ゴールデンタイムのドラマが終わり、エンディングが流れ始めたところでマナちゃんはひとつ大きく伸びをした。
「藤井さん、電話借りていい?」
「うん」
俺が返事を返す前に、彼女はもう席を立って電話の受話器を持ち上げかけていた。
番号をプッシュする音、しばらくして電話の相手と何か会話を交わす声を、俺は見ているわけでもないテレビの方に目を向けながら聞くでもなく聞いていた。
「……ありがと」
二言三言話しただけですぐに電話を切ると、彼女はベッドの縁に腰掛けて足を投げ出した。
「ご両親?」
「そう。今日帰ってきてるみたいだから、一応ね」
聞こえてきた断片的な会話の中で、学校の友達の家に泊まって来る、などと言っていたのはそういうことか、と俺は納得した。
彼女と俺の部屋で一緒に夜を過ごしたことは今までに何回もあったが、親に電話を入れたのは今回が初めてだった。
最近また両親の仕事が忙しくなったらしく、『何日も帰ってこないこともあるんだから』と言っていたのは誇張ではなかったようだ。
「マナちゃん……」
一人で生活するには広すぎる家で日々の大部分を過ごすのはやはり寂しいのだろうか、両親の話になると心なしか表情が翳る。
俺は立ち上がり、テレビのスイッチを切った。夜の静けさが室内に満ちる。
そしてマナちゃんと並んでベッドに下ろすと、その身体を少し強引に抱き寄せた。
「……なによ」
少し頬を赤くして俺の顔を見上げる彼女の唇に、俺は黙って自分の唇を重ねた。
ゆっくりと舌を口腔に差し入れると、彼女はぎこちなく応じてきた。しばらくの間、互いに愛撫を繰り返す。
やがて唇を離すと、マナちゃんは俺を睨みつけるようにして言った。
「もう……スケベ」
「つい、ね。ごめん」
「別に謝んなくたっていいわよ。……ねぇ」
彼女は少し頬を染めてこちらに視線を向ける。
今日こそは――と、俺は努めて平静を装いながら言った。今までに言い出せずにいた悲願を成就させるために。
「ところでマナちゃん。俺たちがこういう関係になって……これまでにその、エッチしたのも一回や二回じゃないわけだけど」
「と、突然改まってなに口走ってんのよ?」
「いつも同じことを繰り返しているのはいずれマンネリになるからよくないと言うか、文化的な生物としての面目が立たないと言うか」
「……で、つまり何が言いたいわけ?」
俺はベッドの脇にさり気なく置いておいた紙袋を彼女に手渡した。
訝しげな表情を浮かべて、マナちゃんは袋の中に手を入れ中身を漁り始めた。
「何……コレ?」
「いや、その、たまには少し趣向を変えて、と思って」
三角形に近い形状の紺色の布のようなものをヒラヒラさせながら問う彼女に、俺は心中の動揺を察されないように答えた。
「私にはブルマと体操服のように見えるわ、どうかしら」
「いい読みだね」
「コレをどうしろと?」
「いや、だから、たまにはいつもと違う格好でやってみ……もが」
俺の顔を飛んできた体操服が覆った。視界が白く染まる。純白の、銀世界を連想させる世界だ。
そして次の瞬間には、マナちゃんの拳が雪崩のように降ってきた。無差別に振り下ろされる握り拳はそれほど痛いわけではないが、視界の塞がれた今、少し怖い。
「あの、マナちゃん、ちょっと、落ち着いて、その……痛い痛い! だんだん強くなってきてる!」
「藤井さんのバカッ! バカバカバカバカバカッ! スケベ! 変態! 性犯罪者! ロリコン!」
自分でロリコンって言うのはどうなんだろう、となぜだか少し冷静になりながらも俺は状況をフォローしようと口を開いた。
「違うんだ、落ち着いて聞いて欲しい。俺は別に変なことを考えてコレを用意したわけじゃないんだ。ただ――」
「……そんなもの被りながら何言っても説得力ゼロね。ハッキリ言って」
「う……」
俺は取りあえず顔に貼り付いたままの体操服をベッドの上に置いた。
