葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round50!

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うあーーーん…
うあーーーーーーーんっ!
泣き声が聞こえる。
誰のだ…?
ぼくじゃない…。
そう、いつものとおり、みさおの奴だ。
「うあーーーーん、おかあさーーんっ!」
「どうしたの、みさお」
「お兄ちゃんが、蹴ったぁーーっ!」
「浩平、あんた、またっ」
「ちがうよ、遊んでただけだよ。真空飛び膝蹴りごっこして遊んでたんだ」
「そんなのごっこ、なんて言わないのっ!あんた前は、水平チョップごっことか言って、泣かしたばっかじゃないのっ」
「ごっこだよ。本当の真空飛び膝蹴りや水平チョップなんて真似できないくらい切れ味がいいんだよ?」
「ばかな理屈こねてないで、謝りなさい、みさおに」
「うあーーんっ!」
「うー…みさおぉ…ごめんな」
「ぐすっ…うん、わかった…」
「よし、いい子だな、みさおは」
「浩平、あんたが言わないのっ!」
じっさいみさおが泣きやむのが早いのは、べつに性分からじゃないと思う。
ぼくが、ほんとうのところ、みさおにとってはいい兄であり続けていたからだ。
そう思いたい。