葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round50!

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416ONE本文引用
みさおが病気になったのは、そろそろ変装道具をそろえなきゃな、と思い始めた頃だった。
ちょっと治すのに時間がかかるらしく、病院のベッドでみさおは過ごすことになった。
「バカだな、おまえ。こんなときに病気になって」
「そうだね…」
「おまえ、いつも腹出して寝てるからだぞ。気づいたときは直してやってるけど、毎日はさすがに直してやれないよ」
「うん、でも、お腹に落書きするのはやめてよ。まえも身体検査のとき笑われたよ」
ぼくはいつも、油性マジックでみさおのお腹に落書きしてから布団をなおしてやるので、みさおのお腹はいつでも、笑ったり、泣いたり、怒ったりしていた。
「だったら、寝相をよくしろ」
「うん。そうだね」
みさおの邪魔そうな前髪を掻き上げてやりながら、窓の外に目をやると、自然の多く残る町の風景が見渡せた。
そして、秋が終わろうとしていた。
417ONE本文引用:01/11/29 02:59 ID:QJCI1Jld
「みさおー」
「あ、お兄ちゃん。どうしたの、こんな時間に」
「みさお、退屈してると思ってな」
「ううん、だいじょうぶだよ。本、いっぱいあるから、よんでるよ」
「本?こんな字ばっかのが、おもしろいわけないだろ。やせ我慢をするな」
「ぜんぜんがまんなんかしてないよ。ほんと、おもしろいんだよ」
「というわけでだな、これをやろう」
ぼくは隠しもっていた、おもちゃをみさおに突きつけた。
「なにこれ」
「カメレオンだ」
「見たらわかるけど…」
プラスチックでできたおもちゃで、お腹の部分にローラーがついていて、それが開いた口から飛び出た舌と連動している。