葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round48!!

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458ファーレンハイト
「ゆーうくん、ほら起きた起きたぁ!」
「ほへ……ここはどこ、、、わたしは、、、」
「あなたは今からピクニックに行くんでしょ!しゃきしゃきしなさぁい!」
「しまった!始発!始発!」

がば、と布団をはぐと、夜明けの柔らかな光が窓の向こうからこぼれていた。
「なんだ、まだ夜か、、、さおりちゃん、支度はもういいの?」
寝間着姿の人間にいわれるものか、とくるり一回転する沙織。
「大丈夫だよ?私は雨でも雪でも全然へいきー。それより祐くん、、、」
すすす、と風のように近づいてきて祐介のほほをなでる。
「お布団の後ついて、なんだか猫のひげみたーい」
「いや、ちょっと沙織ちゃんったら、、、」
ふにふに祐介のほっぺたをつねるやさしい感触。
「沙織ちゃんだって、ほら……」
「ひゃっ!」
459ファーレンハイト:01/11/27 17:27 ID:cGGYN3oA
もみあげをくい、と引っ張ると、よほど驚いたのかそのまま倒れ込んでくる沙織。
「もー。いたずらしないでよー、、、びっくりしちゃった」
「え、あ、その、ごめん、、、」
「あ、うんごめん……」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

ちく、たく、ちく、たく、と均一をうつ時計の針が朝の日差しに煌めいている。
お互いの体温だけを感じながら流れていく静かなリズム。
「沙織ちゃん、もうすぐ、電車……」
「、、、もうちょっと、こうしてたいな……」
「ん、、、」
泡のように零れていく光の中で、二人の影がゆっくりと一つに重なった。