●●要求。青紫(竹林明秀)はLeafを辞めろ6●●

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「実録 ToHeatのできるまで」を
今からここに上げようと思う
立て書きの原文を横書きにし、文章以外の行を詰め
注釈文を文章に付属させた以外は、一切の変更を行っていないことを
ここに記す

実録! ToHeartのできるまで

7月
痕マスターアップ一週間前。リーフ会議室で3人の男が戦っていた。
その内容は痕の発売日を延ばすか否かというものである。なんと、当
初予定だった初音のシナリオがこの時期に及んでさえ。いまだ全然手
付かずで残っていたのだ。
「出来ていないのならば仕方がない、初音シナリオは抜きで出し」と社
命を下すはS。
「それはあまりにひどい。なんとか発売日のほうを延ばせぬか」と頼む
はT。
Sはたたでは動かぬ男。
「ならば主にはペナルティを受けてもらわねばな。会社のため、次回も
ヴィジアルノベルを作るのだ」
「なに!? 次回は俺の好きなRPGを作らせてくれるのではなかった
のか!」驚愕のT。
「主がこの条件をのまぬなら、発売日は延びぬ」鬼のS。
結局、Tは泣く泣く条件をのみ、痕の発売日は1週間延びることに決
定した。
そして初音シナリオは辛くも収録(※1)されることとなり、それと同
時にヴィジアルノベル3の制作が決定した。


(※1)ちょっと余裕が出来たので、ついでに犯人シナリオまで入れて
しまった

8月
痕アップ後で放心状態のなか、構想だけは完成していたRPGのスト
ーリーをVNで再現しようと試みるT。
とりあえずMによるキャラデザ、オープニング部分のテキストなどが
できあがる。

9月
完成された一本道ストーリーをVN用のマルチエンドにすることに疑問
を感じ始めるT。
音楽担当DOZAの「クレリック? なにそれ、知らん」のひとこ
とでファンタジーは一般に浸透していないことをあらためて知る。
結局、Tの独断と偏見で企画はお蔵入りとなる。

10月
ファンタジーノベルにかわる企画を急遽立ち上げる。発売予定は2月
末。なんと、あと5ヶ月しかない。
いい加減、暗いストーリーばかりが続いたので開き直ってギャグ満載
のラブコメディーにすることに決定する。
基本的にショートストーリーのオムニバスっぽい形式で、キャラクター
は全部で10人とものすごい数を予定。
この段階ではまだ楽をすることしか考えていなかったTとMは、原画マン
Rと新人脚本家Aを巻き込んで数キャラを担当してもらうことにした。
最初に生まれたキャラクターは格闘少女とロボット。後の葵とマルチである。
11月
まずは葵シナリオを書き始めるT。
作品はバリバリのコメディーで、葵の家族は格闘一家という設定だった。
ストーリーのラストに登場する仮面をかぶった謎の格闘家。正体は
父親だとバレバレのところ実は母親だったという内容だった。
しかし格闘系の資料を集め、暑い魂に触れるうち「これじゃぁイカ
ン!」と思い始めるT。
またもや独断と偏見で熱血スポ魂ものに路線変更。
この変更が後にTH自体の路線を大きく変えることとなった。
THはギャグタッチのラブコメディーからさわやか恋愛ストーリーへ
と変貌を遂げたのだった。

12月
土日返上作業により、ようやく葵シナリオ完成。だが発売予定日の2
月には到底間に合わない知る。
またもや会議室でもめるTとS。討論は夜中の3時まで続く。
発売日を4月に修正することで幕。
悩みに悩んだタイトルだが、ToHeartに決定する。ハートという響き
をなんとなく入れたかったのだ


1月
正月休み返上で委員長シナリオにとりかかる。風邪で熱を出しながら
も出社するT。結果、風邪をこじらせることに。
この頃になって、じつは自分がとんでもない量のテキストを書かなくては
ならないことに気付く。小説ならば文庫で5〜6冊は発売できる量なのだ。