葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round39!!
「ねー浩平。手、前に出して」
「なんでだよ?」
「いいから」
しょうがないな、そう言ってポケットにつっこんだ手を長森の前に出す。
そうやって差し出したオレの手に、長森が手のひらを重ねる。
「あ、やっぱり大きいね」
「もしかして、これのために手出させたのか?」
「うん。覚えてない? 昔よくこうやって手の大きさ比べあったの」
そういやそんなこともあったな。
「それで浩平、負けるの嫌だから思いっきり手を広げてたよね」
子どもの時って妙に負けず嫌いだよなあ、そんなことを考える。
それにしても、いつまでもこうしてるのも芸がない。
「よし、このまま手でもつなぐか」
「えっえっ」
そんなとまどっている長森をよそにオレは手を握る。
「浩平の手、温かいね」
つないだ手を握り返しながら、長森が言う。
「ん、そうか?」
「そういえば、手が温かい人は心が冷たいって言うよね」
「どーせオレは冷たい男ですよ」
「でも、それって嘘だよね」
「どうかな……」
「だって浩平ってなんだかんだ言っても結局は面倒見いいもん」
それはお前につきあわされてしょうがなくだ、そう言おうかと思ったけど止めとくことにした。
「寒いね〜」
「もうすぐ冬だからな」
早く雪降るといいね、長森がつぶやく。
「雪? あんなもん寒いだけだろ」
「ムードがあるじゃない」
「ムードじゃ腹は膨れないぞ」
「はぁ……やっぱり、浩平って冷たいかも……」