葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round54!!
確かにあの年は色々あった。そしてそれからも様々な出来事があった。
その膨大な逡巡と、悲しみと、迷いの果てに今の隣り合う二人がいる。
だからこの「今」にはもう、何の後悔もしてはいない。
「そういえば相沢さん。最近はうちの母がうるさいんですよ。
あの人は今度いつ家に来るの?って。」
「そ、そうなのか?」
「はい。どうやら相沢さんは、気に入られてしまったようですね。
両親はもうすっかりその気で、二人とも臨戦態勢です。」
「そうか・・・困ったな。」
「え・・・?」
意外な反応に、美汐が不安げに祐一を見る。
「いや・・だってさ。俺はまだ社会人になったばかりで貯金なんか全くないし
正直、天野を食わせて行ける自信がないし・・・」
「そんな、相沢さん・・・」
「天野だって、やっぱり色々と夢はあるだろ?
花嫁衣装はどれがいいとか、新婚旅行はどこに行こうとか。
今の俺じゃ、ちゃんとした結婚指輪だって買ってやれるかどうか・・・」
「いりません。式も旅行も指輪も、何も。」
「天野・・・」
「私には、これだけあれば十分です。」
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