夜中、マナちゃんが――あの後シャワーを浴びて着替えたので今はパジャマだ――ベッドの中、俺の隣でポツリと呟いた。
「ん? マナちゃんもそれなりに楽しんでなかった?」
「……もう、バカ! デリカシーのカケラもないんだから!」
ポカリと一発叩かれる。
「あーあ……なんでこんなスケベな人と付き合ってるんだろー」
「はは……マナちゃんも苦労するね」
「……何言ってんだか」
「でも、正直言うとそれほど嫌でもなかったでしょ?」
「う……」
マナちゃんの顔が瞬時に真っ赤になった。
「そこんとこどうですか? 観月さん」
「うぐ……ま、まぁ、たまにならいいけど……」
「ホントに!?」
「な、なんでそんなに嬉しそうなのよ! お、おやすみなさい、もう寝るわ!」
「あはは……おやすみ」
俺はナイトスタンドのスイッチを切った。
部屋の中はカーテン越しの月明かりに照らされるだけとなる。
(今度はスクール水着だ)
俺はとても満ち足りた、幸福な気持ちで目を閉じた。
いじょ、スレ汚し失礼ー
183 :
名無しさんだよもん:01/12/25 04:57 ID:zdXyQUZ0
age
メンテです。
185 :
名無しさんだよもん:01/12/28 12:52 ID:+T/eLlqX
あげ〜ん
186 :
名無しさんだよもん:
あげ