「そうか……マナちゃんの趣味には合わなかったんだ……」
「もし少しでも、ほんの一カケラでもコレが趣味に合うと思ってたんならある意味ちょっと尊敬したい気分よ」
「ぁぅ……ぃゃ……」
返す言葉が見つからず、俺は俯いているしかなかった。
「なに、もしかして本気だったの? なんだか凄い残念そうなんだけど」
「う……否定できない」
気がつかないうちに俺は母親に叱られている子供のようにベッドの上に正座していた。
楽園の向こう側と、こちら側と。俺の求めた世界はブラウン管の向こう側にしか存在しなかったのだろうか。
「――――けど」
気まずい沈黙を破ったのは、小さくて聞き取れないほどのマナちゃんの呟きだった。
「な、何か仰ったでしょうか……?」
「うー……」
マナちゃんは真っ赤になって低く唸ると、さっきよりも幾分大きい声で繰り返した。
「そんなに……そんなに落ち込むんだったら、別に……着てあげてもいいけど」
俺は無言で彼女の手を両手で握り締めた。
「な、何を本気で喜んでるのよ! ちょっと、目に涙なんて浮かべないでよ!」
「幸せだなぁ……優しい彼女を持つと」
「か、勘違いしないでよね! 冴えない大学生が今にも自殺しそうな顔してたから同情しただけよ! ホ、ホントはすごくイヤなんだから!」
俺は握った手を解き、彼女に背を向けて再び俯いた。
「そんな……俺は嫌がってるマナちゃんに無理強いなんてできないよ……諦めるから……気にしないで……うん」
「あ、ちょっと……ふ、藤井さんは私がそれ着たらそんなに嬉しいわけ?」
「うん」
即答した。
「……着て欲しい?」
「うん」
「……どうしても?」
「着てくれると凄く嬉しい」
「う……わかったわよぅ……着るからその辛気臭い顔やめてよね!」
「了解」
俺は自分にできる限り最高に爽やかな微笑みを浮かべた。
「気持ち悪い……」
「……そんなこと言われても」
カチャ……
ドアノブが回り、恥ずかしいからと脱衣所で着替えてきたマナちゃんが部屋に入ってきた。
「き、着てきたわよ……なんかすっごい恥ずかしいんだけど……」
白い体操服の少し厚手の生地をつつましやかに押し上げる、控えめな胸のライン。
服の裾に半分隠れた紺のブルマから伸びる、すらりとした足のライン。
上から下まで流れるようなその繊細なシルエットに、白に紺、そして健康的な肌色が映えるコントラスト。
「ディ・モールト(非常に)! ディ・モールト(非常に)良い!」
「何わけのわからないこと言って……きゃっ!?」
俺はマナちゃんにツカツカと歩み寄ると、背中と膝の裏で支えて抱え上げた。
いわゆるお姫様だっこの状態で、そのままベッドまで運んで行く。
彼女の身体をシーツに優しく横たえると、俺はいそいそとシャツを脱ぎ、ズボンを下ろした。
「あ、あの……なんかいつもと比べて凄いことになってるんですけど……角度とか」
言われて、俺は視線を下に落とした。臍にくっつきそうなほど勃起したモノがトランクスを不自然な形に押し上げていた。
通常の三倍とまでは行かないものの、かなり元気であることは疑いようがない。
「まぁ、これは俺の煩悩と夢と愛のあらわれだと思ってもらえれば」
「……なーんか、煩悩ばっかりな気がするわね……」
「罪を憎んで人を憎まず、ってね」
俺はマナちゃんを後ろから抱きすくめると、脇の下から腕を回して服の上から胸のふくらみに触った。
体操服の生地の独特のザラザラした感触越しに伝わってくる胸の柔らかさが俺の理性を蕩かして行く。
首筋をついばむように愛撫しながら円を描くように乳房をこね回していると、やがて中心部の突起が可愛らしく自己主張を始めた。
「ん……なーんか、藤井さんいつもより手つきがヤラシイ……」
「俺はマナちゃんがいつもより反応いいなーと思ったんだけど。早くも効果が出てるのかな?」
