葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round48!!
終礼のベルが鳴り響いていた。
目の前で、沙織ちゃんがほほえんでいる。
「どうしたの?居眠りしてたみたいだけど……」
アルミフレームの中に浮かび上がる透き通った空。
それは僕の歪みに充ちた、それでいて手の中に生暖かい手触りを残す妄想とはあまりにかけ離れ、
あまりにも”きれい”なせいか却って模造品のような気がした。
目の前でほほえむ、沙織ちゃんだけが僕に生きているという奇妙な現実感を与えてくれるのだ。
急速に僕の脳裏を塞いでいた空が晴れていく。
ふと見上げた空が、青い。
「ああ、ちょっと居眠りしちゃってたみたいで、、、いこう?」
「うん!」
そっと手を差し出すと、沙織ちゃんの暖かな体が触れる。その熱は、溶けるように僕の体の芯まで暖めていってくれる。
「ねぇねぇ、この前駅前にケーキショップができてね……」
校門をくぐり抜けてもう一度振り返ると、やはり、どこまでも青い空が広がっていた。