葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round41!!

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421オガタリーナ230
 客席のざわめきが、かすかに聞こえてくる。
 理奈は、舞台に上がる直前のこの時間が好きだった。
 眩しく輝くスポットライトの下、今日のこの日足を運んでくれた人たちと作り上げる一時。
 それを思うと、心の底から高揚感が沸き起こる。
「……理奈ちゃん、頑張ってね」
 横で同じように舞台を見ていた由綺が、不意にそう言って微笑んだ。
 彼女は、理奈よりも一足先に舞台を下りた。背に満場の拍手を受けながら。
「まかせといて」
 理奈も微笑み返す。
 ……まだ、まだ譲れない。
 自分の為にも、親友の為にも。
 この胸の高鳴りを、自分の想いの全てを皆に伝えるあの場所は。
 あの、輝くステージを
「緒方さん、時間です」
 スタッフが理奈に小声で告げた。
「……いってらっしゃい」
 笑って差し出された由綺の右手を、しっかりと握り返す。
「いってくるわ。あなたの分まで」

 照明が落ちる。
 会場のざわめきが消えていく。
 全てが静寂に包まれる。
 そして。

 虹色に煌く光の中に、彼女の姿が浮かび上がる。

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