葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round47!!
「は?」
我ながら間の抜けた返事だとは思う。
しかし、急に連絡されて、頭が混乱しているのも無理からぬことだろう。
「―ですから、えー、折原浩平君、のご親戚の方ですよね?」
それはここ数年間聞かなかった名前だ。姉の息子。
それ以外に特に感慨は無い。
3年前、私と姉の父が他界して実家に帰った時に会ったきりである。
母親も既に他界していて、それでもう、小坂の家は無くなった。
その頃はせわしない、というよりも多少やかましかった覚えがある。
「―もしもし?」
「あ、申し訳ありません。確かに浩平は私の甥ですが」
浩平の顔を思い出そうとして考え込んでしまっていたらしい。
あわてて私は返事を返した。
「何度もお尋ねして申し訳ないのですが、確かに、浩平君の叔母でいらっしゃる、
小坂由起子さん?」
それも意に介さぬ様子で淡々と話を進める電話の相手。
児童保護相談所の―名前は忘れてしまった。声から判断すると女性のようだ。
仕事疲れか、最近物忘れが激しい。
と、今はそれはどうでもいい。それよりも電話の内容が気になる。