葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round42!!

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134理奈とのコーヒーブレイク

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 仕事を終えて、自販機コーナーに向かう。ちょっと一休みしたら帰ろう…。
 するとそこに、コーヒーの紙コップを手にした理奈ちゃんがいた。
理奈「あらっ」
理奈「冬弥君、今日もここでお仕事していたのね。全然気づかなかったわ」
冬弥「うん。今日はほとんど機材室とスタジオを往復してたから…」
理奈「ふふふっ。お疲れ様。相変わらず真面目なのね、冬弥君って」
 そしてポケットからコインを取り出し自販機に投入する。
理奈「冬弥君、ホットコーヒーでいい?」
 えっ、俺に?
理奈「お砂糖とミルクは?」
冬弥「あっ、いいよそんな。俺になんて」
 俺は慌てて手を振る。
理奈「へええ? ノアール…ブラックで飲むんだ。ふふん、かっこいい」
冬弥「いや、そういう意味じゃなくて…」
 砂糖とミルクを遠慮するってんじゃなくて…。
 だけど理奈ちゃんは既に自販機のボタンを押してしまっていた。
 コトン…。
 紙コップの落ちる音がして、それからコーヒーの甘い香りが漂ってくる。
冬弥「ありがとう。俺なんかにこんな。でも、いいの? こんなことしちゃっても?」
理奈「ふふふっ。いいから。私からのご褒美と思っておとなしく受け取りなさい」
 ふざけて言ってるんだろうけど、なんて似合う台詞なんだろう。
135理奈とのコーヒーブレイク:01/11/19 06:32 ID:5+Eylyf7
 ふと、彼女は腕時計をちらっと見て、
理奈「ちょっとだけ、お話ししてもいい?」
冬弥「あ、うん」
 彼女の方が忙しい体のはずなのに。
理奈「よかった。座って」
 促されて俺は彼女と長椅子に腰を掛ける。
冬弥「今日はお仕事の方、もういいの?」
 俺はなんとなく気遣わしげに尋ねる。
理奈「ええ、今日はもうお終い。あとはお家に帰るだけよ」
冬弥「ご苦労様だね。毎日こんな調子で大変じゃない?」
理奈「あら、心配してくれるの? それとも社交辞令?」
 からかうように彼女は俺の顔を覗き込む。
冬弥「いや、そういうんじゃなくて…ただ、ほんとに…」
 俺はどう続ければいいのか判らず、困って笑う。
 そんな俺を、彼女は軽く笑いながらじっと見つめてたけど、不意に目を逸らして、
理奈「優しいのね…」
 そう呟いた。
136理奈とのコーヒーブレイク:01/11/19 06:33 ID:5+Eylyf7
理奈「…由綺が選んだのもなんとなく判るわね」
 ほとんど聞き取れない小さな呟きだった。俺はどういう反応を取ればいいのか判らないまま、彼女の目線の先の、ありもしない何かを探して視線を泳がせた。
 と、不意に彼女の目線が再び俺に向く。
理奈「それとも、誰にでもこんな風に優しいの?」
 意地悪そうな口調に反して、俺を見つめる彼女の顔は、とてもとても優しかった。
冬弥「優しい?」
理奈「そう…」
 その時、彼女の腕時計のアラームが生真面目で融通のきかなそうな電子音を響かせた。
理奈「…もう行かないと。ごめんなさい、引き留めちゃって。本当のこと言うと、いろいろ聞いてもらいたい話とかあったの…。ごめんなさい、また今度でいいわ」
理奈「今度はこんなのじゃなくて、もっとちゃんとしたレストランでね。美味しくないもの、こんなコーヒー」

 笑って、理奈ちゃんは、空の紙コップを軽く、だけど完全に握り潰した。
 なんとなく、迫力があった。

本編転載ね。で、もう一丁喫茶店でのCGも。
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