葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round45!!

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909雛山理緒SS・聖夜の雨
「おっ、理緒ちゃんじゃないの。今日はバイトか?」
「うんっ、クリスマス手当ても出るの。いーでしょ」
「いーなぁ、オレもバイトすりゃよかったなあ」
「ダメだよ。恋人がいるひとは、ちゃんと大切にしてあげなきゃ。ね、神岸さん?」
「う、うん……でも、浩之ちゃんがバイトしたいんなら、別に……」
「だめだめ。こういうときこそ、しっかり押さえつけとかないと。ね、藤田くん?」
「理緒ちゃん……なんか今日、やけにキツクないか……?」
「えへへ」
友達の二人と楽しく談笑する理緒。そんな彼女を、店長は複雑な笑みで見つめて。
「じゃ、二千五百円ですっ。――ありがとうございましたっ!」
「雛山さん、おつかれさま。今日はケーキ、ありがとう」
「ううんっ、商売商売っ」
「理緒ちゃんっ」
「――わっ!」
ばさっ。
あかりと笑いあう理緒の帽子が、浩之の手で深くかぶらされて。
「理緒ちゃん、サンキューな。――メリークリスマス!」

「うんっ。どういたしましてっ。――メリークリスマスっ!」
深々とかぶらされた帽子。
浩之の顔も見えぬまま、理緒は浩之にポーズを送った。