「ちょ、調子いいこと言わないでよね!」
「そう? じゃ、試してみようか」
言うが早いが、俺は左手をゆっくり臍に、そして太腿に滑らせた。
しばらく撫で回してそのすべすべした感触を楽しんだ後、手をスライドさせてブルマ越しに恥丘の微妙なふくらみに触れる。
「やん、もう……この格好、ホントに恥ずかしいんだからね……」
中心に沿って焦らすように上下に撫でると、汗ばんだ肌が分厚いブルマの生地で蒸れているのか、あるいは別の理由でか、指先がその向こう側に湿り気を感じ取った。
右手で徐々にツンと勃ってきた乳首を弄りながら、彼女の耳元にそっと囁く。
「あれ? もう下が湿ってるみたいだよ」
「ウ、ウソぉ……きゃんっ!?」
マナちゃんの目がトロンと潤んできた頃を見計らって、俺は指をブルマとパンティの内側に侵入させた。
素早く秘裂の位置を探り当て、優しくなぞるように愛撫する。
程なく、俺はそこから滲み出る分泌液が指に絡み付いてくるのを感じ取った。
「なんだ、やっぱり感じてるじゃない」
「うんッ……もう、そんなこといちいち言わなくていいの」
息遣いが熱っぽくなってきている。
「指、入れるよ……」
「え? 待って……あッ」
俺は静かに中指をマナちゃんの膣に沈めていった。ぎゅうぎゅうにきつくて、熱い。
最後まで入れると、今度は逆に静かに引き抜く。その単調な繰り返し。
「あっ、ん……はぁ……ん、っく……ふぅ」
「どう? 気持ちいい?」
「そ、そんなこと……ふぁッ」
膣に入れた指がキュッと締め付けられる。出し入れの最中に空いた指がクリトリスに掠ったようだ。
俺はその周辺を意識的に触れるようにしつつ、胸を揉みしだいていた手を体操服の裾から内に忍ばせ、直接先端の突起を弄んだ。
「やっ、やだぁ……あぅ……そんな……」
かなり感覚が過敏になってきているのか、俺が指を動かすたびに彼女の身体はビクンビクンと如実に反応を返す。
「マナちゃんのここ、もうビショビショになってる……少し強くするよ」
「え……? あっ、ああっ、あん、はぁ、ふあぁ……」
内側の壁を引っかかないように注意しながら、指を出し入れする速度を速めてやると、マナちゃんは小刻みに切羽詰ったような声で喘いだ。
秘洞の奥がひくついている。そろそろだなと思った俺は、乳首と秘部に同時に激しい責めを加えた。
「あっ、あ、あんっ、あ、あっ、んんっ、ああ、ん……んーーーーーーーっ!」
口を覆った手の指を噛み、マナちゃんは徐々に高くなっていった声を押し殺した。軽い絶頂を迎えたらしく、肉襞がきゅっと収縮する。
ひとしきり全身を痙攣させて絶頂の余波を享受すると、やがてくてんとベッドに身を投げ出し、呼吸を整えた。
「ふぅ、んっ……はぁ……」
透明感のある肌を桃色に染めて息を荒くしている、体操着姿のマナちゃん。
そんな彼女を見て、俺は一つの結論に至った。
「ダメだ……マナちゃん可愛すぎる……」
口に出さずにはいられなかった掛け値無しの本音を呟いて、倒れ込んだマナちゃんの身体に覆い被さるようにのしかかった。
「やっ……もうちょっと休ませてよ……」
俺はそれには答えずに、黙って体操服の上をたくし上げた。小ぶりな、張りのある双丘と先端の桜色の突起が外気にさらされる。
「うー……ケダモノ……」
「可愛い彼女のいるエッチな彼氏と付き合う女の子は大変だね」
「もう、バカ言ってないの……んっ」
プックリとふくれて存在をアピールする乳首を口に含み、下の先でコロコロ転がしてやる。
まだ固いままのそれを舌先で追いかけるように突付き、反対側の胸も指の間に先端部を挟み込むようにしてこね回す。
「ひゃ、ひゃんっ! あっ、んんっん……イ、イッたばっかりなんだからもうちょっと優しくしてよね……」
「可愛い彼女のいるエッチな――」
「そ、それはもういいからぁ……」
