葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round47!!

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55どこまで行くの由紀子さん(1/2)
「……芳しくないわね」
 私はそう言って浩平に向き直る。
「まあ、やっぱり絵がないのは致命傷だと思うが」
「浩平、相変わらず口が悪いわね」
「……だって、仕方ないだろ。事実なんだし」
「分かってるわ。で、どうしたら効率よく票を集められると思う?」
「えーと、とりあえず『葉鍵板100人に訊きました』による萌え調査によると」

 某魔物ハンター
「うさみみ……祐一が可愛いって言ってくれた」

 某生霊うぐぅ
「そうだね、やっぱり口癖がないとね。あと、食い逃げするとかどうかな?」

 某大食い選手
「えーと、カツカレー十人前。きつねうどん二十杯はかるいよ」

 某営業スマイルお嬢様
「あははーっ、ですよ。いいですか、コレで10票はかたいです」

 某がおがお翼人
「うーんとね、観鈴ちんはすぐに泣いちゃうから、よくわかんない」
56どこまで行くの由紀子さん(2/2):01/11/25 00:48 ID:0/Lq6yW1
(……あちゃ。なんだこれ?)
 続きのテープを見る間でもなく浩平は頭を抱えてしまった。
「はは、由紀子さん、参考にならないですね、これじゃあ」
「…………」
 由紀子さんは無言で立ち上がると、どこかに出かけていった。
「怒ったのかな……やっぱり」

 某だよもん星人
「あの、浩平……さっき商店街でちょっとヘンなもの見たんだけど」
「何をだ?」
「えーと、言いにくいんだけど、気のせいかも知れないけど、
 レストランにうさ耳をつけた、うぐぅとかしか喋らない女性が、カツカレー十人前頼んで、
 さらにきつねうどんも頼んでて、そしたら食べ過ぎたせいか……救急車を呼ばれて」
「…………」
「口から泡を吹きながらそれでも、あははーっ、って笑ってるの。不気味?
 ううん、何て言うのかな? 哀れだったよ。そしたら急に泣き出して、大騒ぎだった。
 警察も来てたみたいだよ。そしたら、由起子ちんぴんち。とか言ったんだけど」
「……で、そこまで聞いて、お前は何をしに来たんだ?」
「……なんとなく、叔母さんいるかなと思って……」
「長森、忘れてくれ……」
「……うん、分かったよ」

「……そっか。由紀子さん、結構、切羽詰ったたんだ」

 冬に木枯らし。由紀子の長い冬は終わらない。