葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round50!
「……えいえんは、あるよ」
そのことばが嘘だって、わかってる。
ずっと変わらないモノなんてない。
わたしはもう生きていないし、お兄ちゃんの一番は、もうわたしではない。
移りゆくのは季節だけじゃなくって、街も人も想いも、みんな。
「えいえんなんて、なかったんだよね」
一緒になんて、いられないんだ。
だからわたしにできることは、ここからずっと見ていることだけ。
この世界で、全てが止まった場所で、大人になるあなたをみおくることだけなの。
何もかも忘れてしまえればよかったのに、わたし、まだここにいる。
(……どうして?)
涙が出そうになるけれど、だけどかなしくなんかない。
お兄ちゃんを見ていられるだけで、きっとしあわせなんだ。
わたしは、これ以上のぞんだらダメなんだ。
だって、生きていないんだから。
「ばぁか、そんなさみしいこと言うな」
……え?
「みさお。遅いぞ」
ふわり。
浮かぶような感じがして、初めてわたしは、地面に降りてきた。
嘘みたい。
「今日は、お前の日なんだから。めいっぱい頑張れよ。応援するから」
のばされたお兄ちゃんの手は、とてもあたたかい。
その笑顔は、とっても、やさしい。
ああ。
「……ただいま!」
かみさま、これが一日だけの夢でも。
ほんとに、わたし、うれしいよ――――
「……『折原みさお』えいえんより、帰還! 入場します!」