胸への悪戯を十分に堪能すると、俺は臍の方に向かって少しずつ舐め下ろしていった。
彼女の綺麗で滑らかな、高級なシルクのような肌にキスの雨を降らせながら、俺の舌はやがて下腹部に到達する。
太腿を撫でるように愛撫しながら鼻先をブルマの中心部に近づけると、蕾から開花しつつある女性の匂いが微かに鼻腔をくすぐった。
「マナちゃんのここ……女の子の匂いがする……」
「あん……い、言わないでよ……そんなこと」
恥ずかしさに顔を真っ赤にして吐息を漏らす彼女を見ながら、生地越しに恥丘を撫で回す。
マナちゃんの反応を心行くまで楽しむと、俺は人差し指を折り曲げてブルマの上から秘裂にグリグリと押し付けた。
「ふあっ! あ、あっ、ひうっ、あ、あああ……」
「一回イッた後だけあって随分感じやすくなってるね」
「あ、あふ、ひゃん、んっ……ふ、やっ、ダメ、変になっちゃう……ぅあっ……」
本当は舌でも弄り倒してやろうと思っていたが、ガクガク震えながら目に涙を浮かべるマナちゃんをこれ以上焦らすのは少し気が引けた。
それに、正直言えば俺のトランクスの中身もいい加減我慢の限界を訴え始めていたところだった。
「マナちゃん……いい?」
「はぁ……ん、来て……」
「うん」
俺がベッドの脇の、避妊具が入れてある棚に手を伸ばそうとすると、彼女はその手を掴んで引き止めた。
「今日……大丈夫だから……いいよ……」
「……わかった」
俺はトランクスを下ろすと、マナちゃんのブルマを少し横にずらした。
ヒクヒクと蜜を湛えたピンク色の秘唇が俺の眼前に露わになる。
「ん……脱がなくていいの……?」
「まさか!」
俺は予想外の一言に驚愕を隠すことができなかった。
「最後に脱がせちゃったら何のためにこの格好でしてるのかわからないよ! そんなできそこないのAVみたいな!」
「……変態」
しまった、マナちゃんがちょっと引いている。
俺は慌ててフォローに入った。
「つまり、その……マナちゃんは何を着ても似合うってことさ」
「話がズレてる気がするんだけど……」
「まぁ、些細なことは気にしないで続けようよ、ね?」
「むー……ごまかされた感じ……」
これ以上立場を悪くするわけにはいかない。俺はいきり立ったペニスを掴み、先端部を秘裂に押し当てて数回こすりつける。
すると彼女は無意識にか腰をくねらせて、潤んだ瞳で懇願してきた。
「やぁ……早く……」
「行くよ」
ズンッ!
俺はぬかるむ秘洞へ一気に奥まで突き入れた。
「ひぐっ!」
「マナちゃん……凄い……熱くて溶けそうだよ……」
溢れる愛液で蕩けた膣内が締め付け、うねり、ざわめいて俺を歓迎する。
十分な潤滑油のおかげで挿入自体はスムーズに行われたが、彼女の膣は狭く、きゅうきゅうと搾り取るように締め付けてくる。
俺はマナちゃんの身体を抱き起こすと、座位の格好に抱え込んで腰を使い始めた。
「あ、や、やだ、すご……あふっ、い、いつもより、おっきいよおぉ……あっ、ひあっ!」
「今日はマナちゃんも凄いよ……トロトロだ……」
ブルマのお尻のあたりに手を添えて、華奢なマナちゃんの身体を揺すり立てる。
捲っておいた体操服が腰を動かすごとに少しずつずり下がって来る。俺はその上からツンと浮き上がった乳首に吸い付いた。
「あっ、あっ、あっ、あんっ、はぁ、やん、吸っちゃやだぁ……あっ、んっん、はぁぁん……」
「気持ちいい?」
「う、あっ、うん、きもち、いい、よぉ……あっ、あ、あっ、んんっ!」
「マナちゃん……今度は後ろから……」
「え? ……あっ」
俺は一旦ペニスを引き抜き、彼女をコテンと押し倒すと、四つんばいの格好にさせた。
「は……はずかしいよ……こんなの……」
「大丈夫だから……ね」
「……うん」
そのまま淫液の滴る秘裂に根元まで押し込む。
間髪を入れずに俺は激しい抽送を開始した。
じゅぷっ、じゅぷっ、じゅぷっ!
