超樋 葉鍵スタッフ最萌トーナメントR-1 専甘 

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248超物語・第5章
──リーフ東京開発室──
「見事にdだぁー!」
 デバッグ作業をしていたプログラマの乾は、両腕を高々と上げながら叫んだ。
 マスターアップの期日まで残り一週間足らず。東京開発室では総力を注ぎ込んでの修羅場が続いていた。
 こみパに続く東京開発室の第2弾、うたわれるものはSRPGのため、システムデバッグで難航していた。
 プログラマはもちろん、CG、シナリオ、音楽といった各担当が総出で作業に当たるものの、システムの完成には程遠かった。
「で、き、る、くわ〜っ!(ノ`□´)ノ ⌒┻━┻ ガシャン」
「ちゃん様がご乱心なされた! みんなで取り押さえろ!」
「(`皿´)きーっ! (`皿´)きーっ!」
「ちゃん様! 落ち着いて下さい!」
「ちゃんサマいうな〜〜〜〜っ!!≡(`□´)=0)゚д゚;))゚д゚;)ドカバキ」
 既にお馴染みと化した、みつみが暴れる光景を見ながら、鷲見は下川に陳情した。
「発売日延ばさないと無理っす」
「うーん、そうかもしんない…。ま、毎度のことやし、かまへん、かまへん」
 結局、発売日を1ヶ月先送りすることにより、事態は収拾されたのであった。
249超物語・第6章:01/12/05 21:35 ID:zNYU2KBM
──ソフトウェア製造工場──
「あれ? マスターアップは延期されたんじゃないんですか?」
 当初のマスターアップ期日にCDを持って現れた竹林に、工場長は意表を突かれて困惑した。
「いやあ、ちょっと情報が錯綜したみたいでして。はい、これがマスターディスクです」
「そうですか。では当初の予定通り進めて良いんですね?」
「はい。ところでパッケージやマニュアルの方は出来ていますか?」
「それらは既に準備出来ています」
「ではこの紙を同梱物に加えてもらえますか?」
「別にかまいませんが、何ですか? これ」
「この1枚の紙を同梱するだけで全てが許されるのです」
 工場長が受け取った紙には次のように書かれていた。
『パッケージ・マニュアル・広告等に書かれている事は全て開発中のものです。
 実際の内容と著しく異なることがあるのでご了承下さい』

──リーフ東京開発室──
「何で製造ラインが稼動しているんだ?」
 残業していた鷲見が異常事態に気付いたのは、日付も変わろうかという深夜であった。
「何者かが偽のマスターディスクを持ち込んだようです。既に初回分が出荷されました」
 ソフトウェア工場と連絡を取っている中上が答えた。
「とにかく製造を中止。それから店頭売りを差し止めろ。朝までにはまだ時間がある」
「それが…、明日はkeyのクラナドの発売日です」
「というと?」
「つまり大手ショップの前にはもう行列が出来ていて…」
「そうか、零時開店か…」
 全てが手遅れだと悟った鷲見は、がっくりとうな垂れてからデスクに突っ伏した。
 その様子を見ながら、中上は怪しげな行動をしていた竹林のことを思い出していた。
「まさか…、超先生が?」