淫らな水音が規則正しいリズムで刻まれる。
「ひっ、あぐっ、あっ、お、奥に当たって……あっあっあっ、そ、そんな強く、しないでぇ……」
「可愛いよ……マナちゃん……」
腰を打ち付ける度に、マナちゃんの膣の感触とは別にブルマと擦れる感触が俺に背筋が痺れるような快感を与える。
彼女の体温と摩擦熱が相まって、俺は本当に腰が溶けてしまうような錯覚に陥っていた。
マナちゃんの奥を突きながらその背中に倒れ込み、頬を固定してキスを求める。
サラサラの髪の毛を撫でながら、俺は狂ったようにマナちゃんの唇を貪った。
「ん、んん……んむぅ……」
「ん……マナちゃん……俺……そろそろ……」
「待って……終わる時は、顔、見てたいから……」
「わかった……」
熱く煮えたぎった俺自身を再び抜くと、全身の力が抜けたかのようにマナちゃんが崩れ落ちた。
震えるその身体を仰向けに転がし、両膝を開かせると、俺は三度秘洞に突撃し、最後のラッシュをかけた。
「あっ、そんな、いきなり激し……はっん、あぐ、うぁあぁ……くぅん!」
もう一度マナちゃんの唇を奪う。夢中で舌を絡ませながら、体操服をたくし上げ、腰のぶつかり合いに合わせて揺れる乳房を揉みしだいた。
俺は必死でピストン運動を続ける。彼女の腕が俺の背中に回され、食い込む爪の感触が伝わってきた。
「いやっ……いやっ……ずんずんって……っくぅ! きてるよぉ……くぁっ、お、おかしくなっちゃうっ!」
「俺も……もう、限界だよ……」
「ダメ、もうダメぇ……お願い、一緒に……あっあっあっあっあっ、ふぁ、あんっ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「くっ……出るっ……!」
マナちゃんが感極まった声を上げると、膣全体がビクンビクンと激しく収縮した。
同時に、俺はマナちゃんの一番奥まで突き入れると、既に先端まで上がり切って放出されるのを待っていた灼熱の奔流を全てぶちまけた。
「はぁん……ぅあ……熱……い」
呆けたようにそれだけ呟くと、彼女はぐったりと力を失い、俺の腕の中で静かに目を閉じた。
「もう……藤井さんがこんな趣味の変態だとは思わなかったわ」
夜中、マナちゃんが――あの後シャワーを浴びて着替えたので今はパジャマだ――ベッドの中、俺の隣でポツリと呟いた。
「ん? マナちゃんもそれなりに楽しんでなかった?」
「……もう、バカ! デリカシーのカケラもないんだから!」
ポカリと一発叩かれる。
「あーあ……なんでこんなスケベな人と付き合ってるんだろー」
「はは……マナちゃんも苦労するね」
「……何言ってんだか」
「でも、正直言うとそれほど嫌でもなかったでしょ?」
「う……」
マナちゃんの顔が瞬時に真っ赤になった。
「そこんとこどうですか? 観月さん」
「うぐ……ま、まぁ、たまにならいいけど……」
「ホントに!?」
「な、なんでそんなに嬉しそうなのよ! お、おやすみなさい、もう寝るわ!」
「あはは……おやすみ」
俺はナイトスタンドのスイッチを切った。
部屋の中はカーテン越しの月明かりに照らされるだけとなる。
(今度はスクール水着だ)
俺はとても満ち足りた、幸福な気持ちで目を閉じた。